あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのロリカード-28


 アンリエッタの到着に、痺れを切らせた敵がコンタクトを取ってきたところで作戦スタート。
十中八九人質に危害を加える旨を言ってくるだろうから、無手のアーカードが身代わりとして敵陣へと赴く。
敵首魁にエロ光線で以て魅了をかけ、とりあえず撤退の指示を出させる。万が一それで終われば無事解決。
と言っても素直に従う可能性はまずない。他の連中の反抗の意思が見えたところで、首魁に人質の縄をはずさせる。

 同時に機を窺っていたタバサが、準備しておいた紙風船スタングレネードを風で食堂まで送る。
アーカードが浮遊してきた紙風船に注目するよう仕向け、敵の視線が集中したところでキュルケが紙風船を発火させ爆発。
然る後、一斉に突入を敢行する。

 人質の救出を最優先事項とし、爆発で壁を破壊できるルイズと、デルフリンガーで魔法を吸収できるアーカードがその役を担う。
予め人質がいる付近の壁向こうに待機したルイズは、紙風船の爆発と同時に壁を爆破し援護の4人の銃士隊と共に突入。
デルフリンガーをアーカードに投げ渡した後、可及的速やかに周囲の敵を排除して、すぐに人質を誘導し食堂から退避させる。

 アニエス以下残った銃士隊はそれぞれ窓から突入し、敵が人質側に注意がいかないよう近くの敵と交戦、これを撃滅。
キュルケ、タバサ、コルベールのメイジ組は正面から突入し、銃士隊を援護しつつ転戦。


「最終確認は以上だ。・・・・・・アニエス」
アーカードはこの場の責任者であるアニエスを見た。
「それでは各自準備を。私は隊員達に説明してくる」
そう言ってアニエスは立ち上がり、隊員達を召集し始めた。
キュルケとタバサは、コルベールと共に研究室へ紙風船の準備と錬金をしに行く。

「成功・・・・・・するの?」
「させなくちゃならんだろう喃」
アーカードはデルフリンガーをルイズに手渡す。

「大事に扱ってくれよ」
デルフリンガーはそう言ってルイズに背負われる。
「重いわね」
アーカードは片手で楽々と扱ってはいるが、やはり大剣だけあって重い。
「自分で持てないの?」

 アーカードは自身の中に色々としまっておける。
自分の剣も収納してあるし、デルフリンガーも例外ではないはずだ。

「一度だけ入れた事があるのだが・・・・・・」
「なんか気持ち悪いんだもん」
デルフリンガーは答える。アーカードは「やれやれ」と言った風に言う。
「と、言うわけだ。意思を持つ武器は、文句垂れて不便なことだ」
「気持ち・・・・・・悪いんだ・・?」

 ルイズが恐る恐る聞く。
「あ~・・・、言葉にできない気持ち悪さだった。あれじゃ眠ることもできやしねェ」
「私の中には無数の命がいるからの。思考などは拘束しているが、歴として存在している」
そう言うとアーカードはその場に座り込む。ルイズも立っていては疲れるので座ることにした。

「とりあえず、納得したわ」
「銃が使えれば楽なんだがの。カスール銃であれば敵を完全に貫くから跳弾の危険はなく、精密射撃も容易。
 一瞬で人質側の6人を殺し、ただ一度のリロードで残りの6人も殲滅して終了。
 しかし生憎と弾切れ。一応トミーガンもあるが、あれは短機関銃。弾幕を張って点じゃなく面で攻撃するものだ。
 射程も短く精密射撃には向かん。跳弾の危険もあるしの。現状じゃ地道にいくしかない。
 尤もこの作戦ならば、よっぽどのイレギュラーが無い限りは、スムーズに終わると私は踏んでいる。
 まっこれもいい機会だ、来るべき戦に備えて慣れておくがいい。経験は積んでおいて損はないからの」


 アーカードはそう言うも、ルイズは一抹の不安を拭い切れなかった。
根拠はないけれど・・・・・・何かが起きそうな、そんな予感。言い知れぬ不安。
目前に迫る緊張の所為で、神経過敏になっているだけかもしれない。ただの杞憂かもしれない。

 アーカードはふんぞり返って空を眺めている。浮かぶ双月を見つめているようだった。
相変わらず超然としていて、非常にマイペースだ。こういう図太さも見習わないといけないかもしれない。

