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ゼロの騎士団-11


ゼロの騎士団 PART2 幻魔皇帝 クロムウェル 1 「二人の帰還と、王女の来訪」

フーケと真駆参の逃走から三日後
アルビオン王国サウスゴータ地方、ウエストウッド村。
領主の騒動があってか、この村は孤児達と一人の娘以外はいない。
お昼を過ぎたあたりの頃、付近の住民があまり近寄らないこの村に、二つの足音が近づいていた。
「はぁ……」
ローブにしては比較的動かしやすい格好をした女性が溜息をつく。
(あの娘にバレているなんて……せめて私が、土くれのフーケという事には気付いてほしくないね……)
緑の髪を垂らしながら、自身にとって最悪の状況まで達していない事を祈る。
しかし、自分が後ろめたい事がお互いに知ってしまったのが、マチルダは余計につらく感じていた。
「どうすりゃいいのかねぇ」
「それを、話す為に帰るのだろう」
後ろを歩く、真駆参もそれ以上の事は言わなかった。
二人は、あの後港町から、船に乗りこのアルビオンに帰って来ていた。
その途中、お互いに会話を交えながらもこの話題には触れる事は無かった。
「あいつは、マチルダの事を傭兵かなんかだと思っている」
「そうだといいねぇ、私が土くれだと知ったらあの娘は私にこんな事をやらせないだろうね、けど、盗賊じゃないからって、今回の事で絶対に私の事を止めるだろうね」
自分を待つ少女の、心配する顔は怒った顔よりも自分にとっては答える物であった。
「自身の身内が危険な事をしていたら、止めるのは当然であろう」
(そう、当然の事なのだが、俺には実感できない……)
そう言いながらも、自身がその言葉の意味を理解だけはしているために、真駆参の言葉はどこか弱さを含んでいた
「アンタは私を止めないんだね、アイツラじゃないけど、アンタは私の事を見過ごすようには見えないしね」
フーケとして、自身が初めて正体を明かした相手だけに、マチルダは真駆参の意図を理解できないでいた。
「俺個人ならば、お前を役人にでも突き出すさ……」
(けど、それでは解決にはならない……)
自身が直面している問題の難しさを真駆参は解っていた。
会話しながら歩くうちに、二人の拠点が見えてきた。それが見えた事で、マチルダの足はさらに重くなるのを感じた。
もう一つの要因である、拠点に居るであろう少女に渡す袋の中をのぞき見る。
「今回はイマイチだったからね」
何時もからすれば、少ないがそれでも数ヵ月はあそこに住まう者達を賄う事が出来た。
しかし、最大の獲物である魔法学院が不発に終わり、次のターゲットであったモット伯には行く事も出来ず、有るのはその前に手に入れた物を換金しただけであった。
そして、それは彼女の次の仕事の機会が早まった事を意味していた。
「そうは言っても、彼女はお前を当分どこにも行かせないさ」
真駆参が自身の主の行動を予想して、マチルダにくぎを刺した。
そうする内に、扉の前まで二人は歩いていた。


