あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

デモゼロ-12



 馬鹿力のルイズ、獣人の姿になって、化け物をやっつけた
 二つの月の下、勝利の雄叫びあげるルイズ

 …何故、こんな姿になったのか
 この姿は、一体、どう言う事なのか?
 ルイズは、この力を正体をまだ知らない

 勝利の快楽に酔っていたルイズ
 が、ふと、正気に戻る

 …そうだ、キュルケは?
 慌てて、キュルケたちの元へと駆けるルイズ
 ……途中の、ロングビルが作った壁?
 そんなもの、ひょい、と跳び越していけばいい
 ずん!と目の前に現れた獣人の姿のルイズに、タバサがやや警戒したように杖を向けようとしたが
 それを、そっと押し止めたのは、キュルケ

「ルイ、ズ」
 じっと、ルイズを見つめてくるキュルケ
 途惑っているようだが、しかし、確信を秘めた眼差しで、じっとじっと、見つめてくる
「ルイズ、でしょ?あんたがその姿になったところ…ちゃんと、この目で見たんだから、ね」
 優しく、そう言われて

 …ルイズは、ようやく、己の姿を自覚する
 小柄な少女の面影は、今の自分にはない
 今、ここにいるのは、桃色の毛並みをしていると言う、世にも珍しい獣人

「わ……た、し?」
 私は、貴族だ、メイジだ、人間だ
 なのに、何故?
 何故、こんな姿に?
 途惑うルイズ、自分のこの姿が
 そして、この姿で振るった力が、途端に恐ろしくなった

 怖い
 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
 自分自身が恐ろしい、だなんて、生まれて初めての経験だ
 嫌だ、この姿が嫌だ
 私は、人間なんだ……!

「ぁ……」
 ゆっくりと、体が縮んでいく
 体を覆っていた毛が、体の中に引っ込んでいくような感覚
 ひゅう、と夜風が体を撫でていく、その感触が酷く冷たい
 己の手を見ると…あの伸びていた爪は、すっかり元に戻っていて
 ぺとぺと
 顔を触ると、これもまた、元通り
「もど……った……?」

 …あぁ、あぁ
 人間に、戻れた
 その事実に、ルイズは安堵する


「ちゅ、大丈夫でちゅか?」
 ひょこり
 壁の向こうから、モートソグニルがこちらを覗いてきた
 モートソグニル、の、はずだ
 鼠の姿には戻らず、青年の姿もままだけれども…

「………ちゅ!?」
 と
 突然、モートソグニルが、頬を真っ赤に染め上げた
 慌てて、背中を向けてくる
 ………?
 どう言う事か?

「あ、えぇと、その…ミス・ヴァリエール」
 モートソグニルの様子に、首をかしげたルイズに
 ロングビルが、声を駆けてきた
「寒く……ないのですか?」
「え?」
 ……ぶるるっ
 言われた瞬間、寒さを感じた
 っくちん、小さくくしゃみをする
 そうだ、体を覆っていた毛皮が消えてしまったのだ、寒いはずである

「………え?」
 待て、ちょっと待て
 自分は、服を着ていたはずだ
 なのに、何故寒い?
 いや、もうわかっているはずだ
 自分は、あの獣人の姿になった時……体が膨張したせいで

 …服が、破けたじゃあないか

「~~~~~~~~!!!!」
 自覚した、その瞬間
 ルイズは、モートソグニルが背中を向けた理由に、気づいた
「っい、いやぁあああああああ!!??」
 夢中で、夢中で、杖を握り、詠唱する!!
「っちょ!?ル、ルイズちゃんやめてー!しっかり見たわけじゃないから爆破するのはやめてでちゅー!!」

 …ずどごぉん!!!
 真夜中の森の中、豪快な、豪快な爆発音が響き渡ったのだった


 キュルケから借りたマントを羽織るルイズ
 …うぅ、さ、寒い
「な、相棒。あの人狼っぽい獣人の姿でいた方が寒くないんじゃねぇか?」
「い、嫌よ。第一、また変身できるかどうかわからないし…」
 …それに、元に戻れるかどうかも、わからない
 ぞくり、背筋を駆け抜ける、悪寒

 …もし、もしだ
 あの姿になって、元に戻れなくなったら…?
 嫌だ、そんなの、嫌だ
 確かに、あの姿でいると、全身に今まで以上の力が湧いてきた
 化け物を倒せるくらいの力が、自分には身についた
 でも……でも

