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装甲騎兵ゼロ-06

第6話「決闘」

決闘の準備をするため、部屋へと向かうキリコとその後を追うルイズ。
道中、ルイズは考え直すよう説得していたが、キリコはほぼ無視して部屋に戻る。
そして部屋に入るなりこう言った。
「やつの魔法を教えてくれ。」
戦う相手の情報は、少しでも多いほうが良い。
それは時に、戦場での生死にさえ直結することを、キリコはよく知っていた。
答えを待ち、じっと静かにルイズを見る。
「……どうしても、引く気は無いの?」
やめさせたいルイズは問う。しばし、互いに無言で見つめ合っていた。

やがてルイズは目線をそらすと、大きなため息をつく。
「はぁ~……。わかったわ、そこまでやる気なら、私はもう止めないわ。
 ギーシュの魔法も教えてあげる。けどその代わり、一つだけ命令を聞きなさい。いい?」
ルイズはそう言うと、キリコに向けて右手の人差し指を立てる。
頷いて、キリコは了承した。
「『絶対に勝つこと』。主人を無視して、勝手に勝負受けておいて、負けたから謝りましょう?
 私はね、そんな恥さらしな真似はぜぇ~~~っっったいにお断りなんだからっ!!」
決意を変えぬキリコに対する、ルイズができる最大限の譲歩だった。
キリコもまた踵をそろえ、無言の敬礼で答えた。


トリステイン魔法学院は、本塔と各属性を現す五本の塔から成り立つ。
五大属性を現す各塔は本塔と通路で結ばれ、さらに各塔を結ぶ形で外壁が構成されている。
その形は、丁度ペンタゴン(五角形)の形になるよう設計されていた。
ヴェストリの広場は周囲五塔のうち、『風』と『火』の塔の間にある中庭である。
構造上西側にあるので、日中でもあまり日の差さないこの広場に今、多くの生徒がひしめいていた。
噂は広がり、賑わいをききつけ、刺激に飢えた生徒はまだまだ集まってくる。

その広場中央のあたりに、杖として使っている薔薇を携え、ギーシュは待っていた。
憂さ晴らしの獲物が来るのを、今か今かと待ちながら。
「ルイズと使い魔の平民がやってきたぞっ!」
生徒達は歓声をあげる、命知らずがやってきたと。人垣をわけ、キリコとルイズがやってきた。
「とりあえず、よくぞ逃げずに来たことを褒めようじゃないか。」
ギーシュの挑発的な言動を聞き流しながら、キリコはぐるりと辺りを見回す。
地面は起伏もなく平坦。遮蔽物となりそうなものは、周囲には見た限りなし。

(正面から戦うほかないか。)
無駄撃ちを避けるため、自動小銃のセレクターをセミオートにしながら、キリコは考える。
ギーシュは戦闘で、主に複数のゴーレムを操るとルイズから聞いていた。
人ではない、命を持たぬ相手。自分の持っている銃で、どの程度攻撃が効くかはわからない。
もし囲まれでもされた時、ゴーレムを倒して抜け出せるか?
また仮にゴーレムを倒せても、ギーシュの使う魔法がそれだけとは限らない。
直接的な攻撃魔法を使われて、果たして避けることはできるのか?
あらゆる状況を想定し、対応を考えるが、それが実戦で出来るかといえば、否である。

(どの道、やってみるしかない。)
敵の戦力も、戦場もある程度わかっている。準備もしていた。
ならばあとはただ、戦うだけである。
覚悟を決めるキリコ。そのとき左手のルーンの輝きが、少しずつ増していた。
そんなキリコを見ながらギーシュは言う。
「それが君の武器か。あのゴーレムは使わないのかい?」
「……。」
いくら魔法を使うメイジとの勝負といっても、魔法以外は至って普通の人間だ。
これが大軍団ならともかく、流石に一人相手にATを使用する気はキリコにはない。

今のキリコの装備は、常に携帯しているアーマーマグナムと、自動小銃。
それとそれぞれの予備の弾が少々に、ナイフ一本といったところだ。
他にも手榴弾などがあったが、数は多くないので持ってきてはいない。
現状では補給の見込みが期待できない以上、そうやすやすと使うわけにもいかないからだ。
ATを使わないのも、このあたりの事情が関係していた。

