あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

zeropon!-06

第六話

once apom a harukigenia

「街へ行くわよ」
日も高くなった頃、ルイズはパタポンたちが学院の一角に建てた生徒から『パタポン砦』と呼ばれる場所に来ていた。
「…というかあんた達…えらいもん作ったわね」
「そうですか?」
傍らにいるメデンにルイズが言う。そのパタポン砦、元々は彼らが乗ってきた船を元に作っている。
なのでその高さはゆうに馬小屋やら、使い魔たちの小屋を超える大きさになっている。まさに砦。
その砦には風車やら、何か良く分からない機械、巨大な植物、大きな金床などなどその様相は混沌としていた。
「なにもいわれなかったの?」
「はあ。ミスタ・コルベールが来られたのですが…」
「ミスタ・コルベールが?それで?」
「『なんと素晴らしい!!』と言われながらひとしきり見学されて帰られました」
 …許可した、ということでいいのだろうか?ルイズは首をひねる。
「それでルイズ様。街に行かれるのですか?」
メデンに言われ肝心な用を思い出す。
「そうだったわ。それでとも回りを誰か連れてきたいんだけど、馬とか乗れるの?」
「それならばお任せを、キバポン達をお供させましょう」
「キバポン?」
メデンが呼ぶと小さな馬に乗ったパタポンたちが現れた。彼らの乗る馬はロバよりも小さいが、しかしその動きには力強さが伺える。
「『騎馬』ポンって訳ね…ねえ?」
パタポンたちが乗っている馬、それを見ながらルイズがメデンに話しかけた。
「はい?」
「これ、私も乗れないかしら?」

正門にメデンが用意した馬は先ほどのキバポンたちが乗っていたものと違い、黄色い模様が入っており、なにより角が生えていた。
「これ、ひょっとしてユニコーン?」
ユニコーン、一角を持った馬であるそれは、気高い生き物と知られ、王族の乗り物としても使われ、ハルキゲニアでも珍しい生き物であるのだが、
「ユニコーンと、言う生き物がどんなものかは知りませんが、この馬は我がパタポン族最高の馬を用意させていただきました。その名も神馬『ルイズ』です!」
「…もっかい言ってくれる?」
「神馬『ルイズ』です!」
ぐっと、胸?の辺りで拳を握るメデン。
「…なんで私の名前?」
「神の馬ですから」
至極当然といった感じで言い放つメデン。
「もう…いいわ。あんた達も準備はいい?」
後ろを振り返りついてきていた他のキバポンたちを見ると…ウサ耳が生えていた。もはや慣れてしまったルイズに驚きは沸かなかった。
「なんでウサ耳なの?決闘の時から思ってたんだけどなんなの?猫耳とかウサ耳とか」
「はあ、それはですね…」
メデンの説明によると、このウサ耳やら猫耳やらは、パタポン達の能力を上げるものらしい。猫耳ならば猫のごとき素早い攻撃を、ウサ耳ならウサギの如く早く走れるとのことだ。
「へえ、そんな効果があるんだ」
ルイズは感心した。目の前のキバポンが揺らすウサ耳。そんな力が…と思ってたいらルイズは思わず耳をガっ、と掴んでしまった。
「あああ!ル、ルイズ様!おやめください…!」
「へえ?なんだか本当にウサギの耳みたいな感触が…」
ルイズがウサ耳に力をくわえると…すポンっといった感じでウサ耳が取れた。
「あーとっちゃいましたか」
メデンがまるで『仕方ない人ですねえ』みたいな感じで言う。
「え?!え?!これ取れても大丈夫なの?」
「かえしてーかえしてー!」
情けない声をだしてルイズに懇願する普通のパタポンに戻ってしまったパタポン。ルイズはちょっとかわいそうになったので耳を返してやる。
受け取ったパタポンはいそいそとそれを頭につけると安堵の息を漏らす。
「御見苦しい所をお見せいたしました」
いきなり先ほどとは違う、紳士的な態度になるパタポン。どうやら耳には理性を促す何かがあるらしい。もうなんかどうでもよくなってきたルイズは神馬『ルイズ』に跨った。
「行くわよ!」
ルイズがルイズに鞭を入れた。

