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双月の女神 第十三章1



「なんと・・・。」

ミカヤからの告白に驚きを隠せないオスマン。
しかしながら良く見れば、かつて出会った麗人と眼前の淑女には共通点があった。

「その金色の瞳は血縁のものであったか・・・。」
「はい。オルティナとエルランの血を引く者のみに出るものだと妹からは聞いています。」
「どちらもミス・ミカヤが仰っていた、『テリウス』の古の英雄が一人でしたな。」

初日に聞かされた話を思い出しつつ、オスマンとミカヤの話にそう相槌を入れるコルベール。


正と負の双女神が争う混迷の時代を駆け抜け、大陸全土を巻き込んだ争乱を終結へと導いた四人の英雄。
―――勇猛なる獣牙の王、翠獅子ソーン。
―――大陸最強たる賢王、黒竜デギンハンザー。
―――慈悲深き呪歌謡い、黒鷺エルラン。
―――そして双つの神剣の担い手、女剣士オルティナ。
ミカヤとサナキはその内の二人の血を引いていた。

オスマンは心を決め、話を切り出すことにした。

「あのお方が無事にお帰りになったのか、ずっと胸の内に引っかかっておってな。
今日はそのことを伺うのと合わせてミスには是非、話さねばならぬことがあるのじゃ。
無論のこと、宝物庫にも関わりがある。」
「サナキと出会った経緯、その後何があったかも聞かせていただけますか?」

ミカヤからの問いに頷いたオスマンは深く椅子に腰掛けながら、その時の出来事を語り始めた。

「さて、何から話したものかのぅ・・・。」






ファイアーエムブレム外伝 ~双月の女神~

第一部 『ゼロの夜明け』

第十三章 『真実と追憶(オスマンの章)』





「わしがまだ恐れを知らぬ若造であった頃、30年も前の話じゃ。
紅と蒼の双月が満ち、紫の光が照らす森で散策をしていた。その時に出会ったのがミス・サナキ。
深蒼の長く真っ直ぐな髪と金色の瞳が実に魅力的なお方じゃった。」

その時に一目で惚れ込み、声をかけたと言うオスマン。

「ミス・サナキとの出会いへの感謝の意を込めての声かけに、「初対面の女性を口説くと言うのか?
軟派な奴じゃ。」、と苦笑されたものじゃ。」

年甲斐も無く頭を掻きつつ、オスマンは苦笑いを浮かべて語る。
サナキとの語らいを思い、思わず口許を綻ばせるミカヤ。

「失礼を詫び、互いの自己紹介を済ませた後は森を共に歩きながら語らった。
その時に『テリウス』の帝政国家「ベグニオン」の生まれであることをうかがった。
その時は旅の魔道士であると仰っていたがのぅ。」

サナキが見たと言う夢現の話を反芻しながら、オスマンの追憶話に耳を傾けるミカヤ。

「暫く共に森の散策を続けておったが、突如飛竜の吼え声が聞こえてきてな。そのうえ襲われているであろう
人の叫び声。二人で急ぎ駆けつけた。」

その時を悔いるような、苦い表情で続けるオスマン。
この老メイジの様子を見て、思考を辿るだけでミカヤは察してしまう。
駆けつけた時点で既に手遅れであったことを。

「あのお方の助力もあって難なく撃退出来たが、襲われていた方は既に虫の息。
ハルケギニアでは見ぬ変わった形をした鉄製の兜と服は飛竜の爪で無残に斬り裂かれ、
秘薬でももはや治せぬ程の重症を負っていた。」

サイトがこの場にいたならば自身の世界の軍隊が装備する防具―――鉄兜を想像しただろう。
その話を聞いたミカヤの脳裏には、テリウス大陸以外からも来訪者がいるのでは、との思いが浮上する。

