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ゼロの視線-04



第四話


ごりごりごり

「あら・・・・・あなたは確か・・・・・・ミス・ヴァリエールの使い魔さんですね?」
「ええ、甲賀眩乃介と申します」
「コウガ・・・・・・・ゲンノ?」
「眩之介でけっこうです」
「ではミスタ・ゲンノスケ。このような朝早くから何をされてるのですか?
 あ、わたくしはロングビル。
 オールド・オスマンの秘書をしておりますわ」
なにやら植物を、おそらくコルベールあたりから譲り受けたであろう鉢に入れ
すりこぎのようなものですり潰している。
「薬を作っているのですよ」
その言葉に眉をひそめるロングビル。
「薬?ではあなたは水のメイジなのですか?」
「めいじ・・・・・というと術使いのことですね。
 いいえ、わしはあなた方の言うめいじとやらではありません」
「ですが・・・・・・」
とここで頭をひねり、ちと考える眩之介。
「物にもよりますが、薬を作るのには術などいらないのですよ」
その言葉に驚愕するロングビル。
「そ、そんな馬鹿な!」
「そうですね・・・・・・この草が見えますか?」
「それは・・・ヴァルヌ草ですね。
 実を齧るとお腹を壊すといわれてますわ」
「わしの故郷では違う名で呼ばれているのですがね、こう考えてみてください。
 食べるとお腹を壊すのなら、ごく少量服用すれば便秘や解毒の薬になるのだと」
「!」愕然とするロングビル。
「どうやらこちらでは術師の能力が優れている上一般的になり過ぎていて
 術師を介さないで何かをする、という考えがあまり無いようですね」
「ええ・・・・・・・・・」
「他にも、これをご覧ください。
 これはわしの地ではチョウセンアサガオと呼ばれています。
 マンダラゲとかキチガイナスビともいいますが。
 この花を摩り潰すことで眠り薬が作れるのですよ」
「花から作り、魔法を使わない眠り薬・・・・・・・」
「他にも一時的に痛みを消す薬や毒を消す薬などがあります」
「それが広まればメイジの権威など朝日の前の霧のように掻き消えてしまうでしょうね」
 今度、それらの作り方を教えていただけますか?」
「かまわぬが」
「そんな薬の作り方を知れば、故郷の妹たちも多少は自力で稼げるようになるでしょう。
 あの子達のために稼ぐのを苦労とは思いませんが、自分の足で立つ事も覚えさせないと・・・・・・」
そうつぶやくロングビルを、ひどく優しい目で見つめる眩之介だった。


しばらく話をした後それでは、と去っていくロングビル。
その後姿を見送った後妙な気配に見ると、青い羽の生えた竜らしき生き物が
興味深そうに彼の手元を覗き込んでいた。
たしか、たばさなる娘の傍にいた。
「きゅいきゅい」
「興味があるのか」
「きゅいぃ・・・・・・きゅきゅい」
少々退屈だけど見ておきたい、そう言っている風に見受けられる。
ほいっと花を、その竜の口に放り込む。
「きゅい?」
驚いたようだが、少しすると笑顔(らしきもの)を浮かべて噛み始める。
「その花の蜜は甘いだろう」
「きゅい」
そろそろ時間だ。
ご主人様とやらを起こさねばなるまい。


時は昼。
主人を起こし、身支度を整えた後授業とやらに送り出した後裏庭でまた薬を作り始めた眩乃介。
「子供が働く事無く学べる、か。平穏でよき地のようだな」
子供が学問に入れ込むなどごく一部の贅沢でしかなかった日の本を想う眩乃介。とその時
「何者!」
自らに向けられた気に飛び跳ね、腰の小刀に手をやる。
見ると、青い髪の少女が居た。
「君はたしか・・・・・・・たばさといったね」
こくりと頷くと「聞きたい事がある」と問いかけてくる。
答えられることなら、と答えると返事をする眩乃介。
「まず、私たちメイジは普通使い魔の見たもの、聞いた事を知る事ができる」
そういえばるいずどのもそう言っていたな。
「その上でシルフィード ー先ほど貴方に蜜をあげた青い竜の名らしいー から聞いた。
 貴方は解毒の薬を作れるのだとか。
 それはどのような毒でも消せるの?」

