第三節「デジタライジング」
時は、十数分前まで遡る。
まだ右手が麻痺しているアルファモンのことを心配しながら、ルイズは昼食を食べていた。
まだ右手が麻痺しているアルファモンのことを心配しながら、ルイズは昼食を食べていた。
一方、数名の男子生徒が談笑していた。
何のことは無い、ギーシュが誰と付き合っているかで話し合っているだけ。
当のギーシュは、巧妙にはぐらかす。
が、タイミングよく、彼のポケットから香水の入ったビンが落ちた。
そして運悪くシエスタがそれを拾ってしまう。
何のことは無い、ギーシュが誰と付き合っているかで話し合っているだけ。
当のギーシュは、巧妙にはぐらかす。
が、タイミングよく、彼のポケットから香水の入ったビンが落ちた。
そして運悪くシエスタがそれを拾ってしまう。
「あの、これ、落としました?」
シエスタが聞くが、もちろんギーシュは無視する。
しかし、結局他の男子生徒たちがそれを見て、「モンモランシーが作った香水じゃないか」と騒ぎ出し、原作どおりに二股がバレた。
原作とは違い火攻めと水攻めを食らって、瀕死になるギーシュ。
しかし、結局他の男子生徒たちがそれを見て、「モンモランシーが作った香水じゃないか」と騒ぎ出し、原作どおりに二股がバレた。
原作とは違い火攻めと水攻めを食らって、瀕死になるギーシュ。
「さようなら、ギーシュ様……」
「さよなら! ギーシュ!」
「さよなら! ギーシュ!」
ギーシュはズタボロの状態でケティとモンモランシーから別れの言葉を吐きかけられた。
そして、起き上がったギーシュはフラレた腹いせにシエスタに当たり始めたのだ。
それを見たルイズはギーシュを咎め、言い合いに発展して……現在に至る。
杖も兼ねた薔薇の造花を手に、ギーシュはキザな仕草でポーズを決めた。
そして、起き上がったギーシュはフラレた腹いせにシエスタに当たり始めたのだ。
それを見たルイズはギーシュを咎め、言い合いに発展して……現在に至る。
杖も兼ねた薔薇の造花を手に、ギーシュはキザな仕草でポーズを決めた。
「諸君、決闘だ! ルイズ、僕は魔法で戦う。君では勝負になら無いと思うけどね……」
「……ひょっとして、私が怖いの?」
「……ひょっとして、私が怖いの?」
ルイズの挑発に、瞬時に頭に血が上ったギーシュは、一体のゴーレムを錬成する。
女性を模った青銅のゴーレムで、その手にはレイピアが握られていた。
女性を模った青銅のゴーレムで、その手にはレイピアが握られていた。
「行け! ワルキューレ!」
自分目掛けてレイピアをかざして突進するワルキューレを見ながら、ルイズは思い出した。
「君が自棄になったら、使い魔である俺はどうすればいいんだ!?」、アルファモンの悲痛な訴えを。
そして、決闘を申し込まれた際に、一度断った際のギーシュの一言も。
「やれやれ、君の従者も大変だね。あんな重そうな鎧を着せられた挙句……」、全部言い終わる前に金的をかまし、黙らせたついでで決闘に応じたが。
ワルキューレをギリギリまでひきつけ……、ルイズは紙一重でレイピアでの一突きをかわし、杖をワルキューレの顔面に突きつけ、吼える。
「君が自棄になったら、使い魔である俺はどうすればいいんだ!?」、アルファモンの悲痛な訴えを。
そして、決闘を申し込まれた際に、一度断った際のギーシュの一言も。
「やれやれ、君の従者も大変だね。あんな重そうな鎧を着せられた挙句……」、全部言い終わる前に金的をかまし、黙らせたついでで決闘に応じたが。
ワルキューレをギリギリまでひきつけ……、ルイズは紙一重でレイピアでの一突きをかわし、杖をワルキューレの顔面に突きつけ、吼える。
「錬金!」
