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ウルトラ5番目の使い魔-33b



 前半部からの続き。


 そして、時空を超えた場所でも、運命の歯車は一時も止まりはしていない……

 地球、日本アルプスの山岳地帯にCREW GUYS JAPANは出動していた。
 日本でもこの季節は夏、アルプスの峰峰も草花に覆われて、自然の息吹を満喫している。
 しかし、そんな美しい自然の空気を乱す者が、今この空に舞っていた。
「ミライ、そいつにビームは効かねえぞ!! 気をつけろ」
 ガンウィンガーのコクピットからリュウの声が、地上で戦うメビウスに響く。
「ヘヤッ!!」
 メビウスの上空を、一羽の巨大な怪鳥があざ笑うような鳴き声をあげながら飛んでいる。
 そいつは、『凶獣、姑獲鳥(こかくちょう)』、天空を飛翔し、人間に不吉をもたらすという半人半鳥の姿を持つ妖鳥だ。
 接近してくる姑獲鳥を見据え、メビウスは左手のメビウスブレスにエネルギーを集中させた。
「テヤァ!!」
 この怪獣はどういうわけか、ガンウィンガーのウィングレッドブラスターを吸収してしまう。メビュームシュートでは
効力がないと判断したメビウスは、それならば光線ではなく、直接エネルギーをぶつけてやろうと考えた。
 稲光を伴う強力な電気エネルギーがメビウスブレスに収束される。そして、敵の突進に合わせて、メビウスは溜め込んだ
エネルギーを零距離で叩き付けた。
『ライトニングカウンター・ゼロ!!』
 密着しての高電圧エネルギーの解放は、雷鳴の数十倍の輝きを持って姑獲鳥の体に吸い込まれていく。
 しかし、奴はそれさえも飲み込んでしまった。姑獲鳥は電離層に住むプラズマ生物のために、電撃やビーム攻撃の
類は吸収されてしまうのだ。
 エサをもらったに等しい姑獲鳥は、さらにパワーをあげてメビウスを跳ね飛ばした。
「ウワァ!!」
「ミライ!」
 メビウスを吹っ飛ばした姑獲鳥は、あざ笑いながらまた上空へと駆け上っていく。
 しかし、その前に青い閃光が立ちはだかった。
「セヤアッ!!」
 ウルトラマンヒカリのナイトビームブレードの一閃が、姑獲鳥の左の翼を切り落とす。
 翼を失ってしまえば、鳥はダチョウかペンギンでもない限り、行動力のほとんどを失う。この姑獲鳥も例外ではなく、
きりもみしながら山中の平原に落ちていった。
「ようし、とどめだ!」
 墜落のダメージは意外に大きかったらしく、頭から落下した姑獲鳥は転げまわってもだえている。
 今がチャンスと、リュウはメテオール、スペシウム弾頭弾の発射準備をしようとした。
 だがその直前、フェニックスネストからの緊急連絡が彼の手を止めた。
〔隊長、その地点の上空に新たなワームホール反応、さらに大型の熱反応も検知、怪獣が出てきます!」
「なんだと! またか」
 リュウが空を見上げると、青い空にぽっかりと空いた黒い穴から、まるでラグビーのボールに手足がついたような
怪獣がまっさかさまに落ちてくるのが見えた。
 そして怪獣は、頭から岩肌に落下し、盛大に土煙を上げたあと、ゆっくりと起き上がってきた。
「こいつも……どっかの宇宙から飛ばされてきた奴なのか……?」
 リュウは怪獣を見下ろしながら、苦々しげにつぶやいた。
 地球は、ここのところ新たな怪獣頻出に悩まされている。以前戦った、新たなレジストコード・レイキュバスを始めとして、
突然開いたワームホールから見たことも無い怪獣が出現してくる事態が多発していた。先日も、突然次元の歪みから
