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ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア-39


39. The Elder Scrolls

タルブの村のはずれで爆音が響く。豪快なそれはルイズの気分が、
晴れやかな事を表しているのかもしれない。
マーティンは音の鳴る方へ進み、ルイズに薬が出来た事を伝えた。

「早いわね。流石エルフだわ」

そういう問題なのだろうかとマーティンは口に出そうとしたが、
ルイズの天にも昇りそうな満面の笑みを見ると何も言えなくなった。

「それじゃあ、ちいねえさまの所に行かないと」

ルイズが小さい頃は同じ屋敷で暮らしていたが、
八年程前から別の屋敷にいる。本格的な病気治療の為に造られたのだ。
それがあるのはフォンティーヌ領で、ヴァリエール公爵はカトレアを不憫に思った結果、
残りの生涯を家名に縛られずに生きて欲しかった為、名を変えさせた。
ルイズは何度かお見舞いに行った事もあるので、
その場所を覚えている。

「ルイズ?どうやって行くって言うのよ」

キュルケの問いに、ふふふ。とルイズは自信たっぷりに笑った。

「空を飛んで行くに決まってるじゃないの!これだけ力があるんだもの。
 何も問題無いわ。まだ試してないけど」

「虚無」なのだからその自信は身の丈に合ってはいるのだろう。
それは良いことだが、今の彼女の自信は少々あらん方向を向きつつある。
魔法を過信しすぎているとでもいうべきだろうか。
キュルケはルイズを落ち着かせようとした。

「空を飛ぶのって、結構難しいのよ。今はやめとき――」

キュルケの制止も聞かず、ルイズは地面から離れた。
そして大空を飛ぶ。この上なく愉快そうに。
キュルケが言った言葉を一蹴するかのように速度を上げ高度を上げ、
地上からでは豆粒の様に見える大きさくらいになった時、ルイズは満面の笑みで下を見た。

「ふんだ。もうゼロじゃないもん!」

そしてルイズは高速で地面に近づこうと試みた。――しかし彼女は魔法のイメージよりも、
キュルケにどう言い返してやろうかと考える事を優先してしまった。
魔法を使う際にもっとも大切な事はその魔法をイメージする事である。
「錬金」等で特に言われるが、他の魔法もただ唱えれば良いというわけではない。
簡単なコモン・マジックでも、それを初めて使うのならしっかりとイメージしなければならない。
唱え慣れた呪文なら体が覚えているが、ルイズは昨日今日で唱えた呪文が成功するメイジになった。
つまり新米メイジである。彼女は空を飛ぶというイメージを忘れ、地面に降り立った後の事を考えてしまった。

結果、そのまま真っ逆さまに落ち始めた。

ぎゃぁああああと叫びながらルイズは落ちる。
空のとても高い所から降ってくる。その絶叫の様は記すことすらはばかれる。
少なくても彼女に恋心を抱いている男がいたとしたら、
その人物にとっては千年の恋も冷めるような顔だった。

やれやれと思いながらキュルケはレビテーションの呪文を唱える。
多少ゆらゆらとぶれながらルイズはゆっくりと落ち始めた。
マーティンはぽりぽりと頭を掻き、今度からは私も付き添うかと、
無茶な事をする彼女は誰かがいないとダメだと思い直した。

「まったく。私がいなけりゃ頭かち割ってたわよ?」

低空をゆっくりと落ちるルイズはあうあうと手足をばたつかせている。
とっさの対応が出来るほど空を飛んだことがないのだ。
落下の衝撃は慣れていないとパニックを引き起こす。
その為、杖で呪文を唱えなおすという考えが思い浮かばなかった。