何も言わずに睨んでくるキリコが不愉快なのか、ギーシュは内心で苛立つ。
「ふん……では始めようか。勝敗は実に簡単、『降参する』と言ったほうが負けだ。」
ギーシュはそう言うと、薔薇を一振りする。花びらが一枚、宙に舞った。
するとそこから、一体の甲冑を着た人形が現れた。
「……っ。」
キリコは即座にライフルを構える。また身体が軽くなる感覚がした。
「僕の二つ名は『青銅』。この青銅のゴーレム、ワルキューレで君の相手を務めよう。」
(様子見か……。)
現れたゴーレムは一体だけ。力量を図ろうという魂胆だろうか、もしくは余裕の表れか。
全力をださないで戦ってくれるのなら、それはそれでありがたいとキリコは思った。

ギーシュはワルキューレを動かし、一歩一歩、ゆっくりとキリコに向かわせる。
対するキリコは動かずに、その動きを注視していた。
「……。」
ワルキューレがキリコの距離が縮めていくと同時に、ギーシュとの距離は次第に開いていく。
「どうしたんだい、怖気づいて足も動かせないのかな?」
ギャラリーから、醜き笑いと野次が溢れ出る。
「はーっはっはっ!そろそろ命乞いでもした方が良いんじゃねーの!?」
「びびってちゃつまんねーぞ、平民ー!」
「こっちはお前に賭けてるんだ、ちゃんと戦えー!」
実に浅ましき生徒たち。果たしてここは本当に、貴族の子女が通う学院であろうか?

生徒達の声も、キリコは耳に入れることはなく、ひたすらワルキューレに注意を向けている。
ワルキューレが一歩近づいてきた。キリコは動かない。また近づいてくる。キリコはまだ動かない。
近づく。動かず。近づく。動かず。近づく。動かず。近づく。
(……っ!)
キリコが駆け出した。ギーシュもワルキューレを突進させる。
どちらも一直線に駆けていき、突進の勢いそのままに、ワルキューレはキリコへ殴りかかる。
ここでキリコは動きを変えた。
左足を横へ僅かに突き出して制動をかけ、そこを軸に身体を捻り、攻撃を紙一重で避けた。
さらにその際、攻撃が空振りして無防備なワルキューレに向け、引き金を引く。
甲高い発砲音が一発、広場に響いた。


時間はほんの少し遡り、学院長室。
図書室から全速力で駆けつけたコルベールは、キリコのルーンについて説明していた。
「ふ~む……行き着いた先が、まさか伝説の使い魔『ガンダールヴ』とはのぅ。」
説明を受けたオスマンは、どこか胡散臭げにスケッチと書物のルーンを見比べる。
「そうです!間違いありません!ほら、彼のルーンをとったスケッチとこの―」
「あ~わかったわかった、それはもう聞いたわい。」
興奮気味な様子のコルベールを、オスマンは落ち着けさせる。

「確かに同じルーンじゃ。それはワシも認めよう。
 だがの、それだけで決めるのはちと早計……前にも同じこと言った気がするわい。」
そのときドアがノックされる。
「誰じゃ?」
「私です、オールド・オスマン。」
扉の向こう側から聞こえてきた声は、オスマンの秘書、ミス・ロングビル。
余談だが、彼女に対して、オスマンは数々のセクハラを日常的に行っている。
また、それを叩きのめすミス・ロングビルの戒めも同様だ。
しかし、そんな掛け合いは、決して二人以外知ることはない。
コルベールが来る前にも勿論あったのだが、それはまた別の話。

閑話休題。
オスマンはミス・ロングビルに問いかける。
「何事じゃ?」
「ヴェストリの広場で決闘が行われているらしく、大騒ぎになっています。
 教師の方々が止めようとしましたが、生徒の数が多すぎてとても……。」
「かぁ~~~っ……。これだから、暇をもてあました貴族の子女というのは性質が悪い。
 誰じゃ、そんな馬鹿げたことをやっておるのは?」
額に手をつけながら、再びオスマンは問いかける。
「一人は、二年のギーシュ・ド・グラモンで、もう一人が……。」
そこでミス・ロングビルは言いよどむ。

