あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの黒魔道士-13


「ミス・ロングビル!本当にこんなところにフーケのアジトが?」
……あったかいお日さまの光も届かない森の中、
「えぇ、元々は木こりや狩人の仮宿として使われていたそうですよ?」
……あるはずの鳥のさえずりも無くて、
「フーケも、なんでこんなところにアジトなんk―…あいたっ!?キュルケ、気をつけなさいよっ!!」
……聞こえるのはボクたちが前に進む音だけで、
「しょうがないじゃないのよー!邪魔な木の枝を払わなきゃ進めやしないんだし」
……その小屋はホントに突然
「静かに、もう着く」
……ボクたちの目の前に現れたんだ
「よっしゃー!おっぱじめるぜーっ!!」
「「「デルフ、静かに!!!」」」
……でも緊張感が無いのはなんでなんだろう……?


―ゼロの黒魔道士―
~第十三幕~ 独りじゃない

……その廃屋は、廃屋っていうわりにはこじんまりとしてこぎれいだった
……ん~、まぁこれだったら、野宿するよりはマシだし、住めなくはないかなぁ……?
「それで?どうする?一気に燃やしでもしちゃいましょうか?」
「ちょ、ちょっとキュルケ!そしたら『破壊の肉球』までも燃えちゃうじゃないっ!ちょっとは考えなさいよっ!!」
「いや~ね、冗談じゃない♪」
「策はある」
……ずっと黙ってたタバサおねえちゃんは、ずっと考えてたらしい……
なんか、こういうの手慣れてるのかなぁ……?

……タバサおねえちゃんが地面に絵を描いて作戦を説明していく
……つまり、偵察が1人、廃屋を偵察して、フーケがいればおびきだす、いなければ探索するって作戦……
「えっと……探索してる途中でゴーレムが襲ってきたらどうしよう……?あんなに大きいのだと、小屋ごと潰されちゃうよ……?」
「探索の間は見張りを外に置く、この場合ルイズが適任」
「へ?私?」
「爆音で知らせる。発動が早い」
……確かにあの爆発だと音がすっごくよく聞こえそうだ……タバサおねえちゃん、色々考えてるんだなぁ……
「あははっ!確かに『施錠』でも爆発するんだから、発動は一瞬よね!」
「くっ……これが終わったらあんたのそのフザけたこと言う口でも『施錠』してやろうかしら!」
「いや~ん、ルイズに爆発で殺される~♪ビビちゃん助けて~♪」ギュッ
「だからあんたは毎度毎度ーっ!!」
……えーとー……もっと緊張感をもった方がいいと思うんだけどなぁ……?
「おぅおぅおぅ、娘っ子ども!ここぁ敵さんの陣中だぜっ!ちっとぁ気ぃひきしめなっ!!」
……でも、デルフに注意されるのは、なんか、違うと思っちゃうのはなんでなんだろう……?

「あの、それで――どなたが偵察を?」
……ロングビルおねえさんは……緊張してるのかなぁ……?
でも目つきがちょっと違うような……?
なんかこう……今から大仕事だ!っていうときみたいな……

「私が適任」
……タバサおねえちゃんが自ら宣言する
……うーん……やっぱり、タバサおねえちゃんがこの場では一番頼りに……いや
いけないんだ、そんなんじゃ……ボクはルイズおねえちゃんの使い魔なんだから


「よぉよぉ、相棒、ゴーレム出てきたらどーするつもりでぇ?」
……タバサおねえちゃんが偵察に向かってすぐ、デルフがヒソヒソ声で聞いてきた
「うーん……ここなら、迷惑にならないと思うし……『フレア剣』かなぁ……?」
……昨日みたいに、学院にゴーレムが密着してる状態でやったら、壁ごと壊してたかもしれないもんね……
「ゲ、やっぱアレかよ!いや、俺様輝いてる瞬間はいいのよ?でも叩きつけられる瞬間、意識飛びそうなぐれぇガッツリ衝撃がくんだけどよぉ~」
「う~ん……ボクと一緒に旅してた人と『フレア剣』は何回かやったけど……剣は全然壊れなかったし……多分大丈夫じゃないかなぁ……?」
……そういえばスタイナーおじちゃんは剣をしっかり手入れしてたっけ……それで剣があんなに丈夫だったのかなぁ……?
ボクも後で剣の手入れの仕方を調べなきゃいけないなぁ……
「お?ちょい待ち!その言い方ぁ聞き捨てなんねぇなぁ!まるで俺様がヤワに見えるみてぇじゃねぇか!」
「え?い、いやそんなことは……」
……うーん……実際、ちょっとサビサビだから気にはなってたんだけど……
「っかぁ~!相棒にそう思われるようじゃ武器の名が廃るぁ!上等でぇ!『フレア剣』だろーが『ズレタ剣』だろーが何度でも耐えてみせらぁっ!!ガンガンやりやがれ相棒っ!!」
「う、うん……き、期待するね?」
……デルフがやる気になってくれて、多分、良かったんだよね……?
……でも『ズレタ剣』かぁ……確かに、デルフってどっかずれてる気がするなぁ……

