あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの騎士-06



「街へ行くわよ。」

ラムザがこの世界にきて四日目。
前日にやっと図書室への入室が認められ、この日も籠もるつもりだったラムザにルイズは言った。

「今日は授業は無いのかい?」

「今日は虚無の曜日だから授業は無しよ。あなたの剣を買いにいくわ、ふぁー…」
休みの日にいつも通り起こされたからかラムザに対して大きく欠伸をしながら答えるルイズ。

「そんな、悪いよ。」

「あら、あなた騎士なのに剣をもたないの? 自分で騎士っていうのにそれじゃ格好がつかないわ。気にしないでいいから。それに他にも必要なものもあるでしょ? 今日は街へ行きましょ。」

遠慮するラムザにルイズが言う。

街で情報を仕入れる。
冒険者達の必須事項だ。
イヴァリースへ帰る手がかりを探す為ラムザもOKを出し二人の街行きが決まった。
そして馬を借りてきて街へ向かう

「あなた馬に乗れるのね…。」

「一応ね、馬よりチョコボの方が得意だけど。」

「チョコボ?」

「あぁこっちにはチョコボはいないのか。騎乗に適した鳥なんだけどね、馬ほどじゃないけどなかなか早く走るんだ。戦闘能力に関しては馬の比じゃないけどね。」

「走る鳥? 鳥は飛ぶものじゃない。」

「チョコボの中には飛ぶ種類もいるけどだいたいの種類のチョコボは羽が退化していて飛べないんだ。かわりに脚が進化していて速く走るんだ。」

「ふーん。」
ラムザの説明にルイズが怪訝そうな顔をする。

「…ところでさぁ。」

「なあに?」

「なんで一頭の馬に二人で乗ってるの?」

「え? あ、あの、べ、べつに、その…あんたが乗れないかと思って…。」

ラムザの問いにどもりながら答えるルイズ。
それを見てラムザは微笑みながら言う。

「ふふ、僕も一応武門の出だからね、ある程度の事はできるよ。でも僕の事を考えてくれたんだね、ありがとう。」

「ち、ちがう! ただあんたが乗れなかったら街に行くのに不便だし! そう! 別にあんたの事を考えてやったわけじゃないもの!」

「うん、でもありがとう。」

「な、なにがよ!」



「ふふ。」

「ちょっとラムザ! 何笑ってるのよ!」

「いや、なんでもないよ。」

「なんでもないことないでしょ!」

二人が馬で街に向かっているちょうどその頃

……………………… 

学園内女子寮

「ダァーリン! …あら?」
学内で禁止されているはずの魔法アンロックを唱えルイズの部屋に勢いよく飛び込んだキュルケ。
しかしそこには目的の人物はおろか部屋の主さえいなかった。
「あらあら…どこいっちゃったのかしら…」

少し辺りを見回した後ふと窓の外を見る。

「ふーん…。」

窓の外に目標を見定めるとキュルケは踵を返し部屋の外に出た。

…………………………

学園内女子寮 タバサの居室

一般的に学生にとって休日は自分のしたい事ができる貴重な時間だ。
好きなだけ眠るもよし、意中の相手をデートに誘うもよし。
そんな中でこの部屋の住人もこの貴重な休日を思う存分堪能していた。

窓から差す日差しで本を読む少女。
これが彼女にとっての至福の時だった。

しかしその至福の時は突然の来訪者によって打ち壊された。

「タバサ! 出かけるわよ!」

「………。どこへ?」

勝手に入ってきておいての第一声がこれだ。
これがキュルケでなければ魔法によって閉め出されていただろう。

「ダーリンがルイズと馬に乗っていったわ! それを追うの!」


「…。わかった。」

そういうとタバサは本を開いたまま窓を開け自身の使い魔を呼んだ。
風と共に青き風竜が窓の外に現れる。

「さすがタバサ! 頼りになるわ!」

「いい。乗って。」


キュルケの調子のいい声にいつもどおりの調子で応える。
一見不機嫌なように見えるがそうではないことをキュルケは知っていた。
二人を自らの背に乗せると風竜は学園を背に大空へ羽ばたいていった。


……………………………

王都のメインストリートブルドンネ街の大通りにはたくさんの人がごった返していた。
そんななかをルイズとラムザも歩いてゆく。

「うわぁ、大きな街だね。」
見える限り人に埋め尽くされた道を見てラムザが感嘆の声をあげる。

「ここはトリステイン最大の街ですもの。当然だわ。」

ルイズの言葉にラムザはイヴァリースの街を思い出す。前大戦時彼の国を渡り歩いた彼もこれほどにぎわう街を両手で足りるほどしか知らなかった。
もっとも戦時中であったため人通りが少なかったというのもあったのだろうが、それでもさすが首都だけあり人波に酔いそうなほどの盛況ぶりである。

