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毒の爪の使い魔-33


突然のアルビオン――否、新国家『レコン・キスタ』の宣戦布告にトリステインは混乱を極めていた。
首都トリスタニアの王宮内の会議室では、将軍や大臣が集められ会議が開かれていた。
だが、出席者の意見はバラバラで、一向に纏まる気配を見せない。
会議室の上座に座ったアンリエッタの母である太后マリアンヌも、そんな会議の様子に疲れきった表情を見せている。
と、そんな会議の様子を見かねたのか、マリアンヌの隣に座ったアンリエッタが立ち上がった。
「あなたがたは恥ずかしくないのですか?」
突然のアンリエッタの言葉にその場に居る全員の視線が集中する。
そんな彼等の顔を見回し、アンリエッタは凛とした表情で言葉を続ける。
「先程から聞いていれば、一向に纏まりを見せない水掛け論を続けるばかり…。
こうしている間にも、祖国が、民が、危機に見舞われようとしているのですよ?
呑気に話を続けている暇は無いはずです」

そんなアンリエッタに大臣の一人が口を開く。
「しかしながら姫殿下……ゲルマニアとの同盟が結ばれなかった今、トリステインは一国でアルビオン…いや、
新国家『レコン・キスタ』を相手にしなければならないのですぞ? 慎重な対応を心がけねば…」
「慎重と臆病は全くの別物です」
アンリエッタの言葉に、その大臣は一瞬口篭るが、別の貴族が口を開く。
「恐れながら姫殿下…、此度のゲルマニアの同盟破棄は殿下の軽率な行動が原因だと言うではないですか?」
その言葉に今度はアンリエッタが口篭る。
貴族の言葉は続く。
「更にはガリアの王族と思しき女性を、外交問題の危険を省みずに我が城に匿っているとか…。
今のお言葉は正論です…が、此度の混乱には勝手な行動を取る殿下にも責任があるのではないでしょうか?」
アンリエッタは静かに目を閉じる。暫しの沈黙の後、静かに口を開いた。
「…確かに、今回のゲルマニアの同盟破棄の原因は、わたくしの軽佻な行いにあります。
議会の混乱はわたくしが原因とも言えるでしょう。…その事に関してはどれほど謝罪を重ねようと許されるものではありません。
…ですが、今のあなたがたの対応はそんなわたくしでも口を挟まずにはいられません。
敵は正面から宣戦布告を行ってきたのです…、話し合いの席など持たない事は明白。
ならば迅速な対応が求められる筈…、このように無駄に時間を浪費している暇は無いはずです。
…確かに同盟が成り立たなかった以上、我が国は一国で敵を迎え撃たなければなりません。
敵は竜騎士や艦隊も有し、強大です。トリステイン一国では力の差は火を見るより明らか…、戦っても勝機は薄い。
ならば…敵に無条件降伏をするのですか? それだけはありません…いえ、あってはならないのです。
戦わずして敵に降るなど貴族の誇りを捨てるような物……それは死も同然。
なにより民を守らずして貴族を名乗れるのですか? 民を、国を、守り…導いてこその王族ではないですか。
――わたくしは王の器ではないかもしれません…、ただの世間知らずの小娘でしかないのかもしれません…。
ですが…それでもわたくしはトリステインの王族。民を、国を思う心は誰にも負けるつもりはありません。
理不尽な暴力で祖国を蹂躙しようとする者には断固として抵抗します。
わたくしは決して…『レコン・キスタ』に降りはしません!」

アンリエッタの言葉に、最早誰もが口を閉ざしていた。
そんな彼等を一通り見回し、アンリエッタは隣の母に向き直る。
「わたくしが軍隊の指揮を執ります。必ずや…この祖国を守り通して見せます」
そう言ったアンリエッタの表情は決意に満ちていた。
そんな娘の姿にマリアンヌは微笑みながら頷く。
母にアンリエッタは笑顔で返すと、手にしていた物に目を落とす。
その手の中には青い色をしたヒーローメダルが在った。
左手の薬指にはまった風のルビーと共に、ウェールズによって彼の死の間際に託された物だった。

(ウェールズ様……わたくしは、あなたのように勇敢に生きていきます)

