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ゼロの黒魔道士-08


…ボクは困ってた…ものすっごく困ってたんだ…
「ツェルプストー!!!いい加減に離しなさいっ!!!」
…どうすればいいんだろう…
「あらぁ、いいじゃな~い、ビビちゃんだって、あんたのその緊縮財政な体より、こっちの方が絶対いいわよ?ねぇ?」
…あのホントにボク…そんなに抱きしめられても…
「苦しそう」
…息ができないんだけど!!!


―ゼロの黒魔道士―
~第八幕~ ビビ、まだまだがんばる



…色んなことがあった一日が終わって…
…また朝日が昇ったんだ…

「ん~…洗濯に行かないと…」
…ルイズおねえちゃんはよく寝てる…昨晩は「それで?それで?」とボクの話をせがんだんだ…
…ちょっと、子供みたいだなぁと思って笑ってしまう
…やっぱり、ルイズおねえちゃんの使い魔になって良かったなぁと思うんだ…

「あ、ビビ様、おはようございます…」
「あ、シエスタ、おはよ…どうしたの?」
…洗濯場にはもうシエスタがいた…いつも早いなぁ…でもなんか様子が変だったんだ…
「ビビ様…メイジ様だったんですね…」
…あ、そっか…
「え、う、う、うん…で、でもでも、ぼ、ボクは貴族じゃないよ?」
…こっちでは魔法が使えるってことが貴族ってことなんだ…昨日オスマン先生に聞いたっけ…
「え?貴族じゃない…?ホントですか?」
「う、うん…ぼ、ボクはその…東方ってとこから来た…みたい…」
…昨日の打ち合わせ通り嘘をつく…うーん…こういう嘘ってやっぱり苦手だ…
「まぁ、ロバ・アル・カリイエから!?」
「う、うん…だ、だから…その…貴族じゃないから…『様』とかそういうのは…」
…こっちじゃあまり魔法って使わない方が良さそうだなぁ…
「… …フフッ、分かりました。それじゃビビ『さん』、今日もお洗濯、がんばりましょうか?」
「う、うん!がんばる!」
あ、良かった…うん、やっぱり笑顔の方が、うれしいもんね…?

「ルイズおねえちゃん…朝だよ?起きてよー?」
ゆさゆさとベッドをゆする…なかなか起きてくれない…うーん…ホントに子供みたいだなぁ…
…うーん…どうしよう…

 …
  …しょうがない…
一回おもいっきりベッドから離れる…
とんとんっと靴を整えて、しっかり帽子をかぶりなおす…
「…よしっ!」
…カバオ君と競争したときを思い出して…おもいっきり…
トトトトトトトトトトトトトトッ タンッ ドサッ
「ごふっ!?」
「あ、ルイズおねえちゃん、起きた…?」ベシッ「あいたっ!?」
「あ、あんたねぇ、もうちょっと大人しく起こせないのっ!?」
「うー…だって…気持ち良さそうに寝てたから…」
「あのねぇ…今度からは物理的な手段以外で起こしなさいっ!いいわねっ!?」
「う、うん…」
…うーん…サンダーとかで起こしたら、怪我しないかなぁ…?

「おーう、来たな!『我らがとんがり帽子』!」
「おはようございまーす…え?わ、われらのとんがりぼうし!?」
厨房に入るなり(ルイズおねえちゃんの支度に手間取っちゃったから、結構遅くなったんだ)、マルトーおじちゃんがそう声をかけてきたんだ…
「生意気な貴族をとっちめてくれたんだっ!異国のメイジとはいえ平民なんだろ?シエスタに聞いたぜ?」
…こっちの貴族って、平民って人たちと仲がやっぱり悪いのかなぁ…?
うーん…でもトレノの貴族の人たちもあまりいい印象が無いから、しょうがないのかもしれないなぁ…
「う、うん…で、でも『我らのとんがり帽子』って…うわっ、テーブルの上がすごいけど、今日はお祭りでもあるの?」
「ダハハハハハ!!ある意味お祭りだな!!ホントは昨日の晩にやるつもりだったんだが、昨日夕飯食いに来なかったろ?だから、今から、お前さんの勝利を祝って宴を開催するぞっ!『我らのとんがり帽子』っ」
…えーとー…な、なんかすっごい盛り上がってる…ホント、どうしよう…

