あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゴーストステップ・ゼロ-04


爆煙が止んだ廊下から場所を変えて3人と1匹は食堂前の通路に来ていた。
2人の少女は煤にまみれた服を着替えて来たが、ヒューと燃え盛る尻尾を持つ大トカゲはそのままである。

「何でアンタは平気な顔してるのよ、しかも服も汚れてないし…。」
「逃げ足だけは速くてね。」

怨嗟が込められたルイズの言葉に平然と応える使い魔、ちなみにキュルケの使い魔であるところのサラマンダーの
フレイムは所々煤が付いている。

「あ、ああああアンタ!主であるメイジを放って自分だけ逃げるなんて信じられない!反省するまで今日のご飯抜き
!」
「おいおい、そいつは無いだろう。第一あの爆発は御主人サマがやったんだろう?」
「うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!ご飯抜きって言ったらご飯抜きなんだから!アンタはここで反省して
なさい!」

そう言い残して1人、食堂に突入して行く御主人サマであった。



ゼロのフェイト シーン04 “赤土とルイズの爆発魔法”

    シーンカード:レッガー(災難/予期せぬ不運。苦渋。絶望。不本意な屈従を求められる。)




「やれやれ、一体何だってんだ?」

取り残されたヒューにとってみれば、訳が分からないことだらけだった。
自分は何か変な事をしたのか?新しく知り合いになったお隣さんと挨拶しただけではないか。それとも着替えの手伝
いの時に何かやっちまったか?
と、訳が分からない御主人サマの行動を理解しようと頭をひねるヒューの耳に忍び笑いが聞こえてくる。
考え事を中止してそちらを見ると、お隣さんである所のキュルケ嬢が笑っているではないか。

「あー、レディ?
 何が可笑しいのか説明してくれると助かるんだがね。」
「ああ、ごめんなさいミスタ・スペンサー。
 だってルイズの行動が可笑しくって。」
「ふむ、察するに俺の所の御主人サマとレディの間には確執がある…とか?」
「ええ、そう。あるのよ先祖伝来のヤツがね、どうやらその様子だと聞いてないみたいじゃない?
 まあそうでないと、あのタイミングであの発言はありえないわよね。」
「教えてくれるとありがたいんだが?」
「ん~教えてあげても良いんだけど、私から言うのは流石にね。
 今晩にでもルイズから聞きなさいな。」
「楽しみは後に取っておけって?」
「そ、極上のワインもある程度寝かせたほうが美味しいでしょ?
 それに、その頃にはルイズの頭も冷えてるだろうしね。
 あら、そろそろ行かないと食事が始まっちゃうじゃない。
 それではミスタ、この後の授業でまたお会いしましょう…っと、そういえば自己紹介してなかったわね。
 私はキュルケ、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。
 二つ名は“微熱”、“微熱”のキュルケよ。それじゃあまたねミスタ「ヒューでいい」え?」
「昨日コルベールの旦那にも言ったんだが、ミスタなんて柄じゃなし、平民だからな呼び捨てでいい。」
「あらそう?じゃあ私もキュルケでいいわ。じゃあねヒュー。」

肩をポンと軽く叩いてキュルケも食堂に入っていく、後に残ったのはフェイトが一人と妙なオオトカゲが1匹である

そのオオトカゲも踵を返して中庭の方へと歩いて行った、興味を覚えたヒューは後を付いて行くと…。

「いやまぁ尋常な場所じゃないとは思っていたがね…」

流石にここまでとは思っていなかった、見渡す限り動物がいるのだ。種類としては中型~大型の草食動物や肉食動物
、中には怪物と称しても良さそうな生物もいる。
恐らくここにいる生物は全て使い魔なのだろう。とするとここは使い魔用の餌場といった所だろうか、見てみると
使用人達が使い魔の間を練り歩いて餌を配っているのが見えた。この作業は主に男の使用人が担当している、流石
にシエスタのようなメイドに任せる訳にはいかないのだろう。

そんな使用人達の仕事振りを見物しながら、ヒューはコートのポケットに突っ込んだままだったカロリービスケット
を頬張る、味気は無いが何も食べないよりは遥かにマシだし、あの御主人サマの相手をするのに空腹というのは
あまりにも無謀な気がする。
腹が減っては戦もできないのだ。

そんなこんなで主従共に対照的な食事(ちなみにルイズはいつも通り豪勢な朝食を摂ってきた)を済ませた後、2人
揃って教室に向かう。
本来使い魔は授業に出なくても良いらしいのだが、召喚後しばらくは主と使い魔の精神的繋がりを強化する為になる
べく一緒にいるようにしているそうだ。
2人が教室に入ると一瞬静まり返った後、様々な視線が2人に集まってくる。興味深げなもの、楽しそうなもの、
しかし一番多い視線はルイズとヒューを嘲るようなものだった。
昨夜の会話で使い魔というのは普通、動物辺りがなるものなのだろうと中りをつけていたヒューは見世物になった様
な気分だった、表情にこそ出さなかったがあまり良い気分ではないというのが正直な感想だ。
ついでに、ひそひそと生徒達は近くの級友達と話を始める。一応聞こえないように気を付けているのか、こちらには
聞こえてこない。