「グラモン……あぁあのグラモンとこのバカ息子か。
 まったく親が親なら子も子じゃ、どうせ色恋沙汰じゃろ。で、もう一人はどこのどいつかね?」
「それが、その……ミス・ヴァリエールの使い魔の男です。」
オスマンとコルベールは顔を見合わせる。
「騒ぎを止めるため、教師達から『眠りの鐘』使用の申し出が着ておりますが。」
オスマンの目つきが変わった。

「いや、秘宝の使用許可はださん。放って置くように言いなさい。」
「はい、わかりました。」
そう言ってミス・ロングビルは、扉の前から去っていった。
それを確認したオスマンは、壁にかかった鏡に向けて杖を振る。
程なくして、鏡にヴェストリの広場の様子が映し出された。
「伝説が本物かどうか、この目でしかと確かめてみるかのぅ。」


弾丸を受けた衝撃で、ワルキューレはそのまま前のめりに倒れた。
キリコは回転しつつあった身体を止め、銃を構えなおす。
その動きに合わせるかのように、左手のルーンがさらにj輝きを増していく。
銃のセレクターを三点バーストに変え、倒れたワルキューレの首と両膝に撃ち込む。
弾は恐ろしいほど正確に撃ち抜き、首と両膝を破壊した。
するとワルキューレの動きが止まる。
(ある程度の破壊で、無力化くらいはできるか。)

冷静に分析するキリコに向かって、驚愕に染まった顔でギーシュは叫ぶ。
「な、なんだそれはっ!?」
そこから広場の空気は一変していった。
「銃じゃないのか……?あれ。」
「あんな形の、見たこともないぞ。」
ハルケギニアの常識から外れた武器に、皆動揺を隠せないでいる。
「今、連続で発射してなかったか?」
「もしかして『東方』で作られたんじゃ……。」
口々に疑問や憶測を言っていく生徒達。

(銃、銃だってっ?バカなっ!あんな短時間で何発も撃てる銃なんて、聞いたことないぞ!?)
キリコの使っている武器。それが『銃』などとはありえないと、ギーシュは思っていた。
ハルケギニアの銃は、火薬を載せた火皿に、火縄か火打石で着火するという方式が主流だ。
銃の形態も、それぞれの方式に長短二種類の銃身がある。
ただ、どれも一発撃ってはこめ直さなければならない上、射程距離も命中精度もよろしくない。
キリコの世界からすれば、もはや歴史博物館の資料レベルに値する代物であろう。
だがハルケギニアという世界の技術水準は、未だにそのくらいのもでしかないなのだ。

キリコは今し方破壊したワルキューレから、それを作り出したギーシュへと視線を向ける。
視線に気づいたギーシュは、慌てて新たなワルキューレを作り出す。
「ワ、ワルキューレェッ!!」
今度は槍を装備したワルキューレが、総勢六体現れた。
(本気を出したか。)
一気に増えた敵を見ながらキリコはそう思った。ふと、違和感を感じる左手を見る。
(光っている……。)
いつもより身体が動いたり、銃を正確に撃てたりするのと、このルーンは関係があるのか。
しかしキリコには、未だ何も分からないままだった。

(……まだやることがあったな。)
思い出したようにキリコは思考を切り替え、答えの出ない疑問を封じる。
左手から視線を戻すと、その先には依然キリコを睨みつける、ギーシュと六体のワルキューレ。
(今はこいつに勝つのが先決か。)
キリコが再び銃を構えると、それに応じるかのように、左手のルーンがさらに輝く。
倒すべき敵へ向けて、キリコは再び駆け出した。

