あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロのロリカード-22


「なかなかいい部屋だな」
梁にぶら下がった蝙蝠を撫でながらアーカードは呟いた。
そんなアーカードの反応とは裏腹に、ルイズは絶句していた。

 『魅惑の妖精亭』、酒場と宿を兼ねているこの店の屋根裏部屋にルイズ達は通された。
薄暗く、埃にまみれ、蜘蛛の巣が張り、雑多にモノが積み上げられ、年季の入ったベッドが置かれた、物置としか形容できない部屋。
だけど四の五の言っていられない。ルイズはアンリエッタからの要請で、平民に扮して情報を集め報告するという任務を受けていた。
諸事情によってここで働くことになり、贅沢は言えない状況なのであった。


「そうそう、私は明日から外で情報を集める。それと、長丁場になりそうだから棺桶も持ってこんとな」
「え?なんで!私だけがここで働くの!?」
アーカードは蝙蝠を自分の腕に移動させ、穏やかな笑みを浮かべながら顔だけを向ける。
「そうだ」
ルイズは納得のいかないという表情で抗議する。

「アーカードもここで働きながら、情報を集めればいいじゃない」
「同じ場所で情報収集してもあまり意味がないだろう、私は街に出て情報を集める」
「うっ・・・・・・」
ルイズは口ごもる。確かに姫さまの為に、より奉公する事を考えると・・・・・・分担した方がいいかもしれない。


「じ・・じゃぁ・・・・アーカードがここで働いてよ、私が外で――――」
「私は今日一日でもう充分にチップを稼いだ、給金も貰ったしな。ミ・マドモワゼルは残念がるだろうが、正直もうここで働く必要はない。
 主は客に酒を零し、皿を割って料理を割り、チップはおろか給金のかわりに請求書だったな。賄いと寝る場所を与えられているだけマシなくらいだ」

 アーカードは例のメイド服を利用し、巧みにチップを稼いだ。たまたま参加したジェシカすら抑えてその日のトップであった。
一方ルイズはプライドが邪魔してまともな接客ができず、その短気さと不慣れが相まって失敗の連続、最終的にマイナスとなってしまった。

「本気でこんなトコで寝起きして働けって言うの!?」
「私がまだ人間だった頃、都合12年ほど幽閉されていたが・・・・・・十二分に寝れる場所だぞ、ここは」

「アーカードが私の分も稼げばいいわ!それで―――――」
「自分の尻は、自分で拭うべきだ。・・・・・・忘れたのか?」
アーカードが片目を瞑りながら嗜めるように言う。ルイズはバツの悪そうな顔で口をつぐんだ。


「次こそは大丈夫、必ずイケるわ」
「・・・・・・」

 街のカジノ、アンリエッタから任務用にともらった金が少ないと言い出したルイズは、ギャンブルで金を増やそうとした。
「もうやめた方がいい、ルイズ。お前には才能がない」
「うるさい、集中してるからちょっと黙ってて」

 アーカードは嘆息をつき、やれやれと首を横に振る。
典型的に駄目なタイプ。最早肉親の忠告であっても耳を貸さないだろう、ギャンブルで身を滅ぼす人種だ。
アンリエッタから頂いた分、さらにはルイズ個人の金貨も全てチップへと変わり、内9割程が既にカジノ側へと渡った。

 残りの1/10もたった今消えようとしている。アーカードは目を鋭くルーレットを見つめる。
球の回転と円盤の回転、そこから導き出された入るべき箇所を予測する。それはルイズの賭けた黒――――――ではなかった。
「あっ~~~~~~~~~~~!」
「これで"ゼロ"だな」

 ルイズはガックリと肩を落とす。肩がわなわなと震え「ふふふ」と小さく笑っていた。
さすがのアーカードも、その異様な主人の姿に一歩退いた。いよいよもっておかしくなってしまったのか。


「アーカード、あなたシュヴァリエよね」
「・・・・・・それがどうかしたか?」
アーカードの頭に嫌な予感が過ぎった。
その瞬間ルイズはガバっと起き上がり、アーカードの方へ勢いよく振り向く。

「私のモノは私のモノ、使い魔のモノも私のモノ。だから今すぐ年金を前借りしてきなさい、これは命令よ」
ルイズの目の色は完全におかしくなっていた。最早何を言っても無駄だと悟ったアーカードは大きく溜息を吐きうなだれる。
こんなことなら、タバサとの任務で行ったカジノ場での勝ち分を、半ば無理やりにでも貰っておくんだったなと、一人ごちた。


