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滅殺の使い魔-01


「ヤスムコト……ユルサヌ……タダ……ヒタスラ……」

横たわる『鬼』の亡骸に、得体の知れない力が集まっていく。

「ヤスムコト……ユルサヌ……タダ……ヒタスラ……」

やがてその力は渦を成し、『鬼』を覆い、そして――

――その日、その世界から『鬼』が消えた

「五つの力を司るペンタゴン…我の運命に従いし、使い魔を召喚せよ!」
桃色の髪の少女が、また一度詠唱し、杖を振り、また爆発を起こす。
彼女はもう何度もこの作業を繰り返してはいるが、まだ一度も本来の魔法を発動できないでいた。
『使い魔召喚の儀』――
学院の生徒が、一年から二年へと進級する為の大事な儀式。
と、同時に、生徒一人一人の専門とする属性をきめる、正に今後のメイジとしての人生を左右するものである。
たった今、その『サモン・サーヴァント』の詠唱で失敗し、爆発を起こした少女は、もう何度目かもわからなくなるほど失敗し、その全てを爆発に変えた。

「どうして!」
と、これまたもう何度目かもわからない叫びをあげる。
そして、禿げ頭の教師が少女に告げた。
『次に失敗したら、それで終わり』だと。
周りを行きかう少女を蔑む言葉。 それに負けじと、少女は流れそうになる涙をこらえ、『最後』の呪文を唱えた。
「宇宙の果てのどこかにいる,私の僕よ!神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!私は心より訴えるわ、我が導きに答えなさい!」
刹那、大爆発。
終わった、と誰もが思った、いや確信した。しかし少女は、まだ諦めては居なかった。





――その男は、ひたすら強さを求めていた――

あらゆる闘い方をする強者を『殺』し、自分の糧としてきた。
だが、それももう終わった。
『殺』されたのだ、強者に、より強き者たちに。
自らが大阪城で闘い、『殺』した者に、暗黒の力を注入され、不本意な強さを手に入れ、自我は崩壊し、その果ての敗北、そして死。
その男は、それで終わった筈だった。

「あんた、誰?」
煙の中から現れた男に、ルイズは問う。
「ぬぅ……」
男は呻きながら立ち上がった。
やがて煙が晴れ、周りの生徒達や教師にもその姿が見えた。
逆立った赤髪、ボロボロの紫の服、それに屈強な体。
「平民だ!」
「ゼロのルイズが平民を召喚したぞ!」
ここぞとばかりにルイズを馬鹿にする生徒達だが、それは禿げ頭の教師によって遮られ、場は静まる。
 禿げ頭の教師はそれを確認すると、ルイズと男に歩み寄り、柔和な笑みを浮かべた。 
が、言葉を発する前に、ルイズの怒鳴り声が彼を襲った。
「ミスタ・コルベール!再召喚を!」
「それは出来ない。サモン・サーヴァントは神聖な儀式だ。再召喚は認められない」
悲痛な表情でそれを却下するコルベール。
彼自身、ルイズを哀れに思い、同情していたのだが、例外を認めることは出来ない。
「……ここはどこだ」
「っ! ミス・ヴァリエール、下がって!」
男がはじめて言葉を発する。 その言葉に反応するようにコルベールが動いた。 ルイズをかばう様に前に立ち、こともあろうに杖を向けたのである。
 コルベール自身、この男に違和感を感じていたものの、やはり平民だと決め付けていた。 それ故に、前代未聞である『人間を召喚』という事態にも危険を感じず、にこやかにしていることが出来たのである。
だが、この男が言葉を発し、コルベールをにらんだ瞬間にコルベールは危険を察知し、戦闘状態になった。
男が殺気を放ったからである。
コルベールとて周りには知られていないが数々の戦闘を経験している。
それゆえ、殺気と言うものには慣れてはいたし、このような状況で、殺気立つのは不思議では無い。
「貴様、何者だ!」
男に対してコルベールが叫ぶ。
コルベールは恐怖していた。
この男は普通ではない。そう本能が叫ぶ。 杖を持つ手が汗ばむ、足が震える。
それを悟られぬように勤めていた。
 また、コルベールが叫ぶと同時に、男が構えた。
「くっ……ミス・ヴァリエール、離れるんだ!」
「な、なんでですか!」
「いいから早く!」
ルイズをこの場から下がったことを確認したコルベールは、再び男を睨む。
戦うしか無い。 
正直勝てる気はしないが、絶対に生徒を傷つけさせはしないと、必死で自分を奮い立たせていた。
それに対し、男は構えて微動だにせず、コルベールを睨んでいた。
コルベールは決死の覚悟でバックステップで距離をとり、魔法を放つ。
「ファイヤーボール!」
杖の先から放たれた炎の球は、一直線に男へと飛んで行き、男の眼前へと迫る。
だが。
「ふんっ!」
男は飛来した炎の球を、なんと腕を少し動かしただけで手の甲で弾いたのだ。
弾かれた炎はその場で消え、跡形も無くなった。
「なっ!?」
驚きを隠せないコルベール。 対して男は、自ら攻撃をする所か、構えを解いてしまう。
騒然とする場。
平民が魔法を素手で弾いたのだから、驚くのも無理は無い。
「ここはどこだ」
男は再びコルベールに問う。
構えを解いたことは、戦う意思が無いからなのか、それとも油断させようとわざとそうしているのか、コルベールには皆目見当がつかなかった。
「あ、あんた、何者よ!?」
いつのまにか戻ってきていたルイズが、男に背後から問いかける。
男はルイズに視線をやると、こう言った。



「我こそ、拳を極めし者」

その背中に、『神人』の文字を浮かばせて――


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