あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

お散歩ルイズ

数十回目の失敗をした私はクラスメイトにまた馬鹿にされた。
何で私の魔法は失敗なの?
何で私の魔法が成功しないの?
何で私は使い魔が呼び出せないの?

もうサモン・サーバントは唱え飽きた。
それでも、私は成功を祈って唱える。
たとえ周りから馬鹿にされても、たとえ何千、何万と失敗したとしても。
クラスメイトが付き合ってられないと一人、また一人と帰っていく。
そして、半分ほど居なくなった。
でも、私は諦めない。
本当に私が魔法が使えないとしても。
だって私は……貴族だから。

そして、唱えた魔法。
いつもより大きな爆発とともに、辺りに砂煙が広がる。
その中心に見える影。
ついに私は……。
影に駆け寄り、使い魔の姿を確認する。
なんでもいい。
猫、犬、鳥、もう贅沢は言わない。
たとえそれが見るに耐えないものだったとしても。

使い魔は鉄の色をしていた。
液体が水溜りのように地面に広がっている。
その液体からふつふつと泡が立ち上っては消えていく。
水溜りの中心に膨らんだ場所があり、そこに目と口がついている。
こんな生物見たこと無い。
でも、私が召還した使い魔だ。

その使い魔に、
コンタクト・サーバントをしようと、
顔を近づけたとき、
使い魔は、



逃げ出した!





ゼロのルイズがドラゴンクエスト3より、はぐれメタルを召還して逃げられました?




使い魔は目にも止まらぬ速さで去っていった。
気が付いた時には目の前から消えうせていた。
私は唖然とした。
コンタクト・サーバントの前に使い魔が逃げ出すなんて聞いたことがない。

ちょうどその時、砂煙が晴れていった。

「おい! 見ろよ! また失敗だぜ!」
「さすがゼロだな! 砂煙が大量に上がったからまさかと思ったけどね」

ぼうっと呆けていた私はその言葉に目を細める。
そうか。
砂煙で私が召還した使い魔がみんなに見られていないのか。
ああ、また最初からだ。
成功したと思った喜びから、失敗という絶望に変わる。
ついに成功したのに、誰にも認められず、誰にも理解されない。
目から涙があふれそうになるのを必死にこらえて、目を落とす。
すると、さっきまで使い魔が居た場所に袋が落ちている。
さっきは無かったと思ったのだが……?

袋をあさると中から金色の宝石で彩られた靴がでてきた。
これは、あの使い魔の落し物?

「おお! ゼロが靴を召還したぞ!」
「まさか生き物ですらないとは!」

ッ……!
このままではこの靴が私の使い魔となってしまう。

「先生! もう一度コンタクト・サーバントをさせてください!」
「ミス。それはだめだ。これは神聖な儀式です。やり直すことはできません」

手遅れだった。
そして私は……靴とキスをした。
先生がコンタクト・サーバントを認めた後、私の額が焼けるように熱くなった。

「いたぁぁぁあ!」

そして、ルーンが私に刻まれた。



私は部屋に戻った。
使い魔の入った袋をベットの上に投げ出す。
鏡を見ると額についたルーンが目に入る。
泣きたいのをこらえる。
ああ、私は何か間違ったことをしたのでしょうか。

外へと目を向けようとして、袋が目に入った。
袋から取り出した靴を手に取った瞬間、私は額が熱くなるのを感じた。
そして頭の中にその靴の情報が流れ込んできた。

装飾
しあわせのくつ
装備して歩くと経験値が上がる

びっくりして靴から手を離してしまった。
おそるおそる手でまた靴をつかむと、同じ情報が流れ込んできた。
……経験値ってなに?


朝、私はいつも通りに目を覚ます。
髪を手入れし、服を着て、いつもの靴を履こうとした。
そして、ふと思った。
あの靴を履いてみよう、と。

靴を取り出した。
よく見るとこの靴は黄金でできている。
さらにこの靴に使われているたくさんの宝石は、靴の黄金に負けないと言わんばかりに光を放っている。
こんな靴見たことが無い。
靴を履くとまるで靴が足に合わせて設計されたかのようにサイズがぴったりだ。
すこし、気分が晴れた。
使い魔に逃げられた時には絶望したが、何も無かったよりましかもしれない。

部屋の中を歩き回ってみる。
何も起こらない。
経験値ってなんなんだろう。
外が騒がしくなってきた。
そろそろ朝食の時間なので外へ出ようと歩き出した時、急に体が軽くなった。
あまりにも急だったので驚いた。
気のせいだと言われればそうだと思ってしまう。
それほど微妙な変化。
しかし、ルイズは気が付いた。
まさか……靴?


授業は退屈なものでしかなかった。
早くこの靴の効果を確かめるために歩き回りたい。
そして長い授業が終わり、急いで外へと向かう。
学校の敷地に沿って歩きだす。
すると、また体が軽くなった気がした。
さらに授業中に溜まった疲れが一気にとれた。
気分がよくなり、また私は歩き出す。
学校の敷地を沿うように、1周、2周と。
そのうちまた体が軽くなった。
これは……本物だ。
これはもしかすると本当にすごいことかもしれない。

歩くのも飽きたので自分の部屋に帰ることにする。
女子寮への長い階段。
いつもは上がるだけで疲れていた。
しかし、今は違う。
あれだけ歩いた後、この階段を上がっても疲れない。

次の日、私はいつもより早く起きた。
靴を履き、外に出て行く。
そして、また敷地に沿って歩き出した。
朝に散歩するのは気持ちがいい。
しかし、学校の敷地に沿って何回も回っていると、朝早くから起きているメイドからの視線が痛い。
明日からは別の場所を散歩することにしよう。






そうしてたくさんの年が過ぎた。
散歩をすることで知り合ったメイドのために、ギーシュと戦ったり。
盗まれた破壊の杖を取り戻すために土くれのフーケと戦ったり。
アルビオンの戦争に巻き込まれたり。
虚無の魔法を覚えたり。
7万の軍隊と戦ったり。
エルフの女の子が瀕死になった私を助けてくれたり。
聖地奪還のためにエルフと戦ったり。
そして、いつも私はこの幸せの靴を履き、毎日歩いた。
体力もついた。
魔法力だって、足の速さも早くなった。

今、私はこの魔法学校の教師をしている。
私の二つ名は「お散歩」
このハルケギニアに私のことを知らない人はいないだろう。
ガサガサと動く茂みの向こう。
そこに一瞬だけ見えた鉄の色をした水溜り。
よく見ようと目を凝らした時にはもうなかった。
私は思わず笑みがこぼれた。
遠くから生徒が走り寄ってくるのが見える。

「先生!」
「なぁに?」
「どうしたら先生みたいにすごいメイジになれるの?」
「ふふ……それはね……」


お散歩ルイズ 終



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