「――――それで結局、全て、完璧に、一切合財、余地を残すところなく、・・・金をすってしまったのは、一体どこの主だったかな?」
「うぅ・・・・・・だからあれは私も悪かったわよ」
アーカードは半眼でルイズを見つめる。

「ぎ・・ギャンブルは本当に危険ね、身を滅ぼすのもわかるわ」
「そうだな、一つ勉強になったろう。だからここで働くのもとてもよい社会勉強だ。拾ってくれたスカロン店長の好意を無駄にせぬ為にもな」
有無を言わさぬ論でもって、アーカードはルイズを追い詰める。

「それに適材適所だ、我が主には常識がない。外は危険が一杯だ、満ち満ちている。そんな所に主を一人放すわけにはいかん」
「アンタには常識があるって言うの?」
ストレートに言われてムッときたルイズは、アーカードを訝しげに見つめる。
確かに自分は貴族だし、平民の生活はあまりわからない。常識がないと言われても仕方がないかもしれない。
しかしアーカードが常識的か?と問われれば、自分は否と答えるだろう。


「これも昔の話だが、私は八年間に及ぶ亡命生活をしていた。ルイズ、私がお前の年の頃には、ひたすら孤独と戦い逆境に耐え抜いて生きてきた」
「むっ・・・」
「娼婦を買いに、しばしば宮廷を抜け出すこともあったなぁ・・・・・・」
アーカードはやや遠い目をして、過去を振り返る。

 ルイズは傍若無人なアーカードも、昔は人間らしい生活をしていた事に少々違和感を覚えるが、すぐにそれは別の記憶で払拭される。
事実として、アーカードは時として社交的でいつの間にか色々な人と交友関係を作っている。
まともに友達もいなかった自分にすら、気軽に喋れる者達が出来た。怨敵ツェルプストー家のキュルケですら、だ。
罵倒や揶揄もここ最近はめっきり聞かなくなった。それもこれも、アーカードが来てからだ。
この吸血鬼を召喚してから、全てが劇的に変わったと言っても相違ない。
別の気苦労が増えたが、やはり本質としては公私の使い分けもしっかりしているとても優秀な使い魔なのだ。


「ぅぅぅ・・・・・・でも、私はここで働くのは向いてないわ」

「大丈夫だ、主は器量がいい。その手の人に人気が出るだろうし、すぐに私より稼げるようになるさ」
アーカードは心の中で「多分」と付け足す。
「それに、アンリエッタ女王陛下直々の命だろう。この程度の事で足踏みしていてもいいのかな」

「・・・・・・わかったわよ」
ルイズは不満げな顔で唇を尖らせながらも、渋々了承する。
「見てなさいよ!すぐにチップを一杯貰ってこんなトコ出て行ってあげるんだから!!」

「んむ、それじゃ私は早速外回りをしてくる」
アーカードも、もうルイズの扱いに手馴れていた。
どこで押し、どこで引けば折れるか―――――コントロールは容易かった。


 アーカードは蝙蝠を肩に乗せ、扉から外へ出て行く。吸血鬼の生活サイクルを考えれば多分明け方には戻ってくるのだろう。
「大丈夫、私ならできるわ。それでもってアーカードを見返してやる」
ルイズは意気込む。実際問題、酒場というのはこれ、なかなかに情報が集まってきてメリットもあるのだ。
と、同時にルイズは失敗も思い出す。果たして本当に自分はやっていけるのかと先行き不安になる。

「大丈夫よ、ルイズ。せめてこんなトコで寝なくて済むくらいには・・・・・・稼げるわよ・・・ね・・?」
自問自答したルイズは大きな溜息を三度吐いた後、その日一日の疲れから汚れを我慢してベッドに腰掛ける。

 しかし加重によってベッドの足が折れ、大きく傾きルイズはバランスを崩してベッドと共に倒れた。
「ぅぅ・・・やっぱりもうやだ・・・・・・」
衝撃で埃が舞い漂う中、ルイズは目に涙を浮かべながら毒づいた。




 アーカードが情報収集を終えて一旦魅惑の妖精亭に戻ってくると、入り口からすぐの所に男が三人立っていた。
避けて通ると、その男達と相対する感じで立っている見知った顔を見つけた。

「ん?タバサ」
名前を呼ばれてタバサはアーカードへと目を向ける。なんでここにいるのかと問い掛けようとした瞬間、奥のテーブルから声が聞こえた。
「アーカード~~~!」
「キュルケにギーシュにモンモランシーまで、揃ってどうした」

