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狂蛇の使い魔-14



第十四話



いきなり目の前に現れた、浅倉、タバサ、ギーシュの三人。
アンリエッタは突然の出来事に目を丸くし、不安げな顔でルイズに状況の説明を求めた。

要求に応じたルイズが三人をそれぞれ紹介していくと、しだいにアンリエッタの緊張が解け、元のにこやかな表情に戻っていった。
そして、ギーシュがアンリエッタに協力の意を示すと、彼女は改めて事情を説明し、彼やタバサにも任務を依頼。
二人とも快く引き受けたのだった

乗り気でないルイズだったが、三人が進んで引き受けたのと、何より親友であるアンリエッタたっての願いである。
結局、姫様の為なら、と渋々受諾したのだった。



一方、浅倉はその一部始終を見ると、床で大の字になったまま、ルイズに向かって「俺も連れていけ」と声をかけた。
暇潰しの相手がいなくなることに加えて目的地が戦地であるため、欲を満たすには好都合だと考えたのである。

彼の何かを企んでいるような怪しい表情を見て、ルイズは一度その申し出を断ろうと考えた。
しかし、傍若無人な彼の性格からして逆らっても無駄だろうと判断し、やむを得ず了承したのであった。



「ねえ、アサクラ。起きてる?」

晩餐会も終わり、学院中が寝静まった頃。
自分も眠ろうとベッドに横になっていたルイズは、顔だけを浅倉に向けて問いかけた。
浅倉も同様に、顔だけをルイズに向ける。

「あんた、いつも私の部屋で寝てるけど……何か理由でもあるの?」

ルイズが引き留めているわけでもないのに、わざわざ彼女の部屋で寝る浅倉。
給仕に掛け合えば、食堂での気に入られ具合からして寝室の一つくらいは用意してもらえそうなのだが。
少しの間を置いた後、浅倉が口を開いた。

「お前といると、落ち着くんでな」
「……えっ?」

思いがけない言葉に、ルイズは思わずベッドから上半身を持ち上げた。

「ふ、ふざけないでよ……」
「別にふざけてなんかいない。そんなことをしてなんになる。
お前といるとなぜかイライラが和らぐような気がする……ただそれだけの話だ」

ルイズは呆然としていた。
なんの気なしに側にいると思っていた浅倉が、実は自分を心の拠り所にしてくれていた……。

今までぞんざいに扱われてきた分、ルイズはその言葉に少しだけ好意を抱いた。



しかし、同時に新たな疑問が浮かびあがる。

「そ、それじゃなんであの時私に襲いかかったのよ」
「お前がライダーだったからだ」

浅倉がさも当然というように言い放つ。

「言わなかったか? 俺はな、ライダーと戦っている時が一番幸せなんだよ」
「それなら、今の私は……」
「襲う価値など微塵もないな」

つまるところ、浅倉にとってルイズはどうでもいい存在、ということだった。
ルイズはなんだ、と肩を落としたが、前よりもいくらか気分が楽になった気がした。



ルイズと浅倉が眠りについて、しばらくした頃。

自我を持った剣、デルフリンガーは、ルイズが眠っていることを確認すると、その身を揺らし浅倉の枕元でがちゃがちゃと音を鳴らし始めた。

しばらくすると浅倉が目を覚まし、呟いた。

「……その耳障りな音を止めろ。へし折られたいのか?」
「相棒、やっと起きたか。すまねぇな、少し話があるんだが……」
「後にしろ。俺は眠い」

そう言って、浅倉は再び目を閉じる。

「そう言うなって! お前の能力について話しておこうと思ってんだ!」
「……何?」

浅倉が古びた剣へと顔を向けた。


「相棒、あんた最近武器を持った時に体が軽いと感じたことはなかったか?」

浅倉は今までの戦いを思い出す。
……確か、ギーシュと最初に決闘をしてからだ。
体が妙に動かしやすいと感じるようになったのは。

「……あったらどうなんだ?」
「やっぱりな。その左手のルーンといい、あんた、『ガンダールヴ』だぜ」
「なんだそれは」

耳慣れない単語に、浅倉は思わず顔をしかめる。

「知らねえのか? いいか、ガンダールヴっていうのはな……」

そう言って、デルフリンガーは語り始めた。

伝説の使い魔、ガンダールヴ。
あらゆる武器や兵器を自在に操る力をもち、使えるべき主である虚無の担い手を守るといわれている。
その能力は、例え見たことのない武器でさえ一瞬で使いこなせるほどらしい。
さらに、ひと度武器を持てばその身体能力は飛躍的に上昇するという。

「なるほど……。ずいぶんと都合のいい能力だな」

左手に刻まれた奇妙な印を見ながら、浅倉が言った。

「それで、その虚無の担い手とかいう奴は……まさか、あいつか?」

浅倉の視線が、自身の左手からベッドの上のルイズに移る。


「今のところ確証は持てねぇ。ただ、一つ言えることは……あの娘っ子がいるからこそ、相棒は使い魔としての力を行使できるってことだ」

ルイズの方を見つめ、何かを考えるような仕草をしたまま動かない浅倉。
構わず、デルフリンガーが続ける。

「今まで乱暴にしてきたみてぇだが、これからは優しく扱ってやんな。あの娘っ子が死んだら、お前の力もなくなっちまう。
間違っても殺そうだなんて思わないこった」

そう言って、デルフリンガーが話を終えた。
しばしの静寂の後、沈黙していた浅倉が再び古びた剣に視線を戻すと、口を開いた。

「別にライダーになれるだけで十分だが……そうだな。もっと力を得るのも悪くない。奴が俺の邪魔をしなければ、特に何もしないとだけ言っておくぜ。
……それにしても、お前もずいぶんと割り切った奴だ。俺の耳には、あいつのことを道具のように利用しろというように聞こえたぜ?」

ニヤリ、と笑みを向ける浅倉。
デルフリンガーは押し黙ったまま答えない。
そのまま二人の間で会話が途切れ、部屋は再び夜の静けさに包まれたのだった。



(すまねぇな娘っ子。俺にできるのは、これだけだ……)

デルフリンガーが心の中で呟いた。



翌朝。

アルビオンに向かうため身支度を整えたルイズたちは、学院の門の前に集合していた。
アンリエッタによって手配されたという護衛を待つためである。

「おはよう、ルイズ。もう大丈夫なの?」
「おはよう……ってあれ? なんでキュルケがここに?」

キュルケに声をかけられ、驚いた表情を見せるルイズ。

タバサから事の詳細を聞いたキュルケは、ルイズへの心配と浅倉への警戒心から、勝手についていくことにしたのであった。

「そう……。いろいろと迷惑をかけちゃったわね」
「ふふっ。これで借り一つね。……ところで、本当に彼も連れていくの?」

キュルケが後ろを振り向き、厳しい視線を投げかける。
その先には、ギーシュに荷物を押しつける浅倉の姿があった。

「どうせ言ってもきかないし……。ま、なるようになるんじゃないかな」

そう言って、ルイズは苦笑する。

少し前まではあれだけ彼を怖がっていたのに、今のルイズにはあまり不安が感じられない。
何かあったのかとキュルケがルイズを問い詰めようとしたその時、朝もやの奥から何かが羽ばたくような音が聞こえてきた。



皆が視線を向けると、そこにはグリフォンから降り、こちらに近づいてくる何者かの姿があった。




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