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デモゼロ-06


 ゼロのルイズ改め、馬鹿力のルイズ
 気まぐれに出かけた街で、サビた剣を購入した
 インテリジェンス・ソードの癖に錆びているそいつの名前はデルフリンガー
 錆びてる癖に態度がでかい
 なんと言うか、生意気?

 本当なら、貴族たるルイズ、こんな剣なんていらない
 ……けれど
 何故だろう、デルフリンガーを持っていると、体が軽く感じるのは

 ……何故、だろう
 剣なんて、持った事もないのに
 この柄が、やけに手に馴染むのは


「オールド・オスマン!!」
 大発見をしてしまったコルベール
 大急ぎで、ノックもそこそこに学院長室の扉を開けた
 そこで、彼が見た光景は

「死ね!氏ねじゃなくて死ね!!糞じじぃーーーーーっ!!」
「っぎゃーーー!?死ぬ!本当に死んでしまう!ロングビル、ギブ、ギブーー!!」

 ぎりぎりぎりぎり
 割と本気でオールド・オスマンの首を締めにかかっている、憧れの美人秘書、ミス・ロングビルの姿

「………」
 ぱたん
 何も見なかった事にして、コルベールは扉を閉めた
 数回、深呼吸した後……こんこん、改めて、扉をノックする
「コルベールです」
「うむ、入りたまえ」
 オスマンの返事を聞いて、学院長室に入るコルベール
 先ほどまでの物騒な雰囲気は嘘のように消えていて、オスマンはきちんと学院長の椅子についており、ロングビルも秘書の席についている
 …先ほどの光景は、幻だったのだ
 コルベールは、そう自分に言い聞かせた
「どうしたのかね?」
「その、ミス・ヴァリエールの件についてですが…」
 ぴくり
 反応を示すオスマン
 ロングビルに席をはずすように告げる
 ロングビルは、素直に立ち上がり、学院長室を出て行こうとして…
「あぁ、そうです、オールド・オスマン。今度セクハラいたしましたら、王室に報告します」
 その言葉を告げた時の表情は、笑顔
 しかし、その笑顔は明らかに、「次は容赦しないぞコラ」と言う仏の顔も三度な笑顔であった
 う、うむ、とオスマンはだらだら冷や汗流しつつ頷く
 その様子に満足したように微笑んで、ロングビルは学院長室を後にした
「…なんじゃい。ちょっとお尻を撫でたくらいで。モートソグニルが散歩に出かけておるから、覗く事はできんし…」
「自重してください。オールド・オスマン」
 若干頭痛を覚えつつ、コルベールは苦笑した
 …これさえなければ、もっと尊敬できる偉大な方なのだが

 こほん、と咳払いを一つ
 本来の話題に、戻らなくては
「オールド・オスマン。ミス・ヴァリエールの左手に刻まれたルーンなのですが…」
「おぉ、そう言えば、見た事もないような随分と珍しいルーンじゃったの。何かわかったのかの?」
「はい、それが…」
 とにかく、調査結果を報告するコルベール
 ルイズに刻まれたルーンは、始祖たるブリミルの使い魔に刻まれたという…ガンダールヴのルーンかもしれないという、その結果
 ううむ、とオスマンは考え込んだ表情となる
「…やれやれ、何もかもが、我々が抱く常識から外れとるの。使い魔は主の体に宿り、そして刻まれたルーンはガンダールヴ、とは…」
「間違い…ないのでしょうか?」
「ルーンはほぼ一致しておる。ミス・ヴァリエールは…ガンダールヴの力を、その身に宿してしまったのじゃな」
 正確に言えば、その力を身に付けるべきは、彼女の体の中の使い魔
 しかし、その使い魔は、主であるルイズに力を与えている存在
 故に、そのルーンの力も、ルイズに現れる
「確か、ガンダールヴは…あらゆる武器を、使いこなすんじゃったか」
「はい。もっとも、ミス・ヴァリエールが武器に相当するものを持っている場面を見ておりませんので、確認できませんが…」
「確か、食堂でグラモンの馬鹿息子を壁にめり込むくらい突き飛ばしたとか聞いておるが、あの時は?」
「武器の類は身につけておりませんでした。純粋に、彼女の力で突き飛ばしたようです」
 むむむむむ
 考え込む二人
 ルイズに宿った使い魔には、主に怪力を与える能力もあると言うのか
 不憫だ
 ルイズがあまりにも不憫で、二人は涙を流しそうになる
 まだ16歳の、小柄な乙女
 その身に宿りしは、常人の2,3倍の食欲と、その身に似合わぬ怪力
 …女性として、あまりにも不憫すぎる
 オスマンとコルベールは、ルイズと言う少女の将来を、少し心配したのだった