「タ・バ・サアアアアアアア!!」
大音響で目的のドアを開くキュルケ。彼女の目的はこの部屋に住む少女。目的の青い髪と大きな眼鏡の少女は、その小柄な体を椅子に置き本を読んでいた。
「タバサタバサタバサタバサタバサってば!」
しかし、キュルケの呼びかけにタバサと呼ばれる少女は一切反応しない。それもそのはず彼女は、キュルケの気配を既に察知していた彼女は、
風の系統である『サイレント』を周囲にかけていたのだ。だからタバサから見れば顔の横でパクパクしているようにしか見えない。
そのまま無視していたのだが、キュルケは強引にタバサの肩を掴みがくがくと前後に揺さぶりだす。さすがに無視し続けられなくてタバサはサイレントをといた。
「なに?」
不機嫌まっしぐらといった顔でキュルケに問うタバサ。
「ちょっとサイレントかけるなんて酷いじゃない」
「今日は虚無の曜日」
虚無の曜日は学院は休みである。自室で静かに本を読もうと思っていた彼女には迷惑極まりない存在だ。
「いいじゃないちょっとぐらい。街にいきましょ、街に」
「なにをしに?」
「買い物でもなんでもいいわ、とにかく行くの!」
「目的も無いのにいく必要が無い」
「ルイズがパタポンたちと一緒に街にいったみたいなのよ」
その言葉にピクリと反応するタバサ。
「さっき校門のところにルイズがロバみたいなのに乗っててね、それでウサ耳つけたパタポンたちが、」
ガタンっ!キュルケの言葉が終わらぬ内にタバサはその椅子から勢い良く立ち上がる。それに驚いたのは話していたキュルケだ。
「きゃっ!タ、タバサ!?どうしたの?!」
驚くキュルケを一瞥もせずにタバサはとてとてと窓に近づくと開け放った。そして指をくわえて高らかに指笛を吹く。
しばらくすると窓の外からきゅるるという鳴き声と何かが羽ばたく音が聞こえる。見れば窓の外にタバサの髪と同じぐらい蒼い小型の竜が現れた。
「あら?この子、貴方が呼び出した使い魔?」
「そう、名前はシルフィード。じゃあ乗って」とタバサは行き先を告げる。
「全速力」
と、タバサが言うとシルフィードがそれに対してきゅいきゅい!と抗議の声を上げる。しかし自分の上にのった主人が振り上げた杖、いつも叩かれている杖がぎちぎちぎちぎちと、いつもと違う異音を握りの部分から出していることに気づくと、慌ててその羽を羽ばたかせた。
「まってて…ウサ耳」
タバサはいまだ見ぬそのウサ耳に思いを馳せた。

「はああ~大きな都ですねえ」
メデンがルイズの傍らをついてきながら感嘆の声を上げた。
「そりゃそうよ、ここはトリステインの王都だしね。王都がしょぼくれててもダメじゃない」
ルイズは鼻高々といった感じで説明する。彼女たちが訪れたのは王都であるトリステニア。その大通りには人があふれ、道の脇には露店が並んでいる。
「それで、ルイズ様。今回は何をされにここに?」
「武器屋に行くわ」
「武器ですか?ルイズ様がお使いに?」
「何言ってるのよ、あんた達の武器よ」
「私たちのですか?何でまた?」
メデン達が武器を既に持っているのはルイズも知っているのだが…
「ご褒美よ」
「は?」
「この前の決闘のご褒美よ!黙ってついてきなさい!」
おそらくルイズはこういったことをするのは慣れてないのだろう。こころなしか顔が赤い。
「…ふふふ。お待ちをルイズ様!」
照れ隠しなのかずんずんと早足で進むルイズの後を追いながら、なんと可愛げのある神だろうとメデンは思った。