ワルキューレの頭が吹き飛び、残りの部分もその衝撃で砕けた。
呆然としている隙を突き、ルイズは一気にギーシュとの距離を詰める。
ギーシュが我に帰った頃には、既にルイズは彼の眼前に杖を突きつけ、降伏を勧告した。
呆然としている隙を突き、ルイズは一気にギーシュとの距離を詰める。
ギーシュが我に帰った頃には、既にルイズは彼の眼前に杖を突きつけ、降伏を勧告した。
「……さっきの人形の二の舞になりたい?」
「ぼ、僕の負けだ……」
「ぼ、僕の負けだ……」
もし、抵抗の意思を見せれば、ルイズは迷うことなく失敗魔法を炸裂させる、彼女の目を見たギーシュはそれを悟った。
魔法が使えないルイズが、あっさりギーシュに勝ったのを見て、観衆がざわめく。
素直に感心したり驚愕する者もいれば、呆れた事にそれを良しとしない者もいた。
その中の一人が、ルイズの勝利に異議を唱え、決闘を申し込む。
魔法が使えないルイズが、あっさりギーシュに勝ったのを見て、観衆がざわめく。
素直に感心したり驚愕する者もいれば、呆れた事にそれを良しとしない者もいた。
その中の一人が、ルイズの勝利に異議を唱え、決闘を申し込む。
「『ゼロの』ルイズが勝つなんて認められるか! 今度は僕が決闘を申し込む!」
彼のその一言に、ルイズの勝利を認められない者たちが一斉に決闘を申し込み、それを見たルイズは吼えた。
「面倒くさいわね! そんなに勝負したいなら、みんなまとめて掛かって来なさい!!」
厨房では、ルイズとギーシュが決闘することと、そうなった事情を聞いたアルファモンは、決闘がどこで行われるのか聞き、そこに向かおうとしてマルトーに止められる。
アルファモンの身を案じてのことであった。
アルファモンの身を案じてのことであった。
「あんた、たかが貴族一人のために死にに行くのか!?」
「……俺は死なない。それ以前に、俺はルイズの使い魔だ!」
「それだけの理由で……」
「ルイズは、俺のことを「優しい」と言ってくれた。それも理由だ!」
「……俺は死なない。それ以前に、俺はルイズの使い魔だ!」
「それだけの理由で……」
「ルイズは、俺のことを「優しい」と言ってくれた。それも理由だ!」
マルトーを振り払い、アルファモンはヴェストリの広場へと向かう。
ただ、ルイズ一人のために。
ただ、ルイズ一人のために。
アルファモンがたどり着いた際に見たのは、ズタボロになって尚立ち上がっているルイズの姿。
制服はボロボロ、所々出血し、顔は惨たらしいまでにアザだらけ、挙句の果てに右腕は筋を斬られたらしく、ただ垂れ下がっているだけであった。
それでもルイズは闘志を失わず、更にアルファモンの姿を見て、微笑みかける。
制服はボロボロ、所々出血し、顔は惨たらしいまでにアザだらけ、挙句の果てに右腕は筋を斬られたらしく、ただ垂れ下がっているだけであった。
それでもルイズは闘志を失わず、更にアルファモンの姿を見て、微笑みかける。
「どうしたの、アルファモン?」
ボロボロになったルイズの姿を見て、アルファモンは加勢しようとするが、ルイズの目で止められる。
「手助けはいらないわ、私の決闘だから」、目がそう言っていた。
周りを囲む、決闘相手たちの魔法の一斉射撃を必死に避けるルイズ。
それを口惜しそうに見ているギーシュを見て、何があったのかを問い質した。
「手助けはいらないわ、私の決闘だから」、目がそう言っていた。
周りを囲む、決闘相手たちの魔法の一斉射撃を必死に避けるルイズ。
それを口惜しそうに見ているギーシュを見て、何があったのかを問い質した。
「一体何があったんだ!?」
「彼女が僕に勝ったのが認められいからって……、あいつらが一斉に決闘を申し込んだんだ。それに怒ったルイズがまとめて掛かって来いって言ったから一斉に……」