ク~キュルルル

…うーん…でもお腹がすいてるのは確かだよね…こういうのを『体は正直』って言うのかなぁ…?
「じゃ、じゃお願いします…」
「ははっ!かしこまんなって、『我らのとんがり帽子』!おーい、ワインもってこいっ!」


…うぅ…朝から食べ過ぎた…ちょっと気分が悪いや…
でも残したらおじいちゃんが「もったいないアルヨ~!!」って化けて出てきそうだったし…
「ビビ~!遅かったわねぇ?どうしたの?…フラフラだけど、まだ昨日のケガ?大丈夫?」
「…なんでもないよ…うん、だいじょうぶ、だいじょうぶ…」
「そう?…まぁ、いいわ、使い魔をしっかり管理できない貴族って言われるのも嫌だし、ちゃんと言うのよ?」
「は、は~い…」
…今日は、あまり、動かないようにしよっと…

「あ、きたきた!ビビちゃ~ん!!」
「げ、ツェルプストー…」
…教室に行くと、キュルケおねえちゃんが手をふってきた…
今日は隣にいるのは男の子たちじゃなくて青い髪のメガネの女の子だった…
「お、おはよう、キュルケおねえt「こんなヤツに挨拶しなくていいわよ、ビビっ!」う、え、え、え?」
…なんか、ルイズおねえちゃんの目が怖い…
「も~つれないわねぇ、ヴァリエール…私、昨日の試合ですっごく感動しちゃったんだから!!」
…なんか、キュルケおねえちゃんの手が怖い…ワキワキ動いてる…
「1度に7体のゴーレムをっ!しかもすっごい雷でっ!しかもその魔法の使い手が…あ~ん!こんなにかわいらしい子なんて~!」ギュムッ
「わぁぁぁぁっ!?」
「ちょ、つ、ツェルプストー、人の使い魔に勝手に抱きつかないでっ!離れ、離れなさいっ!!」
グイグイとルイズおねえちゃんが引っ張る…首の辺りを…
「いいじゃない、こんなお人形さんみたいな可愛い子っ…あ~ん、このまま連れて帰っちゃおうかしらっ!『微熱』がうずきまくりだわ~っ!ね、いいわよね、ビビちゃんっ!」」
「は・な・し・な・さーいっ!!!」
…正直…息ができなくなるぐらい…苦しかった…