地面の近くまで来て、レビテーションが解かれる。
軽い音と共にルイズは落ちた。お尻をさすりながら少し顔を赤らめて、
二人の方を見ないように呟いた。

「…ちょっと調子にのっていたわ。でも、どうしようかしら」

ちょっとどころではないが、まあ仕方ない。
なにせ魔法が使える様になったのだから。とその場にいた二人は流す。

「フォックスに頼んでみたらどうだろうか」

伝説の盗賊頭であるグレイ・フォックス。
彼のことだからめぼしい貴族の屋敷はマークしている事だろう。
なるほど。とルイズはマーティンの意見に同意した。


ルイズがギルドハウスに戻った時、既にアンリエッタは去っていた。
呼んでちょうだいよ。と彼女は文句を言ったが、すぐに会えますよ。
とフォックスは事も無げに返し、本題に答えた。

「ええ、かまいませんとも。ミス・フォンティーヌなら大抵自分の領地にいるでしょうし。
 お送りしましょう。なぁに、グリフォン以外にも色々と空を飛ぶ獣はいますからな」

灰色狐が口笛を吹くと、どこからか風竜が現れた。
竜はフォックスに甘えるように顔を近づける。
シルフィードと同じか、もう少し幼い感じのする竜だ。

「タルブ近くの森で怪我をしてましてな。助けたところ懐かれたのです。
 といっても、こいつはフォンティーヌの屋敷を知りませんから私が指示を出すのですがね。
では、参りますかなミス・ヴァリエール。少々飛ばして夕暮れ時には着くでしょう」

コクリとルイズは頷き、マーティンを見た。

「どうしようかしら。マーティンも来る?」
「うーん。いや、私は二人と先に学院に戻るよ。オスマンさんに事情を言わないといけないだろうし」

分かった。とルイズはフォックスと共に風竜に乗り、地上を後にした。
ふむ。とそれを眺めてからマーティンは家の中に入る。
キュルケも暇になったのでタバサを弄ろうかしら。なんて思った。

「そういえば、彼女の姉――カトレアだったかな?」

マーティンがキュルケに尋ねた。

「ええ、ゲルマニアでも有名よ。病弱な人だって」
「そんなに酷いのかい?」
「最近は良くなったみたいだけど。昔は病気のせいで髪が真っ白になった事もあったとか」

マーティンはそれを聞いて以前、重い病を持つ者は段々と髪の色が抜け落ちてしまうのだ、
と治癒師から聞いた事を思い出した。

「ルイズからはあの髪色と同じだと聞いたけれど」
「そ。あの子と同じ鮮やかな桃色がよ?相当重い病なのでしょうね」

少しでも良くなればいいが。もう見えない、風竜の飛んで行った方向をマーティンは見ながら、
エルフの薬が効くことを祈った。


フォンティーヌ領にあるカトレアの屋敷は、彼女の趣味に合わせた造りとなっている。
つまり言うなれば、植物園と動物園を一体化したような建物だ。
様々な動物が建物中で暮らし、植物は鉢植えどころかツタが天井を這い、
うっそうと屋敷内に張り巡るそれらは部屋や廊下の窓の光をさえぎり、
さながら暗い森を思い起こさせる。住んでいる動物たちもヒバリや犬、猫程度なら問題は無い。
蛇も毒が無ければ可愛いものだ。だが、虎とクマはどうだろうか?
小グマや猫と見まがう子供の虎ではない。立派な大人の猛獣のそれである。
それらが和気あいあいとしているのだ。何か変だと思う召使いは多い。
しかし主人がああなのだから、動物たちも影響を受けるのだろうと、
ある程度ここで働いた召使い達は思うようになる。

屋敷内の内装もトリステイン的な豪華さを持った調度品と色彩のそれではない。
きらびやかな調度品が飾られ、美しい色に彩られながらも、
光があまり当たらないせいかどこかほの暗く不気味だ。
東方のある島の伝統的な造りから着想を得てから改装したらしいが、
どうやってその地の事を知り得たのか、今のところ彼女の姉と使い魔以外は誰も知らない。

この屋敷で生活をしているのは彼女だけではない。
当たり前な話だが、彼女は貴族である。貴族の世話を召し使い達がするのは、
ハルケギニアにとっての常識だ。従者達の中でも新入りは、動物の世話もしないといけないだなんて。
性格は良いのだけれど。と事あるごとに愚痴をこぼしている。