「あ、タバサからの合図よ、フーケいないって」
「じゃ、探索と、私は見張り……ちょっとキュルケ!私が見張ってあげるんだから、フザけないできっちり探索しなさいよっ!!」
……ボクとデルフが気の抜けた会話をしちゃってた間に、タバサおねえちゃんの偵察は終わってた……
うーん……ボクも緊張感がなかったのかなぁ……
「あ、それでは私は念のため、反対側の見張りを」
「え?あぁ、そうね。お願いします、ミス・ロングビル」
……ロングビルおねえさんは廃屋の向こう側の見張り、ボクとキュルケおねえちゃんとタバサおねえちゃんで探索だ
「おいおい、俺様忘れるんじゃねぇよ、相棒っ!」
……う~ん……剣がどうやって探索するんだろ……?

「しっかし埃だらけねぇ~、こんなとこ、ホントにアジトにしてたわけ?」
……テーブルの上や階段、そこら中が埃まみれになっている小屋の中、
……床だけが埃がきれいに掃除されてる……フーケって、几帳面なのかなぁ?ズボラなのかなぁ?
「あった、『破壊の肉球』」
……盗まれた『破壊の肉球』っていう宝物はあっさり棚の中から見つかった……
「何よ、アッサリ見つかるじゃない!なんかつまんな~い!」
……そのアッサリ見つかった『破壊の肉球』は……
「え!?そ、そ、それが『破壊の肉球』なのっ!?」
「そうよ?私、去年の授業で宝物庫の見学をしたときに見たそのまんまで――ビビちゃん、どうしたの?」
「おいおい、どーしたってんだ相棒?その猫の前足みてーな棒っきれがどうしたってんだ?」
……間違いない、これは、この武器は、旅の仲間が持っていたあの武器に……
……同じ種類の武器の中では最強の威力を誇るあの武器にそっくりだった……
でも……
「なんで……なんでこれがここに?」


ドォォンッ!!

外から爆音が響き渡る、それと同時に……
「危ない」
「きゃっ!?」
ゴシャァッと叩き潰すように土の塊が……巨大なゴーレムの腕が小屋の屋根を貫いたんだ……
「あ、相棒っ!」
「だ、大丈夫っ!に、逃げなきゃっ!!」
「そうねっ!『破壊の肉球』は取り返したし、任務は完了よっ!」
「戦略的撤退」
急いで小屋の出口から出るボクたち……でもそんなボクたちの目の前にあったものは……

「このぉーっ!フーケっ!!『ファイア・ボール』!!」ドォォンッ
おっきなおっきなフーケの土ゴーレムの体と……それに立ち向かう……
「このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが相手よっ!かかってきなさーいっ!!」
「ルイズおねぇちゃんっ!?な、何してるのっ!?」
ルイズおねえちゃんが、手当たり次第にゴーレムの体を爆発させてたんだ……
でも、あとからあとからゴーレムの体が治っていってしまう……まさか『リジェネ』?
「再生可能なゴーレム、手がつけられない」
「タバサの言うとおりよ!ルイズ、逃げるわよっ!!」

……キュルケおねえちゃんの言葉を聞いて、ルイズおねえちゃんが、学院長室で握りしめたよりも、ずっと、ずっときつく、杖を握りしめたんだ……
「嫌よっ!!」
「る、ルイズおねえちゃん!?」
「ちょっと、ルイズ!!あんた状況分かってんの!?」

「私は!私は貴族よっ!!!魔法が使えるだけじゃない!!相手に後ろを見せないのが貴族よ!」

……そのとき、また分かった気がしたんだ……
……ルイズおねえちゃんは、エーコに似て意地っ張りで素直になれないだけじゃないんだ……
……スタイナーおじちゃんや、ダガーおねえちゃんみたいに……『責任感』っていうのが強いんだ……
……「~として」、「~だから」……そういった言葉で、いつでも自分のなすべきことをハッキリさせてる……だけど……
……ときどき、自分自身の目指すものに、溺れそうになるんだ……
……溺れて、ボクたちが、ここにいるのに、見えなくなっちゃうんだ……
……そう、あのときのジタンも……
……だったら……ボクが言うべきことは、やるべきことは……