「…ケホケホ…」
「ゴッメンなさいね~、ほら、『微熱は急に止まらない』って言うでしょ?」
「言わないわよっ!!全く、人のマントは燃やすわ、人の使い魔を殺しかけるわ、ゲルマニアの女って最っ低っ!!」
…えーと…ルイズおねえちゃんも首絞めたりしてたんだけどなぁ…
「…大丈夫?」
「あ、う、うん…ありがとう…えーと…」
青い髪のメガネの子が話しかけてきたんだ…
「タバサ」
「え?」
「タバサ」
…あ、名前、かな…?
「タバサおねえちゃん…?あ、ボク、ビビって言います…よろしくお願いします…」
「知ってる」
…タバサおねえちゃんがずずいっと顔を寄せてくる…う…な、なんなんだろ…?
「聞かせて」
「え、な、何を…?」
…思わず後ずさる…なんだろ、キュルケおねえちゃんとかとまた全然違う迫力だなぁ…
「昨日の続き」
「き、昨日?」
…昨日って…タバサお姉ちゃんに会ってないよね…?
「…あなたの世界の話」
「!?!?あ、あんた何でそのことをっ!!」
キュルケおねえちゃんと言い争ってたルイズおねえちゃんが慌ててこっちを向く
「あ、ちなみに私も知ってるわよ~」
「え、ど、どういうことっ!?」
「ホラ、あの試合で私、すっごい感動しちゃったでしょ?」
…うーん…感動しちゃったんだ…そうなのか…なぁ…?
「で、その後すぐに抱き締めに行きたかったんだけど、そこのヴァリエールと一緒に学院長室に行っちゃったでしょ?しかもその後思いつめたような表情してたし…」
…話がどこに行くのかよく分からないなぁ…?
「で、気になっちゃって~…殿方達の誘いをぜんっぶキャンセルして、こっそり聞いてたってワケ♪」
…こっそり…って…え?え?
「えぇぇぇぇっ!?あ、あんた、まさかっ!!と、盗聴してたってわけっ!?」
「あぁん、聞き覚えが悪いわねぇ…ちょちょーっと何話てるかなーって気になって、タバサに頼んでー、風魔法をちょいちょいーっとやってー、聞いてたーってだけよー♪この子もビビちゃんのこと気になってたみたいだし、ね♪」
「興味津津」
…こっちの魔法って、ホント便利だなぁ…
「ななななななな!!き、貴族にあるまじきマナー違反よっ!!最低っ!!最っ低っ!!」
「ごーめーん♪…でも、まさかおとぎ話に出るみたいな冒険をしていた子なんてねぇ…」
「あ、あんたたちどこまで…」
「えーと、ビビちゃんが『…ルイズおねえちゃん?もう寝たの…?ふぅ…子供みたいだなぁ…』って言ったところまでかしら?」
…う…そこまで聞かれてたんだ…恥ずかしくて、帽子をさらにぎゅーっと深くかぶった…
「…行為については謝罪する、ゴメン」
「う…だ、黙ってなさいよっ!オールド・オスマンにも秘密にしておけって言われてるんだからっ!!それで貸し借り無しなんだからっ!!」
「あら、ラッキーね♪」
「ツェルプストー、あんたはマントの件もあるからダメっ!!」
「え~、ケチ~」
「ケチじゃないっ!」

「あのー…そろそろ授業なんですが…静かにしてもらえませんかねぇ?」
…コルベール先生が教室に入ってきて…こっちを見て注意する…
…なんか…ゴメンなさい…
「は~い、分かりました~!  ビビちゃん、授業終わったら、昨日の続きお願いね♪」
「こ、こらツェルプストー、あたしの許可なく…」
「あら、だってお話の盗賊様、すっごいかっこ良かったんですもの♪私も誘拐された~い♪」
「あ、あんたねぇ…「ミス・ヴァリエール?授業を始めても?」す、すみませんっ!!」
…キュルケおねえちゃん、ルイズおねえちゃんと仲がいいのかなぁ…?
「…私にも、聞かせて」
「え、う、うん…」
タバサおねえちゃんからも頼まれちゃった…

…ん~…
「大体ねぇ、人の使い魔に対して…」
「いいじゃな~い、固いこと言いっこなしよー」
「自由意思尊重」
…うん、きっと、この三人…
…友達、なんだよね?
…なんか…いいなって思うんだ、こういうの…