「くっ、一体倒せたからといって、調子に乗るなよっ!」
ギーシュもキリコへ向け、ワルキューレを突進させて迎え撃つ。
だがその動きは、キリコには緩慢なものに見えていた。
(遅いっ。)
一番近いワルキューレが突き出す槍をかわし、隙の出来た右側の肘と膝にバースト射撃を与える。
倒れる様子を横目で見送ると、次の目標に移る。
一体目の直ぐ右斜め後ろにいた二体目の、首と両膝に向けて撃つ。
両膝から下を失って、突進の勢いそのままに地面に激突。衝撃で、破損した首が千切れた。

後方から迫ってきていた三体目と四体目は、先二体の残骸を避けようと一瞬止まる。
キリコはそれによって出来た隙を見逃さず、素早く三体目の首へ撃ち込む。
その頭部が地面に落ち始める時には、既に四体目の膝に撃ち始めていた。
(ウソだろっ!?なんで僕のワルキューレが、こんな簡単にっ!しかも平民なんかにっ!)
ギーシュは焦りと恐怖で、ワルキューレの操作が徐々に雑になっていく。
四体目も、やはり首と膝を撃ち抜かれて地面に崩れ落ちた。
その隙を突こうと五体目が接近するが、無謀にも真正面から突っ込んでいく。
案の定、両肘と両膝を撃たれて、何も出来ずに行動不能にされる。
気づけばワルキューレ六体中のうち、五体を既に倒されており、残りは一体になった。

「も、戻れワルキュ―っ!」
自分の盾として六体目を戻そうと、ギーシュはワルキューレを動かす。
だが動かそうとした瞬間、首と両肘両膝に正確な射撃を食らい、最後の一体も倒れた。
全てのワルキューレを倒され、ギーシュは放心した。
キリコは次の攻撃に備えるが、魔法を使うための精神力は、すでにギーシュにはない。
しばしの静寂が、広場を覆った。
(打ち止めか。)
何も仕掛けてこないことを確認すると、キリコは一気に距離を詰める。
「ひっ!」
あまりの恐怖にギーシュは腰を抜かし、思わず尻餅をついた。
その様子を何の感慨もなく見下ろしながら、キリコは自動小銃の銃口を向ける。

「待った!や、やめてくれっ!撃たないでくれぇっ!」
青銅でできたワルキューレを容易く打ち負かした、見たことも聞いたこともない銃。
そんなもので人が撃たれたら、果たしてどうなるのか。悲惨な想像がギーシュの頭によぎる。
「降参しろ。」
キリコはそう言うと、銃口をギーシュに近づける。
「わ、わわ、わかったっ、降参だ!僕の負けだ!」
ギーシュは負けを認めるが、キリコはやめない。もう一つ確認が済んでいなかった。

セレクターをセミオートに戻し、さらに銃口を近づけながらキリコは問う。
「確認する。謝るか?」
「謝ります謝ります!君にもルイズにも謝ります、絶対にっ!だから銃をしまって!
 いやしまってください!頼みます、命だけは助けてっ!やめて、お願いしますぅぅぅぅぅぅっ!」
ついには泣き叫び、土下座までして命乞いをするギーシュ。
負けと謝罪の確認をとったキリコは銃を下げて近づき、ギーシュから薔薇を取り上げる。
それを放り投げ、一発。
無慈悲な鉛球が薔薇を捕らえ、その花弁を散らした。
一拍の間を置いて、ヴェストリの広場に盛大な歓声が沸き起こった。

「ホントに、勝っちゃった。」
戦いを見ていたルイズは呆然としていた。
まさか傷一つ負わずにメイジに勝つなど、考えてもいなかったことだ。
だがキリコは勝った。それは紛れもない事実である。
「……。」
「あっ。」
いつの間にか、ルイズの目の前にキリコが立っていた。
「え……っと、勝ったのよ、ね?」
「あぁ。」
キリコはそれだけ言うと、ルイズの脇をさっさと通り過ぎる。

「ちょ、ちょっとどこいくのよっ!?」
ルイズの問いかけに、一度立ち止まる。
「ATを見てくるついでに、夕食もとる。済んだら部屋に戻る。」
そう言って再び歩き出し、キリコはヴェストリの広場から去っていった。
広場の喧騒をよそに、残されたルイズは一人つぶやく。
「っもぅ、使い魔のくせに勝手なことばっかりっ!」