心の中で今は亡き思い人に誓いながら、アンリエッタはメダルを強く握り締めた。



――その夜――

――トリステイン魔法学院――



自室へと戻って来たルイズは、指を鳴らしてランプを点ける。
先程までルイズは魔法学院の生徒全員と共にホールでの集会に出席していたのだ。
そこで新国家『レコン・キスタ』による宣戦布告、並びに魔法学院の無期限休校がオスマン学院長により伝えられた。
宣戦布告も驚いたが、それ以上に『レコン・キスタ』迎え撃つ為にアンリエッタが自ら兵を率いる事に驚愕した。
オスマン学院長の話の話を聞いた生徒達は動揺し、口々に大変な事になった、実家に帰ろう、などを囁きあった。
そんな中…ルイズは心中複雑ながら、それでも心の中で一つ決めた事はあった。
ベッドへと歩み寄り、未だ眠り続ける使い魔の顔に手を添える。
「…結局、こうなっちゃったわね…」
彼はよく頑張った。だが、結果として同盟は妨害され、一国で敵を迎え撃たねばならなくなった。
しかし、彼の努力は完全に無駄になったわけではない。タバサの母の身柄を王宮で預かってもらえたのだから。
ルイズは彼の顔を撫でながら呟いた。
「わたし……姫さまと一緒に戦うわね」
そう…それが彼女が心に決めた事。自分が敬愛する姫さまに、大切な使い魔に報いる唯一の方法。
正直禄に魔法も使えない自分に、どこまで…何ができるか分からない。
だが、このまま黙って事の成り行きを見守るよりは幾分もマシだ。何より……彼の努力を無駄にしたくない。
それに何の勝算も無い訳ではない。他の魔法が駄目ならと、爆発の特訓は続けていた。
結果、爆発の場所をある程度までコントロールできるようにはなった。敵の出鼻を挫くには十分かもしれない。
ルイズは懐に手を入れると、何かを取り出した。
それはシエスタの家に置いてあったヒーローメダルだった。
シエスタが”ジャンガの目が覚めるように”と願いを込めてルイズに手渡した物だ。
ルイズは手にしたヒーローメダルをジャンガの頭の横に置いた。
「…絶対戻ってきなさいよ」

ルイズはデルフリンガーに声を掛ける。
「ねぇ…ジャンガの事お願いね」
「ああ…相棒の事は任せておきな。まぁ…お前さんも無理は程々にな、娘っ子」
デルフリンガーの言葉にルイズは笑顔で頷いた。
その時、扉をノックする音が聞こえた。
誰かしら? と考えながら、ルイズは扉を開ける。
そこに立っていたのはキュルケだった。後ろにはギーシュとモンモランシーの姿も在る。
「何よ、あんた達?」
困惑するルイズにキュルケが答える。
「ルイズ…、気持ちは解るけど…一人で無理をしようとするのは良く無いわよ?」
「な、何の事よ?」
「惚けたって無駄よ。単純なあなたの考える事なんて手に取るように解るんだから」
微妙に馬鹿にされた気がするが、ルイズはとりあえず置いておく事にした。
「だから、何を?」
「アンリエッタ王女の所へ行くつもりでしょ?」
図星だった。全く勘だけは鋭い女だ。
ルイズは小さくため息を吐く。
「そうよ。…で、危険だから止めろとでも言う気? 悪いけど…わたしは姫さまの力になるって決めたの」
その言葉にキュルケは笑みを浮かべる。
「別に止める気は無いわ。…ただ、一人で行くよりは皆で行った方がいいじゃない?」
ルイズは目を丸くした。目の前のゲルマニアの女は自分に――否、トリステインに力を貸そうというのである。
途端、ルイズの表情が険しくなる。
「どう言うつもり? ギーシュやモンモランシーはまだ解るけど…あなたはゲルマニアの人間じゃない。
同盟だって結ばれなかったし…今回の事はあなたには関係無い事のはずよ。なのにどうして…」
「別に同盟が結ばれた、結ばれないはわたし達個人の間には関係無い事じゃない。
あなたがアンリエッタ王女の力になるのを自分で決めたように、わたしも自分で決めただけよ」
「でも…あなたはフォン・ツェルプストーの人間で、わたしはラ・ヴァリエールの人間。
いくら何でも家の事情とか…色々と不味いでしょ?」
「だ・か・ら…、その家の事情もこれには関係ないでしょ。
大体、あなたの使い魔とアンリエッタ王女のおかげで、わたしの大切な友人やその母は助かったのよ?
それなのに、このまま自分だけ国に帰るなんて…虫が良すぎるって物よ。
それに…恥ずかしいけれど、あいつに一度命助けられているからね…、恩を返しておかないといけないわ」
「キュルケ…」
キュルケは微笑むと、恭しく礼をする。
「過去の無礼は謝罪するわ。だから、どうかこのフォン・ツェルプストーが、
お力添えするのをお許しになって、ラ・ヴェリエール」
そんなキュルケの態度にルイズは、これ以上無い位に慌てた。
フォン・ツェルプストーの人間がラ・ヴァリエールの人間に頭を下げるなど前代未聞なのだから。
無論、普段のキュルケを知っているギーシュとモンモランシーも、彼女のこの態度には心底驚かされていた。
「か、顔を上げなさいよツェルプストー、…いきなりそんな態度を取られても…困るじゃない」
「ふふ、そうね」
そう言って、キュルケは手を差し出す。
その手をルイズは優しく握り返した。

