何とか、使い魔召喚に成功したらしいゼロのルイズ
使い魔の契約にも成功したらしいルイズ
これでもう、ゼロじゃない?
使い魔の契約にも成功したらしいルイズ
これでもう、ゼロじゃない?
いやいや、違う
何せ、召喚した生物は目に見えない
使い魔のルーンは、何故かルイズに刻まれてしまった
これで、本当に成功したと言えるのか?
それはまだ、誰にもわからないままだ
何せ、召喚した生物は目に見えない
使い魔のルーンは、何故かルイズに刻まれてしまった
これで、本当に成功したと言えるのか?
それはまだ、誰にもわからないままだ
朝
それは、爽やかな目覚めの時
ぐうううううきゅるるるるるるるるる
…通常なら、爽やかな目覚めの時、なのだが
「…おなかすいた」
目覚めたルイズ、目覚めた瞬間の一言はこれである
おなかがすいた
体が、激しく空腹を訴える
さ、昨夜、太っちゃうかもと言う不安を抱えながらも、夜食をたっぷり食べたのに!?
まだ足りないというのかこの体め!!
とにかく、このままでは空腹で死んでしまう
朝は、いつもぼや~~っとして、身支度に時間がかかってしまうルイズだが
このままでは、おなかと背中がくっついてしまいそう、急いで身支度を整える
貴族の子女として、いい加減な格好で人前に出るわけにはいかない
なり続ける腹を叱咤しつつ、ルイズは無事、身支度を終えた
あぁ、早く食堂に行かなければ!!
飛び出るように部屋を出たルイズ
まるで、それにあわせるように…隣の部屋から、仇敵たるキュルケが、使い魔のサラマンダーを連れて、部屋を出てきたところだった
う、とルイズは、あからさまに嫌な表情を浮かべてしまう
何せ、彼女には日々、からかわれてばかり
先祖代々の宿敵である彼女に、ルイズはどうにも、口では勝てないのである
…いや、その魔法の実技でも勝てないけれど、で、でも、筆記の成績は私の方が上なんだから!絶対負けないんだからっ!!
キュルケが声をかけてくるまでのほんの数秒の間に、ルイズの中でめまぐるしく思考が流れ流れる
「おはよう、ヴァリエール」
「…おはよう、ツェルプストー」
いつも通り、少々不機嫌に挨拶に応じるルイズ
おなかがすいているせいもあって、いつも以上に不機嫌だ
とにかく、自分は早く食堂に行きたい
ツェルプストーの相手をしている暇なんかない
「…やっぱり、現実なのよね」
しげしげと、ルイズの左手の甲を見つめて、ぽつり、呟いてきたキュルケ
むかっ、とむかっ腹が立ったが、そのむかっ腹にすら勝つ空腹とはどれだけの空腹なのか
とにかく、怒鳴る気にはならなかった
「そうよ、現実よ。だから、どうしたの?とりあえず、私は早く食堂に行きたいんだけど」
「まぁ、そう言わないで」
苦笑してきたキュルケ
つい、とルイズの左手を取ってきた
何を、と、ルイズが言おうとすると…す、と左手に何かがはめられる
「…え?」
それは、薄い布で作られた、手の甲と手の平を覆う飾り
ちょうど、左手に刻まれたルーンがしっかりと隠れる
「これでよし。ほら、右手も貸しなさい」
言われて、つい、右手を差し出すルイズ
キュルケは、同じ物を右手にもはめてくれた
「乙女の肌に、こんな物が刻まれてるなんて、知られたくないでしょう?」
隠さなければ、はっきりと見えてしまう
これなら大丈夫、とキュルケは笑ってきた
…確かに
何かしらで、隠さなければいけないな、とは思っていたが…
空腹に急かされていた為、どうやって隠すか、なんて考える余裕はなかった
(気を使って…くれた?)
医務室で、ルイズに刻まれていたルーンを見ていたキュルケ
心配…して、くれたのか?
キュルケが、どうして?
混乱するルイズ
いや、しかし、今は、混乱するよりも先に、言うべきことがあるじゃないか
「あ…ありがとう、ツェルプストー」
ぽつり、呟くようなルイズの、その言葉に
あら、とキュルケは驚いたような表情を浮かべた
「あなたが素直だなんて…!?な、何か悪い物でも食べたの!?おなかがすきすぎて、拾い食いでもしたんじゃないでしょうね!?」
「な、ななななななななな、何を言ってるのよ!?そ、そんな事する訳ないでしょう!!」
せ、折角、勇気を振り絞ってお礼を言ったと言うのに、なんだそれは!!