「勝ちましたね。」
「うむ。」
コルベールとオスマンは、決闘の一部始終を見終わっていた。
「やはり、やはり間違ってなかったのです!あの身のこなし、普通の人間には真似できません!
 ギーシュは最低ランクのドットメイジとはいえ、ただの平民に遅れをとることなどまずない!
 しかし彼は勝った!間違いありません、彼は伝説の『ガンダールヴ』ですよ、オールド・オスマン!」
コルベールは非常に興奮した様子で、オスマンにまくし立てる。
「わかったわかった、そんなうるさくせんでも聞こえとるわい。」
そう言ってオスマンはコルベールをなだめる。

「これは世紀の大発見!早速王室に報告して指示を―」
「それには及ばん。」
オスマンは厳しい目つきでコルベールを止める。
「ミスタ・コルベール、『ガンダールヴ』はかの始祖ブリミルが用いた使い魔だと聞く。」
「はい。文献によれば、主人が呪文を唱えている長い時間、それを守るための存在であると。
 さらにその力は、曰く、千の軍隊をたった一人で相手にできたとか。」
手に持った書物のページを見ながら、コルベールは答える。

「そうじゃ。その『ガンダールヴ』である彼は、確かミス・ヴァリエールの使い魔じゃったか。」
「えぇ、確かにそうです。最初召喚されたときは、ただの平民だと思っていたのですが。」
「ミス・ヴァリエールはメイジとしてどうなのかね?」
「え?あー、その、魔法が失敗ばかりで、なんというか、まぁ……。」
どう答えて良いものか、コルベールは言葉を濁す。
「メイジとしては、決して優秀なわけではないじゃろう?」
「まぁ、そういうことになりますな。」
苦笑いでコルベールはそう返した。

「うむ。そして問題はここからじゃ。」
オスマンの表情が、一層険しくなる。
「そんな彼女が、なぜ伝説とまで言われるほどの使い魔を呼び出したのか。全くもって謎じゃ。」
「言われてみれば、確かに……。」
オスマンの言葉に頷くコルベール。オスマんは立派な髭をなでながら続けた。
「彼についても同様じゃ。 出自は不明、所有物は鋼のゴーレムにみたこともない強力な銃。
 また彼自身がメイジというわけでもない、いってみればごく普通の平民。
 いや、そもそも人間が使い魔というだけでもかなり異例か……。」

考えれば考えるだけ、謎は深まっていくばかりの現状に頭を抱えるオスマン。
「加えて『ガンダールヴ』ですからね……。 一体何者なんでしょう、彼は?」
「それがわからんから、君に調べさせとるんじゃっ。」
「す、すみません。」
まるで他人事のように言うコルベールの言葉にオスマンがツッコむ。

「しかし、本当に何者なんじゃろうな……。」
オスマンは昨夜提出された、コルベールが作成した報告書を再び読んでいく。
そして書類のある単語に眼が留まった。
「異世界、か。 案外、分からんことが全部この一言で説明ついたりしてな。」
「おぉ……!」
自説が的中かと、また熱くなるコルベール。
しかし「確かめるすべもないがな」とのオスマンの言葉にがっくり肩を落とす。

「まぁともかく、このことは機密扱いじゃ。もし王室のロクデナシどもに報告でもしてみぃ。
 宮廷にいる暇を持て余した戦好きな連中が、彼らの力を利用して戦でも起こされたらかなわんわい。」
「ははぁ、学院長の深謀には恐れ入ります。」
「だからこの件はワシが預かる。口外もせんように。わかったの?」
「は、はいっ、わかりました!」



予告

恋とは、実に甘美な果物である。
それは同時に、時に理性を壊し、人を狂わせる猛毒も孕んでいた。
しかし誰もが知りながら、止めることなくそれを食す。
例え壊れてでも、得がたい愛があるのだと。
夜の学院に、愛に溺れた狩人がキリコを狙う。

次回「微熱」
キュルケは魅惑の焼夷弾。
炸裂、爆裂、ご用心。


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