子供の書いた恐竜みたいな怪獣が出てきて、ようやく倒したばかり。この事態に、メビウスとヒカリも遂に積極的に
参戦し、GUYSと協力して事態の収拾に当たっていた。かくいう、この怪鳥も日本アルプス上空に突然開いた
ワームホールから出てきたのだ。
 新たな怪獣は、体の中央に赤く光る一つ目がついていて、よく見れば体のあちこちが機械化されている。
どこかの星の怪獣兵器の類かもしれないが、ともかく放っておくわけにもいかない。
 この怪獣、彼らは知らないことだが、名をラグストーンと言い、リュウの予測したとおりに怪獣兵器の一種で、
別の世界から時空のかなたに飛ばされて、ここにたどり着いたものだ。
「ミライ、セリザワ隊長、気をつけろ!!」
 すでに姑獲鳥との戦いに時間を食って、二人のウルトラマンのタイムリミットはあまりない。
 ラグストーンは、二人のウルトラマンの姿を見つけると、ラグビーかフットボールの選手が突進するときのような
前傾姿勢をとり、頭から猛然と突進してきた。
 メビウスとヒカリは、これ以上戦いが長引くのは不利と判断して、ラグストーンの正面からそれぞれの必殺光線で
迎え撃つ。
『メビュームシュート!!』
『ナイトシュート!!』
 二乗の光線は狙い違わずにラグストーンに命中した。しかし、ラグストーンはそれらの光線が直撃したにも関わらずに、
平然とそのまま突進してくるではないか!!
「ショワッチ!!」
 二人のウルトラマンは、正面から受け止めるのは無理と、ラグストーンの頭の上をジャンプして飛び越えた。
 勢い余ったラグストーンは、そのまま慣性の法則に従って突き進み、その先には不運なことにようやく起き上がってきたばかりの
姑獲鳥がいた。もちろん、ダンプカーのごとく突進するラグストーンは止まることはなく、正面衝突した姑獲鳥は盛大に
吹っ飛ばされた。
 さらに、跳ばされた姑獲鳥が墜落したところに、なおも止まらないラグストーンが駆けて来て……
 グシャッ!! 擬音にすればそういう表現がぴったり来るような見事な音を立てて、姑獲鳥はラグストーンに踏み潰されて
あえなく最期を迎えた。
 だが、残るラグストーンは手ごわそうだ。
「俺達の同時攻撃が効かないとは、なんて頑丈な怪獣だ」
 普通の怪獣ならば木っ端微塵、少なくともダメージは与えられる攻撃に、この怪獣はビクともしない。
 姑獲鳥を踏み潰したラグストーンは回れ右して、再び突っ込んでこようとスタートダッシュの体勢をとっている。
 すでにカラータイマーも赤く点滅を始めて、光線技をあまり連射することはできない。けれど、メビウスはそんなことで
闘志を折ったりはしない。
「ヒカリ、僕があの怪獣の防御を破ります。その隙に光線を撃ち込んでください」
「あの怪獣の防御を破る術があるのか……よし、任せたぞメビウス」
 ヒカリを後ろに残して、メビウスはラグストーンに向かって跳んだ。空中高く跳びあがり、右足を突き出してのジャンプキック攻撃だ。
「テヤァーッ!!」
 真正面からまるで銀色の矢のごとく、メビウスのキックはラグストーンの赤いモノアイ部分に命中した。
 けれども、頑強なラグストーンの体は目の部分でもメビウス渾身のキックに耐えられるほど硬く、その衝撃にも傷一つなく
平然と受け止めきってしまった。
 が、メビウスの狙いはここからだ!!
「テイヤァァーッ!!」
 メビウスの体がラグストーンのモノアイにキックを打ち込んだ姿勢のまま、まるでドリルのように高速回転を始める。
それはあまりの回転速度のために空気との摩擦で炎を起こし、さらに大地を抉り取る竜巻のようにメビウスのキックに
通常の何十倍もの力を与えた!!

