奪還には教師が来ると踏んでいたフーケは馬車を御しながら、自分の目論見が外れた事をヒシヒシと感じていた。
車台から漂っている異様な殺気、幸い今は三竦みの状態で、まだ誰から手を出す事態には至っていない。
殺気を出しているのは食堂でルイズとギーシュを窘めていたルイズの使い魔でアンデルセンと名乗る長身の男と
主が発情期の牝犬呼ばわりされルイズの使い魔に決闘を挑んでいたルイズ以上に幼く見えるアーカードと名乗る少女、
アーカードから犬大尉呼ばわりされていたタバサの使い魔で本名不明で長身の偉丈夫の仮称「大尉」の三人と
その主の少女達とおまけで付いて来たギーシュを入れた7人だ。
フーケは盗賊の勘から彼女等の使い魔は単独で来られたとしても逆立ちしても勝てない事を感じとっていた。
さあ、ここで問題だ単独でも絶対に勝てそうに無い使い魔が三人も揃っている次の選択肢から選べ
1.稀代の美人怪盗フーケは使い魔を出し抜く必勝の策を突然思い付く
2.主を人質に取り交渉する
3.命が大事、破壊の杖は諦める
フーケが選びたいのは1だが策が浮んで来ないので×を付けた。無口なあの男はともかく、
ヒゲ親父とガキがお互いの主の命を気にするとは思えない、仮に三人を人質に取れたとしても、
相手が悪い注意力が分散している状態ではいつ隙を突かれるか分らない。
それに破壊の杖は欲しいが、自分の命が対価の賭けに出る程の物ではない。よって2も×。
熟考の結果フーケは3に○を付ける事にした。
車台から漂っている異様な殺気、幸い今は三竦みの状態で、まだ誰から手を出す事態には至っていない。
殺気を出しているのは食堂でルイズとギーシュを窘めていたルイズの使い魔でアンデルセンと名乗る長身の男と
主が発情期の牝犬呼ばわりされルイズの使い魔に決闘を挑んでいたルイズ以上に幼く見えるアーカードと名乗る少女、
アーカードから犬大尉呼ばわりされていたタバサの使い魔で本名不明で長身の偉丈夫の仮称「大尉」の三人と
その主の少女達とおまけで付いて来たギーシュを入れた7人だ。
フーケは盗賊の勘から彼女等の使い魔は単独で来られたとしても逆立ちしても勝てない事を感じとっていた。
さあ、ここで問題だ単独でも絶対に勝てそうに無い使い魔が三人も揃っている次の選択肢から選べ
1.稀代の美人怪盗フーケは使い魔を出し抜く必勝の策を突然思い付く
2.主を人質に取り交渉する
3.命が大事、破壊の杖は諦める
フーケが選びたいのは1だが策が浮んで来ないので×を付けた。無口なあの男はともかく、
ヒゲ親父とガキがお互いの主の命を気にするとは思えない、仮に三人を人質に取れたとしても、
相手が悪い注意力が分散している状態ではいつ隙を突かれるか分らない。
それに破壊の杖は欲しいが、自分の命が対価の賭けに出る程の物ではない。よって2も×。
熟考の結果フーケは3に○を付ける事にした。
「ついたわ。」
「この小屋にフーケが居るのね。」
「ここからは僕が…」
「大尉、行って来て。」
タバサの脇にいた大尉は黙って頷くと小屋に入った。良いところを見せようと張り切っていたギーシュは
無視されて、ちょっと心が痛んだ。
フーケの小屋の壁に破壊の杖が立て掛けて有る。物事がすんなり進み過ぎる事を大尉は不審に思ったが、
事前の打ち合わせでフーケが居たらゴーレムを作られる前にブチのめし目的のブツ(破壊の杖)と
フーケの身柄を確保する事。小屋にあるのがフーケか杖かのどちらかの場合、どちらかだけでも確保
する事と言われていた。大尉は周囲に罠が無い事を確認すると破壊の杖、大尉の世界ではパイツァー
ファウストと呼ばれていたそれを手に取りタバサ達の元へ戻った。
「この小屋にフーケが居るのね。」
「ここからは僕が…」
「大尉、行って来て。」
タバサの脇にいた大尉は黙って頷くと小屋に入った。良いところを見せようと張り切っていたギーシュは
無視されて、ちょっと心が痛んだ。
フーケの小屋の壁に破壊の杖が立て掛けて有る。物事がすんなり進み過ぎる事を大尉は不審に思ったが、
事前の打ち合わせでフーケが居たらゴーレムを作られる前にブチのめし目的のブツ(破壊の杖)と
フーケの身柄を確保する事。小屋にあるのがフーケか杖かのどちらかの場合、どちらかだけでも確保
する事と言われていた。大尉は周囲に罠が無い事を確認すると破壊の杖、大尉の世界ではパイツァー
ファウストと呼ばれていたそれを手に取りタバサ達の元へ戻った。
「…………。」
「そう、これの使い方が解るのね。」
タバサの言葉に黙って頷く大尉。
「へえ、犬人間と魔法も無しに会話を成立させるなんて…あなたも犬?」
素で会話が成立していたのかッ、アンデルセンも含めた全員が心中でツッコむ。
タバサと大尉はアーカードの無礼な発言に対して、タバサはエアハンマーを撃ち込み、紙一重