ふと、ルイズは何かを思い出したように、キュルケの後ろに居るギーシュとモンモランシーに顔を向ける。
「ねぇ、ここに居るって事とキュルケの言葉からあなた達も姫さまの所へ行くのは解るけど…どうして?」
ルイズの疑問にまず答えたのはギーシュだった。
「まぁ…ぼくの場合、父が元帥だからね。家柄上仕方なく、ほぼ強制的に…って事もあるがね」
「嫌々なんじゃないの」
「いや、確かに家の事情も有るが…そうでなくともぼくは姫殿下に協力を申し出ただろうね。
仮にもトリステインの貴族だからね…、お国の為に働こうとするのは当然さ。そして、弱い者を守るのもね」
そんな風に従軍の理由を語るギーシュをルイズは静かに見据える。
昔のギーシュならばこうは言わなかっただろう。…精々前述の理由で強制的に従軍させられたのを嘆いたはずだ。
ルイズは続いてモンモランシーに顔を向ける。
「モンモランシー、あなたは? 戦いは嫌なんでしょ?」
モンモランシーは少し悲しげな表情を浮かべる。
「確かにわたしは争いは嫌よ…。でも、それ以上に傷付いたり…泣いたりしている人がいるのが嫌なのよ。
だから、こんなわたしでも看護兵位にはなれるんじゃないかと思ったの」
そう、と呟くルイズをモンモランシーは静かに見つめ返す。
「ねぇルイズ…、皇太子が亡くなってアンリエッタ様、凄く悲しんでいたの…あなたも解ったでしょ?」
「…ええ」
「わたしがもっと水の扱いに長けていたら…、もしかしたら皇太子は死なずにすんだかもしれない…。
そう思うと…皇太子が死んだ事は私にも責任が有るように感じるの。
代々水の精霊との交渉役を引き受けてきたモンモランシ家の一員のくせに…助けられなかったから」
「モンモランシー…」
ギーシュが心配そうに声を掛ける。
「だからね…この戦争が終わったらわたし、もっとちゃんと勉強しようと思うの。
わたしにはわたしの戦いが、戦い方があって…、もっと強くなりたいと思ったから。
わたしは水の癒しの使い手……わたしの周りに悲しみが在るのは許せない。
在ったら癒さなくっちゃ気がすまないから…」
そう言うモンモランシーの目には決意の色が浮かんでいた。

そんな三人の話を聞き、ルイズは嬉しくなると同時にある事を確信していた。
(あいつが来てから…変わったのかもね、色々…)
ルイズはベットで眠る使い魔を振り返った。
召喚してから問題ばかりを起こしていた彼。
その一方で色々と彼は自分や周りの人達に(本心はどうあれ)尽くしてくれていた。
…それは人生のどん底を経験してきた彼だからこそできた事だと言えるのだろうか?
だとすれば、ある意味では皮肉な事と言える。
だが、理由はどうあれ…彼のお陰で救われた者がいるのは事実。
…今度は自分達が彼の為に頑張る番だ。
(今までありがとう…、今度は私達が頑張るわ。だから…ゆっくりと休んでいてね、ジャンガ)



その翌朝、ルイズ達はアンリエッタの所へ赴くべく、学院を後にしたのだった。



――二日後――

――タルブの村――



「お姉ちゃん…」
不安げな声を上げながら自分にしがみついてくる幼い弟や妹を、シエスタは優しく抱きしめる。
「大丈夫、そんなに怯えないで」
内心の動揺を隠しながら優しくそう言い、窓から外を見上げた。
空には船底に黒い布様な物で覆われた巨大な物体が吊り下げられている、巨大な船が一隻浮いていた。
何が起こっているのか全く解らない…、突然の事にシエスタだけでなく両親も――否、村中の人々が困惑していた。
と、船から無数のドラゴンが飛び上がった。
(何が起こってるの?)
そうシエスタが思った時だ――窓の直ぐ外の地面から、青白い光と共に巨大な生き物が姿を現した。
「え?」
真っ赤なその生き物にシエスタは見覚えがあった。…そう、確かモット伯の屋敷で見かけた事がある。
だが、あれは一抱えほどの大きさだったはず…、目の前のは三メイルは軽くある巨体だ。
と、巨大な幻獣が短くも太い腕を振り上げ、力任せに窓を殴り付けた。
ガシャーン! と音を立てて窓が割れる。割れたガラスの破片が室内にばら撒かれる。
「ムゥーーーッッッ!!!」
幻獣は見た目通りの迫力に欠ける可愛らしい鳴き声を上げる。
だが、シエスタやその妹や弟達にはそんな風には感じられない。感じる暇が無い。
鋭い爪を振り上げ、幻獣がシエスタへと躍りかかる。
その時、幻獣の顔に飛んで来た椅子が激しくぶち当たった。幻獣は痛みにひっくり返る。
シエスタが後ろを振り返ると父と母が居た。
父は震えるシエスタに向かって「森へ逃げろ!」と叫んだ。