「貴族様、あっしはちゃあんと、お天道様に顔向けできるような商売を…」
「客よ」
おそらく憲兵か何かと勘違いした店主の勘違いを一言で切り捨てるルイズ
「へっ?貴族様がお使いになるんで?」
「違うわよ、使い魔に使わせるの」
後ろからはメデンと、騎馬を降りたキバポン、もはや普通のパタポンがついてきていた。
「っははあん。例の盗賊対策って訳ですかい。」
ぽんっと手を打つ武器屋。
「なによ、盗賊って」
「あれ?違うんですかい?こりゃ失礼。いやね、最近ここらを賑わす『土くれ』って盗賊がいやしてね。対策に傭兵やら、武器やらを集める貴族様が増えたんで」
「へえ。二つ名があるってことはメイジなの?」
「そうでさあ。なんでも30メイルを超えるほどでけえゴーレムを使って盗みっていうよりほとんど強盗みてえな真似してる野郎でして」
「30メイル!そんなの作るなんてトライアングルクラスじゃない!」
この前、パタポンと決闘をしたギーシュはドットクラス、しかし魔法の使えないものにとっては十分な脅威である。
その上のラインですら遠く及ばないトライアングル。しかも貴族を相手にして生き残れるほどの腕だ。並大抵のトライアングルではあるまい
「と、いうわけでして、半端な武器ならきっと通用いたしあせん。のであっしがお勧めするのはこちら。はいドン!」
先ほどと違ういやに甲高い商売用の声と共に、店主が奥から出したのは、宝石やら彫刻やらが施された大剣であった。
「はいこちら!こちらはかの有名なゲルマニアの錬金師シュペー伯が作られた大剣でございます!みてくださいこの輝き、この出で立ち!もはや並みの剣とは大違いです!」
身振り手振りを交えて商品を説明するいやに甲高い声の主人。
「なんかすごそうね。」
「すごいなんてもんじゃあございません!いいですか!シュぺー伯ですよ、シュぺー伯!もうすんごい人が作ったものですよ!世に二つと御座いません!」
「そ、そうなの?でもきっと値も張るんでしょ?そんな業物だったら」
ほほに手を当て首を傾げるルイズ。
「もちろんそれなりの値は御座います…しーかーし!しかしです!この月ごとの分割払いにしていただければ月々100エキューの36ヶ月払い!これだったら懐に負担がかかりません!」
ルイズの目を見ながら、いやなぜか凝視している店主。ルイズが店主を見る目が心なしかとろーん、としてきた。
「たしかに負担がかからないわね…でも」
「待ってください!まだです!まだあるんですよ貴族様!いまキャンペーン中につきこの剣をお買い上げになられた方にはもれなく!この同シュぺー伯が作られたという槍をセットにして提供させて頂きます!」
「な、なんですって~」
店主の口車にルイズは乗っているわけではない。すでにルイズの目は逝っていた。焦点がよく合っていない。今まで聞いた事のない口車のあまりの勢いに催眠状態に陥っている。
「おっと、まだ驚かれるのははやーい!!」
「ま、まさか~」
もはやルイズは驚き役の観衆である。
「いまならなんと!このシュペー伯の大剣をもう一本お付けして!」
といいながら、世に二つもないはずの大剣が奥からもうう一本出てきた。そしてそれをみていたルイズは驚きであわわわ、といっている。いい観客だ。
「こんなに…でも値段は…」
「変わりません」
「なん…ですって?」
もはや驚きのあまり体がプルプルしているルイズ。
「これだけやってもお値段そのまま!さあもう、今しか御座いません!明日はないですよ、貴族様」
「そうね、そうよね、あしたになっちゃたらこんないいもの売れちゃうわよね」
「そうです、そうです!ささ、こちらの契約書にサインを…」
完全に催眠状態にあるルイズ。その手に握らされた羽ペンによってその、月賦払いの契約書にサインしようとしたとき、
「お待ちをルイズ様」