真っ赤になって、大声を出すルイズ
その瞬間
それは、爽やかな目覚めの時
ぐうううううきゅるるるるるるるるる
…通常なら、爽やかな目覚めの時、なのだが
「…おなかすいた」
目覚めたルイズ、目覚めた瞬間の一言はこれである
おなかがすいた
体が、激しく空腹を訴える
さ、昨夜、太っちゃうかもと言う不安を抱えながらも、夜食をたっぷり食べたのに!?
まだ足りないというのかこの体め!!
とにかく、このままでは空腹で死んでしまう
朝は、いつもぼや~~っとして、身支度に時間がかかってしまうルイズだが
このままでは、おなかと背中がくっついてしまいそう、急いで身支度を整える
貴族の子女として、いい加減な格好で人前に出るわけにはいかない
なり続ける腹を叱咤しつつ、ルイズは無事、身支度を終えた
あぁ、早く食堂に行かなければ!!
飛び出るように部屋を出たルイズ
まるで、それにあわせるように…隣の部屋から、仇敵たるキュルケが、使い魔のサラマンダーを連れて、部屋を出てきたところだった
う、とルイズは、あからさまに嫌な表情を浮かべてしまう
何せ、彼女には日々、からかわれてばかり
先祖代々の宿敵である彼女に、ルイズはどうにも、口では勝てないのである
…いや、その魔法の実技でも勝てないけれど、で、でも、筆記の成績は私の方が上なんだから!絶対負けないんだからっ!!
キュルケが声をかけてくるまでのほんの数秒の間に、ルイズの中でめまぐるしく思考が流れ流れる
「おはよう、ヴァリエール」
「…おはよう、ツェルプストー」
いつも通り、少々不機嫌に挨拶に応じるルイズ
おなかがすいているせいもあって、いつも以上に不機嫌だ
とにかく、自分は早く食堂に行きたい
ツェルプストーの相手をしている暇なんかない
「…やっぱり、現実なのよね」
しげしげと、ルイズの左手の甲を見つめて、ぽつり、呟いてきたキュルケ
むかっ、とむかっ腹が立ったが、そのむかっ腹にすら勝つ空腹とはどれだけの空腹なのか
とにかく、怒鳴る気にはならなかった
「そうよ、現実よ。だから、どうしたの?とりあえず、私は早く食堂に行きたいんだけど」
「まぁ、そう言わないで」
苦笑してきたキュルケ
つい、とルイズの左手を取ってきた
何を、と、ルイズが言おうとすると…す、と左手に何かがはめられる
「…え?」
それは、薄い布で作られた、手の甲と手の平を覆う飾り
ちょうど、左手に刻まれたルーンがしっかりと隠れる
「これでよし。ほら、右手も貸しなさい」
言われて、つい、右手を差し出すルイズ
キュルケは、同じ物を右手にもはめてくれた
「乙女の肌に、こんな物が刻まれてるなんて、知られたくないでしょう?」
隠さなければ、はっきりと見えてしまう
これなら大丈夫、とキュルケは笑ってきた
…確かに
何かしらで、隠さなければいけないな、とは思っていたが…
空腹に急かされていた為、どうやって隠すか、なんて考える余裕はなかった
(気を使って…くれた?)
医務室で、ルイズに刻まれていたルーンを見ていたキュルケ
心配…して、くれたのか?
キュルケが、どうして?
混乱するルイズ
いや、しかし、今は、混乱するよりも先に、言うべきことがあるじゃないか
「あ…ありがとう、ツェルプストー」
ぽつり、呟くようなルイズの、その言葉に
あら、とキュルケは驚いたような表情を浮かべた
「あなたが素直だなんて…!?な、何か悪い物でも食べたの!?おなかがすきすぎて、拾い食いでもしたんじゃないでしょうね!?」
「な、ななななななななな、何を言ってるのよ!?そ、そんな事する訳ないでしょう!!」
せ、折角、勇気を振り絞ってお礼を言ったと言うのに、なんだそれは!!