『メビウスピンキック!!』

 ラグストーンのモノアイが、とうとう耐え切れなくなり、貫通されて爆発を起こす。
 これこそ、かつていかなる光線技も通じなかったリフレクト星人を倒すために、ウルトラマンレオ、おおとりゲンの教えを
受けてメビウスが独自に編み出した必殺キック、その威力はあのレオキックにさえ匹敵する。
「セリザワ隊長、いまだ!!」
 ラグストーンはモノアイを破壊されて、火花を吹き上げてもだえている。あそこならば、光線技が効く。
 リュウのかけ声を受けてヒカリは腕を十字に組んだ。
『ナイトシュート!!』
 青い閃光が吸い込まれるように、ラグストーンのモノアイの亀裂に飲み込まれていく。
 ラグストーンの外殻は確かに硬い、しかしその反面内部からの圧力も外に逃がすことができずに、電子レンジに
入れられた卵がはじけるように、内側から粉々の破片になって飛び散った!!
「ようっしゃあ!!」
「ショワッチ!」
「シュワッ!!」
 新たなワームホールが開く気配はもう無い。
 2大怪獣を撃破し、ガンウィンガー、メビウス、ヒカリは揃って飛び立った。

 そして、勇躍してフェニックスネストへ帰還した3人を、サコミズ総監やトリヤマ補佐官、それにミサキ女史が温かく出迎えた。
別の隊員達は他の任務で出かけているが、それだけでも充分疲れは吹き飛んだ。
「ご苦労様、おかげで市街地に被害が出る前に怪獣を倒すことができた」
「いいえ、これが俺達の仕事ですから」
 サコミズ総監のねぎらいに、リュウはすっかり隊長らしくなった様子で答えた。
 そしてミサキ女史が、同じようにねぎらいの言葉をかけると、脇に抱えていた茶封筒から数枚の用紙を取り出して
ミライとセリザワに渡した。
「ご苦労様。さっそくだけど、あなた方が出かけている間に異次元調査の途中経過の報告が来たから、目を通してみて」
「はい、ありがとうございます」
 それはGUYSが独自に調査した、ウルトラマンAと異次元人ヤプールについての資料だった。
 二人はそれにざっと目を通し、やはりエースが消えたとされる日に、木星の観測ステーションが異常な時空間の
歪みを観測していたことが証明された。
「やっぱり、エース兄さんはどこか異次元……別の宇宙へとさらわれたんでしょうか……あれ? これは」
 ミライは、その資料をめくるうちに、最後のページに奇妙な記事があるのに目を止めた。
「平賀、才人?」
 なんと、そこに記されていたのは才人の名前、そのものであった。
「ミサキさん、なんですかこれは?」
「読んでの通りよ。エースが消えたのと、ほぼ同時刻に地球上でも同じような時空間の歪みが観測されていたの。
こっちはかなり小さいし、すぐに消えちゃったんだけど……その日からその少年が行方不明になってるの」
「行方不明者って、それは警察の仕事では?」
「ところが、警察が聞き込みをしたところ、彼らしき人物が宙に浮かんだ光る鏡みたいなものに吸い込まれて、
そして消えてしまったと目撃者の証言を得たのよ」
 それはまさに、才人がルイズのサモン・サーヴァントによって召喚された、その瞬間のことだった。
「まさか、ヤプールの仕業だと?」
 過去にもヤプールは奇怪な老人に姿を変え、世界中の子供達を異次元へとさらっていったことがある。その
事件はドキュメントTACに、メビウスの輪を利用した異次元突入作戦によって異次元空間へ飛び込んだ北斗星司隊員の
活躍で解決されたとなっているが、真実はもちろんウルトラマンAによってヤプールが倒されたのである。
 しかし、ミサキ女史は首を振った。
「いいえ、この異次元ゲートからはヤプールエネルギーは感知されていません。それに、事象はこの一回だけで
他には観測されていません。しかし、ゲートの性質はエースが消えたときのものとほぼ同質です」
 GUYSの調査結果を読み、セリザワ=ヒカリも首をひねった。
「ならば、ほかの何者かの仕業か。しかし、この才人という少年、いったい何のために……?」
 資料には才人のパーソナルデータも記されていたが、素行に問題は無く、補導暦もない。かといってこれといった
表彰もされたことはないが、交友関係もそれなりにあり、彼を悪く言うような者もいない、いたって普通の高校生を
絵に描いたような少年だった。
 まさか、使い魔にするために異世界から魔法で呼ばれたなどとは想像できる者がいるはずもない。
「じゃあ、エース兄さんはいったいどこに……」
「メビウス、エースは異次元戦闘では兄弟一のエキスパートだ。きっと、どこかの宇宙で戦っていることだろう。
我々は、一刻も早くエースが消えた次元を探し出して、彼を救う方法を考えることだ」
 セリザワは気落ちしそうなミライの肩を叩いて、そう励ました。
 また、サコミズもミライに告げた。
「ミライ、そのためにこそ我々GUYSがいるんだ。焦るな、我々が希望を捨てない限り、希望も我々を裏切ったりはしない」
 サコミズの、この落ち着いた声と穏やかな人柄に、これまで何度救われてきたことか、ミライは元気を取り戻して
気合を入れた。
「はい! 頑張ります。エース兄さんを必ず見つけ出してみせます」
 この前向きさがミライのいいところだ。
「それにしても、この平賀才人って奴はなんなんだろうな。エースと同時刻に消えてる以上、事件とまったく無関係とは
思えねえし。ヤプールが目をつけそうなところはなさそうだけどなあ」
 ただし、この少年に関してはまったく分からなかった。元々深く考えるタイプではないリュウは首をかしげるばかり。
 だが、分からないことが重なるなど宇宙人がらみの事件にはありがちなことだ。
「まあとにかく、この混乱に乗じてヤプールにつけこまれないように警戒することも肝心だ。この少年……案外彼が
事件の鍵を握っているかもしれんな」
「じゃあ、彼の消えた場所から再調査してみましょうか? えーと、消えたところは、東京の秋葉原」
「よーし、それじゃあ行くぞミライ!!」
「はい、リュウさん」
 どんなときでも、決してあきらめない。
 知らず知らず、彼らは真実に一歩一歩近づいていっていた。

 ちなみに……
「なあ、マル……わしもいるんだけどなあ」
「補佐官、今回は空気を読まれたんですよ。次はきっと、補佐官の出番がありますって」
 と、いじける二人がいたことを一応付け加えておく。