騒ぎが起こっているのはシエスタの家だけではなかった。
ある所では青や赤の巻貝を背負った幻獣が、大砲やミサイルを村の至る所に撃ち込んでいた。
別の場所では水晶を持った小柄な幻獣が、炎を操って村中に火を放っていた。
また別の場所では杖を持ったオバケが、メイジのように魔法を操って村人を襲っていた。
空に浮かぶ巨大な船から飛び立った竜騎士の駆る火竜も、村の家々に次々とブレスを浴びせた。

瞬く間に平和な村であったタルブは、阿鼻叫喚の地獄絵図へと塗り替えられていった。



「フン、フフン、フ~ンフ~ン♪」
遥か高みに浮かぶ戦艦『レキシントン号』の舷縁の上に乗り、眼下に広がる光景をジョーカーは楽しげに見物していた。
その傍にはフーケ、そしてミョズニトニルンことシェフィールドの姿もあった。
ジョーカーは口元に手を沿え、楽しげに笑う。
「のほほ、中々に良いシチュエーションですね~。飛び交う悲鳴、逃げ惑う人々、最高ですよ♪」
「ジョーカー、楽しむのもいいが…本来の目的を忘れてはないだろうな?」
シェフィールドの言葉にジョーカーは笑いを引っ込める。
「解っていますよ、シェフィールドさん。忘れる訳無いじゃないですか~、嫌ですねぇもぉ~♪」
言いながら再び顔をニヤけさせる。
そんな二人の会話を聞き、フーケが怪訝な表情を浮かべる。
「どう言う事? 『レコン・キスタ』の目的はハルケギニアの統一じゃなかったの?」
「勿論、そうですが?」
何を今更、とでも言わんばかりにジョーカーは答えた。
フーケの表情が更に曇る。
「じゃあ、今そっちの秘書様が言った”本来の目的”ってのは何の事だい?」
「たかが盗人風情が知る必要は無い」
シェフィールドはそう言い、射抜くような視線を向ける。
フーケも伊達に裏の世界を生きてきた訳ではない。僅かに気圧されたが、すぐさま睨み返す。
しかしシェフィールドは顔色一つ変えない。
「ワルド子爵は不手際を犯したゆえ、断罪された。お前も余り余計な詮索は控える事だね」
「言ってくれるじゃないさ」
互いに一歩も引かず、睨み合う女二人。
「シェフィールドさん、マチルダさん、…喧嘩はそこまでです」
唐突にジョーカーが声を掛けた。
シェフィールドがジョーカーを振り返る。
「どうした?」
「お客様のご到着ですよ」



目の前に広がる光景にルイズは唇を噛み締めた。
数週間前…自分とタバサがシエスタに誘われてやって来た平穏な村。
貴族の高貴な暮らしとは程遠かったが…とても暖かく、穏やかだった。
そこには紛れも無く”幸せ”があったのだ。
…それが今はどうだ? 無数の幻獣や竜騎士、艦隊に無慈悲にも蹂躙されている。
美しかった草原も、素朴な感じの家々も焼き払われ、破壊しつくされている。
シエスタがジャンガに見せたかった草原も見る影も無い。
――許せない…、絶対に!
ルイズは馬の手綱を握り締めながら自分達の敵『レコン・キスタ』を睨みつけた。
「ルイズ、あたし達も同じ気持ちよ」
キュルケが声を掛けてくる。
ギーシュもモンモランシーも一斉に頷いている。
「絶対に勝ちましょう」
「当然よ!」
ルイズは力強い声で答えた。

アンリエッタは部隊に的確に指示を伝える。
陽動の為にグリフォン隊が動いた。それを迎え撃つべく竜騎士も動く。
火竜のブレスが、魔法が次々に飛び空を激戦の色に染めていく。

空の戦いが始まると同時に地上の魔法衛士隊も馬を駆り、地上の敵へ突撃する。
それ目掛けて牙をむき出しに、ニヤニヤした笑顔を貼り付けた幻獣達が両の大砲を、ミサイルランチャーを構えた。

『グリッヅ』――背中に星のマークの入った大きな巻貝を背負った中型幻獣。
頑丈な殻で身を守り、腕の代わりに付いている二門の大砲から砲撃して敵を倒す。
殻の色で個体や階級が分かれており、青=二等兵、緑=上等兵、白=伍長、紫=軍曹となっている。

『ジャイアントグリッヅ』――グリッヅの大型種。巨体に見合った巨大な殻は頑丈で、
中には特殊鋼で出来ている種類も存在する。巨大化した大砲は戦艦クラスの破壊力を誇る。
しかし、狙いは正確ではなく、どちらかと言えば四方八方に乱射するだけだったりする。
階級は青=大尉、緑=少佐、白=大佐。