(うん、一人一人が・・・・・・きちんとやるべき事を為せば作戦は成功する。何を恐れることがあるのルイズ)
ルイズは深呼吸をして自分のするべき事を反芻し、ゆっくりと心を落ち着け拳を握り締めた。


 アーカードは首魁の男の目を見て気付いた。
(むっ・・・こやつ、まさか盲目か?)
他のどの感覚器官で代替しているのかは知らないが、目と目を合わせないとエロ光線は通じない。
(初っ端からイレギュラーとは、幸先が悪い)

 仕方なしに、アーカードは視線をずらす。狙いは近くにいるもう一人の男。
一瞬だけ目を見開き魅了をかける。男は正気を失い、空ろな瞳で人質の方に歩いていった。

「ジェルマン?」
首魁の男の言葉を無視し、ジェルマンと呼ばれた男は歩を進める。
アーカードは手は動かさず、指だけで合図を出す。窓から目を凝らしていたアニエスが、さらにタバサへと合図を送った。

(代替器官は、耳の可能性が高いか。視力がなくても、音で耳を麻痺させることはができるだろうが・・・・・・)
視力のない者が聴力に優れているというのは、ある種のテンプレート、お約束である。
さらに言えば、視力の代わりとなれるのも実際には耳くらいなもの。
先天的にせよ後天的にせよ、傭兵をやってるからには、聴力が異常に発達していると考えられる。

(・・・・・・念には念を。人質の所まで行く前に、一撃入れておいた方がいいか)
サクッと蹴り殺して人質周りの敵を殲滅するくらいなら、大したタイムロスにもならない。


「おいッ!!」
涎を垂らして歩いていくジェルマンに向かって、メンヌヴィルが一際大きく叫んだ。
激情の籠もったその声も、もはやジェルマンの耳には入らない。
リーダーである自分の言葉を無視することに、メンヌヴィルの顔が怒りと疑念で大きく歪んだ。
人質達とある程度の距離まで近づいたところで、ジェルマンは杖を掲げた。

「あれはなんだーーーーーっ!!」
アーカードは飛んできた紙風船の方へと指を差し、やや棒読み気味で叫んだ。


「・・・・・・なんだ?貴様」
突然正面の扉から入ってきた人物に、メンヌヴィルは問うた。
「あの・・・・・・貴族の方々を殺すのであれば、私が身代わりになります」

 両手を頭より高く上げ、敵意が無いことを示し、死の恐怖を飲み込み、ひた隠して耐える少女。
それ以外には見えない。誰がどう見てもただの少女だ。おそらくはただの平民。
それでもメンヌヴィルは、何故か引っ掛かかりを感じた。

(体温が・・・・・・低いな)
今まで多種多様な人間を焼いてきたが、ここまで体温が低いのも珍しい。
殺される人間は総じて動悸が激しくなる。興奮して若干体温が上がるのが普通だ。
血の気が引く者もいるが、それにしても少女は、寒空の下で一晩過ごしたのかというほど体温が低い。

 だがさほど気にするほどでもない。少女一人に何ができる筈もない。
無様に喚く人間を焼くのも楽しいが、覚悟して死のうとしている人間を焼くのも代え難いものである。
最初から死に恐怖し、命乞いをする者の反応は皆、似たり寄ったり。

 しかし一見して覚悟をしている風を見せる者は、炎に包まれた時のリアクションが様々だ。
焼いた瞬間に一転して泣き、叫び、転げまわる者。
それでもひたすら耐え抜く者。
一矢報いようと飛び掛かる者。本当に様々だ。

「殊勝だな、その心がけに応えてやる。貴様をかわりに焼いてやろう」

 ジェルマンの詠唱と――――、他の敵が紙風船を注視するのと――――、そして敵首魁メンヌヴィルが詠唱を始めるのは――――同時。
次に、紙風船が爆発するのと――――、メンヌヴィルが炎を放つのと――――、ジェルマンが魔法を使う瞬間に燃やされたのが――――同時であった。

 大きな光と音が瞬時に広がり、衝撃と煙が瞬く間に食堂全体を包み込む。

(う~ん・・・・・・眩しい)
刹那の閃光はまさに、燦燦と照りつける太陽のようであった。しかしアーカードにとっては大したことでもない。
耳をつんざく爆発音も、濛々と立ち込める煙もアーカードの障害になることはない。

 重力に囚われないかのような軽い跳躍。そのままアーカードは、メンヌヴィルに蹴りを叩き込む。
小気味よい音と共に頭が吹き飛び、残された体から赤い噴水のように血が吹き出る――――――。

