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堕天召喚録カイジ 第2話


第2話「奴隷」

ざわ…… ざわ……

唖然っ……! 呆然っ……!

(あるわけねぇっ……! 常識的に考えてっ……!)

昼間、カイジが目にしたものは、魔法を唱え、空を飛んでいく生徒たちの姿であった。
奇術っ……トリックっ……
否、常識の告げる答えを覆す、圧倒的な事実っ……

(魔法っ……ここは魔法の世界なのかっ……!?)

この期に及んで、カイジも悟らざるをえない。
ここが自分の生きてきた常識が何一つ通用しない世界であることを……!
カイジが連れられたのは、自分に突然キスをした桃色の髪の少女の部屋っ……!

「おいっ……! お前っ……教えろっ……いや……教えてくださいっ……ここは一体どこなんだっ……!」

質問を発するカイジに、容赦なくルイズの鞭が飛んだ。

「質問すれば答えが返ってくるのが当然とでも思っているのか……?

 Fuck You……! ぶち殺すぞ、ごみめが……!」

(ぐっ……こいつ……邪悪っ……! 蛇だっ……まるで帝愛っ……)


「私の名は、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールっ……!
 誇り高き貴族……平民ごときが気安く話しかけていいと思うなっ……!」
「なんなんだ……平民だの貴族だのっ……!? 何を言っているっ……!」
「魔法を使うのが貴族……それ以外は平民っ……! そんなことも知らないのかっ……バカっ……バカっ……ゆとりがっ……!」

思う様に悪態をついたルイズは、コホンと咳払いをする。

「だが……どうしてもというなら……教えてやろう……!
 ここはハルケギニア大陸のトリステイン王国……トリステイン魔法学院だっ……! 貴様は私の使い魔として召喚された……!
 質問は一切受け付けない……あと、私のことはご主人とよべ……! この馬鹿犬がっ……!」

(ぐっ……さっきから……まるで人間扱いされてねぇっ……!)

「朝までに洗濯しておけっ……私の下着だ……寝床はワラの上……やさしい主人に感謝しろっ……! ククク……」

ルイズは脱いだ下着を投げつける。
カイジは困惑しながら下着を受け取った。別にカイジにそういう趣味はない。

(くそっ……冷静になれっ……ここは落ち着くべきところだ……)

カイジはワラの上に座り、自分の所持品を確かめる。この世界に連れてこられたときの記憶はない。
とにかく、自分の手持ちのもので、何か役に立つものはないかと、ごそごそとポケットをまさぐる。


(タバコ……100円ライター……サイフはあっても、この世界で円が使えるかどうかっ……アパートの鍵、あとは……
 あとは……なにもない……これだけっ……!? そんなっ……)

ぐにゃぁ~

(くぅ~っ……! 役に立たないっ……全部っ……!
 無意味っ……無駄無駄っ……!
 何か……せめて武器になる何かでもあればっ……!)

自分の所持品の貧しさにうずくまるカイジ。
と、シャツの胸ポケットから、パサリとカードが落ちた。

(あ……?)

慌ててカードを拾い上げるカイジ。
そして……驚愕っ……!

(これは……! Eカード……!)

それはたった10枚のカードっ……! 8枚の市民と、1枚の皇帝……そして……奴隷のカードっ……!


ボロ…… ボロ…… 

カイジの目から涙が毀れる。

(この奴隷のカードはっ……俺自身っ……!
 まさしく、俺そのものっ……象徴……!
 なぜここにあるかはわからないが……今の奴隷状態の俺にふさわしいカードっ……!)

皇帝は市民に打ち勝ち、市民は奴隷に勝つっ……二人が皇帝と奴隷をそれぞれ含む5枚を交互に出し合って勝敗を決定するEカード……!
カイジが奴隷ならば、さながらルイズは皇帝っ……!

否っ……!

この世界の貴族・王族こそが皇帝のカードっ……市民を蹂躙する無敵の存在っ……!

(違うっ……!自分が奴隷であることで卑屈になるなっ……!
 そうだ……俺はこのEカードで何を学んだっ……命をかけて……何を……!
 そう……奴隷こそがっ……唯一皇帝を刺すっ……! 奴隷だからこそ……!)

カイジは自分の右手に刻まれたルーンを見つめる……それは、伝説の使い魔、ヴィンダールヴのルーンであった。
だが、今のカイジが知る由もない。カイジの目には、それは烙印に見えた。

(……まるで、家畜っ……! 人間以下の存在っ……!)

カイジは固く歯を食いしばり、ワラの上に寝転がった。

(今は雌伏っ……雌伏するっ……だが……覚えておけ、貴族たちよ……いつか、奴隷は皇帝を刺すっ……!)

カイジ、出発の夜であった。


第二話「奴隷」終わり


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