あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

使い魔カタストロフ!!

【メイジと使い魔が織り成す大河メルヒェンファンタジー
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの聖戦
 虚無の担い手・伝説の使い魔】

暗黒の時代――虚無の担い手がついに誕生し世界は戦乱の渦へと呑み込まれた……。
だが!
そんなある日、混沌の闇の中より新たな光を求め、一人のメイジが立ち上がったのだ!!


――という英雄物語を夢見たりしていたルイズが、いよいよサモン・サーヴァントしちゃいます。



     使い魔カタストロフ!!
   (実は↑がホントのタイトルです)



第1話 これがルイズの使い魔だ!

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール!
 五つの力を司るペンタゴン! 我の運命に従いし"使い魔"を召喚せよ!」
幾度かの失敗のあと、ルイズは今度こそという気持ちでサモン・サーヴァントを唱えた。
するとそれに応えるように、彼女の前に銀光の鏡が現れる。
他の生徒達が使い魔を呼び出した時に現れたものと同じ、まさしくゲートであった。

――や、やった!

杖を握る手にぎゅぎゅっと力がこもる。
苦節16年。
ついにルイズはやりました、魔法を成功させました。
ルイズの様子を笑いながら見ていた生徒達は、予想外の事態に静まり返る。
いやまさかそんなどうして"ゼロのルイズ"の魔法が成功しているのさ。
しかし、彼等はすぐに思い直した。
ゼロのルイズがいったい何を召喚するのか?
それはきっと、すでにこの場に召喚された使い魔のどれよりも劣るものに違いない。
嘲笑の準備が完了した。
さあ出て来い! ゲテモノ使い魔!
ルイズと他の生徒達、正反対の期待を高めながらゲートを潜り抜けてくる影を凝視する。


それは人の姿をしていた。
胴体から手足が生え、頭部にはフサフサの髪もある。
シルエットから女性だろうと判別できるのは、球体の如きたわわな胸。

しかしそれは人間ではない。
人間であるはずがない。
そもそも人間が使い魔として召喚された事例など、学院の教師達ですら聞いた事がない。
そしてそれはまさしく人間ではなかった。

人間というには小さすぎた。
人間の頭よりちょっと小さいくらいの身長。
そして頭部から生える一対の触角、噂に聞くエルフの如く伸びた耳。
さらに特徴的なのは、彼女の背中から生えるアゲハチョウの翅。

「妖……精……?」

ルイズが呟いたその単語こそ、まさにその少女を形容するに相応しいものだろう。
赤い髪に青の服に身を包んだその妖精は、まるで可憐な花のような美しさを感じさせた。

驚きが広がる。
あのルイズが妖精を召喚した? しかもすごく可愛いぞ。馬鹿な、ありえない。
逆に、ルイズは歓喜に打ち震えていた。
亜人が召喚される――というケースも聞いた事はない。
しかし妖精といえば基本的に物語の中に出てくる存在で、その姿を目撃した者は少ない。
そんな希少価値の高い妖精が自分の使い魔になるだなんて、何という幸福だろう!

「……あなたが私を召喚したご主人様?」
愛らしい声色で妖精は問い、ルイズは満面の笑みで答える。
「そ、そうよ。私があなたを召喚したの。さっそくだけど契約してもらうわ」
「はい、ご主人様」
可愛くて従順――ルイズは心の中でガッツポーズ。
今日から真ルイズ・フランソワーズのメイジ物語が始まるのだ。
明日からはきっと系統魔法だって成功しちゃったりして、家族も諸手を上げて大喜び!
長き冬が終わり、永久に続く春が訪れたと確信する。

――始祖ブリミルよ、ありがとうございます。

感謝の祈りを捧げたルイズは、コホンと咳払いをしてから詠唱を始める。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
 五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
ルイズの小さな唇が、さらに小さな妖精の唇に重ねられる。
すると妖精の胸元が輝きだした。
「キャッ……いたたたたっ!」
「お、落ち着いて、大丈夫よ。使い魔のルーンが刻まれてるだけだから、すぐ終わるは」
「……本当だ、もうおさまった。でもこんな所に刻まれなくても……」
妖精とはいえやはり女の子。
ルーンは上から覗き見る事ができる部分の乳房にくっきりと刻まれている。
ともかく、これで二人は正真正銘コントラクト・サーヴァントを終えたのだ。