 ――――――筈であった。
「むっ・・・!?」
気付けば自分の体が炎に包まれていた。
鋼鉄すら溶かし尽くす、高温の白炎がアーカードを焼いていた。


 大きな光、そして音。それらを受けた人間の取る行動は一つしかない。
身体を丸める。反射的に、身を守る為に、老若男女これ本能である。
しかしメンヌヴィルは立っていた。
閃光と爆音に動じず、何事もなく魔法を詠唱し、煙もものともせずアーカードの不意討ちに対処した。

 アーカードは心の中で毒づく。次に取った行動は"無視"。
身を翻して炎を吹き飛ばし、崩れかかった足で一気に床を蹴り込んだ。
主ルイズからの命令は人質の救出。それを最優先することだ。距離があいて既に後方にいる男は実力者。
烈風カリンほどではないにせよ、ワルドくらいには強そうだ。
手早く拘束制御術式を開放して殺すにせよ、やはり幾許かの時間が掛かる。今はそんな時間すら惜しい。


 跳躍と同時に体が急速に再生していく。向かう先から爆発音が聞こえ、次に窓を割る音が聞こえた。
ルイズ達が突入してきたのだろう。次いで放物線を描き、投げ込まれるデルフリンガーが見えた。
その落下点へと向かい、これを回転しながら掴み取りそのまま反転、追撃で飛んできた火球を吸収した。

(ん~む・・・・・・タバサ達は大丈夫だろうか)
敵首魁はさらに詠唱をして、次々に火球を放っていた。
その飛んで行く方向から察するに、いずれも味方の突入位置である。
(いずれにせよ・・・・・・援護は人質の安全を確保してからだな。是非とも闘いたいが・・・・・・今は私の領分ではない)


 踵を返して、人質周囲の敵の殲滅行動へと入る。
体を丸め狼狽し、声を上げている敵を真横に切り捨てる。

 次に人質を跨ぐように跳躍し、自分の剣を取り出し最も遠い敵へと投擲した。
敵は衝撃で壁までぶっ飛び、串刺しにされ絶命する。

最後にパカンッという音の直後にアーカードは着地し、顎が吹き飛んだ男がそのまま倒れた。


 アーカードの蹴りで、男の顎が吹き飛ぶ。
ルイズが敵と交戦しようとした瞬間、その標的が丁度目の前でアーカードに殺されたのであった。
アーカードはルイズを一瞥すると、一度だけ頷く。「他の敵は任せろ」ということだろう。
ルイズはすぐに詠唱し、人質達のロープをはずす。
虚無に目覚めてからというもの、コモンマジックならば問題なく扱えるようになっていた。
人質周囲の敵がいなくなったところで、銃士隊員がパニックに陥る人質達を宥める。

 目を瞑っていて光の直視を免れた生徒達は、視力が回復した者から我先にと壁に空けられた穴から出て行く。
銃士隊に誘導され、動けない生徒は抱えられ運ばれて行く。と、そこでルイズは見知った顔を見つけた。

「モンモランシー?」
「ぅぅ・・・・・・ぇ・・ルイズ・・・?」
顔を上げたのはモンモランシーであった。薄っすらと目を開けてこちらを確かめるように見つめている。

「え・・・・・・なんで・・?」
「助けにきたのよ。ほら、さっさと立ちなさい」
手をさし伸ばすと、モンモランシーは恐る恐る手を取り立ち上がった。
いまいち状況が把握しきれず、キョロキョロしているモンモランシーの顔を向かせる。
「モンモランシー、あなたはすぐに杖を取ってきて。あとできれば、他に回復魔法が使える人も集めてきて」
「あ、うん。・・・・・・わかったわ」


 突入した直後に、赤い軌跡がいくつか見えた。あの光と音をものともせず、炎球かなにかを放った者がいるとは信じ難い。
がしかし、次いで聞こえた破裂音と銃士隊員達の声。その何者かがいるのは、ほぼ間違いない。
嫌な予感が当たってしまった。銃士隊員の治療の為にも、水メイジはできるだけ欲しい。

(状況は予定とかなり違ってきてる。最優先事項である人質の救出が、今のとこ順調に進んでいるのだけが救いだけど・・・・・・)
最悪死亡者が出る可能性も有る。
(キュルケ・・・・・・、タバサ・・・・・・、アニエス・・・・・・)
他の皆の無事を祈り、ルイズはグッと唇を噛んだ。







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