あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

滅殺の使い魔-04


――森の一角。

「ティファ、薪割りが終わったが」
金髪の壮齢の男が少女に話しかける。
赤いタキシードを着こなす所にダンディズムが感じられる。
「あ、ありがとうルガールさん。 もういいですよ、休んでいて下さい」
ティファと呼ばれた少女は、料理をしながらルガールに言う。
「そういうわけにもいかんだろう、君のような少女が一人で働いていると言うのに」
ルガールは困り顔で肩を竦める。
そんなルガールに、ティファはクスッと笑うと、遊んでいる子供達を見る。
「なら、子供達の相手をしていて下さい」
「ふむ、わかったよ」
ルガールはそう言うと、子供達の中へ向かった。
「あー! ルガールおじちゃん!」
「ああ、何をしているのかな? 私も混ぜてもらいたいんだが」
そういって子供達に混ざっていく。

ルガールは考える。
何故、自分はこんなにも穏やかに日々を送っている? いや、それ以前に、何故自分は生きているのか?
あの時、自分は死んだ……、いや『オロチの力』に体を乗っ取られた筈だ。
豪鬼との死闘の末、その殺意の波動を奪い、しかし、その力を使いこなせずに……。
その他にも疑問はあった。
果たして自分は、こんなにも穏やかな性格だっただろうか?
否。 断じて否だ。 『悪』こそが自分の全てだ。
では、なんの影響だ?
オロチ? 否。 殺意の波動? これも違うだろう。 二つの力の反応? 否定は出来ないが、可能性は薄い。 ではやはり……。
このルーンの仕業か。







朝――
朝早くに豪鬼は目覚める。
ルイズを起こす為では無い。 修行の為だ。
まだ日は昇りきっては居ない。
修行しよう、と考えた後に豪鬼は気付いた。
道知らねぇ。
つまり、洗濯にはかなりの時間がかかる。 道に迷うことも視野に入れなければならないのではないか。

