あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

赤い使い魔

 春の使い魔召喚の儀式。そこで『ゼロのルイズ』が呼び出したのは、一頭の熊だった。
 否、それは熊というにはあまりにも大きすぎた。大きく、太く、超重量、そして大雑把すぎた。それはまさに怪獣だった。
 爛々と光る隻眼は、それの凶暴さを語り、あと、なんか口元が血で汚れていたりした。

「ミス・ヴァリエール!」
「なんですか。ミスタ・コルベール」
「召喚のやり直しを。これはなかった事にして召喚のやり直しをしてください」

 そんな言葉に、ルイズは、ありありと不満を顔に浮かべる。
 何度も失敗して、ようやく召喚をしたのに、どうしてやりなおさなくてはいけないのか。

「それはダメです。ミスタ・コルベール」
「どうしてですか?」
「決まりだからです。一度呼び出した使い魔は変更することはできません。何故なら春の使い魔召喚は神聖な儀式だからです」
「いや、しかしですね。いくらなんでも、これは物騒すぎます。今すぐ、猟友会を呼んで始末してもらうべきです」

 そんなコルベールの説得に、ルイズは「はあ?」という顔をする。
 自分はちょっと普通より大きな熊を召喚しただけである。なんか体長15メイルくらいの大きさがあるように見えるけど、それだけである。
 これが危険なら、某赤毛胸デカが召喚したサラマンダーや、青髪ペッタンが召喚したウィンドドラゴンだって危険なはずだ。
 そう思ったルイズは、それをそのまま口にする。
 さあ、殺すならわたしごと殺しやがれとでも言うような態度に、コルベールは折れ、ルイズはその巨熊と契約を交わす。
 以外にも、巨熊は大人しくコントラクト・サーヴァントを受け入れ、ファーストキスは血の味がした。使い魔のルーンは熊の胸に刻まれた。

 ルイズの使い魔になった熊は、知能が高く彼女の言うことをよく聞いた。
 使い魔のルーンは時に対象となる獣の知能を人間並みに上げることがあると聞く。
 これも似たようなものだろうと、ルイズは思ったが、実は巨熊は召喚した時点からルイズとコルベールの会話を理解していた。
 そんな巨熊は、夜になるとよく学院から出て行った。
 衛兵はそれを止めなかった。というか、止めたら喰われそうで怖かった。帰ってくるときは、口元を新鮮な血で濡らしていたし。
 巨熊は、凶悪な外見とは裏腹に、とても大人しくルイズのいうことを聞いた。
 だからまあ、学院の他の生徒の使い魔が何匹か消えても誰も疑わなかった。学院で働く平民も何人か行方不明になっていたが、巨熊にお前が犯人かと問い詰めるものもいなかった。
 というか、知能が高いといっても獣である。犯罪の隠匿なんてものをするとは誰も考えない。
 そんなわけで、しばらくは平和な日々が続いた。その平和な日々の中、巨熊は更に大きくなったが、それを気にしても仕方がなかろう。

 そんな日々の中、ある夜、土くれのフーケという盗賊が現れた。
 フーケの操る土ゴーレムは30メイルもの巨大なものであったが、気がついたらそれと同じ大きさまで成長していた巨熊によって、あっさりと破壊された。
 そんな事件のおかげで、ルイズはますます巨熊を可愛がるようになった。

 そうして更に月日が流れ、トリステインでは、いつしか平民が野生の熊に襲われる事件が勃発するようになった。
 その熊の目撃者の証言からして、それはルイズの使い魔に酷似した姿であり、さらに今までにハルケギニアにはいなかった巨体であると聞き学院の人々は、もしやと思ったが、その疑いはすぐに晴れた。
 更に大きく育ったルイズの使い魔は、目撃された熊とは比べ物にならないほどに大きく、また被害の範囲は広く、一頭の熊に回れる範囲を超えていた。

 更に月日は流れる。ルイズの使い魔が、もはや人知を超えた巨体に育ったとき、それは牙を剥いた。
 トリステインだけでは留まらずハルケギニア全土を襲うようになった巨大熊の群れ。それは、ルイズの使い魔の血を引く者たち。
 それらは、ただ巨大なだけではなく高い知能を持ち、メイジたちの戦力を測り、戦略を持って人を襲う。

 かくして、ハルケギニアは、かつて赤カブトと呼ばれた巨熊とメイジたちが大地の覇権を賭けて争う戦場と化したのであった。



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