『ジャイアントグリッヅファランクス』――グリッヅファランクスの大型種。
あらゆる幻獣の中で最も凶暴且つ、強力な種族。
両サイドのミサイルランチャーは大型化した分、破壊力も推進力も飛躍的に高まっている。
無論、背中の貝殻もより強固になっており、並の攻撃では傷跡一つ付かない。
階級は紫=少将、黄色=中将、赤=大将。
また、グリッヅの中でも強力な個体である為、その役割もそれぞれ定められており、
少将は旅団長、中将は師団長、最も強力な大将は司令官となっている。

グリッヅの砲撃、グリッヅファランクスのミサイルが魔法衛士隊に次々と打ち込まれる。
下手な魔法なんぞ軽く凌駕する威力の爆風は、魔法衛士隊の隊員達を風の前の塵同然に吹き飛ばす。
それでも砲撃を掻い潜った魔法衛士隊は杖を構え、次々と空気の刃や燃え盛る炎を幻獣の群れ目掛けて飛ばした。
無数の魔法が幻獣の群れに直撃した。ムゥやプヲン、ササミィなどが魔法の威力に次々と消滅する。
だが、それもほんの一部。未だ健在な幻獣の群れは歩みを止めない。
バーニィの炎が、スラッツァのカッターが、マギ達の操る魔法が次々と魔法衛士隊を襲った。
更に魔法衛士隊へと犬のような姿をした幻獣が突撃する。
その幻獣は馬にぶつかるや次々に自爆し、魔法衛士隊を吹き飛ばしていった。

『ブッピィ』――ブルドッグのような姿をした小型の幻獣。
その姿からは想像できないが、全身が爆発物質でできた動く時限爆弾とも言える危険な存在だ。
近づく物に反応し、周囲を巻き込んで自爆する。
ボルクに多く生息し、戦時中は兵器として運用されていた過去がある。

ブッピィの自爆攻撃に怯んだ魔法衛士隊へ、止めとばかりにグリッヅ達が大砲とミサイルランチャーを構える。
照準器になっている両目で狙いを定め、発射しようとする。

――そんなグリッヅ達の一角に、突如として巨大な”爆発”が巻き起こった。



「いい気味ね」
爆発で吹き飛んだ幻獣達が消滅するのを見ながら、ルイズは呟く。
無論、今の爆発は彼女による物だ。
アンリエッタには止められたが、後ろで見ている事などルイズにはできなかった。
向こうではギーシュのワルキューレが、やりムゥとたてムゥの大群と渡り合っている。
ワルキューレの槍が次々と敵を貫く。
別の場所ではバーニィやマギを相手に、キュルケが派手な打ち合いを行っている。
火炎が複数の幻獣を飲み込み、跡形も無く焼き尽くしていった。

以前のままなら、こうは善戦できなかったろう。
それは彼女達の地道な努力のたまものだった。
並みの幻獣は最早、彼女達の敵ではありえなかったのだ。



「旗色が悪いようね」
シェフィールドの呟きに、ふむ、とジョーカーは顎(?)に手を添える。
竜騎士とグリフォン隊の方はともかく、地上の戦況が著しくない。

一番の原因はルイズの放った爆発だ。
爆発はグリッヅ達の一部を吹き飛ばすだけに留まらなかった。
体内の火薬やミサイル、果ては近くのブッピィへと引火し、途方も無い大爆発を巻き起こしたのだ。
それが群れの中心で起きたのだから、被害は甚大だった。
結果として幻獣達の統率は乱れ、ついには混乱から同士討ちすら始めているのもいる。
そこへ魔法衛士隊も攻撃を再開、一気に群れは追い込まれる形となった。
更に悪い事に、誤射されたジャイアントグリッヅファランクスのミサイルの一発が、竜騎士隊のど真ん中で爆発。
多数の竜騎士に被害が出ていた。

ジョーカーは、しかしなんら慌てる事無く、暫くそれらを静観していた。
「ミスタ・ジョーカー、ミス・シェフィールド、どうなっているのだ?」
声に振り返る。落ち着かない表情で喚いている三十代の半ばほどの男が居た。
オリヴァー・クロムウェル――『レコン・キスタ』の総司令官……だが、所詮は傀儡にしか過ぎない小心者。
先程の演説の際の態度は何処へやら…、内心の不安を隠そうともしていない。
そんなクロムウェルの様子に、事情を知らないフーケは怪訝な表情を浮かべる。
と、不安にするクロムウェルに向かってジョーカーは口を開く。
「何を怯えているのですか…クロムウェルさん? あの程度の抵抗はある程度予想通りでしょう。
これからが面白くなる所です。そう…これからがネ~♪」
楽しそうに笑い、ジョーカーは指を鳴らす。
と、船の置くから何かが大勢やってきた。
その現れたものを見て、フーケが目を見開く。
「な、こいつら!?」
「のほほほほ♪ あの方達への相手としては実にいいでしょう。…恐怖を味あわせるにはネ」