「ふーむ、珍しいルーンだ。スケッチしておこう」
と、二人の間に顔を突っ込んでくる教師コルベール。
彼は妖精の乳房をまじまじと見つめながらスケッチを書き……。
「い、いやー!!」
妖精は恐怖とおぞましさのあまり、全身を輝かせると、コルベールに閃光を浴びせた。
「どわー!」
哀れコルベールはこんがり焼けて地面に倒れてしまった。
そして、召喚し契約したばかりの妖精も――。

「ちょ、ちょっと!? どうしたの、ねえ、大丈夫!?」
「も、申し訳ありません……あれが私にできる唯一の攻撃、自らの生命力と引き換えに――」
「そ、そんな! せっかく、せっかく召喚したのに!」
もうルイズはパニック状態だ。幸福の絶頂からいきなりどん底に叩き落されてしまった。
コルベールのセクハラに対する怒りが介入する余地がないほど混乱し、絶望している。

また新しい使い魔を召喚すればいい、だなんてルイズには思えない。
魔法が成功した喜びを、召喚できた喜びを、契約できた喜びを、
初めて分かち合った相手こそまだ名前も聞いていない使い魔の妖精なのだから。
まだ出逢って数分も経っていないけれど、ルイズにとってはもう、かけがえのない存在。
あまりにも早すぎる別れ――。
「で、でも安心してください。妖精は一生のうち、6回生まれ変わるの。
 それがちょっと早くなっただけですわ……。
 それより……ご主人様、私が召喚の呼びかけに応えたのはあなたの力になるため……。
 漠然とだけと感じるの、あなたの未来に待ち受ける数多の試練、数多の死闘が……」
「え、ええっ!?」
「さあ、涙を拭いて……私は大丈夫ですから……どんな苦難にも負けないでください」
「わ、解った。試練だろうが死闘だろうが、私、負けないから……しっかりして!」
情に流されて、勢いで言ってしまっているのだとルイズは自覚していない。
けれど、一度口にした言葉、それを破れるルイズではない。
だからこの約束と決意は、絶対に破れる事はないだろう。
「……よかった」
妖精は安堵の笑みを漏らすと、再びその身体を発光させる。

「私は今! 新たなる希望を得て究極の妖精へと生まれ変わります!!
 そして……ご主人様と共にすべてを懸けて戦いましょう!!」

光はさらに強まり、ルイズの視界が白に染まる。
これが、妖精の生まれ変わり……究極の妖精への進化……。
ある種の感動がルイズの胸中で渦巻いた。
そして、光が消え去ると同時に妖精の姿が変化する。

――私達の物語は、今度こそ真の始まりを――

「あらよーっと!」
ぽよ~ん、と気の抜けるような音を立てて現れたその姿、宙に浮くフグだった。
魚介類のフグだった。
毒があるというフグだった。
丸くふくらんでいるフグだった。
「あ~身も心もすっきり」
打って変わって軽い口調のフグ。さっきまでの可憐さなど微塵も残っていない。
「あ、あ、あ……」
あまりの落差に、ルイズは世界がガラガラと崩れて行くかのような錯覚を感じた。
何かの間違いであって欲しい。
けれどフグの胸、というか口の下あたりには使い魔のルーンがくっきりと。
「可愛らしい妖精が……私の使い魔が……ふぐ……フグ……河豚……」
「何を失敬な」
むっとした表情を浮かべたあと、フグは自慢げな表情で解説する。
「あっし達妖精は成長に応じて姿や名前が変わるんでやんす!」

 ナターシャ
  ↓
 ヴィヴィアン
  ↓
 カトリーヌ
  ↓
 ステファニー
  ↓
【究極の妖精 ハチ】

「強く美しく成熟したあっしはアネさんの心強いパートナーとして――」
もう何も聞こえない。
外見どころか性格まで変わり果ててしまった己の使い魔を前に、茫然自失のルイズ。
コントのような出来事を一部始終見ていた生徒達も、あまりの不憫さに何も言えないでいる。


こうして――。
ゼロのルイズと究極の妖精ハチによる英雄物語が――始まるのか?


オマケ ルイズの疑問
「ちょっとハチ。あんたついさっきまで女の子だったわよね? 今はどう見ても(人格が)男なんだけど」
「なーに、自然界じゃよくある事でやすよ!
 魚でもクロダイやベラなんかも成長に合わせてメスからオスへ性転換するでやしょ?」
「やっぱり魚介類か……」
「その証拠にホレ!」

ハチは白子を見せた。
魔法学院に爆音が響いた。

   ど完



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