あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの社長-23


青と赤、二つの月が照らす夜空を進む空かける船の甲板に、ルイズと海馬はいた。
二人の髪の毛を軽やかに風が流している。
そんな中、ルイズの表情は影がさしているように暗かった。
『話がある』
そう言って海馬を呼び出したものの、何から話していいものか迷っていた。
いや、聞いて欲しい事はただ一つ。
自分の存在価値。
この旅に置いての自分の価値とはなんだろうか。
先ほどの戦闘の中で、ルイズが大きく心揺さぶられた事はそれだった。
アンリエッタは自分よりも強い。
いや、アンリエッタだけじゃない。
瀬人はもちろん、コルベールもメイジとしてトライアングルの腕前がある上に、デッキを持っているデュエリスト。
海馬瀬人を使い魔として召喚したあの日以降の出来事で、デュエリストの強さというものは嫌というほど理解している。
そして、タバサ、キュルケは共にデュエリストではないものの、トライアングルのメイジ。
それに比べて自分はどうだ。
瀬人を召喚して以降も、以前と変わらず四大系統の魔法を発動させようとすれば、大爆発が起こる。
相変わらず『ゼロのルイズ』のままだ。
そんな自分が、なぜここにいるのか…。
「おい、ルイズ。人を呼びつけておいてずっと黙っているつもりか?
俺はそんなことに付き合っているほど暇ではない。月見なら一人でしていろ。」
「……っ!あっ…の…」
「なんだ、言いたい事があるならはっきり言え。」
ルイズは思いのままに、さっき考えていた事を海馬に伝えた。
だが、ルイズの必死な思いとは真逆に、海馬はつまらなそうに返した。
「くだらん。そんなことか。」
「そ、そんなこととは何よ!私にもっと力があれば…姫様の力になれると思って。」
「問題なく敵から逃れられたというのに、自分の功を望むつもりか?」
「ちがうっ…そうじゃなくって。もしも…もしもよ?
あんなに強い姫様に迫る危機が訪れたとして、そんな敵が相手になったときに…私になにができるんだろうかって。
私がここにいる意味って…そう…思ったら…」
俯き、顔を伏せるルイズの瞳には、うっすらと涙が見えた。
そんなルイズの様子を見ながらも、海馬は淡々と言葉を繋いだ。
「ある男が言っていた。デュエルモンスターズのカードに、意味の無いカードなどないと。
だが俺はそうは思わん。俺にとっての雑魚カードに存在する意味など無い。」
海馬の言葉を聞き、ルイズは一層俯き悔しさから歯を食いしばる。
悔しさから更にあふれ出そうになる涙をこらえて、声を絞り出す。
「私が…このメンバーの中ではいらない雑魚カードってこと…?」
「違うな。間違っているぞルイズ。価値を作り出すのは己自身だ。
どんなカードにも漠然と意味があるのではない。デュエリストがカードに価値を見出したとき、初めてそのカードに存在する意味が生まれる。
自らの意思で自分を雑魚と思い込み、悲劇のヒロインの喜悦に浸るも良いだろう。
だが貴様の価値を決めるのは、まず第一に貴様自身だ。」
そういうと、海馬は背を向けて船内のほうへと戻っていった。
「なによ…勝手な事言うだけ言って。」
ルイズは涙を拭き、海馬の去っていったほうを見つめつつ考えた。
(私の価値を決めるのは、私自身…。)



「……一国の姫が盗み聞きとは趣味が悪いな。」
「聞く気は無かったんですけれど…。」
海馬が曲がった先には隠れるようにして聞いていたアンリエッタがいた。
その顔には誤魔化す風でもなく、少し曇った表情を浮かべていた。
「ルイズが、そんな風に思っていたとは…」
「心当たりが無かったわけではあるまい。ルイズが貴様に仕えることに必死なのは、誰が見ても明らかだ。」
「えぇ…。彼女は立派なトリステインの貴族であろうとしている。
魔法が成功しないと言うことが、ルイズにとって余計にそれを強く意識させている。
そしてそれを知りながら、今私がルイズにかけてあげられる言葉は無い。」
アンリエッタが今のルイズにどんな慰めの言葉をかけようと、それはルイズの心を傷つけるだけの結果になる。
ルイズが『立派な貴族』を志す以上、自身の弱さを使えるべき主に慰められる事ほど辛い事は無いだろう。
そしてそれは、ルイズの『友人』であろうとするアンリエッタにとっても辛い事だった。
「だが、ここからどうするかはルイズ自身の問題だ。他人がどうこうしてやる事ではない。」
「……使い魔らしくない発言ですね。ルイズはあなたの主人でしょう?
それを他人のように言うなんて。」
「俺はルイズの犬になった覚えは無いし、主人などと思ったことは一度も無い。」
「……」
「だがルイズが進もうとするロードに、俺の助けが必要ならば力を貸してやるというだけの話だ。」
「変わった使い魔ですね。あなたは。」