「えい!」
杖を再度振る。爆発が巻き起こり、ジャイアントグリッヅが三体ほど吹き飛んだ。
それを確認し、ルイズは周囲を見渡す。幻獣の群れも大分数が減ってきた。
このまま押し切れば…いける! …そんな風に思った時だ。
突如、前方の空間が歪み、十メイルほどの巨体のジョーカーが現れた。
「ジョーカー!」
「のほほほほ、お久しぶりですネ~。元気になさってましたか?」
「おかげさまで、不機嫌よ!」
叫ぶや、杖を振る。ジョーカーの眼前で爆発が巻き起こった。
「アッチチチチチチチ!? な、なんといきなりですか!? ぼ、ぼぼ、暴力反対ですよ!?」
「あんたが言えたセリフ!? シエスタの村を滅茶苦茶にした仇も一緒にとってやるわ!」
顔を摩りながらジョーカーは笑う。
「できるのならやって御覧なさい。…あれに勝てたらの話ですがネ~」
ジョーカーは言いながら上空を指差す。見れば無数の幻獣が降下してきている。
それは学院でルイズを捕まえたケイジィだ。その鳥かごの様な胴体の中に何かしら人影のような物が見える。
「何よ、兵隊でも降ろして来てるの?」
次々とケイジィが着陸し、胴体の中のものを開放する。
その出て来たものを見て、ルイズ、ギーシュ、キュルケ、モンモランシー、アンリエッタの五人は驚愕した。
「何で…?」
ポツリとルイズが言葉を洩らす。

ケイジィが開放した物――それは、夥しい数のジャンガだった。



「のほほほほ、驚きましたか?」
ジョーカーの笑い声が木霊するが、ルイズ達の耳には入らない。
何故? どうして? その二つの言葉が脳裏を過ぎる。
今学院で眠っているジャンガが…、しかもこれだけの数が?
分身? いや、それだとあれだけの幻獣でわざわざ運んできた意味が解らない。
実体のある奴だとしても、あれは三体が限度だと前に本人が言っていたし、
三体以上出している所も見ていない。
何より……どうしてあいつの所にいる?

解らない…、解らない…、解らない…。

と、悩むルイズを他所に、魔法衛士隊は無数のジャンガ目掛けて突撃する。
先陣を行く隊員の一人が杖を構えた――瞬間、腕ごと切り落とされた。
痛みに悲鳴を上げる暇も無く、爪が首を薙いだ。
瞬く間にやられた隊員を認めた数人が杖を構え、魔法の矢を放つ。
しかし、そこには馬と絶命した隊員がいるのみ。矢が当たり、馬が悲鳴を上げる。
その数秒後にはその隊員達も最初の隊員と同じ運命を辿った。

紫の影が…、紅い風が…、奔る度に命が散り、赤い花が咲く。

時間にして僅か数分――攻撃を仕掛けた魔法衛士隊の隊員達は、一頭の馬も残す事無く壊滅した。

「どうして……どういう事?」
訳も分からず呟いたルイズの耳にジョーカーの声が聞こえてきた。
「のほほほほ、種明かしが必要ですか? 何故…これだけの数のジャンガちゃんが居るかと言うね?」
「当然よ!! こいつらは何!? あんた…一体あいつに何をしたのよ!?」
「別にジャンガちゃんには何もしていませんよ? …まァ、血を少々貰った位ですかね?」
「血?」
ジョーカーの掌に一匹の幻獣が現れた。その幻獣の姿にルイズは見覚えがあった。
…確か、ニューカッスルの城で、ジョーカーが消える直前に呼び集めていた。
「この子達はマイドゥちゃんといいます。お金が大好きな幻獣ちゃんでしてね、
大きなお口で次々と吸い込んじゃうんですよ。『悪魔のガマグチ』なんて呼ばれていたりもするんですよネ」
「それが一体何だってのよ!?」
「あの時……この子達を放っていたのは、お金を集める為なんかではないのですよ。
…実は、血を吸い込んで集めさせていたのですよ、はい」
「え?」
ルイズは唖然とした表情を見せる。…血など集めて何をしたというのだろう?
ジョーカーは言葉を続ける。
「マイドゥちゃん達が集めた血を、ワタクシはとあるマジックアイテムに使ったのですよ。
『スキルニル』……血を吸った相手に化ける事の出来るマジックアイテムにネ」
そこまで聞いてルイズは、ハッとなり、眼前の無数のジャンガに目を向けた。
ジョーカーはニヤリと笑う。
「ようやくご理解できましたか? そう、そのとーり! 吸い込み集めたジャンガちゃんの血を使い、
スキルニルによるジャンガちゃん軍団を作ったわけです! あ~~、ジャンガちゃんに囲まれてハーレムですよ♪」
ジョーカーは手を組み、心底幸せそうな声を上げる。――対してルイズは怒り心頭。
「あんた! こんな事して、あいつの評判がガタ落ちになるじゃないの!?」
「はて? いつからジャンガちゃんは良き隣人……みたいなものになっちゃったんですか?
ジャンガちゃんは…毒の爪は恐怖の象徴! 安っぽい正義の味方じゃないんですよ?」
「黙りなさいよ!!! ジャンガはもうあんたと一緒にいた時とは違うのよ!!!」
ルイズの言葉にギーシュとキュルケも続く。
「そうだとも! 昔は卑劣な奴だったが、今の彼は勇敢な戦士だ。尊敬に値するほどにね!」
「あたしも彼の事は恨んでいたわ、タバサを傷付けられてね。でも、今は違う……少なくとも恨んではいないわ」
そんな二人の言葉にルイズは嬉しくなった。
(ジャンガ……聞こえてないでしょうけど、あんた…凄く気に入られてるわ。…羨ましい位に)