「まずは剣を買いに行きましょう」

そういうルイズに連れられ剣をかたどったであろう看板のかかった店に入る。

「いらっしゃ…うちは貴族様に目をつけられるような事はしてませんぜ。」

開口一番の店主の発言がこれだ。この世界で貴族が武器を買うことはよっぽど珍しいのだろう。
そして貴族と平民の間にはこれほどの軋轢があるということだ。

「客よ、剣を買いに来たの。」

「いやはや、お客様ですか。これは失礼しました。今日はどのようなご用で?」

ルイズに対して店主が手をもみながら話す。

「そうねぇ…。この店で一番いい剣をちょうだい。」

ルイズの要求を聞いた店主が剣を出しながら話す。
「一番いい剣ですか?ならばこちらはどうでしょう、ゲルマニアのメイジが鍛えた最高級の剣になりますが…」

剣を出す一瞬に店主が含みのある笑い方をしたのをラムザはみていた。が、ルイズはそれには気づかず話を進める。

「…いいじゃない。おいくら?」

「新金貨で2000エキューです。」

「2000!? 庭つきのお屋敷が買える値段じゃない!」

「お客さん、これだけいい剣ならこれくらい当たり前ですよ。」

「そ、そうなの? でもいくらなんでも2000は…」

押し問答を続けるルイズと店主との間にラムザが割って入る。




「ルイズ、僕はそんな立派な剣は必要ないよ。僕は…この剣がいいな。」

そういうとラムザは隅の樽に差してあった古ぼけた剣を抜いた。

「な、何言ってるのよ! そんなきたない剣じゃなくてもっといいものを買ってあげるわ!遠慮なんていらないのよ。」

「ルイズ…、僕はこの剣が欲しいんだ。」

「欲しい…ってこれが?」

「うん。」

ラムザの言葉に肩すかしを食らったような気分だったルイズだがここは素直に彼の要求を呑んだ。

「そ、そこまで言うなら…。店主、これはいくら?」

「へ、へぇそれなら新金貨で150ってとこです。」

「じゃあこれを貰うわ。」

「ま、まいどあり。」 
店を出る二人を見送る店主は少し悔しそうな目をしていたのをラムザはみた。

…………………………

その頃ラムザとルイズを追いかけてきた二人も街にたどり着いていた。

「さぁて、ダーリンはどこかしら?」

「…あそこ。」
タバサの指差した先にはちょうど武器屋から出てきたルイズとラムザがいた。

「あら、流石タバサ、もう見つけたのね。
ん? ダーリンが剣をもっているわ。
そうか、ヴァリエールはダーリンにプレゼントを買いに来ていたのね、タバサ私たちもうかうかしてられないわ! 行くわよ!」

……………………………

「本当にその剣でよかったの?」

「この剣が、よかったんだよ。これはあの店で唯一の騎士剣だったんだよ。僕は槍も剣も斧も使えるけどやっぱりこれが一番しっくりくるんだよね。」

「ふーん、あなたがそれでいいならいいけど。」
ラムザの言葉になんとか納得したようでそれまで不満気だったルイズは上機嫌な様子で歩き出した。




「他に必要なものはない?」

「そうだなぁ、特にないかな。」

「そう、じゃあ次は仕立て屋に行くからついてきてくれる?」

なにげない会話をしつつ歩いていく。
二人の関係は最初ほど悪いものではなくなっていた。

そんな二人に背後から迫る影があった

「ダァーリンッ!」
「うわ!」
ラムザの背中に何者かがとびつぎバランスを崩す。
なんとか踏ん張り倒れはしなかったものの危うく大通りの真ん中で見事なヘッドスライディングをきめるとこだった。

「あ、あんたツェルプストー!! それにタバサ! どうしてここに!?」

「あら、ルイズじゃない。」

「ルイズじゃないじゃないわよ! 
あ! あんたつけてきたわね!?」

「やあねぇ、つけてきただなんて人聞きの悪い。私とダーリンの愛の力が巡り合わせたのよ。」

ラムザの背中にタックルをきめそのまま抱きつき続けているのはキュルケであった。
「あんたこそダーリンと二人きりでなにしてたのぉ?」

「わ、私はラムザが騎士だっていうのに剣も持ってないから買いに…」

「あら、ダーリンにプレゼントをして気に入られようってからとかしら?」

「な、な、そ、そんなんじゃないわよ! わ、私は自分の騎士が剣の一つももってないのはどうかと思って…」
顔を赤らめしゃべるルイズの声がだんだんとほそくなっていく。

「あらそうなの? じゃあもう剣は買ったみたいだしこの後ダーリンに予定はないわけね? じゃあダーリン私に付き合ってくれない?」

「だ、だめよ! ラムザはまだこれから私と仕立て屋にいかなきゃならないんだから! 
っていうかあんたは早くラムザから離れなさいよ!」




先ほどからラムザにしがみつき続けるキュルケを引き離そうとルイズがやっきになる。
キュルケとルイズが口論している間も一緒にきたタバサは一言も喋らずただやりとりをみているだけだった。