で交したアーカードに大尉はかなり本気の入った一撃をアーカードに加えた。タバサと大尉の
息の合ったコンビネーションを交したアーカードは楽しげに言った。
「軽いジョークよ。そんなにマジにならなくても良いでしょ♪お二人さん。」
生きていれば、また破壊の杖を盗む機会は有る。今は使い方でも聞いておこうと思いフーケは
尋ねた。
「そう、これの使い方が解るのね。」
タバサの言葉に黙って頷く大尉。
「へえ、犬人間と魔法も無しに会話を成立させるなんて…あなたも犬?」
素で会話が成立していたのかッ、アンデルセンも含めた全員が心中でツッコむ。
タバサと大尉はアーカードの無礼な発言に対して、タバサはエアハンマーを撃ち込み、紙一重
で交したアーカードに大尉はかなり本気の入った一撃をアーカードに加えた。タバサと大尉の
息の合ったコンビネーションを交したアーカードは楽しげに言った。
「軽いジョークよ。そんなにマジにならなくても良いでしょ♪お二人さん。」
生きていれば、また破壊の杖を盗む機会は有る。今は使い方でも聞いておこうと思いフーケは
尋ねた。
「これが破壊の杖ですか。こんな形では構え難くて仕方が無いでしょうね。一体誰が使うのでし
ょうか?」
「言われて見ると気になるわね。」
ルイズもその意見に追従する。
「えっ、私達が使う杖の様に使うのではない。」
「………。」
「そう言う使い方ね。解ったわ。」
「…それで使い方はどうなの。」
どのように大尉とタバサが会話を成立させているのかの方が気になったがキュルケは杖の使い
方を訊ねた。
「やってみて大尉…」
大尉は無言でパイツァーファウストの安全装置を外しアーカードに向けて構えた。
「今は撃たなくて良いから。」
タバサの言葉に大尉は安全装置を掛けアーカードに向けていた殺意と砲口を下ろした。
ょうか?」
「言われて見ると気になるわね。」
ルイズもその意見に追従する。
「えっ、私達が使う杖の様に使うのではない。」
「………。」
「そう言う使い方ね。解ったわ。」
「…それで使い方はどうなの。」
どのように大尉とタバサが会話を成立させているのかの方が気になったがキュルケは杖の使い
方を訊ねた。
「やってみて大尉…」
大尉は無言でパイツァーファウストの安全装置を外しアーカードに向けて構えた。
「今は撃たなくて良いから。」
タバサの言葉に大尉は安全装置を掛けアーカードに向けていた殺意と砲口を下ろした。
「フーケがその辺にまだ潜んでいるかもしれないからちょっと探して来るわ。良いでしょご主人様♪」
大尉の本気の殺気に堪えた様子も無くアーカードはキュルケに言った。
この男、大尉がアーカードを殺そうとした時に微かに笑った・・・。
フーケとタバサはアンデルセンが大尉がアーカードを殺そうとした時、微かに笑った事に気付いた。
他のメンバーは大尉の殺気に飲まれて、アンデルセンが笑っていた事に気付いていなかった。
「え・ええ・・・、許可するわアーカード。」
「ほう、そうですかでは私はギーシュ君と一緒に、こちらを探して来ます。アーカード嬢だけでは不安な
ので、貴方は彼女と御一緒していただけませんかミス・ロングビル。」
「それなら、大尉さんも…」
「あら、フーケが潜んでいるかもしれない場所でレディ達だけにする気ですか。土の術を得意とする貴
方ならフーケの術を察知し易いと思いますわ。」
「女性だけで大丈夫かい。」
「ミス・ロングビルはお前よりよっぽど強い。それにフーケを見付けたら皆を呼ぶから大丈夫。」
ギーシュの問いにアーカードはきっぱり答えた。
やっぱり、ばれてる…フーケはアーカードとアンデルセンの発言に嫌な汗が止まらなかった。
大尉の本気の殺気に堪えた様子も無くアーカードはキュルケに言った。
この男、大尉がアーカードを殺そうとした時に微かに笑った・・・。
フーケとタバサはアンデルセンが大尉がアーカードを殺そうとした時、微かに笑った事に気付いた。
他のメンバーは大尉の殺気に飲まれて、アンデルセンが笑っていた事に気付いていなかった。
「え・ええ・・・、許可するわアーカード。」
「ほう、そうですかでは私はギーシュ君と一緒に、こちらを探して来ます。アーカード嬢だけでは不安な
ので、貴方は彼女と御一緒していただけませんかミス・ロングビル。」
「それなら、大尉さんも…」
「あら、フーケが潜んでいるかもしれない場所でレディ達だけにする気ですか。土の術を得意とする貴
方ならフーケの術を察知し易いと思いますわ。」
「女性だけで大丈夫かい。」
「ミス・ロングビルはお前よりよっぽど強い。それにフーケを見付けたら皆を呼ぶから大丈夫。」
ギーシュの問いにアーカードはきっぱり答えた。
やっぱり、ばれてる…フーケはアーカードとアンデルセンの発言に嫌な汗が止まらなかった。