ソファーに寝ていたフーケは外に何者かの気配を感じて跳ね起きた。
(ちっ!追っ手か!)
「シャドー、おいで!」
「シャドー、おいで!」
シャドーを連れて床下の隠し通路に飛び込む。
その直後バン! と大きな音がして入口のドアが開き、一斉に杖が室内に向けられた。
その直後バン! と大きな音がして入口のドアが開き、一斉に杖が室内に向けられた。
「誰もいないじゃない!」
「ルイズ!棚の上に『異界の書』があったわ!」
「このソファー…、まだ温かい。奴はまだ近くにいる」
「本当?タバサ?」
「早く出た方がいい、まとまってちゃ危険」
「ルイズ!棚の上に『異界の書』があったわ!」
「このソファー…、まだ温かい。奴はまだ近くにいる」
「本当?タバサ?」
「早く出た方がいい、まとまってちゃ危険」
フーケは既に外に脱出し、緊張した様子で小屋の様子を伺っていた。
が、小屋から出て来た生徒達の姿を見てため息をついた。
が、小屋から出て来た生徒達の姿を見てため息をついた。
(またガキか、あたしは本当にガキに縁があるんだね)
呪文を唱えた。周りの土が集まり、初め大きな山が現れた、それが人の形を作っていく。
「あそこ!なにかいるわ!」
五月蝿いピンク髪に見つかったようだがもう遅い。ゴーレムは完成した。
同時に火と風の魔法が飛んでくる。なかなかの腕だが、フーケ自慢のゴーレムの守備力と回復力には及ばない。
フーケはあっという間に子供達を追い詰めた。
同時に火と風の魔法が飛んでくる。なかなかの腕だが、フーケ自慢のゴーレムの守備力と回復力には及ばない。
フーケはあっという間に子供達を追い詰めた。
ルイズは焦っていた。
まさかここまで手も足もでないとは。ゴーレムの硬い防御によってキュルケもタバサも攻めあぐねている。
まさかここまで手も足もでないとは。ゴーレムの硬い防御によってキュルケもタバサも攻めあぐねている。
「ファイアーボール!」
ルイズは自分に向かってくる巨大な腕に向かって呪文を唱えた。
ゴーレムの手首の部分が炸裂し、半分程度の太さになった。だが腕の勢いは止まらない。
薙ぎ払われる!
そう思ったその時、ジークが弾丸のように跳び上がり、細くなった手首の部分を貫いた。
ゴーレムの手首の部分が炸裂し、半分程度の太さになった。だが腕の勢いは止まらない。
薙ぎ払われる!
そう思ったその時、ジークが弾丸のように跳び上がり、細くなった手首の部分を貫いた。
「ジーク!愛してるわ!」
ルイズは思わず口走った。
「へぇー、あんたもオーガノイド持ってるんだ。ジークっていうのかい」
土くれの声がした。
こいつ!余裕こきやがって!
こいつ!余裕こきやがって!
「もう一度よ!ジーク!」
ジークが跳び上がる。白い弾丸となってゴーレムに向かってゆく。
「させるか!シャドォーー!」
土くれが叫ぶと、どこからか黒い光が飛んで来てジークを叩き落とした。
「キュアアー!」
悲鳴をあげて地に叩き付けられるジーク。
「ジーク!大丈夫!?」
ルイズが慌てて駆け寄る。
「ルイズ!一端森に隠れて体制を立て直すわよ!」
キュルケの声だ。逃げるのは嫌だが仕方ない。
ルイズはジークを連れて森の奥へ逃げ込んだ。
ルイズはジークを連れて森の奥へ逃げ込んだ。
ルイズとジークは木の影に潜み、様子を伺っていた。他の二人とははぐれてしまった。
どうやらジークに怪我は無いようだった。そこだけはほっとした。
巨大なゴーレムがルイズの近くを歩いている。彼女を捜しているのだ。
このままでは見つかる!
自分は結局ゼロなのか…、何もできないのか…
ルイズは俯いた。
そんなルイズにジークが鼻を擦り寄せる。
どうやらジークに怪我は無いようだった。そこだけはほっとした。
巨大なゴーレムがルイズの近くを歩いている。彼女を捜しているのだ。
このままでは見つかる!
自分は結局ゼロなのか…、何もできないのか…
ルイズは俯いた。
そんなルイズにジークが鼻を擦り寄せる。
「ジーク……」
そうよ!私が死んだら誰がジークの面倒みるのよ!こんなにかわいいジークを一人ぼっちにはできない!
ルイズは前を見据えた。
そうよ!私が死んだら誰がジークの面倒みるのよ!こんなにかわいいジークを一人ぼっちにはできない!
ルイズは前を見据えた。
「何だってやってやるわ!ジークを守るためなら!」
その時、ルイズの左手のルーンが輝いた。
誰かが呼んでいる…
そんな気がした。
呼ばれる方へ向かって走り出した。
しかしその時、
誰かが呼んでいる…
そんな気がした。
呼ばれる方へ向かって走り出した。
しかしその時、
「そこにいたか!」
土くれに見つかった!
巨大な拳が飛んでくる。まずい!
身を強張らせるルイズ。
しかし彼女に野蛮な拳が届く事はなかった。炎と氷がルイズを護ったのだ。
巨大な拳が飛んでくる。まずい!