「……ルイズおねえちゃん、大丈夫だよ」
帽子をギュッとかぶりなおす……大丈夫だよ、ルイズおねえちゃん、怖いものなんて、何も無い……
「ビビ!?あんたは下がってなさい!こいつは、私が!!」
「だからあんたには無理だってルイズ!!いいから逃げrキャァァァッ!?」ブォォンッガキィィンッ!!
思いっきりふられたゴーレムの腕を、デルフを地面に突き立てて防ぐ
……そう、ボクのやるべきこと、それは……
「……ルイズおねえちゃん、『使い魔を見れば、メイジの力が分かる』なんだっけ……?」
「な、何よっ!い、いいからそこをどきなさいっ!!あんたも爆発に巻き込むわよっ!!」
「……それなら、ボクが……ボクが、ルイズおねえちゃんの力になる!!」
「は!?何を言って――」
「ルイズおねえちゃん!ルイズおねえちゃんは……独りじゃない、よ!!」
……ボクが、ボクらがいるんだ!!
デルフを地面から引っこ抜いて、思いっきり走る、走る、走る!
……今までのボクだったら、こんなに早く走れなかった、すぐにコケてばっかりだった……
左手の模様が、キラキラと光る……

「っかぁー!なかなかいいセリフ吐くじゃねぇかよぉ!相棒!!」
「デルフ!!意識飛んじゃうかもしれないけど、行くよっ!!」
「おう、かかってこい、だぁ!『使い手のルーン』と同じぐれぇ俺様を輝かしてみせやがれってんだ!!」
「滅びゆく肉体に暗黒神の名を刻め
         始源の炎甦らん! フレア!」シュォォォォォ
「ッヒョォ!来た来た来たぁっ!!相棒っ!狙いはついてんのかっ!?」
「足っ!!まずは動きを止めなきゃっ!!」
サラマンダーが言っていた、「どんなモンスターでも、足さえ止めりゃぁ後は壊すだけだ」って……でも……
「ち、近づけないっ!?」
ゴーレムが、腕をブンブン振ってボクの行く手をはばむ、必死に避けるしかない、ボク……
「相棒っ!魔法でっ!『フレア』ってぇのを当てちまえばいいんじゃねぇか!?」
「そ、それが……」
……やっぱりボクってうっかりしてるのかなぁ……
「う、動きながらだと狙いがつけられないっ!!」
「はぁぁぁぁっ!?じ、じゃぁ何考えなしにつっこんでやがんでぇこんちきしょぉぉっ!?ここまできちゃ引っ返すことぁできねぇぜ!?」
「ど、どうしよう……」
……考えるんだ、考えるんだ……左手の光がボクに避ける力をくれている……だから、考えるんだ!


ピコン
強制ATE ―焦りといらだち―

ルイズは、焦っていた
自分の使い魔が、
彼女に異国の寝物語をしてくれた使い魔が、
彼女に今は形にならずとも大切な言葉を話した使い魔が、
今、窮地に立たされている
「ビビぃぃぃぃっ!!!キュルケっ!!離してっ!!ビビを助けなくちゃっ!!!」
スパァンッと小気味いい平手の音がルイズの脳天に響く
それが自身の頬に打たれた戒めの楔と気づくのはその一瞬後
「いい加減にしなさいっ!!ビビちゃんは、あなたの我儘で今ピンチなのよっ!!貴族だの何だの言うなら、状況をもっと見極めなさいっ!!」
「今、彼は何とか回避できている。あなたが入れば、彼はあなたを守るためにより難しい動きを強いられる」
それが分からない彼女ではない
しかし、ただただ悔しいのだ
何もできない自分が、
爆発させることしかできない自分が、
貴族としての力を持たぬ自分が

タバサの手にする獲物が、ルイズの目に入る
マジック・アイテム?それにしては奇妙な形だ
猫の掌にも似せた布製の器が、棒の先端についた物体
しかし、冠する名前は『破壊』、ならば――
「タバサ、それ貸して!!!」
「ルイズ!?」
無理やりタバサからそれを奪い取る
使い方など分からない、でも、それでも――
「私の使い魔からっ――」
上半身を風に押される柳のごとく反らせ――
「離れなさいっっ!!!!」
棒ごと前方に投げ出す――

それは魔力の塊なのか、
はたまた使い魔に答えんとする意思の結晶か、
白き光が、集いて、押し固まり、
棒の先端の器から放たれた――

ドゴォォォォンッ

「ルイズっ!?」
「すごい貫通力」
――まったく見当違いの方向へ、ゴーレムのはるか右10メイルの位置へ

だが――

「――これなら、いける!」

――彼女は確信する

「ビビ!!あんたは……あんただって!!『独りじゃない』んだからっ!!!」

――自らの、『できること』を




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