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虚無使いと少年

 少年平賀才人は、大雨が降りしきる中1人巨大魚怪獣ムルチから逃げ惑っていた。
 その時彼を助けたのは、薄桃色の髪を持つ少女ルイズ・ヴァリエールだった。
 ルイズは魔法でムルチを地底深く封印してしまう。

 それから1年後、とある工場の傍の空き地。廃墟に住む才人は無心で穴を掘り続けている。
 それを遠くから眺めている3人の学生。
「……あれが宇宙人なのかな」
「子供に化けているんだって」
 気障な金髪少年を先頭に、学生達は才人に接近していく。
「おい、お前どっから来たんだよ」
「おい、何とか言えよ」
「仕事の邪魔だ、帰れよ」
 才人の言葉に耳を貸さず廃墟に向かう小太りの少年。
「やめろ! 2階に行くな!」
「うるせえ!」
 無理やり2階に行こうとした時、謎の爆発が発生し小太りの少年は階段から転げ落ちる。
 それでも学生達に懲りた様子はまったく無く、
「あいつが宇宙人ならいろんな事ができるはずだ」
 と言い、首だけ出して穴に埋めた才人に泥水をかけていじめ始める。
 いじめがさらにエスカレートして学生達が自転車で才人を轢こうとした時、MAT隊員・郷秀樹が来て学生達を止める。
「どうしてこんな酷い事をするんだ?」
「こいつ宇宙人なんだ。だからやっつけてるんだよ」
「彼が宇宙人というのは単なる噂だろう?」
「違う。超能力持ってんだ、間違い無く宇宙人だよ!」
「あんたMATなんだろう? 早くやっつけてくれよ」
「彼の事は俺が責任を持って処理する。それでいいだろう?」
「ちくしょう! 帰ろうぜ。馬鹿野郎!」
 学生達は悪態を吐きつつも帰っていった。
「随分掘ったな。何に使うんだい?」
「そんな事を聞くために助けるのなら放っといてくれよ」
「君が答えなくても調査は続けるよ」
「俺は宇宙人じゃない。俺の生まれた所は北海道の江差、日本人だ」

 翌日、3人の学生達が再度廃墟に現れた。
「何だ? 宇宙人も飯食うのかよ。宇宙人野郎」
「何だ何だ。お粥か」
「何をするんだ! あっちへ行け!」
 学生達がお粥をひっくり返すと才人悔し涙を浮かべつつ泥だらけの飯粒を集めた。
「その飯美味いかよ」
「宇宙人が泣いてらあ~」
「悔しいかよ! 宇宙人野郎!」
 才人は学生達を追い出すが学生達が連れてきた犬に襲われる。次の瞬間、学生達の前で犬が爆発四散した。

 その頃、才人に関する調査を終えた郷は事の次第を伊吹隊長に報告していた。
「少年の名前は平賀才人、昭和29年4月5日生まれ。父徳三・母よねの長男として江差に生まれる。昭和38年、鉱山閉鎖と共に徳三は国を出て出稼ぎに行ったまま蒸発。昭和40年、よね死亡。その直後才人行方不明。父親を慕って東京に出てきたんでしょうね」
「天涯孤独になった才人君はどれだけ父を憎みまた慕った事か。郷、確か君も……」
「はい。でも私にはMATという家があり隊長という父がいます」
「日本人は美しい花を作る手を持ちながら、いったんその手に刃を持つとどれほど残酷極まりない行動をする事か。郷、才人君に関しては君に任せる。早く宇宙人説から開放してやりたまえ」

 廃線になった線路を通って才人は食料を買いに出かけるが、どこの店も才人には売ってくれない。
 すると巨乳で日に焼けたパン屋の女性が才人にパンを売ろうとする。
「同情なんてしてもらいたくない」
「同情じゃないわ、売ってあげるだけよ。だってうちはパン屋じゃないの」
 と言い才人の鞄に入れた。