(私は…貴族、なのよ)
 確かに、凄い力だとは思う
 でも…魔法とは、全く関係ない
 魔法は、使えないままなのだ
「…ルイズ、大丈夫?」
「キュルケ…」

 沈むルイズに、心配そうに声を駆けてきたキュルケ
 その肩には、傷痕が残されたままだ
 この傷痕だって…完全に、治療されたものではない
 早く、魔法学院に戻って、本格的に治療されるべきだ
「大丈夫。大丈夫よ。あなたは、自分の怪我のことを、考えていて」
 そうだ、大丈夫
 自分に言い聞かせるように、ルイズはキュルケに言った

 大丈夫、だ
 …確かに、自分は獣人の姿になったけれど、心まで獣になった訳ではなかった…はず、だから
 私は、まだ私のまま
 私は、私を失ったりは、しない


「大丈夫ですか?その…モートソグニル」
「…お手間かけたでちゅ」
 ルイズの爆発魔法で吹き飛ばされたモートソグニル
 …化け物を倒した時は無傷だったはずなのに、今は煤だらけである
 奇跡的に、ダメージは少なかったようだ

「モートソグニル…なのですよね?」
「はい、そうでちゅ。モートソグニルでちゅ」
 ロングビルに向き直るモートソグニル
 どうにも、彼と話していて、ロングビルは奇妙な感覚を抱かざるを得ない
 …これが、本当にあの、モートソグニルなのか?
 姿が変わるのを目の前で見ても、やはり、信じられない
 ロングビルと同じ気持ちなのだろう
 シルフィードが怪我をしていないか見ていたタバサも…何時の間にか、モートソグニルをじっと見ている

「ただの鼠では、なかったのですね」
「昔は、ただの鼠だったでちゅよ。ただ、色々あって…」
 やや、言いにくそうに言葉を濁すモートソグニル
 ちゅ、と一声あげて、立ち上がった
「…とりあえず、この人たちを助けないとでちゅ」
「人……?」
 モートソグニルが、向かったのは……
 先ほどまで、自分たちを襲ってきていた化け物の所


 ぴく、ぴく…と、時折痙攣している様子を見ると、皆死んではいない
 ただ、気絶しているだけのようだ
 その化け物たちに、モートソグニルは足早に近づいていく

「ま、まだ止めを刺していないのですから、危険です!」
「ちゅちゅ、大丈夫でちゅよ。早く、この人達を解放してあげないと」
 そう言いながら、モートソグニルは化け物の傍らにしゃがみこんだ
 す、とモートソグニルは、化け物の傷口に手をかざす
 何を、しようと言うのか
 怪訝に思いながら、ロングビルはその様子を見つめ…

 直後、信じられない光景が映し出された

 化け物の体が、縮んでいく
 そして、その体が…人間の姿へと、変化したのだ
 ころり
 傷口から、転がり出た、石
 いや、あれは…


「…悪魔の種!?」
 元化け物の体から転がり出たそれを見て、ルイズは思わず叫んだ
 確かに、あれは悪魔の種だ
 …ルイズの中に吸収された内の、小さなほう
 それが、どうして…化け物の、体から!?

 モートソグニルは、次々と化け物の傍に屈んで手をかざし…その度、化け物は人間の姿へと変わり、悪魔の種が転がり出る
 これは、どう言う事なのか?
 きゅう、と体を包むマントを握り緊めるルイズ
 ……っどくん
 体を走る、奇妙な感覚

(欲し……い?)
 欲しい
 あの、悪魔の種が…欲しい
 何故、そんな事を思うのか?
 わからなくて、ただ、混乱する

 喰ラエ

「…………!!」
 何だ
 この声は、何なのだ?
 頭に響く、この声は…
「ルイズ…ルイズ、どうしたの?」
 キュルケが声を駆けてくるのに答える余裕もなく、ルイズは頭を抱えた
 何だ
 一体、何なのだ?

 戦エ
 戦ッテ、ソシテ喰ラエ
 ソシテ、強クナレ

「ぁ……」
 …あぁ、この声は
 頭に響く、この声は

 …間違いなく、自分のものじゃあないか
 自覚した瞬間、感じた恐怖
 自分が変わっていってしまう
 その恐怖に、ルイズは己の小さな体を抱き締めて、震えた


 化け物に…カルトロップになってしまっていた人々を元に戻していきながら、モートソグニルは悩む
 どうしよう
 どう、説明してあげればいいのだろう?
 どう伝えれば…不安がらせずに、怖がらせずにすむのだろう?
 怯えたように縮こまっているルイズを見つめながら、モートソグニルは小さくため息をついたのだった



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