「あぁ、こんなところにいた。」
不意に後ろからかけられた声に振り向くルイズ。
「なんだ…。」
「なんだとは失礼ね。船中探し回った相手に対して。」
声をかけてきたのはキュルケだった。
「別に探してくれなんて頼んでないわよ。何の用?」
「ん?あぁ、ルイズ。あなたほら昨日寝込んでた上に、あの騒ぎでそのまま船に乗ったじゃない。
お腹すいているんじゃないかと思って、これ。」
キュルケは手に持っていた袋をルイズに差し出した。
何かがぎっしりとつまっているようで、その袋は膨らんでいた。
「何よその袋?」
「ほら、学院を出る前にシエスタが焼いてくれたパン。ドローパンって言うシエスタの故郷の名物の一つらしいわよ。」
「あぁ…」
そんなものもあったな、とルイズは思い出した。
つい先日の事も忘れているようじゃ、よっぽど思い詰めていたのかと、自嘲気味に思う。
そう言われて自覚すれば、当然空腹の度合いは加速度的に上がるもので、
狙い済ましたかのようなタイミングでルイズの腹の虫が鳴った。
「…頂くわ。一つ頂戴。何の味のパン?」
「さぁ?」
「さぁ?って…あんた食べてないの?」
「味は自分で引いてみてのお楽しみ、って手紙に書いてあったわよ。私が引いたのはカレー味だったから、
メモに書いてあった『灼熱のクリムゾンカレーパン』だと思うわ。」
「…何その名前。普通のカレーパンじゃないの?」
「タバサはハシバミ草の苦味の中に、バラの香りが隠されているとか言っていたから、たぶんこの『ブラックハシバミガイル・ローズスペシャル』じゃない?」
「…どこからそう言う名前が思いつくのかしら。まぁいいわ。」
ごそごそと袋の中から一つパンを選ぶルイズ。
適当に手に取ったパンを一口、口に含むと、好物のクックベリーパイでおなじみの香りが広がってきた。
「クックベリーのジャムかしら…。結構美味しい。」
「クックベリー、クックベリー…あ、これか。」
メモを見ながらルイズが引いたドローパンの名前を探しているキュルケ。
もきゅもきゅと美味しそうに頬張っているルイズを見て、キュルケは告げた。
「さっきまで辛気臭い顔してたと思ったら、今はそうでもないのね。
気がまぎれる事でもあった?」
んっ!っと図星を刺された事に驚いたのか、むせるルイズ。
とんとんと背中を叩きながら、平静を装ってキュルケに返した。
「…べつに?そもそもツェルプストーに心配されるような事なんか無いわよ。」
「家の名前なんか持ち出さなくてもいいのに。まぁ、それならそれでいいわ。
…さっきコルベール先生と船長が話していたのだけれど、今のアルビオンは反乱軍が現在圧倒的優位。
ニューカッスルに布陣した王軍の状況は、だいぶ厳しいみたい。」
「ウェールズ皇太子については?」
キュルケは首を横に振る。
「生きているという事だけどこの状況じゃあね。どこにいるのかがわからなければ、手紙を受け取るのも至難だって言うのに…」
そう言ったきり、二人の間に会話が途切れる。
二人の視線の先には、大きな雲と2色の双月が輝いていた。
まだ見ぬアルビオンでのこれからのことを考えると、憂鬱にもなろうというものだ。
いまだ夜が明けない大空の上。
ふと見ると、この船の傍にもう1隻別の船が近づいていた。
ルイズ達の乗り込んだ船よりも一回り以上も大きく、いくつもの大砲が装備されているのが目に付いた。
「凄い装備…軍艦かしら?」
「っ!?まさか反乱軍の軍艦じゃ…」
「伏せろ!!!」
声に驚いたルイズとキュルケが反射的に体を伏せるのと、軍船の大砲から爆発音と共に玉が発射されるのはほぼ一緒だった。
轟く轟音と共に砲弾は船をかすめて飛んでいった。
しかし、それを強引に回避しようと船の舵を思い切りきったため、船体が大きく振れた。
「うわっ!?」
「ルイズっ!?」
小柄なルイズの体がふわりと反動で浮き上がり、大空へと投げ出されそうになる。
(落ちるっ!?)
大地が遠く見えるこの高さで落ちたら…キッと目を閉じたルイズの手を何かがつかんだ。
「瀬人!?」
ルイズが飛ばされた直後、海馬の体は甲板から駆け出し宙に舞った。
海馬はそのままルイズの手を引き自分の胸元に抱きかかえる。
だが、その足元には着地する甲板は存在しない。
あるのは遥か下に広がる大地のみ。
「しっかりとしがみついていろ!!」
ルイズはこくんと首を振り、海馬の首に手をかけ、しっかりと抱きつくように体を密着させる。
そして海馬はデュエルディスクに手をかける。
「出でよ、ブルーアイズ!ホワイトドラゴン!!!!」
閃光と共に現れた純白の龍がルイズと海馬を背に乗せる。
そして、軍艦とルイズ達の乗っていた貨物船の間に舞い上がる。
「あ…ありが…と…」
「いいから離れろ。重い。」
「なっ!!重いって何よ重いって!!」
『二人ともー!大丈夫!?』
貨物船のほうを見ると、船員からメガホンをかっぱらって叫んでいるキュルケがいた。
キュルケだけでなく、アンリエッタやコルベール、この船の船員達も甲板に集まっていた。
『この船は空賊よ!この戦乱に乗じて最近活動が活発になっているらしいわ!』
「つまりはコソ泥というわけか。」
「じゃあ、別に退治しても問題ないわね。」
そう言ってルイズと海馬の視線が合う。
メイジと使い魔。
二人の考えが、このとき初めて一致した。
『ちょっと!早く戻ってきなさいよ!!』
甲板から叫び声をあげているキュルケを無視し、ルイズと海馬は眼前の空賊たちに集中していた。
「コソ泥風情が、この俺のロードを妨げようとはな。」
「私達のロードの前に現れるということが,どう言う事か教えてあげようじゃない!」
二人の声が一つとなり、ブルーアイズへと命令を下す。
『滅びの!バーストストリーム!!!!!!!!!』



