あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの黒魔道士-18


「――つまり、その手紙が?」
「はい、その手紙が敵の手に渡ってしまいますと――あぁ、私はどうすれば!!」
お姫様が困っているのは、アルビオンの王子様が持っているお手紙のことらしいんだ。
何か、とっても大切なことが書かれてるみたいで、奪われると同盟がどうこう……
っていうのはややこしくて分からないけど、とにかく大変なことになってしまうみたい。
うーん……そんな手紙、なんでアルビオンの王子様が持っているんだろう……?

「分かりましたわ!私、この命に代えてでも、その手紙を取り戻して参りますわ!!」
「あぁ、ルイズ!あなたこそ私の真の友達ですわ!!」
「ビビ!あんたも使い魔として、キリキリ手伝うのよっ!!」
「え、あ、は、はいっ!!」
その手紙を取り戻す、か……うーん、ルイズおねえちゃんが危ない目に合わないようにしないとなぁ……
「よぉよぉ、三文芝居中恐縮なんだけどよぉ?おれっちの話ちーっと聞いてくんない?」
「!?  他に誰かいるのですか?」
あ、すっかりデルフのこと忘れてた……
「姫殿下、御安心ください!あれは私の使い魔の持つインテリジェンス・ソードで――」
「デルフ?どうしたの?」
「いやよぉ、こういった話って、やっぱ秘密、なんだよなぁ?」
デルフがカチャカチャとしゃべる。お姫様がそれをじっと聞く。
「え、えぇ、もちろんですわ、インテリジェンス・ソードさん!このことが敵に通ずる者に知られては――」
「そんじゃぁよ?ドアの向こうのお客さん、どうする?」
……ドア?

デルフをベッドに立て掛けて、音がしないようになるべく急いでドアに向かったんだ。
そして、ドアを思いっきり開けると……
「うわぁぁっ!?」ドッゴロゴロゴロッ
……転がって入ってきたのは……ギーシュ!?
「いたたたたっ――ひ、姫殿下っ!!ご機嫌麗しく!姫殿下の御尊顔をこの眼に焼き付けることが叶いましたことを心より感謝いたしますっ!!姫殿下の美貌はまさに薔薇の華やかさも凌ぎ、佇まいは百合の清純さをも超えっ!!今この私ギーシュ・ド・グラモンの心は天にも――」
……転がってるのに、よく噛まずにそれだけの挨拶ができるなぁ……ってアレ?
「秘密、なんだよなぁ?この兄ちゃん、どうするよ?」
……どうしよう……


―ゼロの黒魔道士―
~第十八幕~ あの丘を越えて


「――ぎ、ぎ、ギ~シュ~!?あ、あんたまさか今までの話を!?」
ルイズおねえちゃんがギロリとギーシュをにらむ。
「――この栄誉こそまさしく我が一生の――あ、る、ルイズ、いたのかい?」
……ギーシュ、周りが見えてないんだなぁ……ボク以上にうっかりしてるや……
「こ・こ・は!私の!部屋!!!! っていうか、あんた聞いてたわけ!?今の!!今までのっ!!秘密のっ!!」
……ゴメンね、ギーシュ……ルイズおねえちゃんがここまで怒ったら、ボクにはもう……
「う、うわわ、ぼ、僕はたまたま姫殿下が真夜中に共の者を連れずに外出なさったのを見て、これは大事があってはいけないと、陰からお守りしようと――」
「そ・れ・で!? ストーキングの次は盗聴っ!?あんた、本当にもう死刑にされても文句は――」
……どうしよう、止めるべきなのかなぁ?
あぁ、でも今ルイズおねえちゃんを止めようとするのは、ボムに油入り瓶を投げつけるようなものだし……