「とりあえずキュルケ離れてくれないかな?」

「あら、ダーリン。私と一緒にいるのはいやなの?」

「いや、そういうことじゃなくて…」

ラムザの願いも聞き入れられることなく二人の言い争いは続く。
その二人を止めたのは意外にも


「ぐ~」


ラムザの腹の音だった。

「お…おなか、すいたね…はは」

一行はそのまま近くのレストランに入ることになった。

「おなかを鳴らすダーリンもかわいいわ!」

「いやいい年してお恥ずかしい…」

キュルケの言葉に顔を赤らめるラムザ。
それをみて憮然とするルイズと何も言わず黙ったままのタバサ。

「ていうか、なんであんたたちも一緒なわけ?」

「いいじゃない、私もダーリンと一緒に食事したいのよ。そんなつまらない事ばかり気にしてるからあんたはいつまでも胸が小さいままなのよ。」

「な、なんですってぇ!?」

再び口火を切った二人の喧嘩を後目にタバサは無言を貫きラムザは二人を宥める。
しかしそんなに簡単に収まるのであれば苦労はない。
ラムザが諦めかけたその時。
「あーあーさっきからピーチクパーチクうるさいったらありゃしない。」

誰もいない空間から声がした。

「誰だっ!?」




それまで喧嘩していた二人も喋るのをやめる。

「誰? 誰だって? あんた自分で俺を選んでおいて誰とは失礼だねぇ。」

「剣が…喋った…?」
驚くラムザ、それに反してルイズ達も驚いてはいるがラムザほどではなかった。

「インテリジェンスソードだったの?」

「おうよ! 俺の名前はデルフリンガー! ひとつよろしくな!」

キュルケの言葉に剣が反応してまた喋る。そのやりとりを聞いたラムザが怪訝そうな顔をする。

「ラムザはインテリジェンスソードを見るのは初めて? インテリジェンスソードっていうのは魔法によって命を吹き込まれた剣のことよ。まぁそうそうお目にかかれる代物ではないけどね。」

ラムザの疑問にルイズが答える。

「へぇ」。
これはムスタディオが見たら喜ぶだろうな。
そんな事を考えながらデルフリンガーに手をかけた。
その瞬間デルフリンガーは驚きの声をあげた。

「おでれーた、相棒、お前使い手か!」

「使い手?」

またラムザにとって未知の言葉が出てきた。
そこでルイズが口を開く。

「使い手ってなによ?」

だが今度の言葉はラムザだけでなく全員にとって未知の言葉だったようだ。

「使い手っていやぁ、お前、えっと…なんだったかな?」

デルフリンガーの言葉に一同ズルッと音がしそうな見事なリアクションで答える。

「長く生きてるといろいろ忘れっぽくなっちまうのよ! まぁ気にするな! 改めてよろしくな相棒!」

「あ、あぁ、僕はラムザ、ラムザ・ベオルブだよ。それであっちのピンク色の髪の娘がルイズ、赤の髪の娘がキュルケ、水色の髪の娘が…」 
「タバサ」
一瞬いい淀んだラムザにすかさず言葉を継ぐタバサ。

「うん、タバサ。ってごめん。僕達も自己紹介してなかったね。」

「いい。」

きまずそうに答えるラムザにいつもどおりの調子のタバサの声が返る。

「あぁ、あんまりあれだったんでつい口をはさんじまったがおれっちの事は気にせず話をすすめてくれ。」

そういうとデルフリンガーは鞘にきっちりと収まり静かになった。

「まさかインテリジェンスソードだったとはね、ラムザ本当にこの剣でよかったの?」

「え? あぁうん、喋る剣とはおもしろいね、いろいろ聞いてみることにするよ。」



ルイズがラムザの答えを聞いたちょうどその時料理が運ばれてきた。
それによって一時会話が中断された。
もうルイズとキュルケの争う気も削がれたらしく料理を食べながらなにげない会話が始まる。
それでも二人が多少喧嘩腰なのはご愛嬌。

そんななかラムザは言った。

「あぁそうだ、僕は少しよりたいところがあるからこの後は少し一人になってもいいかい?」

しかし間髪いれず戻ってきたルイズ達の答えはNOだった。
「だめよ、どこか行きたいところがあるなら私も一緒に行くわ。」
「そおよ、せっかく街にきたんだから一緒にみてまわりましょうよダーリン。」

「ちょっと一人で行きたい所なんだけど…」

少し困った顔をするラムザの言葉にルイズが反応した。

「なに!? 私達が一緒じゃ行けないような所に行きたいって…、ふ、ふ、不潔よ! ラムザ! 見損なったわ!」

そう言うとルイズは店から出て行ってしまった。
どうにも大きな誤解をもたれたようなラムザだったが誤解している当人がすぐに居なくなってしまい弁解の余地もなかった。

「ちょ、ルイズ! キュルケ、タバサ、ごめん! ちょっとルイズを追いかけてくるからあとは頼んだよ!」

「あ! ダーリン! もう!」

キュルケが引き留める間もなくラムザはルイズを追いかけて行ってしまった。

その後ルイズはラムザの制止を聞かず先に学園に一人で戻ってしまいラムザは用事を済ませたのち再び出会ったキュルケとタバサに頼み風竜で共に連れ帰ってもらうことになった。
そしてその夜もラムザはルイズの機嫌とりをすることになるのであった。

第六話end


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