結局、豪鬼は今日のところは何もしないことにした。
と、言うわけで、もう少しボーッとしていた訳だが。
しばらくして、日がかなり昇ってきたので、豪鬼はルイズを起こすことにした。
「ルイズ、朝だ」
……反応を示さない。
「ルイズ、朝だぞ」
……反応を示さない。
ルイズがあまりに起きないので、豪鬼は毛布を引っぺがした。
「な、何!? 何事!?」
「朝だ、ルイズ」
「はえ? そ、そう……。 って、誰よあんた!」
「豪鬼」
「あ、そうだ、昨日召喚したんだ」
ルイズは起き上がり、部屋を見渡す。
豪鬼は何も用意していないようだ。
そして豪鬼に命じた。
「服」
そう言うと、いつの間にか椅子にかかっていた服が豪鬼の手に握られていた。
「ま、魔法!?」
「いや、普通に取ってきただけだ」
いつもならかなり気にするところだが、そこは寝起きの頭である。
「下着」
「どこだ」
「そこのクローゼットの一番下」
場所を言うと、またいつの間にか豪鬼の手に
下着が握られていた。
豪鬼には基本恥じらいなど無い。
「服」
「渡したぞ」
「着せて」
豪鬼は、なるべく力加減を覚えるように着せた。 問題は無かった。
ルイズとともに部屋を出る。
すると、すでに一人の女子生徒が廊下に出ていた。
豊満な胸に、それを強調するような服の着方をしている。
普通の男であれば、否応無しに胸に目が行く所だが、そこは豪鬼である。
巨乳の女は他に見たこともあるし、全員鍛えぬいた体をしていた。
そんな訳で、豪鬼には目の前の少女の胸はただ肥え太った不摂生の賜物にしか見えなかった
彼女はルイズににやりと笑いかける。
「おはよう、ルイズ」
それに対して、ルイズはあからさまに嫌そうな表情になった。
「おはよう、キュルケ」
「あなたの使い魔って、それ?」
「そうよ」
「あっはっは! ほんとに人間なのね! すごいじゃない!」
豪鬼は密かに、それには感謝している、と心の中で呟いた。
「『サモン・サーヴァント』で、平民を呼んじゃうなんて、さすがはゼロのルイズね」
ルイズは頬を染めながら、キュルケを睨む。
「五月蝿いわね」
「あたしも昨日、使い魔を召喚したのよ。 勿論、一発で成功したわ」
「知ってるわよ」
「どうせ使い魔にするなら、こういうのが良いわよね~。 フレイムー」
キュルケが勝ち誇ったような声で使い魔の名前を呼ぶ。
すると、キュルケの部屋から虎ほどの大きさの赤いトカゲが現れた。
辺りを熱気が包み込む。 ルイズは息苦しそうな表情になる。
豪鬼は動じない。
「あら? 怖がらないの? 度胸あるのね」
豪鬼がそのトカゲを見る。 よく見ると、その尻尾には炎がついているではないか。
豪鬼は少し驚き、兄の弟子の金髪を思い出した。 更に、学生服の男も思い出した。 インド人も思い出した。
「これってサラマンダー?」
ルイズはかなり悔しそうだ。
「そうよー。 火トカゲよー。 見て? この尻尾。 ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ? ブランド物よー。 好事家に見せたら値段なんてつかないわよ? あたしの二つ名は『微熱』。 相応しいと思わない?」
未だに二人は何やら競っているが、それを尻目に豪鬼はフレイムを見つめていた。
こいつと死合いたい。
かなり好奇心が刺激されていた。
そうして豪鬼が必死で自分と死合っていると、キュルケが豪鬼に話しかけてきた。
「あなた、お名前は?」
「……豪鬼」
「ゴウキ? 変な名前」
「……ふん」
すると、キュルケは豪鬼の体をまじまじと見つめながら言った。
「うーん、でも、かなりいい体してるじゃない。 逞しい殿方は好きよ?」
キュルケは豪鬼を誘惑した。
豪鬼はそれでも揺るがなかった。
「それじゃあ、お先に失礼」
キュルケは、フレイムと共に去っていった。
キュルケが居なくなると、ルイズは悔しそうに拳を握り締め、呟いた。
「くやしー! 何であんなのがサラマンダーを召喚できて、わたしはこんななのよ! メイジの実力をはかるには使い魔を見ろって言われてるぐらいなのに~!」
そう言いながら拳を豪鬼に向かって振った。
勿論そんなものが豪鬼に当たるはずも無く。
「かわすな!」
「当てて見せい」
そんなやり取りをしながら、豪鬼はふと思った。
そういえば、まだルイズの魔法を見たことが無い。
あの火トカゲと『微熱』という二つ名を見る限り、あのキュルケとか言う女は火を使うのだろう。 モグラを召喚している小僧も居たが、あれは土か?
では、ルイズは?
まさか『殺意』などと言う属性は無いだろうが、では何だ? 自分が使う属性に似たものは……。 『灼熱波動拳』しかない。 とすると『火』か?
では『ゼロ』とはなんだ? まさか、あの光の剣を使う者という意味ではあるまい。
少し気になるが、まあ良い。
力を振りかざすのは弱者のみ。 あのキュルケとか言うのは弱者だろう。
「ほら、わたし達も行くわよ」
落ち着いたらしいルイズは、すでに前方を歩いていた。
「うむ」





