あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

デモゼロ-11



 馬鹿力のルイズ、人狼の姿に変身した
 美しい、桃色の毛並みをした人狼に変身した

 夜空に浮かぶ二つの月に向かって
 彼女は力の解放を喜ぶかのごとく、咆哮した


 許さない
 許さない許さない許さない!!
 ルイズの中から湧き上がる、暴力衝動
 両手で、デルフを握り緊める
 ひぎぃ痛いもっと優しくぅ!とか気色悪い悲鳴が聞こえたが無視して、そのまま視界に入り込んだ一体に、デルフを叩き付けた
 血飛沫と共に悲鳴をあげ、化け物が倒れる

 ……まだ
 まだだ
 モットモットモットモットタタカエタタカエタタカエタタカエタタカエ!!!!

 タタカッテ、ソシテ………!!

 化け物たちが、ルイズに、そして青年の姿となったモートソグニルに襲い掛かってくる
 彼ら(彼女ら?)は、本能で理解したのだろう
 この二人が、自分たちの絶対的な「敵」であるのだ、と


 ずきり、肩が痛む
 傷口を抑えながら、フーケは呆然と、目の前の光景を見つめていた
 あの、たまにスカートの下に入り込んでオールド・オスマンに下着の色を報告していたあの鼠が…人間の姿に?
 そして、ミス・ヴァリエールが人狼の姿に?
 これは、一体どう言う事なのか
 何が何だか…もう、わからない

「っうぅ……」
「…!ミス・ツェルプトー!」
 タバサの治療を受けているキュルケが、小さく呻き声をあげた
 何とか、出血だけでも止めようとしているのだろう
 タバサはキュルケの治療に専念していて、他に気を配っている余裕はない

「………」
 肩の痛みを堪え、フーケは杖を握りなおした
 …あの化け物共はルイズとモートソグニルに狙いを定めたようではあるが…こちらに向かってくるとも、限らない
 もし、またこちらに向かってきたら…その時は、自分がこの二人を護らなければ
 それが…自分が危険な目にあわせてしまった、このキュルケという少女への、せめてもの償いだ


 切る
 切る切る切る切る切る切る
 近づいてくる化け物に、ルイズは片っ端から切りつける
 左手の甲に刻まれたルーンは、眩く輝き、ルイズに力を与えてきた

「っしゃあ!いいぜ相棒、もっと心を震わせな!」
 でも、できればもうちょい優しく握ってーとか小声で付け足しつつも、デルフリンガーが歓喜の声をあげてきていた
 心を振るわせる、その意味は、よくわからないけれど
 今の自分には…今までにないくらい、力が湧きあがってきている
 この力があれば…化け物共と、戦える

 痙攣して動かなくなった者と、シルフィードの背中に張り付いているのもあわせて…化け物は、九体ほど
 二人で相手するには、少し多いか?
「………」
 ルイズの視界に入り込んできたのは、大木
 先ほど、モートソグニルは触手を使って、あれより細い木を引っこ抜いて投げつけていた

 …自分、なら
 今の自分の、力なら…

「…おい、相棒?」
 化け物の攻撃をかわして、大木の傍へと跳んだルイズ
 迷う事無く、大木に手をかけた
 …っ重い
 でも、持ち上げられないほどじゃない!
 みし、みし、と大地が悲鳴をあげる

「っあぁぁああああ!!!」
「ッマジかよ!?」
 ぼごぉっ!!
 自分よりもはるかに大きな大木を、ルイズは両手で引っこ抜いた
 ……っどくん!
 体内で、取り込んだ悪魔の種が…ガルムハンマーが、起動する
 ルイズの右腕に、禍々しい紋章が浮かび上がった直後、めきめき、という音と共に腕が外骨格に覆われて巨大化した

 さらに、さらに、湧き上がる力
 巨大な大木を、軽々と振り回し、ルイズは化け物たちを薙ぎ払う!
 体よりも太い大木を叩きつけられては、一溜まりもなかったのだろう
 化け物たちは、成すすべなく薙ぎ払われていく
 その大木から辛うじて逃れた者も、モートソグニルに睨みつけられると、恐怖におののくような悲鳴をあげて倒れていった

 …シルフィードの背中に張り付いていた、タコのような化け物が立ち上がった
 風竜の背中から飛び降り、ルイズとモートソグニルの前に着地する
 後は、こいつだけだ
 奇妙な声をあげてタコはうにゅるうにゅると、その腕だか脚だかを動かした

 …ぞくり
 背筋を走り抜けた、悪寒
 それを感じた直後、ルイズは横に跳んでいた
 モートソグニルも危険を感じたのか、ルイズと反対方向に跳ぶ

 刹那、先ほどまでルイズがいたそこを、見えない衝撃がは走りぬけた!
 …ッズキリ
 一瞬、体の内部で何かが暴れ出したような痛みが走った
 悲鳴をあげそうになる痛みに、一瞬、思考が冷静になる

(っしまった!?)
 背後には、キュルケたちがいたのに!?
 何故、自分は避けてしまったのだ
 これくらいの攻撃、耐え切れたはずなのに!
 がりがり!と石が削れるような音に振り返ると、キュルケたちがいたはずの場所に…巨大な、土の壁が出現していた

「私たちには、構わないでください!」
 壁の向こうから聞こえてきたのは、ロングビルの声
 彼女が、土で壁を作りだしてくれたのか
 これなら…遠慮なく、戦える!

「ルイズちゃん、無茶は駄目でちゅ!力を使いすぎちゃ駄目でちゅ!」
 モートソグニルが、そう声をかけてきたが…ルイズには、そんな言葉を気にかける余裕はない
 目の前の、この化け物を叩きのめす
 ルイズは、それしか考えていなかった

 タコは、再び先ほどと同じ攻撃を繰り出そうと、同じ動作に入ろうとする
 …しかし
「きゅいぃー!!」
 さっきはよくもやってくれたのねー!と言わんばかりに、シルフィードがタコに襲い掛かった
 上空からの奇襲に反応が遅れたのか、タコはあっさりと、シルフィードに跳ね飛ばされる

 跳ね飛ばされたタコに、モートソグニルの触手が伸びた
 押さえつけるか、締め付けようとでもしているか
「…そのまま、抑えていて!」
 倒す
 そいつは、私が倒す!!
 めき、めき…と、ルイズの体の筋肉が、さらに肥大化していく

 それは、まるで肉体の限界を突破したような…体のリミッターを解除したような、そんな変化
 出せる力の全てを出し…ルイズは、デルフを構える
 左手のルーンは、これ以上ないくらいに眩く輝き続けていた

「いいぜいいぜぇ!!相棒、やっちまえぇえええ!!」
「っやぁぁああああああ!!!」

 デルフと共に叫びながら…ルイズは、デルフを大きく振り上げた
 錆びた刀身についた化け物の血が、月光に反射して輝く
 ルイズの、今だせる限り最大限の力の篭った一撃は…モートソグニルに押さえつけられていたタコの体に、容赦なく突き刺さった

 おぞましい絶叫をあげ……タコの化け物は、動かなくなる
 いや、ぴく、ぴく、と微かに痙攣しているから、死んではいないのだろう
 気絶した、と言う所か

 勝った
 自分は、勝ったのだ
 全身に湧き上がる喜び
 それを隠そうともせず、ルイズは再び、天の二つの月に向かって、高らかと吼えたのだった



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