破壊の杖見つけた後、ゴーレムに襲われた時
「っっっ! 吹き飛べ!」
歩み来るゴーレムに対し、杖を構え呪文を唱えた。
一度も成功したことのない、そんなものが今さら成功するなどとは、ルイズも思わない。
期待するのは――
ドンッ!
「やった?!」
爆発。
ルイズの魔法はいつもどおりに失敗し、いつもどおりの結果を出した。すなわち、爆発。
だが、それがもたらした効果は、わずかに胸部を削ったのみだった。
「ルイズ! バカ、あんた逃げなさい!」
キュルケがルイズを叱責する。それでも、ルイズは退かない。
「吹き飛べ! 吹き飛べ! 吹き飛べ!」
ドン、ドン、ドンと。三度ゴーレムの胸で爆風の花が咲く。
けれども、効かない。
ゴーレムは歩みを止めず、拳を振り上げ――
歩み来るゴーレムに対し、杖を構え呪文を唱えた。
一度も成功したことのない、そんなものが今さら成功するなどとは、ルイズも思わない。
期待するのは――
ドンッ!
「やった?!」
爆発。
ルイズの魔法はいつもどおりに失敗し、いつもどおりの結果を出した。すなわち、爆発。
だが、それがもたらした効果は、わずかに胸部を削ったのみだった。
「ルイズ! バカ、あんた逃げなさい!」
キュルケがルイズを叱責する。それでも、ルイズは退かない。
「吹き飛べ! 吹き飛べ! 吹き飛べ!」
ドン、ドン、ドンと。三度ゴーレムの胸で爆風の花が咲く。
けれども、効かない。
ゴーレムは歩みを止めず、拳を振り上げ――
「手伝ってやろうか」
ルイズのすぐ後ろから、そんな声が聞こえた。
その声の主はすっと、ルイズの耳の脇に手を出した。
中指と親指をあわせ、それ以外の指は優しく丸められている。
その声の主はすっと、ルイズの耳の脇に手を出した。
中指と親指をあわせ、それ以外の指は優しく丸められている。
目には今にも拳を振り下ろそうとしているゴーレムが写っているというのに、ルイズの心は平穏で満たされていった。
もう、何の心配もないのだと、なぜだか思った。
ルイズはその声の主、己が使い魔を振り仰ぐ。
黄色のスーツに赤髪。白眼の男。
その名も――
「ええ、お願い。ヒィッツカラルド」
もう、何の心配もないのだと、なぜだか思った。
ルイズはその声の主、己が使い魔を振り仰ぐ。
黄色のスーツに赤髪。白眼の男。
その名も――
「ええ、お願い。ヒィッツカラルド」
「ああ、ただし――真っ二つだぞ」
左手の指に力が込められ、ルーンが輝く。そして――
パチンッ!
パチンッ!
ヒィッツカラルドがフィンガースナップを決めた瞬間、指から真空波が走った。
わずかな空白をはさみ、ゴーレムは右半身と、左半身。それぞれ違う方向にくず折れた。
「残念だったな、私はちょっと訳ありでね、岩が大嫌いなんだ」