「け、ケンを……?」
「ここはどこだ」
ルイズのつぶやきを無視し、男は再びコルベールに問う。
構えを解いたことは、戦う意思が無いからなのか、それとも油断させようとしているからなのか、コルベールには皆目見当がつかなかった。
ただ、この男も混乱しているのは確かなようで、周りを観察するように見回していた。
ひょっとして、自分は凄まじいほどの非礼をしでかしたのではないかと、コルベールは思った。
「ち、ちょっと!無視するんじゃないわよ!私があんたを召喚したの!ここはトリステイン魔法学院よ!」
男に徹底的に無視されたからか、ルイズは男に怒鳴りつける。
対して男は、ルイズの言葉に少し肩を震わせると、背後のルイズに視線を向けた。
「とりせていん……?」
「トリステインよ!なに?トリステイン魔法学院も知らないなんて、あんたどれだけ田舎者なのよ!」
「ぬぅ……」
男から少し動揺を感じ取ったルイズは、そのまま畳み掛けることにした。
「今やってるのは使い魔召喚の儀。召喚された使い魔は、一生主人につかえるものなの」
「……それで?」
男が初めてまともに言葉を返す。
ルイズはそのまま押し切ろうと心の中で決めたのだが、いかんせん世の中はそれほど甘くない。
「ミス・ヴァリエール、彼も困っているでしょう。説明しなければ」
コルベールの言葉に、ルイズは不服そうにするが、このまま押し切れるとも思えなかったので、ここは一旦コルベールに任せることにした。
「先ほどは申し訳ありませんでした。私の名はジャン・コルベール。あなたは?」
「我が名は豪鬼。……して、なぜ我がこのようなところに居る。我は大阪城で果てた筈だが」
「オーサカジョー……?どこの田舎よ、それ」
「ミス・ヴァリエール!……ではゴウキ殿。先ほどもミス・ヴァリエールが言いました通り、今は『使い魔召喚の儀』の最中です」
「……ほう」
「それで、今、ミス・ヴァリエールが召喚を行った結果……」
「不本意にも、アンタを召喚しちゃったのよ」
「何……では、我にその『使い魔』とやらになれと言うのか」
「ええ。お願いします、これで契約が出来なければ、彼女は進級することが出来ないのです」
「ぬぅ……」
「ここはどこだ」
ルイズのつぶやきを無視し、男は再びコルベールに問う。
構えを解いたことは、戦う意思が無いからなのか、それとも油断させようとしているからなのか、コルベールには皆目見当がつかなかった。
ただ、この男も混乱しているのは確かなようで、周りを観察するように見回していた。
ひょっとして、自分は凄まじいほどの非礼をしでかしたのではないかと、コルベールは思った。
「ち、ちょっと!無視するんじゃないわよ!私があんたを召喚したの!ここはトリステイン魔法学院よ!」
男に徹底的に無視されたからか、ルイズは男に怒鳴りつける。
対して男は、ルイズの言葉に少し肩を震わせると、背後のルイズに視線を向けた。
「とりせていん……?」
「トリステインよ!なに?トリステイン魔法学院も知らないなんて、あんたどれだけ田舎者なのよ!」
「ぬぅ……」
男から少し動揺を感じ取ったルイズは、そのまま畳み掛けることにした。
「今やってるのは使い魔召喚の儀。召喚された使い魔は、一生主人につかえるものなの」
「……それで?」
男が初めてまともに言葉を返す。
ルイズはそのまま押し切ろうと心の中で決めたのだが、いかんせん世の中はそれほど甘くない。
「ミス・ヴァリエール、彼も困っているでしょう。説明しなければ」
コルベールの言葉に、ルイズは不服そうにするが、このまま押し切れるとも思えなかったので、ここは一旦コルベールに任せることにした。
「先ほどは申し訳ありませんでした。私の名はジャン・コルベール。あなたは?」
「我が名は豪鬼。……して、なぜ我がこのようなところに居る。我は大阪城で果てた筈だが」
「オーサカジョー……?どこの田舎よ、それ」
「ミス・ヴァリエール!……ではゴウキ殿。先ほどもミス・ヴァリエールが言いました通り、今は『使い魔召喚の儀』の最中です」
「……ほう」
「それで、今、ミス・ヴァリエールが召喚を行った結果……」
「不本意にも、アンタを召喚しちゃったのよ」
「何……では、我にその『使い魔』とやらになれと言うのか」
「ええ。お願いします、これで契約が出来なければ、彼女は進級することが出来ないのです」
「ぬぅ……」
豪鬼は悩んでいた。
自らが果てたものと思っていたら、いきなり訳のわからない場所に現れ、使い魔……?
初めは此処が冥界なのかと思ってもいたが、どうやらそれも違う。
話を聞くところ、この少女が自分を呼び出したと言うではないか。
それがいきなり使い魔……下僕になれと?