「本当に、良いお方なんだけどなぁ」

最近奉公に来た年若いメイドが、廊下を掃除しながら言った。
トリステインで五本の指に入る大貴族であると共に、
気むずかしさでも五本の指に入るヴァリエールの生まれでありながら、
気さくで優しく、平民貴族分け隔て無く接する彼女に好意を持つ者は多いが、
その趣味を理解できる者は少ない。このメイドもその一人だった。

「ほら、口動かす前に手を動かしなさい」
「あ、すみませんメイド長」

ペコリと頭を下げて、若いメイドは白髪交じりのメイド長に謝った。
随分長い間ヴァリエールに仕えた女性は、
何とも言えぬ笑みを浮かべてメイドを見ている。

「お前が言いたい事は分かるけれどね」

「…失礼とは思うのですが、使い魔でもないトラや熊を放し飼いするのは…。
 その、怖くて」

怪我をしている動物を治療することは悪い事ではないだろう。
しかし、どんな事でもやり過ぎると良いとはいえなくなる。
内装のことは慣れたら問題もないが、獣の世話は少し変わってくる。
特に猛獣として知られる、元野生の動物たちの世話もしなくてはならないメイドは、
少し青い顔をしてメイド長に言った。

「ああ、そうだろうね。どういうわけか大人しいけれど、
 いつ豹変するか分からないからね。けれど――」

メイド長は肩を落としてゆっくりを息を吐いた。

「これでもご主人様は昔と比べると、随分良くなっているんだよ?
 まぁ、分からないだろうけれどね」

「何の話かしら?」

件の主人、カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌがいつの間にかいた。
気配その物を感じなかったのは、お喋りに高じすぎていたからだろうか。
それとも、主人は本来人が持っているはずの気配を何処かに落としてきているからだろうか。
ひぃ。と若いメイドは膝をつき頭を床に付けた。電光石火の早業である。

「別に構わないわ。お掃除頑張って下さいね」

そう言って笑顔を浮かべるカトレアは、
たくさんの動物たちを引き連れながらその場を後にした。
若いメイドは息をぜいぜい吐いている。

「あの人は簡単に命まで取ったりしないよ」

涼しい顔をしてメイド長は言うが、メイドは冷や汗を垂らしてぶんぶん首を横に振る。

「い、え、普通ご主人様の事を陰口で叩いていたらどうなるかなんて…」

想像したくもない。子供の事を言うのならまだしも、
そこの主人を悪く言ったらどうなるかなんてどんな馬鹿でも即座に理解できる。
つまり、命が惜しくないわけだ。そこからどのような罰が下ることか。若いメイドはまた体を震わせた。

「まぁ落ち着きなさい。そう決めているのよ。
 あの人の指に嵌めてある変わった指輪を見たことあるかい?」

メイド長は彼女の背中をさする。ようやく震えが収まったメイドは、
そろそろ50の大台の半ばを過ぎる自分の上司に答えた。

「あ、ああ。あのスプーンの頭を模した指輪ですか?」
「八年前からね、ずっと身につけていらっしゃるんだ」
「何か思い入れのある品なのですか?」

ああ。とメイド長は続けた。

「何でも、さる国の王子様から賜ったそうだよ。
その時に、無闇やたらと殺生をしないと決めたとか。
おかしいのは、指のサイズが合わなくなっているはずなのに、
 ずっと嵌めていらっしゃる事だよ。何か魔法がかかっているのだろうけれどね」

「へぇ。そう言えば、使い魔のミノタウロスも八年前に呼び出したんでしたっけ」

使い魔は通常、系統に見合った生物が現れる。火には高温に強い生き物や火竜等が、
水には水棲の動物や水が好きな生き物が、風には空を飛べる動物が、
そして土はジャイアントモールの様な土の中で過ごす生き物、
または地を駆ける生き物等が呼ばれる。カトレアは彼女の言葉を信じるならば、
土、土、水のトライアングルで選ばれた系統は土だった。ミノタウロスは大当たりの類と言えるだろう。