(まあ、どんな事言っているのかは想像がつくがね…)

押し黙ったままの御主人サマは爆発しないだろうなと思いながら横目で見ていると、意外な事に背筋を伸ばして教室
の通路を進んでいる。

(やれやれ、分かっちゃいたけど我等が御主人サマは筋金入りのアーサーじゃないか。)

そうこうしている内に授業が始まるのか、何処からともなく鐘の音が響いてくると教室に中年の女性が入ってきた。
ちなみにヒューはルイズの席の近くにある通路の段差に腰掛けている。

入ってきた教師は紫を基調にした服に身を包み、帽子を被っていた。
シュヴルーズと名乗ったその女性が教室に入った途端、騒がしかった教室は一旦静まった。ここら辺は流石に貴族の
子女といったところだろうか。
しかしその礼儀正しさも、シュヴルーズ教諭がルイズの使い魔であるヒューを見て言った不用意な一言によって木端
微塵に破壊される。
ヒューとしては別段気にはしなかったが(教師としてその発言はどうだ?と思いはした)、召喚した御主人サマと
しては面白くなかったらしい、しきりに挑発してきた小太りの少年と共にシュヴルーズに軽い説教を食らっていた。
その後、ルイズと小太りの少年(“風上の”マリコルヌという名前らしい)の諍いをいささか強引に止めたシュヴ
ルーズは、二人と諍いを見て笑っていた生徒の口に赤土の粘土を貼り付けて授業を始めた。

始まった授業を見てヒューは呆れていた、話によると前年度の復習をやっているそうだが、その物理法則を無視した
“練金”とかいう魔法などその最たるモノだ。(ヒューにとって理解できない技術など魔法と大差ないのだが、さす
がにこの魔法という名の物質変換には呆れた)
噂位しか聞いていないが、バサラとかいう連中の扱う術というのはこういうものなのだろう。

授業も半ばを過ぎた頃だろうか、教壇に立つシュヴルーズ教諭が“練金”の実習にルイズを指名した。瞬間、教室内
が騒然とする。
シュヴルーズ教諭へとかかる声は抗議を通り越して最早悲鳴に近かった、何と言うか阿鼻叫喚という表現がぴったり
だ。
そんな怒号が響き渡る中、ルイズは教卓へと進み出る。
ルイズが“練金”の呪文をゆっくりと唱え始めると、今まで声を上げていた生徒達は泡を食って机の影に退避を始め
ていた。
騒然とし始めた教室を見回しているヒューに背後から声が掛けられる。

「ヒュー、悪い事は言わないから隠れた方が良いわよ。」
「キュルケじゃないか、なんでまた。」
「今朝方みたいな爆発が起きるのよ、本当に早く!」
「あ?ああ」

キュルケの警告に従って机の影に退避をするのと、呪文が完成したのはほぼ同時だった。

教室に爆音が響き渡り、爆煙が窓を突き破って窓の外に吹き出す。衝撃はそれ程でもなかったがそれでも中々の威力
だろう。


教室に充満していた煙が晴れ渡ると、教卓周辺には最早惨状という表現が正しい状態になっている。
今まで魔法の理論を書き出していた黒板や、シュヴルーズが立っていた教卓はバラバラになり、周囲は煤にまみれて
いた。
それを見たヒューは2人の元に近付く、爆心地にいた2人の様子は対照的だった。ルイズは服や髪がボロボロになっ
ている程度だが、シュヴルーズは気絶した上に痙攣を繰り返しているが特に大した怪我は無いように見えた。
(あの規模の爆発でこの程度の被害?というか被害規模が人と物で違うというのはどいう事だ?それともそういった
魔法っていう事か?)

教室内は起きた爆発で使い魔達がパニックを起こし、混乱の極みにあった。

「だから言ったのよ!ルイズにやらせるなって!」
「なんで、断らないんだよ、迷惑だって分からないのか!ゼロのルイズ!」

しかし、原因であるルイズはそんな騒ぎを右から左に流しながら、煤で汚れた顔をハンカチで拭った後一言呟く。

「ちょっと失敗したみたいね。」

色々と人生経験を積んできたヒューではあるが、流石にこういった状況でこの台詞を出すような人物には心当たりは
…1人いた。
(とんでもない大物か…、それともただ単に他人に頓着しない性格なのか。)

「どこがちょっとだよ!ゼロのルイズ!」
「いっつもいっつも失敗しているくせに!」
「成功回数ほとんどゼロのくせに、なに威張ってるんだよ!いい加減にしてくれ!」


その後、爆発を聞きつけた他の教師によってシュヴルーズは医務室へと連れて行かれ、ルイズとヒューは罰として
教室の後片付けを命じられるのだった。


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