「彼女が僕に勝ったのが認められいからって……、あいつらが一斉に決闘を申し込んだんだ。それに怒ったルイズがまとめて掛かって来いって言ったから一斉に……」
それを聞いたアルファモンは心の中で毒づく。
これのどこが決闘なんだ、と。
すでに体力が底を突いていたルイズは、一瞬よろめく。
その隙を突き、生徒の一人がファイアーボールを放ち、避けられないと判断したルイズは、動かなくなった右腕を盾にしてそれを防いだ。
もちろん、右腕は焼け爛れ、所々炭化する。
これのどこが決闘なんだ、と。
すでに体力が底を突いていたルイズは、一瞬よろめく。
その隙を突き、生徒の一人がファイアーボールを放ち、避けられないと判断したルイズは、動かなくなった右腕を盾にしてそれを防いだ。
もちろん、右腕は焼け爛れ、所々炭化する。
「○×△□~~~~!!」
余りの激痛に声になっていない呻き声を上げながらも、ルイズは闘志を失わない。
が、見ている方は限界であった。
再びルイズ目掛けて放たれたファイアーボールを、アルファモンは前方に立ち塞がり、ファイアーボールを代わりに受ける。
生徒たちはファイアーボールが直撃しても傷一つついていないアルファモンの姿に、ルイズはいきなりアルファモンが割って入ったことに驚愕した。
が、見ている方は限界であった。
再びルイズ目掛けて放たれたファイアーボールを、アルファモンは前方に立ち塞がり、ファイアーボールを代わりに受ける。
生徒たちはファイアーボールが直撃しても傷一つついていないアルファモンの姿に、ルイズはいきなりアルファモンが割って入ったことに驚愕した。
「アルファモン、これは私の決闘よ!」
「使い魔は、主人と一心同体だと君は言った。ならば、俺の決闘でもある!」
「使い魔は、主人と一心同体だと君は言った。ならば、俺の決闘でもある!」
アルファモンは眼前にいる、ルイズの右腕を焼いた生徒に狙いを定める。
それと同時にアルファインフォースを発動させ、瞬時にその生徒を滅多打ちにし、止めにがら空きのアゴを蹴り上げた。
もちろん、アルファモン以外は最後の一撃しか見えない。
いきなり四肢があらぬ方向に曲がったかと思うと、アゴを蹴り上げられた衝撃を宙を舞ったその生徒の姿に、他の決闘相手たちは唖然となる。
そして、彼らにアルファモンは事実上の死刑宣告をした。
それと同時にアルファインフォースを発動させ、瞬時にその生徒を滅多打ちにし、止めにがら空きのアゴを蹴り上げた。
もちろん、アルファモン以外は最後の一撃しか見えない。
いきなり四肢があらぬ方向に曲がったかと思うと、アゴを蹴り上げられた衝撃を宙を舞ったその生徒の姿に、他の決闘相手たちは唖然となる。
そして、彼らにアルファモンは事実上の死刑宣告をした。
「そっちが集団で挑んだんだ、卑怯とか言うなよ!」
ギーシュは我が眼を疑った。
アルファモンのその常識外れの強さに。
アルファモンのその常識外れの強さに。
「デジタライズ・オブ・ソウル!」
アルファモンが放った、破壊力を持った光の奔流が、ゴーレムをあっと言う間に塵に還す。
その衝撃で、ゴーレムを錬成した生徒が無残に吹き飛ばされた。
その衝撃で、ゴーレムを錬成した生徒が無残に吹き飛ばされた。
「スティング!」
「ぶあ!」
「ぶあ!」
次に、別の生徒の後ろに回り掛け声と共に、その延髄に指を突き刺す。
穴こそ開きはしなかったが、延髄に食らったダメージでその生徒は悲鳴を上げた直後に泡を吹いて気絶する。
アルファモンの強さを見て、決闘を挑まなかった他の生徒たちは、何時の間にかアルファモンを応援し始めていた。