 しかし、まさか自分の存在がGUYSで取り上げられているなどとは夢にも思っていない才人は、あっという間に
元の雑用中心の使い魔生活に戻って毎日を平和に過ごしていた。
 ラグドリアン湖から帰ってきてから、早くも今日で6日、心配していたタバサとキュルケも2日後には学院に戻ってきて、
明日は週に一度の虚無の曜日の休日だ。
「よいしょ、よいしょ……っと」
 学院のヴェストリの広場で、才人は風呂の準備をしていた。
 この学院にも一応風呂はあるのだが、貴族用の大風呂には才人は入れず、かといって使用人用のサウナ風呂は
日本人の彼にはなじめないものだったので、食堂でもらってきた大釜を五右衛門風呂に仕立てての手作り風呂を
作り上げたのだった。
 えっちらおっちらと、薪や水桶を抱えて何往復もする。疲れる作業だが、風呂に入らない不快感を味わうよりは
ましだし、第一臭いとルイズに叱られては寝床がなくなる。まあ、いざとなったらデルフを片手に持ってガンダールヴの
力でスピード運送という手もあるが、無駄な手間をかけてこそ出来上がりが楽しいということもある。
「いよーっし、準備オーケーと」
 釜に水を張り終えて、薪に火をつけるためにポケットに入れておいた火打石を取り出そうとごそごそとしていると、
太陽に変わって顔を出してきた月明かりの中から、誰かが近づいてきた。
「誰だ?」
「あたしよ」
 返事が返って来るのと同時に、月明かりに照らされて、そのシルエットが浮き上がってきた。桃色がかったブロンドの
髪の色に鳶色の瞳、見間違えようもない、ルイズだ。
「どうしたんだ、こんなところに?」
 このヴェストリの広場は学院の主要施設や通路から離れているために、生徒は滅多にやってくることはない。
そのため才人にとっても風呂に入るには都合のいい、憩いの場所だった。もちろん、ルイズが尋ねてくるなど
はじめてのことだ。
「あんたこそ、何よこの大釜? 料理でもしようっていうの?」
「違うよ。これは俺専用の風呂、学院のサウナ風呂はどーも性に合わなくてな。自作してみたんだ」
「はー、妙なことするわねえ。まあ、別にいいけど清潔にはしときなさいよ。それより、あんた宛に手紙が来てるの」
「俺に?」
 意外な用件に才人は一瞬ぽけっとした。見ると、ルイズは指に白い封筒を挟んで掲げている。
 しかし、なんでルイズが持ってくるんだ? と、才人は不思議に思った。こういうものは、普通ならシエスタあたりが
持ってくるだろうに。
「わたしの部屋に伝書ゴーレムで直接届けられたのよ。誰からだと思う?」
「えーと、特に心当たりはないが……あっ、アニエスさんからだ」
 ルイズから受け取った封書の裏には、確かにあの銃士隊隊長、アニエス・シュヴァリエ・ド・ミランの名で差出人の
フルネームが書かれていた。
「なーんであんたに直接手紙が来るのよ。こういうことは主人であるわたしを通すのが筋でしょうに、まったくこれだから
平民あがりはいやなのよ……」
「余計な手間をかけるのを嫌う人だからな、まあ大目に見てやれよ」
 自分がスルーされてぶつくさ文句を言うルイズをなだめると、才人は手紙を読みやすいように月明かりにかざした。
「久しぶりだな、あの人とはツルク星人のとき以来か……でも、わざわざなんだろうな……年賀状でもあるまいに、
もしかして俺に惚れた? ラブレターとか、ぐふふ」
 手紙の封も切らずにあり得ない妄想に身をよじらす才人を、ルイズは汚物を見るような目で見て、その股間に
蹴りを入れてやろうかと思ったが、足を振り上げた時点で、ピーンともっとよい方法を思いついた。
「あっ、そう。じゃあ今度わたしからアニエスさんに丁寧にサイトが好きですかって聞いておいてあげるわ」
 それはまったく、死の宣告に等しかった。
「さっ、さあ馬鹿なこと言ってないで、中身を見ないとな!」
 この瞬間、拷問台のフルコースを味わわされたあげくに火あぶりに処せられる自分の姿を見たのは、単なる
幻覚ではあるまい。
 滝のように冷や汗を流して、才人は震える手で封筒のふちをビリビリと破いた。
 そして、恐る恐る手紙を開いて、そこに記されていたものは……
「なんて書いてあるんだ?」
 実は才人はまだハルケギニアの文字が読めなかった。
「仕方ないわねえ、貸してみなさいよ。えーと、『ヒラガ・サイト殿、至急知恵を借りたし、明日銃士隊詰め所まで
来られたし。銃士隊隊長、アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン』……ですってよ」
「へ……?」


 続く



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