「そうそう。ラルカス様だね。ミノタウロスが喋るだなんて驚いたけれど、
 元々ミノタウロスは片言で物を言えるらしいから、
使い魔になって流ちょうに話す事が出来るようになったんだとさ。
魔法まで使えるって分かった日にはもっと驚いたけれど、それもルーンの力だとか」

使い魔の方が平民よりも位は高い。その為知性ある使い魔には敬称を付ける。

「はぁ~。やっぱり貴族様の魔法ってすごいんですねぇ」
「まったくだよ。さて、さっさとここの掃除を終わらせるんだよ。
仕事は山積みなんだからね」

メイド長は自分の仕事をする為に、どうにか元気良く返事をする若いメイドのいる廊下を後にした。


「ノクターナルはこの頭巾を被ったら、
誰からも認識出来なくなる呪いをかけているのです。
 そしてそれをかけたかどうかすら忘れているようで…」

やっぱりボケてるのかしら。大ボケですな。
はっはっはと二人は笑った。

「で、先代に頭巾を渡された時にその呪いにかかったの?」
「そうなのです。いやぁもう何年も昔の話でございますが」

5.6時間も竜の上に乗るのは退屈だ。
フォックスが持ってきていた軽い昼食を食べながら、ルイズは昔話を聞いている。
ところどころをぼかしてはいるが、元々貴族階級の出であり、
長い間盗賊達の頭を務めてきたフォックスにとって、ルイズに答えたくない疑問を持たせない様に話を聞かせるのは簡単だった。

「それで、腹心の部下に呪いを解くためのアイテムの入手を任せたのですが、ドジりましてな」
「なんでまた?凄い盗賊だったのでしょう」

いやぁ、とフォックスは口元をゆるませた。

「見たことの無い書物があったらしく、思わず声を上げたらしくて。
 そこにいる僧兵達は目が見えぬのですが、代わりに耳がとても良いのです。
目はエルダースクロールだけの為に使うため、普段は目隠しをして暮らしています」

「エルダースクロール?」
「昔々の大昔に、エイドラによって創られた既言の書にして予言の書の事です」

そんな物まであるの。何か凄いわねぇタムリエルって。
ルイズは口に出さず考えたが、ふと疑問が沸いた。

「ねぇ、予言書ってそこに書かれた事全部起きるの?」

フォックスは首を横に振った。

「いえ、起こった後は皆同じ内容が見えるのですが、
 それまでは見る者によって、差違が存在するほど難解に書かれているのです。
 そしてエルダースクロール、またの名を星霜の書と言うのですが、
 その内容を理解するには特別な訓練が必要でございまして。
 そして最も重要なのは、書を読むにつれて視力が無くなっていく事です。
エルダースクロールは事象毎に別の巻物に書かれているのですが、
どれか一つを読み切ってしまうと、目は何も映さなくなるのです」

先を知る代償という奴ですな。とフォックスは締めくくった。
なるほど、大きな力は代償も大きいのね。とルイズは納得する。

「本来、その書物に干渉する事は神々ですら不可能だと言われているのですが――」

フォックスは肩をかしげながらルイズに言った。

「何故かノクターナルには可能だったようです。
 最初にこの頭巾を被った男の名をこの世から消した事によって、
 エルダースクロールのある巻に、何も記載されていない欄が出来てしまいました。
 私が名を取り戻すには、そこに最初に頭巾を奪った男の名を刻めば良いのですが、
 それを盗む事に失敗してしまって…失意に浸る中、
気が付けばティファニアに呼ばれていたという訳です」

「事情を話して借りれば良いじゃない」

最も一般的な解答かもしれない。しかし、グレイ・フォックスは首を横に振る。

「お嬢様。ヴァリエールお嬢様。私はしがない盗人です。そんな男の話を聞く者など、
 誰がおりましょうか。それに、グレイ・フォックスは伝説なのです。
 実在の誰かであってはならぬのですよ」