「頭!?ありゃあ…!!」
空賊の面々も甲板へと上がってきていた。
貨物船がこちらの撃った砲弾をよけてバランスを崩した際に、甲板から二人落ちた。
そしてその二人が落ちていく途中、眩い光と共に見たことも無い竜が現れたのだ。
竜が現れた不思議さよりも、その神々しさが空賊達の視線を釘付けにした。
その中で一人、空賊たちから頭と呼ばれた青年だけが、ハッと気を取り直し声を上げた。
「竜からの攻撃がくるぞ!!回避しろ!!」
(だが…この大きな船でどこまで回避しきれるか…)
『滅びの!バーストストリーム!!!!』
白い竜の放った魔力の塊のようなブレスがマストを薙ぎ払っていく。
ぎりぎりで高度を下げられたが、それでも被害は大きかった。
「白く美しい体に、宝石のような藍色の瞳…まさか、アレは伝説の勝利をもたらす最強の……龍…?」
頭は昔聞いた懐かしい伝説を思い出した。
幼き頃に父親から聞かされた懐かしい思い出。
『「白き龍」は勝利をもたらし、「黒き竜」は勝利ではなく可能性をもたらす。
その白き龍の名は…』

「ブルーアイズ…ホワイトドラゴン…」

体が…いや、心が震える。
この震えは、恐怖だろうか。
自分の目の前に伝説が存在する。
勝利を掴み取るその牙が自分に向いている。
(奴が現れた船は貴族派への貨物輸送船…つまり、ブルーアイズホワイトドラゴンは貴族派の手先…?
もしもブルーアイズホワイトドラゴンが、我らから勝利を奪うために現れたというのならば、
ここがわが死に場所…いや、違う!)
自らの顔を隠していた変装を投げ捨て、空賊の頭という仮面を外した。
「か、頭!?なにを!?」
その青年の名はウェールズ・テューダー。
またの名をプリンス・オブ・ウェールズ
「総員、消火作業と船の補修と怪我人の手当てを!私があのドラゴンを抑える間に、あの船との距離を取れ。」
そう言うとウェールズはデュエルディスクを腕にはめる。
彼の相棒の白い翼を模したデュエルディスクに、カードを刺して呼び出す。
彼の相棒。
風を纏った、煌く星屑のような輝きをした龍がウェールズの前へと降り立つ。
「飛翔せよ、スターダスト・ドラゴン!!!」