ルイズは自分の使い魔の強さに見とれていて気付かなかった、決闘相手の一人である「風上の」マリコルヌが自分の背後に回り、『ブレイド』によって剣と化した杖を振り下ろさんとしていることに。
そして、ギーシュはたまたまルイズの方に視線を移した際にそれに気付き、一心不乱に駆け出した。
穴こそ開きはしなかったが、延髄に食らったダメージでその生徒は悲鳴を上げた直後に泡を吹いて気絶する。
アルファモンの強さを見て、決闘を挑まなかった他の生徒たちは、何時の間にかアルファモンを応援し始めていた。
ルイズは自分の使い魔の強さに見とれていて気付かなかった、決闘相手の一人である「風上の」マリコルヌが自分の背後に回り、『ブレイド』によって剣と化した杖を振り下ろさんとしていることに。
そして、ギーシュはたまたまルイズの方に視線を移した際にそれに気付き、一心不乱に駆け出した。
「ゼロのルイズのクセにぃ!」
マリコルヌの声に気付き、振り向こうとした直後に、ルイズは何者かに突き飛ばされた。
ルイズが、元いた地点に目を向けると、そこには剣と化した杖を持ったまま硬直するマリコルヌと、左目を縦一文字に斬られ血を流すギーシュの姿が……。
ルイズが、元いた地点に目を向けると、そこには剣と化した杖を持ったまま硬直するマリコルヌと、左目を縦一文字に斬られ血を流すギーシュの姿が……。
「『ブレイド』!」
「……へ!?」
「……へ!?」
みんなが唖然とする中、ギーシュはブレイドを発動させ、魔力の刃をマリコルヌの右腕に突き刺す。
余りのことに、激痛を感じながらもマリコルヌはただ口を開閉するしかなかった。
そして、ギーシュはやれやれと言った表情で吐き捨てる。
余りのことに、激痛を感じながらもマリコルヌはただ口を開閉するしかなかった。
そして、ギーシュはやれやれと言った表情で吐き捨てる。
「君は無粋なんだよ、マリコルヌ」
ブレイドを解除し、ギーシュはルイズの元へ駆け寄る。
斬られた左目からはまだ血が流れ、激痛が走っていたが、ギーシュはそれすら耐え抜く。
斬られた左目からはまだ血が流れ、激痛が走っていたが、ギーシュはそれすら耐え抜く。
「ルイズ、右腕は……大丈夫じゃないみたいだね」
「あんたこそ、目をやられているじゃないの……」
「あんたこそ、目をやられているじゃないの……」
彼女の左腕を肩に回し、ルイズを抱え起こすギーシュ。
しかし、それを見ていたマリコルヌは、懲りずに杖を左手に持ち替え、ギーシュたちに狙いを定める。
直後、アルファモンの声がいきなり響いた。
しかし、それを見ていたマリコルヌは、懲りずに杖を左手に持ち替え、ギーシュたちに狙いを定める。
直後、アルファモンの声がいきなり響いた。
「聖剣、グレイダルファー!」
「……あら、ひ、ひだ、ひだだだだだだだだだだり!!」
「……あら、ひ、ひだ、ひだだだだだだだだだだり!!」
アルファモンが、聖剣グレイダルファーでマリコルヌの左腕を容赦なく切り落とした。
自分の左腕が、肘から先からなくなってしまったショックで悶絶し、悲鳴を上げるマリコルヌ。
そんなマリコルヌに、アルファモンは言い放つ。
自分の左腕が、肘から先からなくなってしまったショックで悶絶し、悲鳴を上げるマリコルヌ。
そんなマリコルヌに、アルファモンは言い放つ。
「そんなもの、魔法でくっ付ければいいだろ」
マリコルヌ以外の決闘相手たちは、すでにアルファモン一人によって全滅していた。
アルファモンはルイズをお姫様抱っこして、医務室へと向かう。
ギーシュは左目をおさえながら、それを追った。
アルファモンはルイズをお姫様抱っこして、医務室へと向かう。
ギーシュは左目をおさえながら、それを追った。
学院長室。
遠見の鏡で一部始終を見ていたコルベールが唖然としていた。