金髪の少女は子供達を昼寝につかせた事で、一日の半分が消化したことを実感した。
ここ数日、少女は不安があったがドアを叩く音とその声を聞いて数日の不安が解消された。
「おかえり、マチルダ姉さん、マークスリー無事だったのね!」
色言いたい事があったが、彼女達の姿が変わらない事が彼女には一番うれしかった。
「ただいま、無事も何もテファ、私は、トリステインの魔法学院で秘書をしていただけだよ、私は危ない事はしてないわよ」
普段なら、その言葉を自信持って言えたが、今のマチルダにはその言葉は重かった。
「まぁ、俺が行く必要もなかったな、テファ、俺達が居ない間に問題はなかったか?」
マチルダからお金を受け取った、金髪の少女、ティファニアを見ながら真駆参が近況を聞く。
「こっちは大丈夫よ、真駆参、姉さんの事ありがとうね」
安堵と嬉しそうな顔で、ティファニアが自身の使い魔の労をねぎらう。
「ただ見に行っただけだからな、マチルダは長旅で疲れている。早く休ませてやってくれ」
「分かったわ、姉さん今日はゆっくり休んでね」
何時もの文句であるが、ティファニアのその言葉は何か含むものがあった。
「そうかい、少し早いけど休ませてもらうよ、夕食はいらないわ」
自身も、合いづらかったせいか、どこかぎこちない応対をしながら自分の部屋に歩いてくる。
(マークスリー……)
一瞬だけ、妹の使い魔と顔を会わせながら、何かをすがるように彼の顔を見た。
「疲れているだろ、今日はもう休め」
意図を読んだかどうか解らないが、少なくとも彼女は信用する事にした。
彼女が部屋から出た後、久しぶりに二人だけになった。
「マークスリー、ありがとう姉さんを助けてくれて……」
「俺は唯、アイツと会っただけだ」
そう言いながら、彼女の顔を見ず武器を置く。
「彼女の言う通り秘書をやっていたそうだ、俺は言った事無いから仕事までは解らなかったけど」
彼女の言を繰り返すように、真駆参は同じ事を繰り返す。
お互い日も浅いと言う事を抜きにしても、その間には距離感はあった。
「今回は、そうかも知れない………けど!姉さんは絶対に危険な事をしているの!」
「彼女はメイジとして腕が立つ、そう言った事もするだろう」
他人事のように、真駆参が否定とも肯定とも言えないような答えを返す。
その答えに、ティファニアは何か言いたそうな顔を見せる。
「ティファニア、俺はあまり言える事がない」
(俺には、ティファニアに偉そうなことを言う事は出来ない)
「マークスリー……」
全てではないが、自身の使い魔が何かを言いたげな表情が彼女にも伝わってくる。
真駆参はティファニアに近寄りながら、彼女を見つめる。
「マチルダを信じてやってくれ。そして、アイツとお前は俺が必ず守る。俺が言える事はこれくらいだ……」
「……ありがとう、マークスリー」
そういいながら、自身の使い魔を抱擁する。
お互いにすべてを伝える事は出来なかったが、大事な事はティファニアにも伝わった。
今、一刻の時間が流れる中では、それだけで充分であった。


それから、さらに数日後
ルイズは、夢を見ていた。そして、その主役は自分では無く自分の使い魔であった。
舞台は自分の家ほどではないが、それでも平民からは程遠い家であった。
どうやら、何か重要な日であるらしく、その家の周りには十数人が集まっていた。
「ニュー、今日からお前は騎士の従者になるのだ、それは騎士としての一歩を踏み出すのだ」
その家の入口で、どことなくニューに似た者が告げる。
「はい、お父様、立派な騎士になれるように頑張ります」
あまり、違いは解らないが若いニューがそれに応える。
(この夢って……ニューの昔の事?)
「お前は、我が家の名に恥じぬ立派な騎士になるのだぞ」
ありきたりの文句であるが、気持ちの入った言葉は余り着飾る必要がなく、それだけでも意味があった。
「はい、行って参ります。」
一礼をして、その場を後にする。
その様子を玄関の家族が、満足そうに見ている。
(ふーん、昔は真面目だったんだ)
今が不真面目という訳でもないが、どちらかと言うと冷静で、毒舌なニューがルイズのイメージであったので、今の若いニューは新鮮に見えた。
彼が門を出ようとすると10数人がその様子を熱烈に見送る
「ニュー様、お父様に負けない、立派な騎士になって下さい」
「頑張ってください、ニュー様」
使用人や、良くしてもらっている平民達がニューにエールを送る。
それに対して、ニューが馬上から笑顔で応える。ただ、どことなくそれは本心には見えなかった。
(……気楽に言ってくれるよな)(え!)
何も言ってないのに、ニューの声が頭に響く。
(お父様みたいな騎士になれって言われたって、僕には剣の才能がまるっきりないのに……)
その声は若いが、いつものニューと変わらない者であった。
ルイズはニューの顔を見る、笑顔ではあるが、どことなく表情は暗かった。
(はぁ、どうしたらいいんだろう、ゼータやリ・ガズィに稽古でボロ負けしたなんて言えないし)
見送りがなくなった事で、笑顔が消え憂鬱の一言で表せる顔に戻る。
(ニュー……)
この間、ニューが言っていた過去の話を思い出し、ルイズがそこにいるニューに声をかけ出そうとするが……
「……ルイズ、起きろ」
どうやら、ルイズが現実の方に声をかけられてしまった。
見やるとそこには、若くないそして、何時ものニューの顔があった。
「ニュー……」
ルイズが、何かを確認するように、ニューの顔を見やり名前を呼ぶ。
「朝だぞ、今日は何かの式典があるのだろ?準備をしたらどうだ?」
洗った洗濯物を仕舞いながら、今日の予定を教える。
「うん、分かった」
夢でニューを見た事、そして、自身がまだその境界にいる事で、ルイズはそう言うだけであった。