 再度廃墟に向かった郷の前に現れたルイズ。
 ルイズが語った彼女の正体は、使い魔召喚の事故で地球に逆召喚された異世界ハルケギニアの人間だった。
「……あれは1年前の雨の強い日だったわ。私は魔法学院での使い魔召喚の時の事故で、この地球に逆召喚されたの……」
 故郷の北海道から出稼ぎに出た父を探して東京にやってきた才人は、嵐の中飢えと寒さと恐怖によって死にかけていた時にルイズに救われたのだった。
 ルイズは郷に虚無の魔法によってムルチを封印している事を告げた。中学生を転落させたり犬を爆殺したりしたのも彼女の魔法だ。

 才人が買い物から帰った時、ルイズの傍には郷がいた。
「ミスタ・ゴウは知ってるわ。私がハルケギニア星から来た宇宙人だって事を」
「だが、全ての謎が解けたわけではない。才人君。あの穴は何のために掘っているんだい?」
「私が話すわ」
「ルイズ、やめた方がいい。MATに話すと宇宙に帰れなくなるぞ」
「……あの日以来私とサイトは姉弟のように暮らして、私はこのままハルケギニア星に戻れなくてもいいとさえ思うようになったわ。でも私の体は汚れた空気に蝕まれてもう長くはないのよ」
「早くしないと、ルイズは死んでしまうんだ」
「わかった。ゲートはあの付近に開いたんですね」
 ルイズをハルケギニアへ帰すため、才人と共に穴を掘り始めた郷。
「あの高速道路の向こうに怪獣が閉じ込められてんだ」
「怪獣?」
「ルイズが超能力でやったんだ。凄いだろ。……地球は今に人間が住めなくなるんだ。その前におさらばするのさ」
 その2人の姿を謎の托鉢僧が見つめていた。

 数日後、なおも河原で穴を掘り続ける才人・郷。
 そこに町の住人達が暴徒となって武器を手に押し寄せてきた。
「何をやってるんだ。MATが宇宙人を退治しないんなら俺達がやる!」
「やめろ、才人君は宇宙人じゃない!」
 才人を取り押さえた人々は、郷の静止にもかかわらずまるで恐怖に駆られるように激情している。
 引きずられていく才人。
 そこにルイズが姿を現した。
「やめなさい、宇宙人は私よ! 殺すなら私を殺しなさい!」
 ルイズの元に殺到する暴徒。
「みんな! こいつを生かしておくと何をしでかすかわからないぞ!」
「やめろ! この子は故郷に帰りたいだけなんだ!」
 郷の言葉も空しく民衆がルイズに襲いかかりもみ合いになる中警官が銃を発砲、ルイズは射殺される。
「ルイズ! ルイズーっ!」
 叫ぶ才人、暴徒からルイズを守れなかった無力さにひざまずく郷。

 その時、地鳴りと白い噴煙と共に封印されていたムルチが復活した。ルイズが死んだため封印が解除されたのだ。
 逃げ惑う暴徒達。
「あああ! あれは何だ!」
「MAT! 何をしてるんだ! 怪獣を退治しろ!」
「何やってんだ、あんたMATだろ! 早く怪獣をやっつけてくれよ!」
「頼む! 早く怪獣を倒してくれよ!」
 しかし郷は苦い表情を浮かべて暴れるムルチを見つめている。
「勝手な事を言うな……。ムルチを復活させたのはあんた達だ……。まるでルイズちゃんの怒りが乗り移ったようだ……」
 ウルトラマンに変身する気力も無く、ただうなだれるしかない郷。
 郷が変身するウルトラマンは、郷とウルトラマンが同調した時もしくは極限状態に陥った時のみ変身できるのだ。
 そこに謎の托鉢僧が現れる。
「郷、町が大変な事になっているんだぞ。郷! わからんのか」
 托鉢僧の正体はMATの伊吹隊長だった。
 ウルトラマンに変身する郷。格闘の末ウルトラマンはスペシウム光線でムルチを倒す。

 1人取り残された才人は、ゲートを開くためにただ黙々と穴を掘り続けていた。
「ルイズは死んだんじゃないんだ、ハルケギニア星に帰ったんだ。ルイズ……、俺が着いたら迎えてくれよ……。きっとだぜ」
 そんな才人を眺める郷と上野。
「いったいいつまで掘り続けるつもりだろう……」
「ゲートが開くまではやめないだろうな。彼は地球にさよならが言いたいんだ……」



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