真っ赤になって、大声を出すルイズ
その瞬間
くぎゅぅううううううううううううう
「………」
「………」
くきゅるるる
…大声出したら、ますますおなかすいた…
「…とりえあず、食堂、行きましょうね」
「……えぇ」
うぅぅ…
は、早く食べないと…倒れそう
よろよろ、歩き出すルイズ
その後ろ姿を見つめて、キュルケはやんわり、笑みを浮かべた
「…良かった、思ったよりは、元気そうね」
キュルケは、ルイズの事が嫌いではない
そりゃあ、先祖代々、いがみ合ってきた間柄ではある
しかし、キュルケ個人としては日々の努力を怠らず、常に貴族であろうとするルイズに対し、好感を抱いていた
それは、できの悪い妹に対して姉が抱くような、そんな感情
周囲からの侮蔑の言葉に晒され続ける彼女を、ほんの少しでも、支えてあげたい
そんな想いが、キュルケの中には確かに存在していた
「……あ、あなたの事、自慢するの忘れちゃったわね」
拗ねたような仕草を見せた、キュルケの使い魔・サラマンダーのフレイム
御免なさい、と可愛い使い魔をそっと撫でて、キュルケはルイズの後を追って食堂へと向かったのだった
「………」
くきゅるるる
…大声出したら、ますますおなかすいた…
「…とりえあず、食堂、行きましょうね」
「……えぇ」
うぅぅ…
は、早く食べないと…倒れそう
よろよろ、歩き出すルイズ
その後ろ姿を見つめて、キュルケはやんわり、笑みを浮かべた
「…良かった、思ったよりは、元気そうね」
キュルケは、ルイズの事が嫌いではない
そりゃあ、先祖代々、いがみ合ってきた間柄ではある
しかし、キュルケ個人としては日々の努力を怠らず、常に貴族であろうとするルイズに対し、好感を抱いていた
それは、できの悪い妹に対して姉が抱くような、そんな感情
周囲からの侮蔑の言葉に晒され続ける彼女を、ほんの少しでも、支えてあげたい
そんな想いが、キュルケの中には確かに存在していた
「……あ、あなたの事、自慢するの忘れちゃったわね」
拗ねたような仕草を見せた、キュルケの使い魔・サラマンダーのフレイム
御免なさい、と可愛い使い魔をそっと撫でて、キュルケはルイズの後を追って食堂へと向かったのだった
あぁ、今日の朝食は大変、美味しかった
おなか一杯食べて、満足なルイズ
何せ、貴族の食事なのだから、朝の食卓も当然豪勢だ
普段なら、ルイズのように小柄であったり、食の細い生徒は、その豪華な料理を勿体無くも残してしまう事が多いのだが…
異常に食欲が増している今のルイズ
それを、ぺろりと平らげた
どころか、両隣に座っている生徒が残しているのを見て、みっともないな、と思いつつも、それまで食べてしまった
…だって、自分の分だけじゃ足りなかったんだもん
あれだけじゃあ、授業中に盛大に腹を鳴らしてしまいそう
余談だが、コック長たるマルトーが、いつもより残された料理の量が少なかった為、いつもより少し機嫌が良かったのはわりとどうでもいい事である
さて、次は授業の時間
憂鬱さとか、気分を入れ替えて、授業に集中しなければ!!
使い魔を連れずに教室へと入ったルイズは、当然、好奇の目に晒されたが、気にしない事にした
…誰が何と言おうと、自分は使い魔召喚に、契約に、成功したのだ
そう、自分に言い聞かせる
やがて、教室内に教師であるミセス・シュヴルーズが入ってきた
教室を見回したシュヴルーズは、ルイズの姿を見つけ、ほっとしたような表情を浮かべて声をかけてくる
「ミス・ヴァリエール。怪我はもう、よろしいのですか?」
「はい、もう大丈夫です」
「良かった…では、今日は無事、全員揃っての最初の授業ですね」
そう、ルイズが数日間意識不明だった為、授業は一人欠けた状態で行われていたのだ
休んでいたルイズの事を気遣ってか、シュヴルーズは基礎的な部分のおさらいから、授業を開始してくれる
土のメイジたる彼女がまず教えるのは、錬金の魔法
ぱっ、と石ころを真金に変えてみせるシュヴルーズ
そして、ルイズにこう、声をかけてきた
「では、ミス・ヴァリエール。実際に、錬金の魔法を使ってみてください」
…この、瞬間
ぴし!と、教室の中の空気が凍りついた
何せ、ルイズはゼロのルイズ
どんな魔法を使っても爆発してしまうゼロのルイズ
絶対
ぜっっっったいに、また爆発させるに決まっている!!
