あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

デモゼロ-09



 馬鹿力のルイズ
 盗賊・土くれのフーケの捜索隊に志願した

 ぱからんぱからん、馬車に揺られて、フーケが目撃された場所へと向かう
 キュルケとタバサも一緒に、ロングビルの案内で、ぱからんぱからん、進んでいく
 馬車の上を、タバサの使い魔・シルフィードが飛んでついてきて
 ちゅうちゅう、いつの間にやら紛れ込んでいたモートソグニルも加わって
 四人と二匹、フーケの隠れ家に向かっていく

「…忘れないでー。俺の事忘れないでー」
 一応、デルフも持ってきているが、これは人数に数えていいものか


 がさがさ、森の中進んでいく
 もう少しで、目撃証言のあったフーケの隠れ家
 四人は、次第に緊張していく
「……あそこ、です。あの小屋に、フーケが入っていくのを見たという証言があります」
 暗い暗い森の奥
 小さなボロ小屋を見つけたルイズたち
 あそこに、フーケが入っていったらしい
 と、なると…悪魔の種も、あそこにあるのだろうか?
 せめて、フーケが見付からなくとも、悪魔の種だけは取り戻したい
 それが、オールド・オスマンが出した答えだった
 ……とにかく、小屋の中を確認しないと
 と、その前に、念のための確認を
「悪魔の種って、確か宝石だったわよね?」
「宝石と言いますか…宝石、のような見た目をしていますね」
 悪魔の種
 魔法学院の宝物庫に収められていた、用途不明のマジックアイテム、と言う事になっている
 と、言う事になっている、と言うのは…そもそも、マジックアイテムではないらしいのだ
 詳しい事はわからない、しかし、それは悪魔の種と呼ばれており
 ディレクト・マジックの魔法に反応はないものの、何か特殊な力を秘めていると言われていた
 もっとも、誰にも使い方がわからない為、ただの宝石もどきとしか認識されていないのが現実だが
 一度だけ見た悪魔の種を、ルイズは思い出す
 確かに、あれは宝石みたいな見た目をしていた
 特別綺麗だったかどうか、までは覚えていないけれど


 まずは、タバサが小屋の中の様子を窺う事になった
 シルフィードには、すぐ傍で待機しているよう指示を出し、タバサはそっと、小屋に近づいていく
「………?」
「ルイズ、どうかしたの?」
「いえ…別に」
 …何だ?
 先ほどから…森の中に入った辺りから、妙な感覚を感じていたルイズ
 よくわからないけれど…体の内側から、妙な感覚が湧き上がってくる
 感覚?
 いや、これは
(…私の、中で…何か、が)
 何かが、意思を伝えようとしている
 …使い魔が、何かを感じ取っている?
 その感覚の意味がわからず、ルイズは小さく首をかしげる
 ………と、タバサが、合図を出してきた
 …小屋の中には、誰もいなかったようだ
「ミス・ロングビル。私たち、小屋の中で悪魔の種を探してきます」
「わかりました。私は、ここでフーケが現れないか見張っておきますね」
 無理はしないでください
 そう、心配そうに言ってきたロングビルに、わかりました、と頷くルイズとキュルケ
 ちゅちゅう
 ロングビルの肩にちょこん、と乗ったモートソグニルも、心配そうにルイズたちを見つめてくる
「ミス・ロングビルこそ…無理をしないでくださいね。いざとなったら、すぐに逃げてください」
「あなたたちを置いて、逃げるわけには行きませんよ。それに、私も没落した身とは言え、メイジなんですよ?」
 杖を見せつつ、微笑んでくるロングビル
 それでも、相手は土くれのフーケ
 あの巨大なゴーレムを前にしては、並の魔法では太刀打ちできまい
 …あの巨大ゴーレムの片脚を両断してしまったルイズが異常なのである。ありとあらゆる意味で
 ルイズはそっと、デルフを鞘から抜いて手に持つと、キュルケと一緒に小屋に向かっていく
「デルフ、ちょっと静かにしていてね」
「わーってらぁ。いくら俺でもそれくらいは空気読む」
 かたかた、小さく音を立てながら、ルイズに答えるデルフ
 小屋の付近で待機していたタバサと合流し…三人と一振りは、小屋の中へと入っていった


「………」
 小屋に入っていく三人の背中を見送って…ロングビルは、小さくため息をついた
 ミス・ロングビル
 それは、偽名
 オールド・オスマンの秘書は仮の姿
 彼女こそが、土くれのフーケ
 巷を騒がせる貴族しか狙わない盗賊・土くれのフーケ
 そんな彼女は、今、少し憂鬱を感じていた
 …魔法学院から、悪魔の種を盗み出した時…キュルケとシエスタを、危険な目にあわせてしまった事だ
 あの日、あの時
 ルイズが、宝物庫の壁を、爆破してくずしてしまった、その瞬間