「る、ルイズ?ルイズ?も、もうそのぐらいにしてあげてください――」
……お姫様、勇気があるなぁ……やっぱり、お姫様って、このぐらい勇気が無いとダメなのかなぁ?
「しかし、姫殿下っ!この者は我々の話を――」
「よぉよぉ、娘っ子?もうちっと静かにしねぇといけねぇんじゃね?秘密、なんだろ?」
ムグッと口を慌てて抑えるルイズおねえちゃん……
そっか、こういう言い方なら、ルイズおねえちゃんも止まるんだ……
勉強になるなぁ……
「それに、えぇと、そこのあなた、グラモンとおっしゃいましたか?もしや、かのグラモン元帥の――」
「は、はいっ!不肖の四男坊にございますっ!!ど、どうか、姫殿下っ!先ほどの任務、この私めにも――」
「ちょ、ちょっとちょっと、ギーシュ!!あんた図々しいにもほどがっ!」
ルイズおねえちゃん、まだ、かなり声が大きい。
ボクは急いでドアを閉めにいったんだ。
「まぁ!それでは、あなたのお父上も立派で勇敢な貴族ですが、あなたもその血を受け継いでいますのね!それでは是非あなたにも――」
「も、もったいなきお言葉っ!!このようなお声をかけていただけることは末代までの誇りっ!必ずや一命に代えてでも――」
「姫殿下っ!?」
……どうやら、ギーシュもついていくことになるみたいだ。
うーん……まぁ、ギーシュも、1対1なら強いし、大丈夫、かなぁ……?
「よぉ、相棒?ちょいときっつい旅になりそうじゃね?」
デルフが、ちょっと嬉しそうに言うのが気になる……
「……デルフ、嬉しいの?危険なのに……」
「へっ!俺様は武器よ!使ってもらってなんぼっつぅ武器よっ!相棒、遠慮なく危険な目にあいなっ!!」
……できれば、危険な目は遠慮したいなぁ……



「――と、いうわけで、いざ出陣よっ!!」
次の日の朝早く、ルイズおねえちゃんは珍しく自分で起きたんだ……だけど……
「うん、それはいいんだがね、ルイズ?つかぬことを聞くけど――」
「何よ?大体、この任務を仰せつかったのは、このわ・た・し!!だから、私が仕切るのよ、文句ある!!」
「えーと……ルイズおねえちゃん?その荷物は……?」
……ルイズおねえちゃんが部屋から出そうとした荷物は、どう考えてもボクとギーシュの体重を合わせたぐらいの量があると思うんだ……
「ん?お小遣いに、雨が降ったときの傘、あとは替えの服がいくつかに、枕が変わるとちょっと寝にくいから――」
うーん……なんか、1度荷物を開いたら2度と綺麗にしまい直せそうにない量だなぁ……
「ルイズ、軍閥の貴族として意見を言わせてもらうが、行軍の際の荷は必要最低限に――」
「ルイズおねえちゃん、あんまり、荷物があっても、しょうがないよ……?」
「そーだぜ、娘っ子!こんなんじゃ馬がすぐ疲れちまわぁ!!」
「そ、そんなに1度に言わないでよっ!!貴族としての嗜みじゃないっ!!」
……ルイズおねえちゃん、危険な所に行くって意識、あるのかなぁ……?
「ルイズおねえちゃん、とりあえず、全部置いてっていいと思うよ……?必要な物は、現地でお買いものすればいいし……」
あ、でも、お店ちゃんとやってるのかなぁ……?やってるといいなぁ……
「う、わ、分かったわよ!あー!もう!折角荷造りしたのにっ!!」
……大丈夫かなぁ、ホント……

「出発が遅れてしまったわ!さっさと出陣よっ!!」
……ルイズおねえちゃんのせいな気もするけど、言わないでおこう……言ったら、また長くなりそうだもんね?
「あ、ところでルイズ?ちょっとお願い事があるんだけど――」
「何よ?リーダーは私!これに変更はありえないわよっ!!」
なんか、また長くなりそう……?
「いや、できれば、僕の使い魔を連れていきたいのだが、いいかな?」
「使い魔?連れてってもいいけど、それならさっさと連れてきなさいよ!時間が一刻でも惜しいのっ!」
……うーん、ルイズおねえちゃん、張り切ってるのはいいけど、落ち着いた方がいいと思うなぁ……
「いやいや、もう来ているよ?」
? 周囲を見渡しても、ボクと、ギーシュと、ルイズおねえちゃんと、デルフと、馬が2頭だけだど……
「え……ギーシュの使い魔って、目に見えないの……?」
『バニシュ』でも使っているのかなぁ……?
「どこにいるってのよ?」
「いやいや、ほら、ここさっ!!」ボゴッ
「モグー!」
土が突然盛り上がって、地面の底から出てきたのは、巨大な毛のボールだったんだ……
「おぉぉ~!ヴェルダンデ、今日も君は素晴らしいね~!美貌はまさに薔薇の華やかさも凌ぎぐし、佇まいは百合の清純さをも超えているよっ!ご飯はもう食べたのかいっ!?あぁ、もう君はなんて可愛いんだ、まさしく君は僕の太陽だ光だ、僕の存在そのものだ――」
……貴族の人って、やっぱりどこか変なのかなぁ……?
「ジャイアントモールだったのね、あんたの使い魔って――でもどういう感性なのよ、それが美しいって――」
あ、良かった。ルイズおねちゃんもボクと同じ感想だった。
可愛いって言うんならまだ分からなくも無いんだけどなぁ……?
「な、何を言う!この目を見たまえ!どんな宝石をもってしてもこの純然たる輝きを超えることは決してないだろう!さらにこのひくひく動く鼻は世界中のいかなる花々をもってきたところで、この可憐さに敵うことは決してないと言えるだろうね!さらに加えてこの毛並みだよ!見たまえ、この輝き!この艶!そして触ってみればその柔らかさに君は驚嘆の色を隠せないことうけあいだよ!この毛並みではいかなる最高級の絨毯をも――」
……な、長くなりそうだなぁ……
「すげぇな、全然つっかえねぇでこれだけ語れるってのぁ――俺様おでれーた!」
デルフに、すっごく賛成する。