そんな彼女達の言葉にジョーカーは両手を広げ、大げさな仕草でため息を吐いた。
「ハァ~…やれやれですね。物事を自分の都合のように曲解し、強引に周囲に認めさせる……我侭ですネ。
――そんな身勝手な方達には少~しばかりお仕置きが必要のようですネ」
ジョーカーの言葉に呼応するかのように、スキルニルのジャンガ達が一斉に爪を構える。
ルイズ達も杖を構えて身構える。
だが、相手は正体がマジックアイテムでも、曲がり間違ってもジャンガだ。更にその数が数である。
…果たして自分達の力が何処まで通じるか?
「さぁさぁ、ルーン以外完璧に再現されたジャンガちゃんのスキルニルの力存分に味わっちゃってくださ~~~い! イッツ――」
お約束の台詞を口にしようとした瞬間、ジョーカーの顔面に何処からとも無く飛んできたエア・ハンマーが衝突した。
たまらずジョーカーはひっくり返る。
一体誰が? そう思いエア・ハンマーが飛んできた方向を見上げる。
そこには見慣れた一匹の風竜が飛んでおり、その背中にはこれまた見慣れた…それでいて暫く見なかった人影が在った。
「「「タバサ!?」」」
ルイズ達三人は異口同音にその名を口にした。

シルフィードが地面へと降り立ち、タバサは軽やかな身のこなしでシルフィードの背中から飛び降りる。
その動きは実によく洗練されたものであり、一挙一動にまるで隙が無い。
それを見ただけで、キュルケはこの小さな親友が以前とは違う事を悟った。
おそらく、ここ一ヶ月近い間に姿を見なかったのは何らかの修練を積んでいた為だろう。
…その理由もキュルケには何となく理解できた。
(あいつの為……か)
タバサは三人に歩み寄ると静かに口を開く。
「遅れた」
「遅くないわよ、まだまだこれからって所よ」
謝罪する彼女にキュルケが語りかける。
「十分間に合ってるわ。あなたが来てくれて心強いわ」
タバサは静かに頷く。と、ジョーカーが立ち上がった。
「あ痛たたたたた……、もう! 不意打ちとはやってくれますね…シャルロットさん!?」
憤慨したジョーカーが声を上げる。
それをタバサは涼しげな声で聞き流す。
「戦いの最中に喋っている方が悪い」
「ムキィィィィィィーーー! 言ってくれますね!? ならば、お遊び一切無しです!
スキルニル軍団、やっちゃってくださーーーい!!!」
ジョーカーの叫び声にスキルニルが一斉に動き出す――前に、驚くほどの反応速度でタバサが飛び出していた。

ジャンガのスキルニルの一体が胴切りにされる。
接近戦用の呪文『ブレイド』で真空の刃を纏った、タバサの杖の一撃による物だ。
容易く両断したその切れ味は非常に鋭い。
だが、恐怖を感じないスキルニルは次々にタバサに襲い掛かる。
毒の爪、速度、分身、カッター…、過去散々に苦しめられたそれらの武器を振り翳して襲い来るそれらを、タバサは迎え撃った。

「な、なんと…」
ジョーカーは驚きの声を上げる。
四方八方から襲い来る爪や蹴り、カッターをタバサはなんとも身軽な動きでかわしていく。
それ事態は別に特別な事ではない。驚いた事は別にあった。
タバサは攻撃を捌きながら、ブレイドで的確にスキルニルを攻撃しているのだ。
爪を避けるとその腕を切り落とし、蹴りが来れば足を切り落とす。
隙があれば胴体へと一撃を加える。実に見事な……踊っているようにも見える華麗な動きだった。
ジョーカーは信じられない物を見ている気分だった。
何しろタバサが接近戦は不得意だと言う事は知っており、何よりも先の決闘ではジャンガに手も足も出なかったのだ。
ゆえに…これほどの完璧な対応ができるとは夢にも思わなかった。これは一体全体どう言う事だろうか?