そんなことを受け入れる必要は無い。
いや、待てよ……もしかすれば、自分はこの少女に命を救われたのかも知れないではないか。
むしろそう考えるのが自然なのではないか。
自分は確かに大阪城で果てた、死んだ筈なのだ。
それが今このような見知らぬ土地に居る。
聞くところによると、この少女の仕業というのだから、自分はこの少女に救われたのだろう。
ならば、この少女には恩が有るのではなかろうか。
考えてみれば、このような新たな土地で、新たな強者と死合うことが出来るのなら、条件次第では良いのではないか。
そう結論付けた豪鬼は、了解の旨を伝えることにした。
「よかろう」
「え?」
「よろしいのですか!?ありがとうございます。これで彼女も無事進級することが出来ます!」
「ただし、条件がある」
「条件……?」
「な、なによ、平民の癖に」
「ミス・ヴァリエール。……条件、とは?」
「……寝床と食料。この二つを用意することだ」
その気になれば、いや、いつもならば、豪鬼は食料も寝床も自分で全て用意できるのだが、いかんせん見知らぬ土地だ。せっかく拾った命を食い物如きの毒で落とすのは些か不味いと豪鬼は判断した。
「わかりました。こちらも最大限の支援はしましょう。……では、『コントラクト・サーヴァント』を」
「こ、こんとらく……」
「あんたはいいの。黙ってなさい」
「ぬぅ……」
「あ、膝をつきなさいよ、届かないじゃない」
豪鬼が片膝をつくのを確認すると、ルイズは詠唱に入る。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
間髪居れずに、ルイズはその唇を豪鬼の唇に重ねる。
(ああ……ファーストキスだったのに……)
ルイズがそんな思いを抱いている傍で、豪鬼は一瞬呆気に取られるが、すぐに持ち直す。
やがて、豪鬼は左手に違和感を感じた。
確認すると、手の甲に何やら面妖な文字が刻まれている。
一般人なら激痛に見舞われるものだが、竜巻も、ナイフも、銃弾すらも片手で弾く男である。
実際激痛が襲ってきてはいるのだが、豪鬼にとって見れば蚊に刺された程度だった。
「ふむ、珍しいルーンですな。今度、じっくり観察させていただきたい」
そういいながらコルベールはルーンをメモに書き写し、周りの生徒に学院に戻る指示を出した。
「ルイズ、お前は歩いてこいよ!」
口々にルイズを馬鹿にしながら『フライ』の魔法で空を飛ぶ生徒達。
豪鬼はそれに少々驚くも、自らも『竜巻斬空脚』で飛べる上、豪鬼にとってはその速度も『大して速くない』程度であったため、此処ではそれが当たり前なのか、と思う程度であった。
自らが果てたものと思っていたら、いきなり訳のわからない場所に現れ、使い魔……?
初めは此処が冥界なのかと思ってもいたが、どうやらそれも違う。
話を聞くところ、この少女が自分を呼び出したと言うではないか。
それがいきなり使い魔……下僕になれと?
そんなことを受け入れる必要は無い。
いや、待てよ……もしかすれば、自分はこの少女に命を救われたのかも知れないではないか。
むしろそう考えるのが自然なのではないか。
自分は確かに大阪城で果てた、死んだ筈なのだ。
それが今このような見知らぬ土地に居る。
聞くところによると、この少女の仕業というのだから、自分はこの少女に救われたのだろう。
ならば、この少女には恩が有るのではなかろうか。
考えてみれば、このような新たな土地で、新たな強者と死合うことが出来るのなら、条件次第では良いのではないか。
そう結論付けた豪鬼は、了解の旨を伝えることにした。
「よかろう」
「え?」
「よろしいのですか!?ありがとうございます。これで彼女も無事進級することが出来ます!」
「ただし、条件がある」
「条件……?」
「な、なによ、平民の癖に」
「ミス・ヴァリエール。……条件、とは?」
「……寝床と食料。この二つを用意することだ」
その気になれば、いや、いつもならば、豪鬼は食料も寝床も自分で全て用意できるのだが、いかんせん見知らぬ土地だ。せっかく拾った命を食い物如きの毒で落とすのは些か不味いと豪鬼は判断した。
「わかりました。こちらも最大限の支援はしましょう。……では、『コントラクト・サーヴァント』を」
「こ、こんとらく……」
「あんたはいいの。黙ってなさい」
「ぬぅ……」
「あ、膝をつきなさいよ、届かないじゃない」
豪鬼が片膝をつくのを確認すると、ルイズは詠唱に入る。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
間髪居れずに、ルイズはその唇を豪鬼の唇に重ねる。
(ああ……ファーストキスだったのに……)
ルイズがそんな思いを抱いている傍で、豪鬼は一瞬呆気に取られるが、すぐに持ち直す。
やがて、豪鬼は左手に違和感を感じた。
確認すると、手の甲に何やら面妖な文字が刻まれている。
一般人なら激痛に見舞われるものだが、竜巻も、ナイフも、銃弾すらも片手で弾く男である。
実際激痛が襲ってきてはいるのだが、豪鬼にとって見れば蚊に刺された程度だった。
「ふむ、珍しいルーンですな。今度、じっくり観察させていただきたい」
そういいながらコルベールはルーンをメモに書き写し、周りの生徒に学院に戻る指示を出した。
「ルイズ、お前は歩いてこいよ!」
口々にルイズを馬鹿にしながら『フライ』の魔法で空を飛ぶ生徒達。
豪鬼はそれに少々驚くも、自らも『竜巻斬空脚』で飛べる上、豪鬼にとってはその速度も『大して速くない』程度であったため、此処ではそれが当たり前なのか、と思う程度であった。
今日の「滅殺!」必殺技講座
- 竜巻斬空脚
空中で自ら竜巻のように回転しながら足で攻撃をする必殺技。分かりやすく言うと『竜巻旋風脚』の名前違いか。(細かい違い
はあるが)
コマンドは「(十字キーもしくはレバーで、キャラが右向きの時)下・左下・左+キックボタン」
はあるが)
コマンドは「(十字キーもしくはレバーで、キャラが右向きの時)下・左下・左+キックボタン」
『滅殺の使い魔』では、豪鬼の超人的な能力により、空をも飛んで行けるという設定である。
「そ、そんなクルクル回ってるだけで……?」
「大ジャンプで宇宙に行けるが」
「何よそれ……」
「大ジャンプで宇宙に行けるが」
「何よそれ……」