そう考えた生徒たちは、慌ててシュヴルーズを止めようとする
「き、危険です!やめさせてください!!」
「まだ死にたくありません!死亡フラグすら立てていません!!」
「おや、どうなさったのですか?」
生徒たちの様子に、不思議そうに首を傾げるシュヴルーズ
…信じられない事だが、彼女、ここまで有名なゼロのルイズの名前の由縁を知らなかったのだ
そして…
周囲の言葉に、ルイズはぴき、と確かに切れていた
おなか一杯食べて、満足なルイズ
何せ、貴族の食事なのだから、朝の食卓も当然豪勢だ
普段なら、ルイズのように小柄であったり、食の細い生徒は、その豪華な料理を勿体無くも残してしまう事が多いのだが…
異常に食欲が増している今のルイズ
それを、ぺろりと平らげた
どころか、両隣に座っている生徒が残しているのを見て、みっともないな、と思いつつも、それまで食べてしまった
…だって、自分の分だけじゃ足りなかったんだもん
あれだけじゃあ、授業中に盛大に腹を鳴らしてしまいそう
余談だが、コック長たるマルトーが、いつもより残された料理の量が少なかった為、いつもより少し機嫌が良かったのはわりとどうでもいい事である
さて、次は授業の時間
憂鬱さとか、気分を入れ替えて、授業に集中しなければ!!
使い魔を連れずに教室へと入ったルイズは、当然、好奇の目に晒されたが、気にしない事にした
…誰が何と言おうと、自分は使い魔召喚に、契約に、成功したのだ
そう、自分に言い聞かせる
やがて、教室内に教師であるミセス・シュヴルーズが入ってきた
教室を見回したシュヴルーズは、ルイズの姿を見つけ、ほっとしたような表情を浮かべて声をかけてくる
「ミス・ヴァリエール。怪我はもう、よろしいのですか?」
「はい、もう大丈夫です」
「良かった…では、今日は無事、全員揃っての最初の授業ですね」
そう、ルイズが数日間意識不明だった為、授業は一人欠けた状態で行われていたのだ
休んでいたルイズの事を気遣ってか、シュヴルーズは基礎的な部分のおさらいから、授業を開始してくれる
土のメイジたる彼女がまず教えるのは、錬金の魔法
ぱっ、と石ころを真金に変えてみせるシュヴルーズ
そして、ルイズにこう、声をかけてきた
「では、ミス・ヴァリエール。実際に、錬金の魔法を使ってみてください」
…この、瞬間
ぴし!と、教室の中の空気が凍りついた
何せ、ルイズはゼロのルイズ
どんな魔法を使っても爆発してしまうゼロのルイズ
絶対
ぜっっっったいに、また爆発させるに決まっている!!
そう考えた生徒たちは、慌ててシュヴルーズを止めようとする
「き、危険です!やめさせてください!!」
「まだ死にたくありません!死亡フラグすら立てていません!!」
「おや、どうなさったのですか?」
生徒たちの様子に、不思議そうに首を傾げるシュヴルーズ
…信じられない事だが、彼女、ここまで有名なゼロのルイズの名前の由縁を知らなかったのだ
そして…
周囲の言葉に、ルイズはぴき、と確かに切れていた
何よ
何よ何よ、そこまでいう事ないじゃない
つ、使い魔の召喚は(多分)成功したんだから!
契約の魔法だって(多分)成功したんだから!!
もう、爆発しないかもしれないじゃない!!
何よ何よ、そこまでいう事ないじゃない
つ、使い魔の召喚は(多分)成功したんだから!
契約の魔法だって(多分)成功したんだから!!
もう、爆発しないかもしれないじゃない!!
「…やります」
ゆらり
立ち上がる、ルイズ
周囲の生徒たちは、ますます悲鳴をあげた
さささっ、と机の下に隠れたり、防御行動をとり始めている
が、構ってられるか
成功させてやる…成功して、みせる!