「モグモグモグ~!」ガバッ
「キャァァッ!?ちょ、な、何するのよっ!このエロモグラッ!?」
「る、ルイズおねえちゃんっ!?」
ヴェルダンデが、突然ルイズおねえちゃんに抱きついたんだ……えっと、可愛さをアピール、かなぁ……?
「主人に似てエロなの!?離しなさい、離せーっ!!」
「――その速度はいかなる馬、いや龍をも超え――おや、どうしたい、ヴェルダンデ?」
「し、知らないわよっ!!あんた、自分の使い魔も制御できないのっ!?やめ、離れ、離れなさいっ!!」
「モググ~!」
ヴェルダンデは、ルイズおねえちゃんの手に対して、鼻をヒクヒクさせていたんだ。
……ルイズおねえちゃんの手、そんなにいい匂いがするのかなぁ……?
「あぁ、なるほど、昨夜姫殿下から預かった『水のルビー』だね!」
あ、そういえば、昨日の夜、「困ったときはこれをお使いなさい」ってお姫様が指輪を渡してたっけ……
うーん……なんで『ルビー』なのに青いんだろう……?
「ヴェルダンデの鼻は宝石に反応するのだよ!まったく、美しい物は美しい物を選ぶというが、その通りだと思わないかね!?あぁ、ヴェルダンデ、君こそが僕の女神であり美の化身であり薔薇の化身だよ!その魅惑的な声を一度聞けば――」
「な、長ったらしい話してないで、離させなさいよっ!!!こ、このっ!このっ!!」
ど、どうしよう?魔法を打ったら、ルイズおねえちゃんも怪我しちゃうよね……?デルフで傷つけるわけにもいかないし……

そうやってどうしようかオロオロしちゃってたときだったんだ。
ヒュォォォォォォッ「モグーッ!?」
突然、強い風がヴェルダンデめがけて吹きつけたのは……
「え、わ、うわわっ!?」
突然の風に慌てて帽子を押さえるだけのボク。
「あぁっ!?ヴェルダンデ!?風に舞うその姿も素敵だーっ!?」
……相変わらずちょっと変な方向に物を言うギーシュ。
「た、助かった~……うー、洋服泥だらけじゃない……」
……また着替えに戻ろうと言いかねないルイズおねえちゃん。
「ほぉ~、こりゃ風魔法だなぁ」
一番冷静だったのは、意外にもデルフかもしれない。
「だ、大丈夫かい、ヴェルダンデ!誰がこんなことをっ!!」
次に冷静になったのはギーシュだったんだ。
自分の大切な使い魔を吹き飛ばされて、かなり怒ってたんだ。

