オスマンから、他言無用とは言われたが、主でもなく、自分より強いわけでもないオスマンに彼が従うはずは無かった。
彼は確かに、この学院最強のメイジだったが、彼と言えどもメディルには、
否、この学院中の「メイジ」が束になったところでメディルには敵わない。それは事実だった。
彼は部屋に戻るなり、事の仔細をルイズに報告した。一応、他言無用と釘をさしておいたが。
「正直、私はお前の様な小娘に従うのは不本意だった。だが、お前のお陰で私は他の魔術師が成し得なかった偉業を達成することが出来たのだ。
礼を言うぞ、ルイズ。」
メディルは件の書が解読出来た事によって、相当寛大な気分になっていた。
「そ、そんな・・・私は只・・・」
「謙遜することは無い。これからはかつての主君に仕える心構えで、お前に尽くすことを約束しよう。」
「そ・・・そう・・・これからもよろしく・・・」
正直、ルイズは彼の豹変振りに若干引いていた。
サモン・サーヴァントによって呼び出された者は多少、主に対し友好的になると言うが、
いかに長年解けなかった謎が解けたとはいえ・・・ひょっとしたらこれが彼の素なのかもしれない。
「あ、そうそう明日は品評会があるんだけど・・・何かいいアイデアはある?」
「品評会?」珍しく首をかしげる使い魔に、ルイズは説明する。
「毎年恒例のイベントよ。生徒が召還した使い魔をこの国の姫様と学院中にお披露目する・・・と言うね。」
「ふむ、それならば本番までに獣の骨を用意してくれないか?おそらく珍しい物を見せてやれるはずだ。」
「獣の骨ね。それならば厨房へ行けば鳥や豚の骨がいくらでもあるはずよ。持ってくるわね。」
何に使うか想像は出来なかったが、きっと物凄い事をやってのけるに違いない。
ルイズのそれは、予想でも過信でもない、確信だった。
彼は確かに、この学院最強のメイジだったが、彼と言えどもメディルには、
否、この学院中の「メイジ」が束になったところでメディルには敵わない。それは事実だった。
彼は部屋に戻るなり、事の仔細をルイズに報告した。一応、他言無用と釘をさしておいたが。
「正直、私はお前の様な小娘に従うのは不本意だった。だが、お前のお陰で私は他の魔術師が成し得なかった偉業を達成することが出来たのだ。
礼を言うぞ、ルイズ。」
メディルは件の書が解読出来た事によって、相当寛大な気分になっていた。
「そ、そんな・・・私は只・・・」
「謙遜することは無い。これからはかつての主君に仕える心構えで、お前に尽くすことを約束しよう。」
「そ・・・そう・・・これからもよろしく・・・」
正直、ルイズは彼の豹変振りに若干引いていた。
サモン・サーヴァントによって呼び出された者は多少、主に対し友好的になると言うが、
いかに長年解けなかった謎が解けたとはいえ・・・ひょっとしたらこれが彼の素なのかもしれない。
「あ、そうそう明日は品評会があるんだけど・・・何かいいアイデアはある?」
「品評会?」珍しく首をかしげる使い魔に、ルイズは説明する。
「毎年恒例のイベントよ。生徒が召還した使い魔をこの国の姫様と学院中にお披露目する・・・と言うね。」
「ふむ、それならば本番までに獣の骨を用意してくれないか?おそらく珍しい物を見せてやれるはずだ。」
「獣の骨ね。それならば厨房へ行けば鳥や豚の骨がいくらでもあるはずよ。持ってくるわね。」
何に使うか想像は出来なかったが、きっと物凄い事をやってのけるに違いない。
ルイズのそれは、予想でも過信でもない、確信だった。
翌日、メディルは自分の番が来るまで、ずっとあの巻物を読んでいた。
そして品評会の締め括り・・・いよいよメディルの番が訪れた。
そして品評会の締め括り・・・いよいよメディルの番が訪れた。
「皆様、これにございますは鳥や豚といった動物の骨でございます。」
普段とは明らかに異なる芝居がかった口上と共に、メディルは壇上にルイズが厨房から持ってきた骨を並べた。
「それでは皆様、ご一緒にカウントダウンをお願いいたします・・・」
3・・・
2・・・ゴクリ・・・
1・・・客席の生徒や教師、アンリエッタ姫を筆頭とするトリステイン政府関係者、そして彼の主に緊張が走る。
2・・・ゴクリ・・・
1・・・客席の生徒や教師、アンリエッタ姫を筆頭とするトリステイン政府関係者、そして彼の主に緊張が走る。
「ザオリク!!」
客席から驚きの声が次々と上がった。
壇上の骨が浮かび、元の骨格を復元していき、やがて臓器や神経が生成され、骨だった動物達は元の姿に戻り、文字通り生き返ったのだ。
会場からは嵐、否あらゆる天変地異を同時に起こしたような拍手が送られ、当然のごとく、全ての賞はメディルに送られることとなった。
壇上の骨が浮かび、元の骨格を復元していき、やがて臓器や神経が生成され、骨だった動物達は元の姿に戻り、文字通り生き返ったのだ。
会場からは嵐、否あらゆる天変地異を同時に起こしたような拍手が送られ、当然のごとく、全ての賞はメディルに送られることとなった。
そして無事、品評会が終了し、二人は部屋へと戻った。
「凄いじゃないメディル!!死んだものを生き返らせるなんて。」ルイズがメディルの知る限り、最高の笑顔を浮かべながら彼の功績を褒める。
「賞賛には及ばぬ。通常ザオリクは下級の魔物や一部の人間、それにさっきの様な動物にしか効果を発揮しないのだ。」
「それでも十分凄いわよ!!」
コッコンコンコン・・・コンココン
突如、部屋に奇妙なノックが響いた。まるで何かの暗号のようだ。
「何だこの奇妙なノックは・・・?」
「まさか・・・このノックは・・・」
何か思い当たる節があったのか、扉を開けたルイズが、満面の笑みを浮かべる。
「やっぱり・・・」
そこには黒いショートヘアの見目麗しき気品溢れる女性―
品評会にも出席していた、アンリエッタ姫殿下その人であった。
「賞賛には及ばぬ。通常ザオリクは下級の魔物や一部の人間、それにさっきの様な動物にしか効果を発揮しないのだ。」
「それでも十分凄いわよ!!」
コッコンコンコン・・・コンココン
突如、部屋に奇妙なノックが響いた。まるで何かの暗号のようだ。
「何だこの奇妙なノックは・・・?」
「まさか・・・このノックは・・・」
何か思い当たる節があったのか、扉を開けたルイズが、満面の笑みを浮かべる。
「やっぱり・・・」
そこには黒いショートヘアの見目麗しき気品溢れる女性―
品評会にも出席していた、アンリエッタ姫殿下その人であった。
「久しぶりね。ルイズ」