豪鬼達が食堂に着くと、既に多くの生徒達が集まっていた。 ルイズによると、朝昼晩全てここで食事を取るらしい。
全てのテーブルには、豪華な飾りつけがなされていた。
「愚かな……」
無駄に権力を振りかざしているのがありありと分かり、豪鬼は少し失望していた。
これが人の上に立つ者として正しいとでも言うつもりか。 見たところ、相応しそうな人物など数人ではないか。
そんな豪鬼の態度を見て、ルイズは何を勘違いしたのか、得意げに豪鬼に説明した。
「トリステイン魔法学院で教えるのは、魔法だけではないのよ」
「……ほう」
「メイジはほぼ全員がメイジなの。 『貴族は魔法をもってしてその精神となす』のモットーのもと、貴族足るべき教育を、存分に受けるのよ。 だから食堂も、貴族の食卓に相応しいものでなければならないのよ」
豪鬼は、心の中で舌打ちをした。
貴族足るべき教育? これがか? これでは傲慢な人間が増え、格差が広まる一方ではないか。
相応しい食卓? 下らん。 何故こんな贅沢の限りを尽くすものなのだ? 貴様はこの食事に相応しい人間か? 否、断じて否。
色々と腹は立ったものの、腐った人間などそれこそはいて捨てる程見てきた(強者ではあったが)ため、それくらいで済んだ。
「わかった? ほんとならあんたみたいな平民は『アルヴィーズの食堂』には一生は入れないのよ。 感謝してよね」
「……ふん」
「もっと感謝しなさいよ! ……まあいいわ、いいから椅子をひいてちょうだい。 気が利かないわね」
「ああ」
虫唾が走る思いで椅子を引く。
「じゃあ、あんたはそれね」
ルイズが床を指差す。
「特別に、ここで食べさせてあげる。 床だけどね」
皿を見てみる。パンが二切れ、肉が申し訳程度に浮かんだスープが一皿。
格闘家は体が資本である。
故に豪鬼は、断食したことなど無いし、一日として食事を抜いたことは無い。 瞑想や修行で知らないうちに食事を忘れていたことならあるが。
朝はこの程度で十分だろう。 そうおもった豪鬼は、少々野菜が少ないことを不服に思いながら平らげる。
パンを食べ終え、スープに手を付けようとした時、ルイズが鳥の皮を入れてきた。
「ほら、肉は癖になるからだめよ」
「要らん」
豪鬼の言葉を無視し、ルイズは自分の食事に戻った。
鳥皮などという油の固まりは、豪鬼にとって毒でしかない。
入れられてしまったものは仕方が無いと、豪鬼はスープを丸々残した。







豪鬼とルイズは教室の掃除をしていた。
ルイズが魔法を失敗し、教室を滅茶苦茶にしたからである。 事の成り行きはこうだ。

豪鬼とルイズが教室に入ると、一斉に生徒達が二人の方を向き、クスクスと笑った。
キュルケも男子達の中に居た。 多くの男をはべらせている様だ。
下衆が。 豪鬼はそう思ったが、やはり下衆の相手をする気はなく、ルイズの隣に座った。
教室内を見回すと、珍妙不可思議な生物がたくさんいた。 見回す中でルイズに視線を向けると、ルイズが不機嫌そうに豪鬼を見ていた。
豪鬼はそれに構わずに再び教室を見回し始める。 ルイズももう諦めたようで、何も言ってはこなかった。
授業中、ルイズが口論を始めたりはしたが、豪鬼は構わず、時間を瞑想に使っていた。
しかし、興味があるものが耳に入ると、それをやめ、授業に耳を傾けた。
「では、この練金を……、ミス・ヴァリエール、やって御覧なさい」
「え? わたし?」
「先生! やめた方がいいと思います! 危険です!」
キュルケが立ち上がり、叫ぶ。
教室の中の殆どの生徒が頷く。
「やります」
それに反応したのか、ルイズは何か決意したように言う。
つかつかと黒板の前に向かっていくルイズ。
すると、殆どのの生徒が机の中に隠れる。
その中でも、キュルケだけは隠れずにルイズを見つめていた。
さっきまで必死にルイズを止めていたのに、いざとなるとちゃんと向き合うとは、実は少しはやれるのではないか、と豪鬼は思った。
少なくとも、このときキュルケは豪鬼の中での『下衆その一』という位置づけからは脱していた。
ルイズが呪文を唱え、杖を振り下ろす。
刹那、爆発。
目の前の机を吹き飛ばし、破片を飛ばす。
豪鬼はそれに反応した。 丁度いい。
「ぬぅん!」
飛び散る破片や机を全て叩き落す。
「あ……」
キュルケだけがそれを目撃した。
豪鬼のお陰で大きな被害は出なかったものの、生徒達はルイズを睨む。
ルイズは全く悪びれる様子も無く、こう言った。
「ちょっと失敗しちゃったみたいね」
「ちょっとじゃないだろ!ゼロのルイズ!」
「いつも成功の確率、ゼロじゃないか!」
豪鬼は、ルイズが何故『ゼロ』と呼ばれているのか理解した。







今日の「滅殺!」必殺技講座
  • 灼熱波動拳
波動拳に炎を付加(?)し、放つ技。
この波動拳は、多段ヒットする上、威力も高いものとなっている。
その代わり、発射前に大きな隙がある為、使いどころが難しい技となっている。
コマンド「(右向きの時)逆半回転+パンチボタン」



「んんん、ぬぅん!」
「どうやって火付けてるのよ」
「知らん」
「はぁ!?」


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