 …チャンスだと思った
 どうやって突破したらいいものか、悩んでいた宝物庫の強固な固定化
 それを解いてしまった、ルイズの爆発魔法
 原理や理屈なんて、どうでもいい
 とにかく、チャンスだったのだ
 固定化がかけ直される前に、中の悪魔の種を頂く
 すばやくゴーレムを作り出し、さらに壁を崩しにかかった
 …夢中になっていたため、気づかなかった
 ゴーレムの足元に、キュルケとシエスタがいただなんて
 シエスタは平民だし、キュルケも貴族とはいえ、まだ少女
 その二人を、危険な目に合わせてしまった
 土くれのフーケと呼ばれて、大悪党と呼ばれる彼女
 しかし、根っからの悪党ではない
 貴族の屋敷から色々と盗み出す時だって、なるべく怪我人は出さないようにしていたし、死人なんて持っての他
 …人殺しになどなってしまったら、故郷で待たせている妹に、顔向けできないから
 そうだと言うのに、目先の宝に意識を奪われ、二人を危険な目に合わせてしまった


 ルイズが、信じられない程の身体能力を見せ付けずにいたら、二人は間違いなく死んでいた
 どう、詫びたらいいのかわからない
 いや、詫びる事などできないのだ、正体を知られるわけにはいかないから
 せめて…せめて、悪魔の種はこのまま返そうか、フーケはそう考えていた
 いざ手に入れた悪魔の種、しかし、フーケもその使用方法はわからなかった
 宝石として売りさばく事もできるだろうが…大した値も、つきそうにないし
(…まぁ、あれを無事持ち帰れば、あの子たちも評価されるだろうしね) 
 それが、せめて自分に出来る詫びだろう
 フーケは、三人が入った小屋を見つめながら、そう考えた

 …そうだ
 このまま、三人が悪魔の種を持って小屋を出てきて 
 後は、魔法学院に帰ればいい
 ただ、それだけでいいのだ

 …そう、考えていたのに

「…ちゅ!?ちゅ、ちゅちゅ!!」
「……ん?」
 ちゅうちゅう
 フーケの肩に乗っていたモートソグニルが、警戒するように辺りを見回しだした
 そして、フーケに、必死に何かを伝えようとしている
「…どうしたんだい?」
「ちゅちゅーーー!!」
 鼠の言葉などわからない
 一体、何を伝えようとしているのか
 フーケは、首をかしげ、直後…
「………!?」
 背後に生まれた、殺気に
 杖を構え、急いで振り返った


 …時を少し、巻き戻して小屋の中
 悪魔の種は、あっけなく見付かった
 悪魔の種が収められた箱は、蓋をあけたまま放置されていたのだ
 中には、きらきら、悪魔の種がころころと、いくつも収められている
「間違いない、これだわ」
 宝石のような見た目のせいか、キュルケが明確に、その見た目を覚えていた
 ルイズのおぼろげな記憶とも、一致する
「ん~?なんだこりゃ。これのどこが種なんだ?」
「さぁ?でも、一応悪魔の種、なんて呼ばれているのよね」
 ひょい、と何気なく、ルイズはいくつかの悪魔の種のうちの一つから、少し大きめの物を手に取った
 …瞬間
 ルイズの頭に、流れ込む情報
「……え?」
「ルイズ?どうかしたの?」
 何?
 何だ?これは?
「ガルム…ハンマー?」
「は?」
 ルイズが呟いた言葉に、キュルケもタバサも首をかしげた
 口にしたルイズ自身も、その意味はよくわからない
 ただ、情報だけが、頭に流れ込んできて
(え…?これが、武器だって言うの?)
 頭に、とめどなく流れてくる情報
 それは、この悪魔の種が武器である、と伝えてきていた 
 この宝石のような物の、どこが武器なのだ?
 不思議に思い、ルイズは他の悪魔の種にも手を伸ばした

 刹那

「え?」

 悪魔の種が、ぽう、と光を発した
 大きめの悪魔の種と、小さめの悪魔の種
 そのどちらもが、光りを発して
 光が収まった、その瞬間

「……えぇえ!?」
 ルイズの手の上に乗っていたはずの、悪魔の種
 それが、忽然と消えてしまった
「え?ど、どうなってるのよ!?」
「…消滅、した?」
 慌て出すキュルケ
 タバサも、どうやら困惑しているようだ
 …そんな、中
 ルイズは一人、妙に冷静だった
 悪魔の種は、消えてしまった?
 いや、違う
「…私の、中、に?」
 自分の中
 具体的に言うと、腕の辺りに…悪魔の種が、入り込んできたような
 そんな感覚が、したのだ
 へ?と、デルフも間の抜けた声をあげる
「…なんだぁ?相棒の体ん中に、何か入ってきたみてぇだぞ?」
「え?ルイズの体の中に?どう言う事よ?」
 うぅ、どう答えたらいいのだろう
 ルイズが答えに悩んでいると…

 ……っぞくり

 全身を、駆け抜けた悪寒
 体の中の使い魔が、何かを伝えようとしてきている
 その、伝えようとしている内容を…ルイズは、ようやく理解した


 テキガチカヅイテキテイル
 タタカエ、タタカエ、タタカエ!!!


「な……に……?」
 何?
 この感覚は、何なの!?
 パニック状態に陥りそうになるルイズ
 敵?
 土くれのフーケの事!?
 ざわり、ざわり、体中を走りぬける衝動
 内側から、何かが湧き上がってくる、そんな気がして
 己の体に起こっているこの事態を、理解するよりも、前に


 小屋の外から、ロングビルの悲鳴がルイズたちの耳に、届いた



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