一人の少女が自身の責任を果たす為に、トリステイン魔法学院へと向かっていた。
そして、周りの道を民衆が見守る中、街道を走る馬車の中に一人の少女がいた。
少女――アンリエッタ・ド・トリステインは民衆に見られると言う事がすでに何であるかを気付いていた。
幼いころは、それが何であるかは解らなかったが、時が経つにつれ徐々にそれは自身では無い何かに目を向けているのだと言う事に気がついた。
自分を見ているわけでは無く、王女を見ている。それからは、彼女は見られると言う事にあまり感じる事が無かった。
民衆に手を振ると、歓声が上がるしかしそれは、自分の後ろにある糸のついた王女に向けてのものだろう。
そして、自分もいつしか民衆では無くそこに見える糸のついた何かに向けて手を振っていた。
(はぁ、けどこれは自分の役目だし、それに、彼女にも会えるから)
そう言い聞かせながら、自分の席に着きながら周りを見回す。
アンリエッタは余り王女としての責任感は無かった。それは、自分が無力な存在である事を誰よりも早く知っていたからである。
(彼らは、私に何を期待するのかしら、明晰な頭脳も魔法の才も政治的な能力もない私に、私などより、マザリーニに期待すればいいのに……)
自身にとって疎ましくもあり、そして最も頼りになる老けた男の顔を思い浮かべながら、アンリエッタは自嘲の感情を持つ。
彼女は思うところがなくなり、辺りを見回す。もしかしたら、アンリエッタの会いたい人物の顔があるかもしれない。そして、その目論見は当たっていた。
彼女の会いたい人物は、列の一番前に陣取り自身に回りと変わらない視線を送っていた。
(ああ、ルイズ、会いたかったわ!)
会いたい人物を見つけ、アンリエッタの顔も明るくなる。しかし、数秒後にはその顔も無くなる。
(……あれは何かしら?)
ルイズの隣にある、人間程の大きさのゴーレムもどきがアンリエッタには気になってしょうがなかった。
そして、そのゴーレムもどきの表情はなんとなく自分の表情に似ていると感じた。
そこから離れた所には、4人ほどの人影が遠目からその馬車を眺めていた。
「ふーん、あれがアンリエッタ王女ね、私の方が美人じゃない」
燃えるよう赤い髪に褐色の肌のキュルケが自身の美貌と比べ誰と問わず勝ち誇る。
しかし、残りの三人はある種の期待通り、反応が薄いものであった。
「……」
青い髪の少女、タバサは見向きもせずにお菓子に手をつけながら、読書に講じている。当然キュルケの対決にも、全くと言って良いほど興味を示さなかった。
「まぁ、俺はどっちも美人だと思うぜ」
そう言いながら、見向きもせずに、お菓子を頬張るダブルゼータにはまったくの説得力がなかった。
「てめぇが美人かどうかなんか分かる訳ねぇだろう、岩でも見てろ!」
からかう様に、テーブルに立て掛けられたデルフがダブルゼータに絡む。
しかし、お菓子を食べるのに夢中でその声は届いていなかった。
「あなたに、そんな事は期待いていないわよ、ゼータ、あなたは?」
キュルケが答えを聞きたいゼータに尋ねるが、その声は違う意味で届かなかった。
「おお、美しい、フラウ姫やユイリィ姫の様だ」
ゼータは何やら、アンリエッタを見ながら自分の世界に浸っていた。
「そんな事を言ってると、またシルフィードに襲われるわよ」
呆れ半分でゼータに忠告するが、その声もやはり届かなかった。
「それにしても……」
アンリエッタでは無く、キュルケがその周りにいる中の一人に注目する。
「あのルイズの顔は何、飼い主に再会して感極まった犬みたい」
アンリエッタを見るルイズの表情を、罵倒とも言える表現で表すが誰も聞いている物はいなかった。