「ドラゴン…まさか使い魔?空賊の中にメイジがいるの?」
ルイズは滅びのバーストストリームによって生まれた煙の中から現れたドラゴンをみて驚いた。
いつのまにあんな巨大なドラゴンが接近してきたのだろうか。
しかもその背には一人、遠目には良く見えないが誰かが乗っている。
「いや…アレは…」
海馬の瞳があのドラゴンの力を教える。
海馬はそれが、デュエルモンスターズのカードであることを知る。
「またシンクロモンスターか。」
「シンクロ…じゃあ、あの上に乗っているのが…」
「デュエリストだろうな。だが、攻撃力はブルーアイズのほうが上だ。
それに、奴はどうやらデュエルをしようというわけではないようだ。」
それはどういう…とルイズがいいかけたときに、ぐらっと揺れが起きた。
スターダスト・ドラゴンの放ったブレス『シューティング・ソニック』をブルーアイズが回避したからだ。
「ここでは船に近過ぎる。距離を取るぞ!」
翼を広げ、ブルーアイズは貨物船から距離を取った。
スターダストはそれを見て追ってくる。
雲を貫き、双月が優しく照らす大空で、2体のドラゴンはぶつかり合っていた。
2体のドラゴンが織り成す高速の空中戦。
描かれる軌跡が数度混じりあい、そのたびに星の煌きのような光を見せる。
「くっ…流石だな!ブルーアイズホワイトドラゴンよ!!!」
ウェールズが海馬に向かって声を上げる。
「!?貴様、ブルーアイズを知っているのか?」
「勝利をもたらす白き龍よ!貴様に打ち勝ち、我が天命を切り開く!!」
今のウェールズは死に場所を求める敗残の将ではない。
ここで最強の敵が現れるというのならば結末は二つに一つ。
死ぬか、それとも最強の敵を倒す力をもって、敗北の運命を切り開くか。
ならば、ウェールズに迷いは無い。
どちらを選ぶかは決まっていた。
一瞬にしてブルーアイズに肉薄するスターダスト。
体を振り回し、その反動で振った尾がブルーアイズの胴体に当る。
「くっ…攻撃力で勝るブルーアイズが…」
「速度はスターダストのほうが速いようだな!」
ウェールズはスターダストの速度を生かし、ヒットアンドアウェイの戦術でブルーアイズに挑んでいく。
海馬がこのようなモンスター同士による戦闘になれていないことも、ブルーアイズの劣勢の原因であった。
鞭のように打ち付けられる尾によって少しづつブルーアイズの体力が削られていく。
「くっ…何とか奴の速度を封じなければ…」
「策はあるわ。あのカードさえ引ければ…。」
「なにっ?」
ルイズが傍にいたことを少し忘れかけていた海馬は、いきなりルイズが言い出した事に驚いた。
最初の内こそ振り落とされないように海馬にしがみ付いていたルイズであったが、数度の攻撃の内に、気づいた事があった。
「いくら速度があったって、攻撃する瞬間相手は止まるわ。一番時間が長い攻撃はさっき撃って来た衝撃波。」
そう言っている間にも、スターダストの攻撃は止まらない。
近づいては離れ、また一気に距離を詰める。
「そしてそろそろ、こっちの動きが鈍くなってきている。
だからこそとどめをあの衝撃波で確実に仕留めにくると思うわ。」
「なるほど、そこで『あのカード』か。……よく見ているな。」
ルイズは飛び回るスターダスト・ドラゴンから目を離さずに海馬に伝える。
「私、この戦いで何ができるかを考えてたの。
ううん、あんたにさっき話したあとから自分が出来ること、それを考えてた。
魔法が使えなくても、私にはものを見る目も、考える脳もある。」
「……」
「だから、自分でできることを全力で使い切ってみる。