「いやいや、すまないね。婚約者が襲われているのを見過ごすわけにはいかなくてね。」
それはさっきの風ぐらい突然だったんだ。
「だ、誰だお前h「ワルド様っ!?」わ、ワルド?」
髭のおじさんが学院から出てきたのは。
……婚約者?
「え、えーと、おじさん、誰ですか……?」
「お、おじ……いやいや、失礼。これは名乗り遅れた。ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドだ。君は、ビビ君だね?」
「え、ど、どうしてボクの名前を……」
なんだろう、この人、ちょっと怖い感じがする……
「ワルド!?ま、まさか魔法衛士隊のワルド子爵であらせられますかっ!?」
「ほぅ、僕をご存じかい、グラモン家のギーシュ君!これは光栄だねぇ。お父上にはお世話になってるよ!」
「は、はいっ!こ、こちらこそ憧れの魔法衛士隊の方に名を知られていることは身に余る光栄であり――」
「あ、あの、どうしてボク達のことを……?」
「ワルド様っ!!」
「おぉ、ルイズ!僕の小さき婚約者よっ!!あぁ、相変わらず君は羽のように軽いね!」
……ルイズおねえちゃんと知り合いなのかn……え?今、確か……
「こ、こ、こ、婚約者ぁぁっ!?」
「ヴァリエール家は公爵の地位を持つからね、縁談があってもおかしくは無いが……」
き、貴族の人って、そんなのがあるんだ……なんか、やっぱり、すごいなぁ……
「あ、あの、ワルド様?今日は何故こちらに?」
「あぁ、姫殿下から、君達の任務の補佐を頼まれて、ね!」
……え?何で、この人、任務のことを……?
「あ、あの、ワルド子爵!つかぬことをお聞きしますが、何故任務のことを……」
「ハハハ!簡単なことだよギーシュ君!昨夜の姫殿下の夜の散策、気づかぬようでは部下として劣ってると言わざるを得ない!後でそのことを問いただした、という次第さ!」
……お姫様、うっかりしてるなぁ……
秘密でも何でもなくなっちゃってる気がする……
「え、それでは、ワルド様も一緒に?」
「あぁ、もちろんだとも!僕の可愛いルイズ!」
そう言って、ワルドおじさんは指笛を吹いたんだ。
「ケェー!」
すぐに、おっきな空飛ぶモンスターがやってきたんだ。……これも、使い魔なのかなぁ?
「よし、ルイズ、行こうか!」
そう言って、ワルドおじさんはルイズおねえちゃんをそのモンスターに乗せる……え、これに乗るの?
「え、あ、ビビも、私の使い魔も一緒に……」
「すまないが、グリフォンは2人乗りでね」
……ちょっと、ホッとする。空を飛ばなくてすみそうだ。
「あ、いいよ、ルイズおねえちゃん。」
「え、でも……あんた1人じゃ馬に乗れないでしょ?」
「あ、うん、大丈夫、ギーシュと一緒の馬に乗るから……よろしくね?ギーシュ?」
「あ、う、うん、もちろんだとも!」
ギーシュはワルドおじさんを見てポーッとなってる。
……かっこいいから、かなぁ?でも、なんか怖い感じがするのはどうしてだろう……?

「よし!それでは出陣だ!グリフォンは速いからな、遅れを取るなよ、ギーシュ君!」
「は、はいっ!!」
こうして、ボク達の旅は始まったんだ……
ホントに、どうなるのか分からない旅が……


ピコン
ATE ―龍は見ていた―

「きゅいきゅいきゅい~♪」
グリフォンの飛ぶよりもはるか上空、
青い龍が一行の出発を見送った。
「ふぅ、やっとご出発のようね。全く、何をチンタラしてるのかとイライラしちゃったわよ」
「手際が悪い」
青い龍だけではない。背中にいるのはいつもの2人。
「さーてと、やっぱりあの方向だとアルビオンのようね!こんな面白そうなこと、ルイズに独り占めさせてなるものですかっ!」
「きゅいきゅい~♪」
こちらはもう既に準備万端。
旅慣れた様子のタバサと、最低限の装備で自らを魅せる方法を知るキュルケだ。
シルフィードの調子も上々、
この調子なら、1足も2足も先にアルビオンへ到達できそうだが。
「グリフォンと馬1頭ずつ。食べちゃだめ」
「きゅい~♪」
あくまでも今回はついていくだけ。
何もそんなに慌ててアルビオンに行く用事は2人には無い。
しかも、2人はトリステインにとって外国人。
昨夜、隣室から盗聴した内容を考えれば、ついていくだけでも国際問題になりかねない。
しかし、それでもなおついていくのは、友が心配だから。そして何より、
「おもしろい旅のはじまりね!」
好奇心は何にも勝るのだ。
「きゅいっ♪」
ふいに、シルフィードが空を首で指し示す。
「虹?」
それは龍の航行高度をはるかに超える高さに広がる帯状の虹。
「あら、いい兆候じゃない!『帯虹を見るとき幸せあり』よ!ますますいい旅になりそうね!」

天候は晴れやか、行く手にやや雲あり。はるか真上には虹が広がる。
絶好の旅日和になりそうだった。



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