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ゼロのしもべ第3部-1

            ゼロのしもべ
 第3部 ドミノ作戦編~全てはビッグ・ファイアのために~

異世界ハルケギニア 人類は魔法の力によって 栄光ある社会を築いていた。
だがその栄光の陰に 暗躍する1人の男がいた。
かつていくつもの組織を率い、世界を支配せんと目論んだ悪の指導者、ヨミ。
一方、3つのしもべを率いて、その野望に立ち向かいつづけた一人の少年の姿があった。
名をバビル2世。超能力少年、バビル2世。

第3部1話

 ガリア王国は、ハルケギニア最大の人口を抱える大国だ。人口およそ1500万人。魔法先進国であるガリアは、メイジ……、
つまりは貴族の数も多い。やはりハルケギニア最大の人口を誇る首都リュティスのメイジの人数は、やはり他の追随を許さない。
 リュティスの政治中枢は、街の真ん中流れるシレ川に位置する中州から、川の西岸…町外れへと移動していた。
 全ての政治施設は町外れにあるヴェルサルテイル宮殿に移動し、そこで政ごとが行われているからだ。
 ヴェルサルティル宮殿は、かつては複雑な形をした庭園といった趣であった。さまざまな趣向を凝らした建物が立ち並ぶ、建築物
美術館とでもいうべきしろものであった。
 だが、今は違う。
 今のヴェルサルティルは、国中から集めた岩を積み重ね、土系統のスクウェアメイジが数人がかりで土を持ち上げ、ベトンで固め、
固定化の呪文を用いて作った人工の岩山であった。そこにシレ川から引いた水を入れ、馬車などは出入りできないようにしている。
 岩山は四方が断崖絶壁になっており、さらには周囲を幾重にも張り巡らされた迷路のような水路で囲っている。
 その水路を正しく通り、断崖絶壁に備え付けられた道なき道を越え、何重にも仕掛けられた罠を乗り越えることで、ようやく元ヴェ
ルサルテイル宮殿後に建築された、この国の中枢施設にたどり着くことができる。
 この人工の岩山は、誰ともなくこう呼ぶようになっていた。
 梁山泊。
 誰もその意味を知らない。だが、誰ともなくその要害をそう呼び始めたのだ。
 そんな梁山泊の最深部。どす黒い瘴気を放つ巨大な施設があった。
 忠義堂。
 ガリアはおろかハルケギニアではみたこともないような建築技術によって作られたそこに、ガリア王国1500万の頂点に位置する男が
暮らしている。
 青みがかった髪とヒゲに彩られ、見るものをはっとさせるような美貌に溢れている。
 均整の取れたがっしりとした長身が、そんな彫刻のような顔の下についている。
 かつて、見るものを呪うような視線を発していた目は、穏やかな優しさと強い意志を秘めた光へと変わっている。青い髪を後ろでまと
めてお団子にし、布で括っている。
 男の名はガリア王ジョゼフ。またの名(コードネーム)を托塔天王晁蓋。

「では、これより会議をはじめたいと思う。」
 ジョゼフの向かい合う画面の中で、ヨミが宣告する。その周囲に、9名の幹部の顔が映ったモニターが並んでいる。
 すでに失った力を手厚い看護で取り戻したヨミであったが、なにか思うところがあるらしくアルビオンから一歩も動いてはいない。
「まず、先日の血笑烏作戦において突如発生した謎の光についてだが…」
「はっ。」
 と糸目の男が声を上げた。
「現在調査中ですが、未だにその正体はつかめておりません。わかっていることは、この光に飲み込まれたために、V2号をはじめ、
レキシントン号などのあらゆるエネルギーが失われていたということです。それは電気、あるいは熱エネルギーに限らず、メイジが
体内に有していた魔力、ヨミさまの超能力といったものまでです。外部から力を取り入れることにより、なんとか脱出は可能でしたが、
あのままでは地上に落下していたでしょう。」
「そうなっていれば、身動きのとれぬわしはバビル2世にたおされていただろうな。」
 糸目の男が頷く。
「そのため我々はバビル2世やしもべの力を考えました。しかしこの光は超能力というよりはむしろ魔法に近い波長を持っている
ことがその後の分析の結果判明しました。そこで我々はこの少女に目をつけました。」
 モニターに映像が映る。バビル2世の前に座ったルイズの姿だ。
「ごらんのようにこの少女はなにか本を読んでいます。この本がなんであるかですが映像分析班によると『始祖の祈祷書』ではない
かということです。」
 おお、とどよめきが起こる。
「始祖の祈祷書とは、GR計画にわしらが必要としている?」
 丸々としたヒゲ中年が尋ねた。糸目の男が頷く。
「その通りです、署長。ただこれが本物であるかどうかは確認できていません。なにしろ贋作の多いことで知られる書物ですから。
ただ、映像分析班の解析によると、この少女は呪文を詠唱している可能性が高いということです。」
「呪文を?」
 黒装束の男が声を上げた。
「はい。そして、その詠唱が終わったのち、映像は停止しました。光によってエネルギーを消失したため、録画が不能となったから
です。」
「つまりその呪文により、光が発生した可能性が高いということか。」
 ジャンパーを着た男が呟く。
「左様です。そしてこの少女は虚無の魔法使いである可能性が高い、と。」
「つまり、この光は虚無の魔法であるかもしれない、というのかい?」
 学生服のようなものを着た、丸坊主の男が訊く。
「現時点では、その可能性が一番高いかと…」
 酒を飲みながら聞いていた男の手が止まった。老人がぎろりと画面上の少女を睨む。
「我々は映像分析班主任の名を取って、このエネルギー停止現象をバシュタール現象。光をバシュタールの光と名づけました。
今後、我々はバシュタールの謎を解くべく、虚無の魔法使いの可能性が高いルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエ
ールの観測と、虚無のメイジと確定した場合の捕獲を前提として作戦行動をおこないたい。そう、この少女はGR計画の鍵となる可能
性が高いからです。」
 ドドーン、と背後に波が起こりそうな勢いで宣告する。
「ふむ。バビル2世とルイズとやらとの両者を追い詰めるというわけか。」
「左様で。」
「勝算はあるのだろうな。二兎を追うものはというぞ。」
 ヨミの問いに微笑み答える糸目の男。
「もちろんです。この元帥を信用していただきたい。両者を連続して追い詰めるドミノ作戦の詳細は次回の会議で報告させていただき
ます。」
 ぺこりと頭を下げた。
「ふむ。」
 と一息つき、ヨミが立ち上がった。
「よいか、我々はついにアルビオンを手に入れた。これがなにを意味するかわかるか。」
「GR計画に必要な、始祖のオルゴールを手に入れることができるということです。」
「その通りだ!」
 ヨミが雄雄しく叫んだ。
「GR計画。すなわちGoReturn計画。地球への帰還計画。」
 ヨミの背後に、青く美しい星、地球が映し出された。
「この世界と地球とをつなぐ道を開くGR1計画。地球の最先端科学兵器をガリアに輸入し、それを元にハルケギニアから聖地までを
支配するGR2計画。ハルケギニアの人間を奴隷にし作らせた兵器と、メイジの魔法で地球に攻め込み世界を征服するGR3計画。」
 ヨミが高らかと手を上げた。
「GR計画が成功すれば、わしが世界に号令をかける日はすぐにやってくるのだ。」
「「「ワー ワー ワー」」」
 全員が立ち上がり、歓声をあげた。

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