「ミス・サナキが「このような時に杖を使えていれば。」と嘆いておられていたその時、周りへの警戒を疎かに
していた為に気付かなんだ。もう一頭の飛竜が襲い掛かってきたのじゃ。
危ういところであったが彼の者は死に体でありながら『破壊の杖』を使い、飛竜を吹き飛ばした。
命を救っていただいたが、そのまま倒れてしまわれた。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」

その人物の最期の力を振り絞っての行動だったのであろうことを読み取り、表情を曇らせるミカヤ。
コルベールもまた同様の表情になる。

「せめて遺言だけでもたまわろうと訊ねたのじゃが、「此処は何処だ?元の世界に帰りたい。」とうわ言のように
繰り返し言っておった。そしてそのまま・・・、命を落とされた・・・。」

自分と同じようにこの世界へと、恐らく自身と違い事故で呼び出されて帰らぬ人となった者への哀悼の念を抱きつつ、
ミカヤはオスマンに訊ねる。

「・・・その『破壊の杖』というのは?」
「銃を小さな大砲のようにした形状をしていてな。その方が所持されていた物のもう一つを、
遺品として貰い受けたのじゃよ。銃口と後部から火を吐き、爆炎でもって飛竜を仕留めたことからわしが名付けた。
しかし、一度しか使えぬのか使われたものの中は空になっておった。」

騎竜の洗礼を受けていない野生の飛竜とは言え、最上位武官の洗礼を受けたベオク、経験を積んで悟りを開いた
ラグズでも一撃でもって仕留める事は難しい。
それを可能にした銃器の威力を測りかねるミカヤはオスマンの話に再び聞き入る。

「それともう一つ、何れミス・サナキにお返ししたいと思っていたもの。『ルドルの宝珠』じゃ。」

そう言いながらオスマンは懐から『古代語』の文様が刻まれる金細工を王台にした、手の平に乗る程の大きさを持つ
紫褐色の球状結晶を取り出し、ミカヤに渡す。

「・・・間違いありません。本物の『ルドルの宝珠』です。」

妹のかつての忠臣にしてミカヤとサナキ二人の先祖であるセフェランことエルランから、今際の際に譲り受けた
守護の力を持つ宝珠。
手渡しされた右の手の平に乗る宝珠を見たミカヤは、驚愕しつつもそれが紛れも無く本物であると確信した。

「何故、これがオールド・オスマンの手元に?」

オスマンに訊ねるミカヤ。

「『破壊の杖』を引き取った後、ミス・サナキは御身体から放たれた淡い光と共に消えてしまわれた。
その間際に「なんとも現実身のある、寝覚めの悪い夢じゃ。」と漏らされながら、
三度危険があるやも知れぬが共に行けない故、せめてそれを護符にとわしに渡して下さったのじゃ。」
「・・・・・。」

それを聞き、ミカヤは暫し黙考する。
武器屋で手に入れたテリウスから流れ着いた魔導書に、一時的な転移によってサナキが経験した泡沫の一時。
そして自らが体験した、使い魔としての召喚。
偶然では無い、運命に近いものを感じずにはいられなかった。
ふと自身の、神の頭脳のルーンが刻まれたサークレットをつける額に左手で触れる。

「・・・そうじゃな、ミス・ミカヤのその額のルーンについても話さねばなるまい。」
「ええ、ミスにならばお話ししても良いでしょう。」

ミカヤが額に触れたことでオスマンとコルベールはもう一つの話を切り出してきた。

「私だけではなく、ミス・ヴァリエールにも関わりがあるんですね?」
「そうじゃ。それもハルケギニアの失われし、古の伝説に関わるものの一つ。
それをミス・ミカヤとミス・ヴァリエールが内包している。
今、それを話そう。」

自らが召喚されたもう一つの理由を話そうとしている二人の思考を感じ、そう切り返したミカヤに、
オスマンは真実を語り出した。




――――オスマンとコルベールから語られる虚無の伝承。失われた筈の過去の再来は何を意味するのか?

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