「…ヴァリエール、か」
 学院長室を後にしたロングビルは、一人、ぽつりと呟いた
 貴族なら、誰でも使えるはずの魔法が使えない少女
 それでも、貴族としての誇りを決して失わず、むしろ誰よりも貴族らしくあろうとする少女
 決して努力を怠る事のない彼女は、貴族嫌いのロングビルにとっても、好感を抱ける相手だった
 使い魔召喚の儀式で大怪我を折ってしまい…何故か、少女に相応しくない食欲が身についたと聞いているが
「……まさか、ね」
 己の考えを、己自身で否定する
 …まさか
 まさか、彼女が、自分の妹と同じような状況になっているはずがあるまい、と
 一人、そう結論付けたのだった




 街に出かけてから、数日後の事
 夜、一人、杖を振るうルイズ
 ぼん!!と爆発音が響き渡る
「はぁ……」
 憂鬱にため息を吐くルイズ
 魔法は、相変わらず失敗してばかり
 やはり、ただの一度も成功しない
 …ん?一応、使い魔召喚と契約は成功してるから、二回は成功してるのか?
 しかし、やはりルイズは貴族として、魔法を普通に使いたかった
 だからこそ、努力する
 幸いと言うか、今までより心なしか疲れにくいような気もするし
 遠慮なく、魔法の練習を続けていく
 …どごん!!
 また、失敗
 なんとも見事な爆発である
「はぁ……」
「おいおい、そんなにため息ついてると、幸せが逃げていくぜ?」
 カタカタ
 傍らに置いていたデルフリンガーが、そう声をあげる
 結局、エキュー金貨100枚で購入したこの剣
 話し相手にもなるから、とあまり鞘に入れておく事はない
 今も、気晴らし用にと、鞘から出しておいておいていたのだ
「ため息もつきたくなるわよ。あぁ、もう。どうして成功しないのかしら…」
「ぶっちゃけ、ヘタな魔法より威力あって強力だと思うけどな、その爆発」
 確かに、人に直撃したら大怪我させる事確実な爆発ではあるけれど
 でも…それは、ルイズが使いたい魔法じゃあ、ない
「…せめて、水の秘薬が作れるようになって…治癒魔法が、使えるようになりたいのに…」
 病弱な姉の為に、せめて、それだけはできるようになりたい
 そう願っていたルイズ
 彼女にとって、やはり、魔法が爆発するという現象は悲しいものでしかないのだ
 だんだん、悲しい方向へと動いていくルイズの思考