「ほへ?メデン?」
ふっとルイズが気づけばメデンがいた。どうやら店主の話に聞き入っていて自分を見失っていたようだ。
「どうしたの?」
「その業物。お貸しください」
「?なんで?」
言われたとおりにメデンに渡すルイズ。それを恭しく受け取ったメデン。そしてその剣を高々と上げると、
「ドッセーイ!!」
といいながらひざの上で叩き割った。
「ぎゃあああああ!商品になんてことを!!」
「ちょっとメデン!」
驚くルイズ、絶叫する店主にメデンが告げる。
「さて、我が秘拳スカイ・ニーによって砕けたこれが業物だと?」
「うっ」
図星を指され詰まる店主。
「はーはっは!ざまあみやがれ!あこぎな商売ばっかしてるからだよ!」
「黙れ!デル公!もう少しだったんだよ!」
ルイズとメデンしかいないはずの店内に響き渡る大声。それに当然のように返す店主。
「ルイズ様~!メデンさま~!剣がしゃべってますよ?!」
お供パタポン三匹が物珍しそうにひとやまなんぼのセール品の中から、錆付いた剣を取り出した。
「これ…インテリジェンスソード?」
「そうなんでさあ。デルフリンガーって言いまして、まったく誰が作ったんだかこんなうるさい剣を…」
「はああ、こちらにはしゃべる剣があるのですか?」
メデンが珍しそうに見ながらルイズに聞く。
「一般的じゃあないけど割かしあるわね。」
「おでれーた!」
突然うるさい剣こと、デルフリンガーが大声を上げる。
「おでれーた!お前『使い手』、」
「かしてかして~」
「次~次~」
三匹のパタポンによって取り合いされるデルフリンガー。しかし驚きの声はやまない。
「ちょ、ちょっと、うなっ!こいつら全部『使い手』だと?!どうなっってやがんだ?!」
ぶんぶんと振り回せながら『使い手』という言葉を繰り返すデルフリンガー。
「ルイズ様、あれを頂けませんか?」
「あれ?あんな錆びたぼろっちいのでいいの?」
「ぼろっちくてわるかったなああ!っていうかこいつらとめろおおお!」
パタポンズに翻弄されるデルフリンガー。
「まあいいけど…店主、あれもらうわ」
「はああ、まあデル公なら厄介払いになるんで100エキュー…」
「何言ってんの?私はもらうわよ、って言ってるのよ」
黒い、まるでメデンのような笑みを浮かべるルイズ。
「そ、そんなあ!そんなことできま…」
「憲兵」
「どうぞお持ち帰りください」
ルイズが魔法の言葉をつぶやくと店主は快く応じた。

外に出るとキュルケ達に遭遇した。
「あらルイズ、奇遇ね」
「こんな奇遇に用はないから行くわよ、メデン」
「ちょっとひどいわね。…なに?剣を買ったの?そんなぼろっちいのを?」
「ぼろっちくてわるかったわね」
「ふふん。貧乏なルイズにはそれくらいしか買えなっかたのね!いいわ、私がプレゼントしてあげるわ!」
高笑いをしながら武器屋に入っていくキュルケ。それをきーっといいながら見送ったルイズはふと気づく。キュルケが連れていた青い髪の少女はそこにまだいたからだ。
「…ええと、タバサ、だったかしら?」
キュルケと仲がいい子だったと記憶していた同級生、そのタバサはじいっとパタポンたちを見つめている。
「どうかしたの?」
「うさみみ…ない」
「へ?」
なぜか肩を落とすタバサを不思議そうに見るルイズ。
「なんでもない」
ポツリとつぶやいて肩を落としながらとぼとぼとタバサも中へと入っていった。
「なんだったのかしら…?」
しばらく待ったがキュルケ達は出てこなかったので、変に思いながらもルイズたちは帰ることにした。

その日、学院へ帰った後、キュルケが逝っちゃった目と、槍と、二本の剣を持ってルイズの部屋を意気揚々と訪ね、泣きながら部屋を出て行った。



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