「あまり、緊張しなくても大丈夫ですよ」
絶対に成功させようと思うあまり、緊張してしまうルイズに、シュヴルーズは優しく声をかけてくれた
彼女はルイズが失敗するなどと、考えてもいないようだ
…それはそうだろう、この錬金の魔法は、わりと基礎の魔法なのだし
だからこそ…失敗する訳にはいかない!!
気合を入れ、ルイズは杖を振るう!!
ゆらり
立ち上がる、ルイズ
周囲の生徒たちは、ますます悲鳴をあげた
さささっ、と机の下に隠れたり、防御行動をとり始めている
が、構ってられるか
成功させてやる…成功して、みせる!
「あまり、緊張しなくても大丈夫ですよ」
絶対に成功させようと思うあまり、緊張してしまうルイズに、シュヴルーズは優しく声をかけてくれた
彼女はルイズが失敗するなどと、考えてもいないようだ
…それはそうだろう、この錬金の魔法は、わりと基礎の魔法なのだし
だからこそ…失敗する訳にはいかない!!
気合を入れ、ルイズは杖を振るう!!
「……れん・きん!!」
直後
かっ!!と石ころが光に包まれた
まずい
ルイズは、本能的に理解する
このままでは、石ころが爆発する
それを止めるのは、不可能
このままここにいては、自分は確実に大怪我をする
早く、離れなければ
(……っダメ!)
間に合うはずがない
…それに
もし、自分が離れることができても…ミセス・シュヴルーズが逃げる事ができない
自分を信じてくれた教師に、怪我を負わせてしまう!
少しでも
ほんの、少しでも…石ころから、離れなければ
シュヴルーズを、石ころから離さなければ
そう思った瞬間…ルイズは、自分でも信じられないくらい、体が動いたのを理解した
っば!とシュヴルーズの元へと駆けより、彼女の体にタックルを食らわせるようにして抱きかかえ、そのままその場から飛びのく
背後で、閃光とともに爆音が鳴り響き、石ころが爆発したのがわかった
「………っ!!」
背中にぶつかってくる爆風と、石ころのカケラ
鋭い刃と化した石ころのカケラが、無数に背中に突き刺さる
激痛に、ルイズは歯を食いしばって耐えた
どさ!!と床に倒れこむ、ルイズとシュヴルーズ
教室内では、爆風の影響で生徒たちやその使い魔が吹き飛ばされ、大パニックになっていた
「だ、大丈夫ですか、ミセス・シュヴルーズ!!」
が、ルイズはそんな教室内のパニックを無視して、慌てて体を起こし、シュヴルーズに声を駆けた
状況を理解しきれていないのだろう、呆然としているシュヴルーズ
あぁ…良かった、怪我はしてないようだ
その事実に、ひとまずほっとする
「は、はい、大丈夫です………!!」
何とか、返事を返してきたシュヴルーズ
直後、慌てたようにルイズを見つめる
「ミ、ミス・ヴァリエール!血が…」
「え?」
つぅ、と
顔を伝った、温かい物
ぽたり
床に落ちたそれを見て…どうやら、自分が背中だけではなく、頭にも傷を負ったらしい事をルイズは理解した
ずきり、背中に走る激痛
召喚の儀式の時ほどではないが、また怪我を負ってしまったらしい
「は、早く、早く、医務室に!!」
目の前で、生徒が怪我をしてしまった
その事実に、うろたえているシュヴルーズ
大丈夫ですから、とルイズはシュヴルーズに声を駆けた
「大丈夫、です。自分で歩けますから」
ずきり、ずきり
かなりの痛み、しかし、それでも、歩けない訳ではない
結局、自分は失敗させてしまった、いつも通り、爆発させてしまった
……これ以上、誰かに迷惑をかけたくない
「申し訳ありません…医務室に、行ってきます」
よろり、体をよろめかせながらも、教室を後にするみずき
その後ろ姿を、呆然とも食ったシュヴルーズだったが…教室がパニック状態に陥っている事に、ようやく気づき
慌てて、生徒たちを落ち着かせようと行動を開始したのだった
かっ!!と石ころが光に包まれた
まずい
ルイズは、本能的に理解する
このままでは、石ころが爆発する
それを止めるのは、不可能
このままここにいては、自分は確実に大怪我をする
早く、離れなければ
(……っダメ!)