 ぐぎゅるるるるるるるるる

 ………
 うん、何となくそんな予感はしたのだ
 毎度毎度、絶妙なタイミングで鳴る腹だ
「相棒は本当に大食らいだな。そのちっこい体のどこに収まってんだ?普通なら栄養全部胸に行ってんのかってパターンだが、相棒にはその胸がないし…」
「…………」
 ぎゅううううううう
 力いっぱい、デルフリンガーの柄を握るルイズ
 左手のルーンが微かに発光し、ルイズの中を力が駆け巡る
「っちょ、っや!?いーたーいー!?やめっ、そんなに強く握らないでぇ!らめぇええええ!!!!」
 デルフリンガーでできる気晴らし、それがこれである
 剣の癖に痛みを感じるとはおかしい事だが、あんまり強く握られると痛いらしい
 若干悲鳴が気色悪いが、わりと気晴らしになる
 まぁ、オススメはできないが
「ひでぇよ相棒…俺、壊れちまうよ…」
「そう簡単には壊れないでしょ。ってか、相棒って何よ」
 デルフリンガーは、何故かルイズを相棒、などと呼んできている
 理由を聞いても「忘れた」「何となく」としか答えが返ってこないため、埒があかない
 不思議と嫌な感じはしないので、とりあえずそのまま呼ばせていた
 ぐぎゅぅぅぅぅぅぅう
 …うん、まずは夜食よね、夜食
「ミス・ヴァリエール~!」
 あ、来た来た!
 きらり、瞳を輝かせるルイズ
 ここ数日、毎日の用に夜、魔法の練習をしているルイズだったが、どうにもおなかがすいて仕方がない
 だから、シエスタに頼んで、夜食を用意してもらっていたのだ
 恩人であるルイズのために、シエスタは甲斐甲斐しく、料理を作ってくれていた
 豪華でなくてもいいから、とにかくおなか一杯になるものを、お願いしている為、いつもボリューム満点の料理を作ってくれる
 キラキラ、まるで飼い主がご飯を出してくれるのを待っている猫のような表情を浮かべるルイズ
 …と、今日は、シエスタの後ろから、誰かもう一人やってくるのが見えた
「ツェルプストー?」
「はぁい。今夜も頑張ってるじゃない。でも、早く寝ないとお肌に悪いわよ?」
 どうやら、連日魔法の練習で夜更かし気味のルイズを心配してくれたらしい
 …近頃、本当にキュルケの優しさが身にしみていた
 彼女が、こんなにも世話焼きな性格だとは思ってもみなかった
 今まで、キュルケにからかわれ、むきー!とそのからかいに乗ってばかりだったルイズ
 しかし、使い魔を召喚できた事で、ほんの少し心に余裕ができた事
 そして、初めは使い魔召喚に失敗していたと思われていたルイズをキュルケが心配し、からかいよりも気遣いを優先させた為に、二人の仲はかなり改善されていた
 先祖代々いがみ合ってきた仲とは、もう見えないかもしれない
「わかってるわよ。でも、もうちょっとだけ」
 むぐむぐ
 シエスタの作ってくれた、ボリューム満点のサンドイッチを食べつつ、キュルケに答えるルイズ
 うん、今日のサンドイッチも美味しい
 どっちかと言うと平民向けの料理らしいが、質よりも量を優先しがちになってしまったルイズにはちょうどいい
 むぐぐん……ごっくん
 よし、練習再開!!
「シエスタ、悪いけど、お皿片付けておいて。ツェルスプトー、失敗した時に巻き込んで怪我させるのも嫌だし、ちょっと離れていて」
 はい、と返事して、シエスタは皿を片付けにかかる
 キュルケも、ルイズの爆発魔法の威力は知っている
 素直に、ルイズから離れた
 杖を握り、ルイズは集中する
 一句一句、間違える事のない呪文の詠唱
 何度も何度も詠唱したのだ、間違えるはずがない
「……ファイヤーボール!!」
 ちゅごどごぉん!!
 派手な爆発音
 いつも通り、魔法は失敗した


 ……ただ
 問題は

「げ」
 ぱらぱら……
 壁が、崩れている
 適当に壁を狙った放った魔法は、爆発によって見事にその壁を崩していた
 あ、あれ?
 固定化の魔法がかかっているはずなのに、どうして崩れるの?
 パニック状態になってしまうルイズ
 キュルケも、離れた所でぽか~ん、と口をあけており…シエスタも、キュルケの隣辺りで、思わず足を止めてその崩れた壁を見つめていた
 ど、どどどどどどど、どうしよう
 怒られる!!
 頭の中で、ありとあらゆる言い訳を考え始めたルイズであったが

 …その思考は、強制的に打ち切られた

「え……?」
「っ逃げろ、相棒!!」
 大地を揺るがす、轟音
 ルイズたちの目の前に……巨大な、巨大な、次のゴーレムが姿を現した


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