アンヴィル伯としての顔は皆忘れてしまった。
そしてエルダースクロールへの干渉は基本的に不可能であり、
特に「過去」となった記録については、絶対に書き替えが出来ないとされている為、
名無しならずっと名無しである。と考えられているのだ。
そして、フォックスは貧民達の英雄であると共に、伝説の盗賊頭でなければならない。

盗賊ギルドはなにも貧民だけがメリットを持つわけではない。
組織的な犯行と不殺を含む掟は、都市での突発的な犯罪と凶悪な犯罪の抑制を促す。
誰だって初めは金が無いから仕方なく、一切れのパンを盗む事から始めるのだ。
味を占めて人の命を盗むようにならず、金目の物をいくらか頂くだけで終わるのならば、
それに越した事はない。犯罪そのものを無くすことは不可能だが、
組織を作ることによって減少出来るのなら、それには目をつぶる。
タムリエルで盗賊ギルドを支援、または黙認している上層階級の役人や貴族は、
この様な考えからギルドを支持している。

「そんなものかしらね」
「そんなものなのですよ」

ふうん。とルイズはパンをかじりながらフォックスの顔を見た。
頭巾に覆われた顔はほとんど感情を見せないが、どこか疲れている感じではあった。
年を取った男は、自分をじっと見つめる少女をいぶかしむ。

「そんなものかしらね」
「そんなものなのですよ」

ふうん。とルイズはパンをかじりながらフォックスの顔を見た。
頭巾に覆われた顔はほとんど感情を見せないが、どこか疲れている感じではあった。
年を取った男は、自分をじっと見つめる少女をいぶかしむ。

「あ、何でもないわ。後どれくらいかしらね」
「そうですな。後一時間程でしょう。テファの薬は良く効きますからきっと良くなりますよ」
「ねぇ、あの子の魔法って」

さて、とフォックスは首をひねった。

「ああ、何でも精霊達から教わっているとか。私はメイジではありませんから、
 魔法は使えてもその原理までは理解していませんので、彼女の魔法が何なのかは分かりません。
便利ですけれどね。風石とか作れますし」

「何ですって!?」

風石はアルビオンへ行くための必需品だが、あまり多く採掘できる物ではない。
そんな貴重品をエルフは自身の力で作り出す事が出来ると聞けば、
驚くのも無理はない。フォックスは話を続ける。

「何でも、精霊の力の行く先を指定する事で、
精霊の力をため込んだ結晶体にすることが可能なのだとか」

ふあーとルイズはため息をついた。

「流石エルフだわ。反則も良いところじゃない」
「ミス・ヴァリエールも出来るのではないのですか。『虚無』なのでしょう?」

ルイズは首を横に振った。

「ダメよ。さっきマーティンから教わった魔法も試したけれど、
 使えなかったわ。でも――私にはエルフの血が混じっているかもしれないのに、
 どうして使えないのかしら」

「偶然か、それとも神のいたずらか…この世の中分からない事の方が多くございます。
 そして、分からない方が良いこともたくさんございます」

理由は知らぬ方が良いかもしれません。とフォックスが答えてしばらく経つ。
ルイズは、ふと今朝の事を思い出した。

「ねぇ、メリディアって知ってる?」
「確か――無名のデイドラ王子の名でしたな。その存在のほとんどが謎に包まれたデイドラです」
「息子の名前がウマリルって言うらしいわ。どこかでその名前聞いたんだけど、忘れたの」

おお、とフォックスが声を上げた。

「ウマリルというと、伝説でペリナルと戦ったアイレイドの長ですよ。「羽を失いしウマリル」なんて、
 ご大層な肩書きを持っていたそうですが。ああ、羽が不死を表しているのだとすれば納得がいきますな」

不死でなくなったという意味に聞こえる。とフォックスは言った。

「う~ん。何か違う気がするけど…」
「まぁ、真実を知るには本人に聞くべきでしょうな…私もいずれ神々に聞かねばなりません。
聞くことが出来ればの話ですが」

と、フォックスは答えた。それからも世間話をしつつ、風竜は空を舞う。
しばらくして一行はフォンティーヌの屋敷に着いたのだった。


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