間に合うはずがない
…それに
もし、自分が離れることができても…ミセス・シュヴルーズが逃げる事ができない
自分を信じてくれた教師に、怪我を負わせてしまう!
少しでも
ほんの、少しでも…石ころから、離れなければ
シュヴルーズを、石ころから離さなければ
そう思った瞬間…ルイズは、自分でも信じられないくらい、体が動いたのを理解した
っば!とシュヴルーズの元へと駆けより、彼女の体にタックルを食らわせるようにして抱きかかえ、そのままその場から飛びのく
背後で、閃光とともに爆音が鳴り響き、石ころが爆発したのがわかった
「………っ!!」
背中にぶつかってくる爆風と、石ころのカケラ
鋭い刃と化した石ころのカケラが、無数に背中に突き刺さる
激痛に、ルイズは歯を食いしばって耐えた
どさ!!と床に倒れこむ、ルイズとシュヴルーズ
教室内では、爆風の影響で生徒たちやその使い魔が吹き飛ばされ、大パニックになっていた
「だ、大丈夫ですか、ミセス・シュヴルーズ!!」
が、ルイズはそんな教室内のパニックを無視して、慌てて体を起こし、シュヴルーズに声を駆けた
状況を理解しきれていないのだろう、呆然としているシュヴルーズ
あぁ…良かった、怪我はしてないようだ
その事実に、ひとまずほっとする
「は、はい、大丈夫です………!!」
何とか、返事を返してきたシュヴルーズ
直後、慌てたようにルイズを見つめる
「ミ、ミス・ヴァリエール!血が…」
「え?」
つぅ、と
顔を伝った、温かい物
ぽたり
床に落ちたそれを見て…どうやら、自分が背中だけではなく、頭にも傷を負ったらしい事をルイズは理解した
ずきり、背中に走る激痛
召喚の儀式の時ほどではないが、また怪我を負ってしまったらしい
「は、早く、早く、医務室に!!」
目の前で、生徒が怪我をしてしまった
その事実に、うろたえているシュヴルーズ
大丈夫ですから、とルイズはシュヴルーズに声を駆けた
「大丈夫、です。自分で歩けますから」
ずきり、ずきり
かなりの痛み、しかし、それでも、歩けない訳ではない
結局、自分は失敗させてしまった、いつも通り、爆発させてしまった
……これ以上、誰かに迷惑をかけたくない
「申し訳ありません…医務室に、行ってきます」
よろり、体をよろめかせながらも、教室を後にするみずき
その後ろ姿を、呆然とも食ったシュヴルーズだったが…教室がパニック状態に陥っている事に、ようやく気づき
慌てて、生徒たちを落ち着かせようと行動を開始したのだった
「……ヴァリエール」
ぴょこり
爆発の直前、机の下に避難した為、被害を最小限に防いだキュルケ
ちらり、視線を友人であるタバサへと向けた
彼女は無事だろうか?
……良かった、タバサにも、怪我はないようだ
ほっとしながらも…キュルケは、再び負傷してしまったルイズの事が、心配で
彼女が出て行ったその扉を、じっと見つめるのだった
ぴょこり
爆発の直前、机の下に避難した為、被害を最小限に防いだキュルケ
ちらり、視線を友人であるタバサへと向けた
彼女は無事だろうか?
……良かった、タバサにも、怪我はないようだ
ほっとしながらも…キュルケは、再び負傷してしまったルイズの事が、心配で
彼女が出て行ったその扉を、じっと見つめるのだった
「………」
キュルケは、気づいていなかった
タバサも、また、ルイズが出て行った、その扉を見つめている事に
…タバサは、見てしまった
ルイズが人間とは思えぬ動きで、爆発の衝撃から護るようにミセス・シュヴルーズを庇いながら抱きかかえ、その場から飛びのいていた
その一連の動きを…はっきりと、見てしまった
あれは、一体?
タバサの心に、はっきりと疑惑が根を張ったのだった
キュルケは、気づいていなかった
タバサも、また、ルイズが出て行った、その扉を見つめている事に
…タバサは、見てしまった
ルイズが人間とは思えぬ動きで、爆発の衝撃から護るようにミセス・シュヴルーズを庇いながら抱きかかえ、その場から飛びのいていた
その一連の動きを…はっきりと、見てしまった
あれは、一体?
タバサの心に、はっきりと疑惑が根を張ったのだった