「……すさまじいもんじゃの」
「まさか、ドットとは言えメイジを倒すとは思いもしませんでした」
本塔最上階にある学院長室で『遠見の鏡』をのぞき込む3人。
すなわち部屋の主であるオールド・オスマン、その秘書ミス・ロングビル、
そして教師たちの代表として決闘を止めるために『眠りの鐘』の使用許可をもらいに来たミスタ・コルベールである。
「ミスタ・コルベール。あの使い魔のルーンはわかったのかね?」
「いえ、これがさっぱりでして。何より文字そのものがルーンと言うよりはコモンのものに近く、
どんな資料をあたっても類似したものを見つけられない始末」
「あの『右腕を作り替えた』力、明らかに練金ではないようじゃしのぉ。
あれとミス・ヴァリエールの系統の関わりも気になるところじゃ」
「その通りです、オールド・オスマン。今後もできる限りの調査を続けます」
「頼んだぞ、ミスタ・コルベール。
さて、ミス・ロングビル。そんなところで聞き耳たてとらんで茶を煎れてくれんかな。
ついでに君も一休みしなさい」
とまぁ、とりあえず棚上げすることにしたらしい。
「まさか、ドットとは言えメイジを倒すとは思いもしませんでした」
本塔最上階にある学院長室で『遠見の鏡』をのぞき込む3人。
すなわち部屋の主であるオールド・オスマン、その秘書ミス・ロングビル、
そして教師たちの代表として決闘を止めるために『眠りの鐘』の使用許可をもらいに来たミスタ・コルベールである。
「ミスタ・コルベール。あの使い魔のルーンはわかったのかね?」
「いえ、これがさっぱりでして。何より文字そのものがルーンと言うよりはコモンのものに近く、
どんな資料をあたっても類似したものを見つけられない始末」
「あの『右腕を作り替えた』力、明らかに練金ではないようじゃしのぉ。
あれとミス・ヴァリエールの系統の関わりも気になるところじゃ」
「その通りです、オールド・オスマン。今後もできる限りの調査を続けます」
「頼んだぞ、ミスタ・コルベール。
さて、ミス・ロングビル。そんなところで聞き耳たてとらんで茶を煎れてくれんかな。
ついでに君も一休みしなさい」
とまぁ、とりあえず棚上げすることにしたらしい。
ところ変わってこちらは寮のギーシュの部屋。
とんでもなく派手に吹っ飛んだワリに顔の骨が折れているとか言ったこともなく、
1時間ほどで目を覚ます。もちろん殴られた頬は腫れてるが。
「痛い目にあったわね」
「あぁ、モンモランシー。ついていてくれたのかい?」
「勘違いしないでね、水魔法の練習にちょうどいいかと思っただけで
心配だったとかそう言うんじゃないから…」
確かに、本当なら目もあてられない顔に変形しているはずだったのが、
『冗談みたいに腫れている』レベルですんでいるではないか。
しかしこのモンモランシー、なかなかにツンデレである。
「すまなかった」
突如ギーシュが頭を下げる。
「え、ヤダ。ちょっと、やめてよギーシュ」
そう言いながらもまんざらではないモンモランシー。ちょっと『許しちゃおっかなー』とか思っていたりする。
「あの平民に殴られて目が覚めたよ。と言うかね、モンモランシー。あの拳は僕の心を殴ったのさ」
そう言われてもモンモランシーの頭の中は疑問符だらけだ。
あげく『ちょっと見直そうかと思ったけど、実は頭がかわいそうなことになってたりしないかしら?』などと考え始める。
「殴られた瞬間にね、いろんなものが流れ込んできたんだ。君が僕に香水を渡してくれたときの気持ち、
ケティを気晴らしの遠乗りに誘ったときに彼女がどう思ったか、ルイズが『ゼロ』と言われるたびにどれだけ傷ついているかとか、
あのメイドが貴族に奉仕することをどれだけ誇りにしているか、なんかがね」
『私がいつもそばにいると思ってね』などと考えていたことがバレると言うのは、
本当にそうなら恥ずかしい事だが、まぁまさかそんなことはないだろうと思いながら話を聞く。
「僕は、自分を女性を飾る薔薇などとうそぶいて、実は既に君に手折られていた事に気づかないふりをしていたんだね」
「だから、次から女性に声をかけるときは最初に本命が君であることを告げるようにするよ」
とりあえずぶん殴ったモンモランシーであった。
とんでもなく派手に吹っ飛んだワリに顔の骨が折れているとか言ったこともなく、
1時間ほどで目を覚ます。もちろん殴られた頬は腫れてるが。
「痛い目にあったわね」
「あぁ、モンモランシー。ついていてくれたのかい?」
「勘違いしないでね、水魔法の練習にちょうどいいかと思っただけで
心配だったとかそう言うんじゃないから…」
確かに、本当なら目もあてられない顔に変形しているはずだったのが、
『冗談みたいに腫れている』レベルですんでいるではないか。
しかしこのモンモランシー、なかなかにツンデレである。
「すまなかった」
突如ギーシュが頭を下げる。
「え、ヤダ。ちょっと、やめてよギーシュ」
そう言いながらもまんざらではないモンモランシー。ちょっと『許しちゃおっかなー』とか思っていたりする。
「あの平民に殴られて目が覚めたよ。と言うかね、モンモランシー。あの拳は僕の心を殴ったのさ」
そう言われてもモンモランシーの頭の中は疑問符だらけだ。
あげく『ちょっと見直そうかと思ったけど、実は頭がかわいそうなことになってたりしないかしら?』などと考え始める。
「殴られた瞬間にね、いろんなものが流れ込んできたんだ。君が僕に香水を渡してくれたときの気持ち、
ケティを気晴らしの遠乗りに誘ったときに彼女がどう思ったか、ルイズが『ゼロ』と言われるたびにどれだけ傷ついているかとか、
あのメイドが貴族に奉仕することをどれだけ誇りにしているか、なんかがね」
『私がいつもそばにいると思ってね』などと考えていたことがバレると言うのは、
本当にそうなら恥ずかしい事だが、まぁまさかそんなことはないだろうと思いながら話を聞く。
「僕は、自分を女性を飾る薔薇などとうそぶいて、実は既に君に手折られていた事に気づかないふりをしていたんだね」
「だから、次から女性に声をかけるときは最初に本命が君であることを告げるようにするよ」
とりあえずぶん殴ったモンモランシーであった。
さて最後にルイズの部屋。
「ところでカズマ、あの右腕何?」
「アルター」
「それって何よ?」
「知らん。物心ついたときには使えたからな」
「そう、わかんないんじゃ聞いてもしょうがないわね…、って、アンタ何やってるのよ」
「コック長からカズマさんへの差し入れです。はい、アーンしてくださ~い」
とまぁこんな調子で『少なくとも退屈はしなくてすみそうだな』とか考えるカズマであった。
「ところでカズマ、あの右腕何?」
「アルター」
「それって何よ?」
「知らん。物心ついたときには使えたからな」
「そう、わかんないんじゃ聞いてもしょうがないわね…、って、アンタ何やってるのよ」
「コック長からカズマさんへの差し入れです。はい、アーンしてくださ~い」
とまぁこんな調子で『少なくとも退屈はしなくてすみそうだな』とか考えるカズマであった。
【魔法の国】編終了