身を強張らせるルイズ。
しかし彼女に野蛮な拳が届く事はなかった。炎と氷がルイズを護ったのだ。
「ルイズ!大丈夫!?」
今日ほどキュルケとタバサを頼もしいと思ったことはない。
「少しだけ時間を稼いで!」
そう叫ぶと再び駆け出した。
「え!?ちょ、どこ行くのよルイズ!」
狼狽したキュルケの声はもはやルイズには届かなかった。
ルイズがたどり着いたのは見たこともない遺跡だった。彼女を呼ぶ何かに従って更に奥へと進む。
そこにあったのは巨大な獣の石像だった。虎に似ている。左手のルーンが更に強く輝いた。
「あなたが私を呼んだの?なぜ?」
石像の前足にそっと触れた。
「私に力を貸してくれるの?」
ルーンが痛いほどに光を増す。
「でもどうやって?あなたは動けないじゃない!」
こうしている間にも仲間達は危険に晒されているのだ。ぼーっとしてる暇はない。焦り始めたその時。
「キュアア!」
ジークが跳び上がり、石像に体当たりした。
「ジーク!?」
いや、体当たりではなかった。消えたのだ。ぶつかる寸前で消えた…。
一瞬混乱したがルイズにはわかっていた。石像の中へ入ったのだ。
石像がまばゆい光を発した。眩しい。思わず眼をつぶる。
光が止み、ルイズが眼を開けた時、彼女の前にいたのは石像ではなく。美しい青い装甲のライオンだった。
その威容にルイズはため息を漏らす。何と美しく、誇り高い姿だろう!
ライオンはルイズの前に頭を垂れると額のオレンジの部分を開いた。
ルイズはそこに飛び乗り、中の椅子に座った。眼を閉じ、興奮した心を落ち着かせる。恐怖はなかった。
ルーンの輝きが最高潮に達した。
一瞬混乱したがルイズにはわかっていた。石像の中へ入ったのだ。
石像がまばゆい光を発した。眩しい。思わず眼をつぶる。
光が止み、ルイズが眼を開けた時、彼女の前にいたのは石像ではなく。美しい青い装甲のライオンだった。
その威容にルイズはため息を漏らす。何と美しく、誇り高い姿だろう!
ライオンはルイズの前に頭を垂れると額のオレンジの部分を開いた。
ルイズはそこに飛び乗り、中の椅子に座った。眼を閉じ、興奮した心を落ち着かせる。恐怖はなかった。
ルーンの輝きが最高潮に達した。
「あなたの名前は…シールドライガーっていうのね。私はルイズ・フランソワーズ、よろしくね」
ヴゥーン…
コクピットがルイズに答えるように軽く輝いた。
「きっとこのルーンのおかげだわ、あなたの動かし方が手にとるようにわかる。さあ!行くわよ!ジーク!ライガー!」
シールドライガーが咆哮し、風のように駆け出した。
「くっ!こんなのどうすればいいのよ!」
キュルケが叫ぶ。
もう二人の魔力は確実に終わりに近づいていた。
キュルケは既にライター程度の火しかだせないし、タバサも扇風機といい勝負だ。
もう二人の魔力は確実に終わりに近づいていた。
キュルケは既にライター程度の火しかだせないし、タバサも扇風機といい勝負だ。
「ルイズは何やってんのよぉ!」
「ピンクはびびって逃げたのさ。さぁ、そろそろおねむの時間だよ!」
「ピンクはびびって逃げたのさ。さぁ、そろそろおねむの時間だよ!」
キュルケに無情な拳が振り下ろされる。
思わず眼を閉じるキュルケ。
しかし、彼女に拳が当たることはなかった。
キュルケが恐る恐る眼を開けると、眼の前には輝くシールドを纏った青い獅子がゴーレムの拳を真っ向から受け止めていた。
そして拳を跳ね返す。
なんて力だ!
キュルケは舌を巻いた。
思わず眼を閉じるキュルケ。
しかし、彼女に拳が当たることはなかった。
キュルケが恐る恐る眼を開けると、眼の前には輝くシールドを纏った青い獅子がゴーレムの拳を真っ向から受け止めていた。
そして拳を跳ね返す。
なんて力だ!
キュルケは舌を巻いた。
「キュルケ、タバサ!大丈夫!?」
二人は驚いた。何せ巨大な獣には、二人のよく知っているルイズが乗っていたのだから。
「る、ルイズ!?」
「話は後よ!今は土くれを倒さなきゃ!」
「く!なんだいそりゃ!?」
「話は後よ!今は土くれを倒さなきゃ!」
「く!なんだいそりゃ!?」
フーケは動揺を隠せない。
ゴーレムは再び拳を振り下ろした。
ゴーレムは再び拳を振り下ろした。
「たぁぁー!」
ルイズの咆哮と共にライガーは拳をかわし、ゴーレムの懐に飛び込む。
「ストライククロー!」
ライガーの爪が輝き、ゴーレムの胸元を深く切り裂いた。
「このガキィー!」
怒ったフーケはゴーレムの腕を振るい、ライガーを薙ぎ払おうとするが、輝く爪によって真っ二つにされてしまった。
速過ぎる。ゴーレムのスピードでは捕らえることなど出来そうにない。みるみるうちに傷が増えていく。これでは回復も間に合わない。
速過ぎる。ゴーレムのスピードでは捕らえることなど出来そうにない。みるみるうちに傷が増えていく。これでは回復も間に合わない。
「とどめよ!」
ライガーのコクピットのハッチが開き、ルイズが顔を出す。
「ファイアーボール!」
ルイズが呪文を唱えると一瞬の間を置いてゴーレムの胴体が砕け散った。
傷だらけのゴーレムにこのダメージを癒す力はもうなかった。音を立てて崩れてゆく。
フーケは悔しがったがもうどうすることも出来ない。
傷だらけのゴーレムにこのダメージを癒す力はもうなかった。音を立てて崩れてゆく。
フーケは悔しがったがもうどうすることも出来ない。
「仕方ない、撤退するよ!シャドー!」
土くれのフーケはシャドーとに捕まって跳びたち、逃走した。
第三話「ZOIDS」に続く