罵倒では無いがルイズの表情を見て、似たような感想を漏らす者が他にもいた。
「アンリエッタ王女、素敵ですわ……」
その感想をもつ者は、称賛の言葉を漏らすルイズを見ていた。
(ルイズ、クックベリーパイが運ばれて来た時の3割増しといった表情だな)
そう思いながら、その対象であるアンリエッタを見る。
確かに、彼女は物語に出てくるような絵に描いた王女であった。
ただ、その笑顔から何も感じる事が無かった。
(昔の、私見たいな顔をしているな)
自身も王族では無いが、幼少の頃から衆目に晒されてきただけに、彼女の顔はそれに慣れ親しんだ者であった。
期待されると言う事は、必ずしも悪感情では無い。しかし、期待されても自身にその能力がないと分かると人は卑屈になる。そして、それに慣れすぎるともはや他人事のように、感じてきてしまう。
今の手を振る彼女は、まるで、自分に対してでは無い何かに対して民衆が手を振っているのであり、我関せずと言った表情であった。
その時、彼女とふと目が合う。彼女の眼は、この世界に来てから珍しい反応では無かった。
だが、ニューにはその感情こそが初めてアンリエッタ本人の顔に見えた。
ニューは、それが何となく気まずくなって目をそらす。そして、再び視線を彷徨わせるとまた別の視線と合わせる事になった。
その視線の主は、帽子をかぶった金髪の顔の整った男であり、個人の感想としては髭が似合わないと思った。
だが、ニューが気になったのは、アンリエッタと同じように、偶然視線が合っただけなのにアンリエッタのとは違う物を感じた。
その男の顔には自身に対する、興味が現れていた、それは珍しくないのだが。
(私が、珍しくないのか?)
何かを冷静に目測するような眼で見る男に、ニューも何かを感じ取った。
お互いが何かを感じたのか、ほぼ同時に目をそらせた。
(まぁ、気のせいだよな……)
ニューはそれ以上の感想を持たなかった。
数分後、アンリエッタは無事、魔法学院の門をくぐったのだった。


アンリエッタの来訪の簡単な挨拶も終わり、生徒達は昼食をとっていた。
「ねぇ、あの姫様の周りにいた金髪の髭のお方、かっこ良くなかった?」
アンリエッタでは無く、その周りの話題をキュルケが口にする。
(さっきの男かな?)
良くは見てないが、何となくその条件に当てはまりそうな男である様な気がした。
「ん?それってワルド様の事?」
クックベリーパイを食べながら、ルイズもまた条件に合いそうな男を上げる。
「ルイズ、知り合いなのか?」
何となく、自分も気になっていたのでニューもその男の情報を求める。
「スクウェアクラスのメイジでグリフォン隊の隊長よ、家が近いから何度か遊んでもらったわ」
(昔はよく遊んでもらったけど……久しぶりだな……)
ルイズが、それだけ言いながら、食べる事を再開する。
(年は違うが、幼馴染というやつか)
ルイズの話では、もう過去の出来事であるらしい。
「ルイズの相手なんて、それは苦労したのだな……」
自身も、友達と言えばやはり家の付き合いでの延長であった。
それに、ニューは彼女の相手をしているだけに、その男の苦労も何となく感じた。
「ふざけんじゃないわよ!この、馬鹿ゴーレム!」
ニューの感想に対して、ルイズはフォークで応えた。
「隊長か、なるほど、是非手合わせしてみたいな」
「俺を忘れんなよ、相棒」
ゼータとデルフが、ワルドの実力を聞いてそのような願望を持つ。
「やめときなさいよ、アンタが弱いわけじゃないけど、この間のモット伯とは違うのよ、
技は魔法に弱いし」
ルイズが、ゼータの特性から勝利の難しさを語るが、その言葉はニューにとってある疑問が浮かぶ。
(なんでルイズは、その事を知っているんだ?)
かつて、彼らの団長を務めた男と同じ言葉を聞いて、ニューはその疑問をぶつける。
「ルイズ、何で技が魔法に弱い事や、力に技が強い事を知っているのだ?」
「その事?夢を見たのよ、よく分からない夢だったけど何となくその事は覚えていたのよ、ニュー、どうかしたの?」
ルイズが、何か聞きたそうなニューに対して不審に思い逆に質問する。
だが、ニュー自身も的を射た答えがないのか
「そうか、何でもないんだ……」
そう言って、曖昧に答えるだけであった。
(夢か、よく解らんな……)
ニューにとっては些細な事としか思えなかったので、そこで話題を打ち切る事にした。