爪の一撃をかわしながらタバサは杖による斬撃を叩き込む。
相手が両断されたのを一瞥し、別の一体の攻撃を避けた。
――手に取るように動きが解る…、今の自分は彼と並んだのだ。
数回打ち合い、そう確信する。
あの日、タバサは更なる精進を心に決め、ファンガスの森へと踏み込んだ。
そして二度と彼の足手纏いにならないようにと、合成獣<キメラ>を相手にして己を鍛えなおした。
無数のキメラを相手にした結果――苦手だった接近戦を克服し、呪文の威力を高める事に成功した。
今、こうしてジャンガのスキルニルを相手にしている事は、修行の完成となるだろう。
以前と似通った状況で彼と戦う……それは以前よりも強くなった事の何よりの証となる。
…彼を利用されている事に腹は立っている。だが、それが自分の修行の成果の証明になったのは、なんとも皮肉な物だ。
しかし、タバサは内心の複雑な思いを振り払い、眼前の敵へと立ち向かっていった。



「うむむ……少し不味いですかね?」
次々とスキルニルが倒されていくのにジョーカーも少し焦りを感じ始めていた。
空を見上げる。途端、ジョーカーの顔が更なる笑みに包まれる。――太陽が二つの月に遮られ始めていた。
「来ましたよ……日食!」
ジョーカーは天を仰ぎながら叫んだ。
スキルニルが戦闘を止め、ジョーカーの元へと集まる。
「何?」
タバサはその不可解な動きに怪訝な表情をする。と、ジョーカーに変化が起き始めていた。
黒いベールに包まれ、巨体が更に膨張する。
離れていた手が、足が身体と一体化し、長く伸びる。
身体の形も変化を見せ、皿のような円盤状に変わっていく。
それらの変化が終わり、黒いベールが取れ、ジョーカーの姿が露わとなった。
その姿にタバサ達は目を見張る。
それはフラワージョーカーではなかった。
手足は指が無い先端の尖った形で、身体は甲羅のよう。
普段の姿やフラワーの時とは違い、頭と身体は完全に分かれていた。
一言で言い表せば、それは”海亀”そのものだった。
だが、その身体から発せられるプレッシャーは、それまでの物とは段違いなのが肌で感じられる。
「のほほほ……怖いですか?」
ジョーカーが笑う。その笑みにすら恐怖を感じた。
タバサの背を冷たい何かが走る。
見れば、ジョーカーの左腕がいつの間にか炎を纏っている。
ニヤリと笑い、ジョーカーはその左腕を、まるで槍を突き出す動作のように大きく後ろへ引く。
タバサは直感的に何かを感じ取った。そして後ろへ向かって叫ぶ。
「伏せて!」
タバサの叫びにルイズ達は一斉に伏せた。
直後、頭上を何かが凄まじい勢いで通り過ぎる気配を感じた。

「痛ッ…」
「殿下、大丈夫ですか?」
「…ええ、平気よ」
自分を気遣う女性騎士にアンリエッタは答える。
だが、いきなり横から飛び掛られた時には何が何だか解らなかった。
巨大な道化師のような幻獣が変身したかと思うと、その左腕を突き出そうとした。
――その瞬間に目の前の女性騎士に飛びつかれたのだ。
「一体どうしたのです?」
「すみません、殿下。ですが……なにやら危険な感じがしたので」
「危険? 別に何も変わってはいないようですが?」
自分の跨っていたユニコーンが目の前に立ち、その向こう側に魔法衛士隊の隊員達の足が見えた。
と、唐突にユニコーンの身体がぐらつき、アンリエッタの方へと倒れこんだ。
「うっ…」
アンリエッタは短く声を漏らす。――倒れたユニコーンは右半身が無かった。
鋭利な刃物で切り取られたかのような真っ二つの状態であり、その断面は黒焦げて炭化している。
そのユニコーンの骸の向こうに目を向け、アンリエッタは更に愕然となった。
魔法衛士隊の隊員達の姿が無かったのだ。…いや、足はあった――”その上”が無かった。

「のほほほ…、少しやりすぎちゃいましたかね?」
ジョーカーが笑う。だが、後方で起きた惨状を見たタバサやルイズ達は決して笑えなかった。
ジョーカーが突き出した左腕から伸びた炎は、凄まじい勢いと威力で後方の魔法衛士隊を直撃。
炎の持つ凄まじい高熱は、瞬く間に隊員達の身体とユニコーンの右半身を焼失させたのだ。
一目で理解した。あの炎の威力はフラワーの時の比ではない。
タバサはジョーカーへと向き直り、油断無く身構えた。
「ではでは、久しぶりにこの姿で暴れさせてもらいましょうかネ~? ”ビーストジョーカー”行きますよーーー!!!」

ジョーカー……否、無敵の幻獣ビーストジョーカーは高らかに笑った。


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