 アーカードの言葉にキュルケは手をちょいちょいと自分達の方へと招くように振る。
再度タバサと男達に目を向ける。タバサはいつも通り涼しげな表情、一方穏やかな顔とは言い難い軍人風のナリをした男三人。

(ふむぅ・・・・・・)
なんとなく事情を察したアーカードは一言だけ添えて、キュルケ達の方へと向かう。
「タバサ、ちゃんと手加減してやるんだぞ」


 男達が二言三言なにか言ったような気がしたが、アーカードは無視して歩き出す。
タバサと男達はそのまま出て行った。

「行かせちゃうんだ?」
キュルケがクスクスと笑いながらアーカードに言う。
「なぁに、あの程度の相手なら結果どうなるかは、火を見るより明らかだろう」
アーカードの言葉にキュルケは肯定するまでもない、といった仕草を見せる。

 互いに命を懸けて闘り合ったからこその、タバサの強さを認めてるからこそのキュルケとアーカードであった。
三人の戦闘を見ていたルイズ、ギーシュ、モンモランシーも、特に心配してる様子はない。

「ルイズ~、ボーッと突っ立ってないでさっさとお酒と料理持ってきなさいよ」
「だからイヤよ!アンタなんかに奢るなんて死んでも嫌ッ!」
「あら、そんな事言っちゃっていいわけ?ラ・ヴァリエール。学院の生徒にバラされちゃってもいいんだ?
 アナタが何でこんなトコで働いてるか言いたくないみたいだから、ツケで手打ちにしてあげよってのにねぇ~?」

 キュルケはいじめっこのそれを思わせる笑みを浮かべて、ルイズを見つめる。
ルイズは苦虫を噛み潰したような顔でキュルケを睨みつけている。ともすると、アーカードが横から口を開いた。
「そういじめてくれるな、我が主は自分から労働の喜びを味わいたいと言ってだな・・・・・・」
「なによ、その取って付けたような理由は」
キュルケが半ば呆れ顔で、アーカードに視線を向ける。アーカードは懐から袋を取り出しテーブルに置いた。


 ドンッという重い音と共に、ギッシリと詰まった袋から、何枚か金貨がテーブルにぶちまけられる。
ギーシュとモンモランシーはその大量の金貨に目が釘付けになり、ルイズも単純に驚いていた。
「今夜は私が奢ろう、口止めとラグドリアン湖で無理やり戦ったお詫びも兼ねて・・・な」
「オッケー、どっかのヴァリエールと違って太っ腹な使い魔さんね~」

 嫌味ったらしくキュルケはルイズに言った。しかし当のルイズの耳には入っていなかった。
「ぐっ・・・アーカード、いつの間にこんなに稼いでるのよ」
「はっはっは、秘密だ。さっ、酌をしてくれ我が主―――もといルイズ」
アーカードはチップをチラつかせる。ルイズは心の中で握り拳を作りながらも、目の前のチップには抗えない。

 以前に稼いだ金貨は、また全てギャンブルで使ってしまったのだ。
あの日ほど笑った夜はない、あの日ほど泣いた夜もない、酒も飲んだ夜もなかった。
我ながら見事なまでの馬鹿さ加減だった。


 ルイズが酒と料理を丁度運び終えた頃、タバサが戻ってきた。
「おかえりタバサ、いいタイミングね」
タバサは頷きを一つだけして座り、すぐ本を読み始める。
「今夜はアーカードの奢りだってさ」

 そう言われタバサはアーカードに目を向ける。
「このお前のお詫びだ、好きなだけ飲み食いするといい」
「わかった、お言葉に甘える」
頷き一つとその言葉の後、タバサはキュルケが注いだワインを手に取る。
「それじゃ、乾杯」

「なあキュルケ・・・・・・」
ギーシュが首を捻り訊ねる。キュルケは一口飲んでから口を開く。
「なあに?」
「きみたちは、いったいどうしてそんなに仲がいいんだ?まるで姉妹のようじゃないか」
「気が合うのよ」

 いまいち腑に落ちないギーシュは尚も続ける。
「確か入学早々決闘騒ぎも起こしていたような記憶があるんだが・・・・・・」
「ほぅ、私も気になるな。この前の連携もそうだし、その以心伝心っぷりはなかなかのものだ」

 アーカードはそう言うと酌をしているルイズと視線を合わせてから、ポンポンと太股に視線を向けて叩く。
一瞬顔をヒクと強張らせるも、ルイズは仕方がなくそこに座って酌をし始める。
「決闘話というのも是非聞きたいな、いい酒の肴になりそうだ」