残念だがおそらく否、と答える。
「某の住む地は貴公らほど術が発達していない。
 貴公らの術を持って作られた毒はおそらくだが某の薬では消せないだろう」
「そう」
表情も態度も全く変わらないのに物凄い勢いで脱力したように感じさせるたばさなる少女。

とその時、巨大な轟音が大地を揺るがす。
見ると巨大な -おそらくは10丈(約30メートル)ほどー 人型が少し離れた場所に建っている
石作りの塔を殴りつけていた。
何事、などと一瞬も躊躇したりはしない。
即座にその塔めがけて走り出す。
数瞬遅れてタバサも走り出す。
「急がねばならんだろうな」
鍛えぬいた眩乃介の耳が、あの人型の足元でご主人様とやらの声を聞きつけたのだから。
「何があったのか知らぬが、全くいらぬ事をする」
かつての部下であり友人でもあった、やたら騒ぎを起こす丸っこい男の事を思い出しながら主人の下に駆けつけるのだった。


たどり着いてみると、巨大な土の山の傍にルイズと・・・・・キュルケといったか?
赤毛の少女が佇んでいた。
「何事」
タバサの問いにキュルケが答える。
「このゴーレム -人型のくぐつをこの世界ではごーれむと呼ぶらしい そういえば昨日のぎーしゅもそう言っていたな
ー 
 が宝物庫に穴を開けたのよ!
 マントを羽織った人影が逃げていくのも見えたわ!
 おそらく『土くれのフーケ』よ」
その名は何かと聞くと、貴族のみを狙う義賊気取りの泥棒だ、とのこと。
石川五右衛門のようなものか。
背に大筒を背負った小太りの男の姿がなぜか思い浮かんだ。
どの地であっても似たようなのはいるのだな。
その時ようやく、年長者が数名駆けつけてくるのが見えた。
事情とか状況とかを説明せねばならないだろう

「ふうむ」
学園長の執務室で、ルイズ達の話を聞くオスマン。
調査で、宝物庫から「破壊の杖」が無くなっている事が判明している。
すでに時は夕方。
後片付けやらなんやらで、ひどく遅くなってしまった。
「『土くれのフーケ』、か」
なにやら思案を練っているように見えるオスマンは実は次のセクハラの手段だの
美人の下着の色だのを考えてるに決まっていると女性陣に陰口を叩かれていた。
「そういえばミス・ロングビルは?」
コルベールの言葉に「数時間前から姿が見えんのじゃ」と答えるオスマン。

とその場にうわさをすれば影、とロングビルが駆け込んでくる。
「どこに行っておったのじゃミス・ロングビル。
 必要な時に姿が見えんでは色々と」
「それより学園長、フーケの足取りが掴めました!」
「なんと!
 するとミス・ロングビルはこの調査をしておったのだな」
「はい、まあそんなところです。
 で、フーケについてですが近在の農民に聞き込んだところ少し前に近くの森の廃屋で
 黒ずくめのローブの男を見たそうです。
 恐らくその男がフーケかと」
「そこは近いのかね?」
「はい。徒歩で半日、馬で4時間といったところでしょうか」
「すぐに王室に報告しましょう! 王室衛士隊に頼んで、兵隊を差し向けてもらわなくては!」コルベールが叫んだ。
「ばかもん、その間に逃げてしまうわい。第一、降りかかる火の粉を己で払えぬようで何が貴族じゃ。
 魔法学院の宝が盗まれた、これは即ち魔法学院の問題じゃ。当然我らで解決する!
 では、捜索隊を編成する。我は戸思うものは、杖を掲げよ」

誰も杖を掲げない。困ったように、顔を見合わすだけだ。


「おらんのか? 我こそフーケを捕まえんいう貴族はおらんのか!」

「私が参ります!」



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