やれることをやれるだけやってみた中から、自分の価値を探す。」
「動きが止まったか…勝たせてもらうぞ!ブルーアイズホワイトドラゴン!!!」
力をこめ、止めを刺そうとするスターダスト・ドラゴン。
シューティング・ソニックの体勢だ。
「それが、今の私にできることで、やるべきこと!」
「ドロー!!カードをセット!」
そのドローしたカードを確認しないまま、海馬は魔法罠ゾーンにセットする。
「シューティング・ソニック!!!!!」
スターダスト・ドラゴンのシューティング・ソニックがブルーアイズの止まった場所に向けて放たれる。
光が輝き、その場所には塵一つ残っていなかった。
「勝った…?」
ブルーアイズの姿が無いことに、勝利を感じたのか、ウェールズの方から力が抜ける。
「私は…勝った…!」
「だがそうはいかん。」
ハッと、ウェールズが後ろを振り向くと、そこには倒したはずのブルーアイズホワイトドラゴンが現れていた。
「な…に…?」
「トラップカード、亜空間物質転送装置を発動していた。貴様がシューティング・ソニックを放つ直前
引いたこのカードを即座にセット、発動していたのだ。
これにより、ブルーアイズは次元の狭間に回避。貴様の攻撃は無効だ。」
「・・・攻撃を回避する、リムーブエスケープか…」
まさにチェックメイト。
スターダストの真後ろに付けられた上に、先ほどからの連続攻撃に加えて必殺技のシューティング・ソニックまで放っている
スターダスト・ドラゴンには、もはやこの距離でブルーアイズの攻撃を回避するだけの力は残っていなかった。
「勝ちに急ぎすぎたか。ペース配分を無視して突っ走った結果がこのざまか。」
「いや、貴様の戦術は正しかった。ルイズのアドバイスが無ければ厳しい状況だっただろう。」
ウェールズは諦めたように手を上げた。
「やはり、この大空がわが死に場所らしい。
反乱軍に組する勝利をもたらす白き龍とそのデュエリストよ!わが最期にふさわしい相手であった!!」
そう言ってウェールズは腰の剣に手をかける。
「ちょっ!ちょっと待って!反乱軍に組するって、どういうこと?」
「何を言う。貴公らが飛び立った船は貴族派への輸送船。それに乗っていた貴公らも貴族派の人間…反乱軍ではないのか?」
驚いたように目を丸くするウェールズ。
それはルイズも海馬も同じであった。
「俺たちはトリステインの密命により、アルビオン第一王位継承者であるウェールズ皇太子を探している。
あの船は急いで手配しただけで俺たちは反乱軍というわけではない。」
「なにっ?私を探していると?」
「私…って、まさか!?あなたがウェールズ皇太子!?」
ルイズが驚いていると、なにか鐘のような音がどこからともなく聞こえてきた。
見ると、損傷した空賊の船…いや、アルビオン空軍の戦艦『イーグル』号が、3人のいる場所に近づいてきていた。
甲板を見ると、舟の乗組員のほかに、キュルケやタバサ、コルベール、アンリエッタまでもが乗っていた。
スターダスト・ドラゴンの出現によって、『イーグル』号がウェールズの率いる王軍のものであると理解したアンリエッタが
すぐさま彼らとコンタクトを取り、敵ではないことを伝え、3人を追いかけてきたのだった。
「あれは…アンリエッタ!?なぜここに!?」
「ウェールズ殿下、一度船の上に戻りましょう。詳しいお話は、アンリエッタ姫殿下からされるかと。」
そう言うと海馬とウェールズは2体のドラゴンを船へとつける。
ふと空を見れば雲の向こうから、空に浮かぶ大陸『アルビオン』が姿を見せていた。




新着情報

取得中です。