一方、リリスモンは非常に楽しそうである。
オスマンは、自らの使い魔に話しかける。
遠見の鏡で一部始終を見ていたコルベールが唖然としていた。
一方、リリスモンは非常に楽しそうである。
オスマンは、自らの使い魔に話しかける。
「モードソグニル、あれが「空白の席の主」の力なのか?」
「……いや、彼奴は辛うじて手加減はしておった。それでもあれだけの力か……。我に牙向いた時、その力を解放するかどうか……楽しみだな」
「……楽しむためなら己が命すら大事にせぬその性分、少しは直したらどうじゃ?」
「叶わぬ夢をほざくでない」
「……いや、彼奴は辛うじて手加減はしておった。それでもあれだけの力か……。我に牙向いた時、その力を解放するかどうか……楽しみだな」
「……楽しむためなら己が命すら大事にせぬその性分、少しは直したらどうじゃ?」
「叶わぬ夢をほざくでない」
意味深に微笑みながら軽口を叩き合うオスマンとリリスモン。
一方のコルベールは、アルファモンが作った惨状を見て固まっている。
一方のコルベールは、アルファモンが作った惨状を見て固まっている。
「おおお、オールド・オスマン、如何いたしましょう!!??」
「……まあ、誰が悪いのかは明らかだし。とりあえずヴァリエールとグラモンは決闘の罰として来週までの謹慎って形で休ませて、「空白の席の主」の小僧にボコられた奴らは来週まで謹慎&外出禁止、謹慎明けから数日は中庭掃除とかをやらせるかの」
「ミス・ヴァリエールの怪我は、ご実家の方に報告しますか?」
「……あれだけ派手にやったんじゃ、いっその事全部正直に報告した方がいいじゃろうて。それと、小僧のルーンに関しては他言無用じゃぞ」
「……まあ、誰が悪いのかは明らかだし。とりあえずヴァリエールとグラモンは決闘の罰として来週までの謹慎って形で休ませて、「空白の席の主」の小僧にボコられた奴らは来週まで謹慎&外出禁止、謹慎明けから数日は中庭掃除とかをやらせるかの」
「ミス・ヴァリエールの怪我は、ご実家の方に報告しますか?」
「……あれだけ派手にやったんじゃ、いっその事全部正直に報告した方がいいじゃろうて。それと、小僧のルーンに関しては他言無用じゃぞ」
思いっきり投げやりであるが、どこかオスマンは嬉しそうであり、リリスモンとコルベールもそれを見抜いていた。
そして、二人そろって首を縦に振る。
そして、二人そろって首を縦に振る。
医務室。
アルファモンは椅子に座り、黙り込んでいる。
一方のギーシュは魔法で止血はしてもらったものの、左目は完全に失明しており、縦一文字の傷には顔の右半分に大きく走っていた。
そしてルイズの右腕は……、彼女自身の予想通り「既に手遅れ」と診断される。
それを聞き、激昂しそうになるアルファモンを抑え、ルイズは痛みをこらえながら淡々と治療を担当してくれた教師に頼み込む。
アルファモンは椅子に座り、黙り込んでいる。
一方のギーシュは魔法で止血はしてもらったものの、左目は完全に失明しており、縦一文字の傷には顔の右半分に大きく走っていた。
そしてルイズの右腕は……、彼女自身の予想通り「既に手遅れ」と診断される。
それを聞き、激昂しそうになるアルファモンを抑え、ルイズは痛みをこらえながら淡々と治療を担当してくれた教師に頼み込む。
「治したところで、既に元通りに動かせ無いことは予測できていました。ですからこの右腕、肩から切り落としてくれませんか?」
辺りが静寂に包まれる。
それは、ルイズ以外が驚きのあまり言葉を失ったからであった。
それは、ルイズ以外が驚きのあまり言葉を失ったからであった。
次回、「デジタルワールドからの物体NANIMON」まで、サヨウナラ……。