第十二話 三重殺
フーケの襲撃を受けた後の学園、その学長室の中ではもうフーケは去ったというのに喧々囂々の有様を示していた。
教師たちの責任のなすりつけ合い、
その場にいた当事者として呼ばれていたルイズは
同じ貴族として彼らの行いを苦い思いで見つめていた。
情けなくて口を挟む気にもなれなかったが、そのうちに話は思いもしない方向へ進んでいった。
なんと責任を学園に来ていたアンリエッタ王女に負わせようというのだ。
もちろんそんなことをはっきりと口にする者はいないが王女がいた時に起きた事件であるからとかで、
言外に彼女の立場が悪くなるようなことを示唆するような流れになってきたのだ。
たまらずルイズは声を上げようとしたが、
「いいかげんにしなさい!今回の件は我々学園にいたもの全ての責任、
このようなことを話すのではなくどう解決するかということが重要なのじゃ」
その前にオスマンが皆を一喝して鎮めた。
それで少しは頭が冷えたのか教師から声が上がる。
「しかしどうにかするといってもあの悪名高いフーケのことですし王室の力に頼るべきでは」
「ならん、この件はこの学園で起きたこと、なら我々の手で解決するのが筋というものじゃろう。
そもそも王室へ連絡を入れている間にフーケは姿をくらませてしまうわい」
「しかしすでに一晩経っていることですしやつの居場所が分からないのではどうしようも」
その時学長室にオスマンの秘書のロングビルがやってきた。
「フーケの居場所が分かりました」
といって。
なんでも昨晩から付けており、やつの隠れ家を見つけたらしい。
教師たちの責任のなすりつけ合い、
その場にいた当事者として呼ばれていたルイズは
同じ貴族として彼らの行いを苦い思いで見つめていた。
情けなくて口を挟む気にもなれなかったが、そのうちに話は思いもしない方向へ進んでいった。
なんと責任を学園に来ていたアンリエッタ王女に負わせようというのだ。
もちろんそんなことをはっきりと口にする者はいないが王女がいた時に起きた事件であるからとかで、
言外に彼女の立場が悪くなるようなことを示唆するような流れになってきたのだ。
たまらずルイズは声を上げようとしたが、
「いいかげんにしなさい!今回の件は我々学園にいたもの全ての責任、
このようなことを話すのではなくどう解決するかということが重要なのじゃ」
その前にオスマンが皆を一喝して鎮めた。
それで少しは頭が冷えたのか教師から声が上がる。
「しかしどうにかするといってもあの悪名高いフーケのことですし王室の力に頼るべきでは」
「ならん、この件はこの学園で起きたこと、なら我々の手で解決するのが筋というものじゃろう。
そもそも王室へ連絡を入れている間にフーケは姿をくらませてしまうわい」
「しかしすでに一晩経っていることですしやつの居場所が分からないのではどうしようも」
その時学長室にオスマンの秘書のロングビルがやってきた。
「フーケの居場所が分かりました」
といって。
なんでも昨晩から付けており、やつの隠れ家を見つけたらしい。
それを受けてオスマンはフーケの討伐隊を募るも、誰も名乗りを上げない。そんな中、
「私が志願します」
と、今度こそルイズが声を上げる。
さらにそれに張り合うようにキュルケ、そして付き合うようにタバサが志願する。
当然生徒が行くことに対して反対の声が上がるが、
「だって誰も行こうとしないじゃないですか!というかそもそもここにいない人もいますし。
ミス・シュヴルーズやミスタ・コルベールはどうしてるんです?ここで何もしないなんて貴族の名折れです!」
それに対してオスマンが答える。
「……あー、その、君の使い魔がこの前決闘をしたじゃろう」
「え、ええ。でも挑まれただけですしそもそも今は関係ないでしょう」
「いや、そこで君の使い魔がクマの中から登場した際にじゃな、
シュヴルーズ君は気絶して倒れ、コルベール君も引き付けを起こしての、
二人とも現在療養中じゃ。よっぽどショックじゃったんじゃな。」
「……じゃ、じゃあミスタ・ギトーは?いつも風こそが最強だって言ってたじゃないですか!」
「ギトー君もの、件の決闘でクマからキャストオフしたのを見て暇を取って旅に出てしもうた。
過酷な現実を見つめなおしたいそうじゃ。
これによってベルモンドの三重殺が成ったわけじゃ」
「どうしてそんなに弱い大人なのっ!」
思わず敬語も忘れて声をあげてしまう。
しかしさすがに咎めることもせず、オスマンは逆に志願したルイズたちを
功績や実力、それに使い魔の点から捜索隊として認める。
さらにはロングビルも、
先の決闘でまだ生徒とは言えメイジを破った使い魔を持つルイズは適任だ、ぜひ行くべきだ、
と強く推薦した。
結果ここに、案内役のロングビル、メイジのルイズとキュルケとタバサ、使い魔のウォーズマン、
そして実況役の「実況」の二つ名をもつ生徒による討伐隊が結成されたのだった。
「私が志願します」
と、今度こそルイズが声を上げる。
さらにそれに張り合うようにキュルケ、そして付き合うようにタバサが志願する。
当然生徒が行くことに対して反対の声が上がるが、
「だって誰も行こうとしないじゃないですか!というかそもそもここにいない人もいますし。
ミス・シュヴルーズやミスタ・コルベールはどうしてるんです?ここで何もしないなんて貴族の名折れです!」
それに対してオスマンが答える。
「……あー、その、君の使い魔がこの前決闘をしたじゃろう」
「え、ええ。でも挑まれただけですしそもそも今は関係ないでしょう」
「いや、そこで君の使い魔がクマの中から登場した際にじゃな、
シュヴルーズ君は気絶して倒れ、コルベール君も引き付けを起こしての、
二人とも現在療養中じゃ。よっぽどショックじゃったんじゃな。」
「……じゃ、じゃあミスタ・ギトーは?いつも風こそが最強だって言ってたじゃないですか!」
「ギトー君もの、件の決闘でクマからキャストオフしたのを見て暇を取って旅に出てしもうた。
過酷な現実を見つめなおしたいそうじゃ。
これによってベルモンドの三重殺が成ったわけじゃ」
「どうしてそんなに弱い大人なのっ!」
思わず敬語も忘れて声をあげてしまう。
しかしさすがに咎めることもせず、オスマンは逆に志願したルイズたちを
功績や実力、それに使い魔の点から捜索隊として認める。
さらにはロングビルも、
先の決闘でまだ生徒とは言えメイジを破った使い魔を持つルイズは適任だ、ぜひ行くべきだ、
と強く推薦した。
結果ここに、案内役のロングビル、メイジのルイズとキュルケとタバサ、使い魔のウォーズマン、
そして実況役の「実況」の二つ名をもつ生徒による討伐隊が結成されたのだった。