「…あのー、授業、ちゃんと聞いてください…」



ピコン
~おまけ~

ATE ―チェス・ゲーム―


昼下がり、チェス盤を挟んだ二人の男

「…それで?どういうつもりだったんだい?」

銀髪の男が白いポーンを進める
捨て駒のつもりだろうが見え透いている
だがそれすらも罠かもしれない

「どういうつもりか?とは何かな、余のミョズニトニルンよ」

青金髪の男が眉をあげる
見え透いた罠でも結構、
とばかりに黒のルークが取りに行く

「それだよ、『余のミョズニトニルン』…ご自身が『虚無』というのは秘密だったのでは?」

反対方向に白のナイトが躍り出る
おそらく陽動だろう

「由来は言っているぞ?『主であるアルビオン王家に連なる末席の者を殺し、ガリア王のところに亡命してきた使い魔』…親しい者に送る、いつもの由来だ」

ニヤリと笑った男がクイーンを動かしナイトを奪う
いつでも来いと城門を広げる

「…なるほど、あのエルフは『親しい者』、と…まったく、危険な嘘を重ねるね。『虚無』ではなく『虚言』の使い手じゃないかい?」

だがその城門にはまだ飛び込まない
ポーンを地道に1歩進ませる

「そんなに重ねたか?えーと、『熱心なブリミル教徒』、『魔法が不得意な無能王』、『異国のメイジを預かる男』、『信愛なるエルフに協力する蛮族』、『クーデターの黒幕』…」

指折り数えながら黒のルークを引き戻す
実に楽しげだ

「やれやれ…その実『野心をもった舞台演出家』だからねぇ…始末に終えないよ…あぁ、そうそう、その演出家様に報告があったんだ」

別のポーンがまた進む
ビショップがルークを狙う形になる

「ほう?アルビオンの雑兵共が何かやらかしたか?…チェックだ」

黒いナイトが躍り出る

「いやいや…先ほどの『主であるアルビオン王家に連なる末席の者』…舞台にはあがってないものの、実在しているようでねぇ…」

クイーンがナイトを蹴散らした

「おいおい…俺の嘘がバレるというのか?」

それでも楽しそうに、
黒のビショップが無謀な位置へ

「あぁ、何でも『物忘れがひどくなる森』がサウスゴータにあるそうでね、何人かの傭兵が任務も忘れて戻ってきてしまったそうだ…この局面でそれは無謀すぎないかい?」

隙間を縫って、クイーンが玉座に迫り来る

「ほう、どうやら『虚無』の駒は早々に揃いそうだな…いやなに、俺はビショップ(僧侶)が昔から嫌いでね…」

その僧侶をしてキングの前への壁とする

「舞台演出家としては、どう盛り上げたいんだい?このまま綱渡りの芝居を続けるつもりは無いんだろ?…チェック」

クイーンがビショップの命を奪う

「さてね、『神の頭脳』の主が2人いたら問題だしなぁ…どっちを主にしたい、お前は?」

眉間に皺をよせつつもなお楽しげに、
クイーンがクイーンを蹴散らしこちらの顔を伺う

…『殺せ』ということか…

「残酷な王様だ…傭兵でも使いましょうか?アルビオンでの本命には少々お待ちいただいて…チェック・メイト」

白のビショップがキングの命を取りにきた

「…なぁ、クジャよ…実際のチェスならば…奪った駒を使ってはならぬってルールは無いだろ?」

楽しげに、実に楽しげに
白の女王が再び盤上へ
チェック・メイトが崩れ去る

「…なるほどね…どっちの駒を奪おうか?トリステインか、アルビオンか…」

苦笑を浮かべて銀髪の男が席を立つ
まったく、とんだチェスだ
ルールも何もありやしない

「アルビオンの幕が閉じた後で十分だ。何より、二つの駒がどう動くか見極めんとな…それと…」

チェック・メイトをかけていた白のビショップをつまみあげる

「…生臭坊主どもがどう動くか、見てやろうじゃないか…」

「…ご随意に、陛下。それでは、『神の頭脳』は『殺したはずの主』探しにアルビオンに戻りましょう…」

優雅な一礼をする男
…かつては武器商人として知られガイアを混乱へと導いた男…

「エルフ共は俺が相手しておいてやるから気にするな。まぁまだ盤面にはお出にならないだろうがな…」

チェスの駒を自ら片付ける王
…そう、チェスを始めるのも、片付けるのも、いつも彼自身なのだ…

「それでは、最高の舞台を…」
「あぁ、至高の遊戯を…」

チェスの試合は、まだはじまったばかりだ…



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