ルイズ達が昼食をとっている頃、護衛の魔法衛士隊はアンリエッタの護衛の為に、配置についていた。
「ワルド様、護衛の配置完了いたしました。」
自分よりも一回り上の副隊長がワルドに報告する。
「わかった、後は交代で休ませながら、警護に当たってくれ。土くれのフーケの襲撃騒ぎがあった後だ、油断してはならない」
「はい、わかりました」
年下のワルドに対して、全く嘲る態度を見せず副隊長が忠実に職務を実行する。

「アンリエッタ王女、警護及び護衛の配置、終わりました」
ワルドが自身の仕事が完了した事を、学院長室のアンリエッタに報告する。
「ありがとうございます。ワルド隊長、貴方はたしかヴァリエール家と家が近かったですね?」
アンリエッタが、報告を聞いた後、何かを思い出したようにワルドに問いかける。
「はい、ヴァリエール家には良くしていただきました」
「私も、ヴァリエール家三女のルイズとは良く遊んだものです。そのルイズが、今はこの学園にいるそうです。」
ルイズがこの学院にいる事をあげながら、アンリエッタが過去に思いをはせる。
「ルイズは良く言っていましたよ、ワルド様が大好きだと、お会いになってはどうです?」
ウインクしながら、ワルドをいたずらっぽく見る。
「ルイズ様は私もお相手を務めさせていただきました。彼女に会いたいとは思いますが、しかし、自分には護衛の任務があります」
ワルドが、そう言いながら笑顔で応える。
そして、一例をしながら部屋を退出する。
「ルイズ様か……まだ、脈ありって所ね……」
そう言いながら、アンリエッタは自身の行動の為の準備に入った。

夜 ワルドに充てられた部屋
「あれが、報告にあった使い魔達か……」
朝見かけた、三体の使い魔そして、自身が知っている人物が召喚した使い魔と目があった事をワルドは思い出す。
ワルドが聞いた報告では、三体の使い魔はかなりの力を持ち、モット伯の邸宅を襲撃し、土くれのフーケを追い詰めた。
それを聞くだけでも、ワルドは戦慄すると同時に、意欲が湧いてきた。
(ルイズ、君がその使い魔を召喚するとは、やはり君はすごいよ……)
ワルドはその中でも特に、魔法を使うニューに対して、興味を持った。
自分達とは全く違う魔法を使う、卓越した術者。
「彼とは、是非手合わせしてみたいな」
そして、あわよくば……そう言いながら、ワインを一口だけ口に含む。
窓から外を見ると、フードを被った人影が女子寮に向かっていた。


深い闇の中、一つの命が生を終える。
「ばかなっ!」
見るからに屈強な男が、崩れ落ちる。
「ふむ、この世界の騎士とはこの程度ですか、大した事はありませんね」
男に刺さった剣を抜き、それはつまらなそうに呟いた。
「幾らこれがあるとはいえ、幾らなんでも弱すぎますねぇ」
それは退屈していた。そして、近くにいた人影を見つめる。
「これが、契約ですからね、どうぞお食べ下さい。ああ、そろそろ私の標的も来ますからそちらも準備して置いて下さい」
そう言い残し、それは森の奥深くに去っていく。
「化け物ね……私が言えないけど」
自身の“食事”を失わせるくらいの光景を人影は見ていいた。


「はぁ、退屈だわ……」
馬車から、民衆を眺める少女
彼女の来訪が第2幕の開幕を告げる。
PROLOGUE

「22マークスリー、お帰りなさい」
エルフの少女 ティファニア
マークスリーを召喚する。
MP 250

ゼロの騎士団 PART2 幻魔皇帝 クロムウェル

少女は本来豪華な椅子に座りながら人に指令を出すが、自身の使い魔にはそれを適用しなかった。
「アレックス、今度はラグドリアン湖の調査をして来てくれないか」
自身の使い魔に対しては、命令と言うよりも頼みごとの様な口調になってしまう。
「いいよ、イザベラ。ではすぐに、行ってくる」
命令を受け、きびすを返して、彼女の使い魔が部屋を出ようとする。
「まっ、待ちなよ、どうせ急ぎの任務じゃないんだ、それに……」
彼女はそう言って口ごもる。
「どうしたんだい?」
「アンタは私の使い魔なんだから、もう少しここでゆっくりしてったらどうだい」
「分かったよ、イザベラ」
そう言いながら、彼女の使い魔は自室へと戻っていた。
(調子狂うねぇ……)
彼女の使い魔に対する感想はその一言であった。


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