 キュルケはタバサを見る、タバサは特に何も言わなかったがその心は伝わる。
「わかった、この子が話していいって言うからお話しするわ。そんな大層な話じゃないから期待しないでね」
残ったワインを飲み干すと、キュルケはゆっくりと語り始めた。


「人に歴史あり、か」
「単にタバサの分を横取りしただけで、貸しでもなんでもないじゃないの」
「きみはひどい女だな」
「そうね、あたしってばきっと・・・・・・すっごいわがままなのかも、しれないわね」

 そう言った直後、キュルケは大きく欠伸をする。
「ふぁあああああああ。なんだかんだで長引いちゃったわね、ちょっと眠くなったわ」
そう言ってキュルケはアーカードを見る。
「構わんぞ、一番いい部屋に泊まるといい。タバサと二人でな」
「ありがと」
キュルケはタバサを促して立ち上がり、二階へと上がって行った。


「あ~~~僕らも、奢ってくれるのか・・・な?」
ギーシュがややバツが悪そうな態度で口を開く。
「そうだな、口止めということで飲み食いした分だけは払ってやろう」

 さすがに宿泊代まで払ってくれるほど甘くはないかと、ギーシュは心中で溜息を吐く。
「持ち合わせがないなら、無利息で貸してやろう。男女二人いればやることは一つ、学院と違って声を我慢する必要がないからの」
「なッ・・・が・・ばっ馬鹿言わないで!誰がこんなのと!!」
モンモランシーは思わず声を上げる。
「そんな!?モンモランシー!」

 その時だった、男達が五人ほど近づいてきた。
内二人は見覚えがある、そう・・・タバサと連れ立っていった三人の内の二人。残った三人は見覚えがないが、格好が同じであった。
「先ほどのレディたちはどこに行かれた?」
「う・・・上で寝てますけど・・・・・・?」
モンモランシーが少し怯えた様子で答える。

「先ほどのお礼をしようと思いましたが、逃げられましたか。では貴方方に付き合って頂くとしましょうか」
外を見ると何百人もの兵隊が並び、なかなかにとんでもない光景であった。


 呆気に取られるルイズ、ギーシュ、モンモランシーとは別に、アーカードは嬉しそうに口を開く。
「ククッ、いいだろう。今夜はとても月が綺麗だ・・・・・・そう、死ぬにはいい日だ」
「勇ましいお嬢さんだ」

 アーカードの言葉にルイズがトトトと近づき耳打ちする。
「殺しちゃダメよ、絶対。相手は王軍の兵士なのよ」
「では丁重に扱おう、耳を切り落とすか鼻を削ぎ落とすか顎を弾き飛ばすか、全員伊達にして帰して――――」
「だから駄目だってば、本来は共闘すべき味方であって敵じゃない。それに姫様にだって迷惑が掛かかっちゃう。なるべく傷つけないよう穏便に、これは命令よ」

 アーカードは嘆息をつく。面倒だが・・・・・・しょうがない。命令ならば仕方がない。

「了解した、我が主。ただその場合」
アーカードは三人をそれぞれ見やった。
「ルイズ、ギーシュ、モンモランシー。自分達に降りかかる火の粉は自分で払うんだぞ」
「は?」
三人の声が揃うと同時に、逃げられないよう後ろからそれぞれ両肩をガッシリと掴まれる。
三人は乾いた笑いを漏らし、アーカードは残った二人と連れ立ってサクサク外へと出て行った。




 死屍累々。双月の下、積み上げられた死体。
ではなく、気絶した兵士達の上でアーカードは煙草を吹かしていた。
バレたら色々とまずいので、攻撃を受けて再生しながらゴリ押しするわけにもいかず。
手加減付きで立ち回った為に、存外に時間が掛かってしまった。

 アーカードは視界の端で動いた者に目を向ける。それは匍匐前進、否、地面を這っているルイズであった。
軽やかに兵士の山から飛び降りて、ルイズの目の前に降り立つ。手を貸してやり、起き上がらせるとルイズは息も絶え絶えに口を開いた。
「・・・・・・ちゃんと、手加減してくれたみたいね」
「命令だからな、まっ夜明けまでは起きんだろう」
そう言ってアーカードは振り向いて、街中に不釣合いなその山を見る。

「最近は手加減も少しずつ慣れてきたな。まぁ私にとっては何百人いようと何千人いようと何百万人いようと4人だ」
「・・・4人?」
「一度に4人だ・・・・・・まぁ時折五方向目、即ち上も注意せねばなるまいが。同時に四方の敵を倒せれば作戦なんか関係ない。
 つまるところ、たとえ全世界の人間、亜人、獣とケンカしたって倒されはしない。尤も魔法にだけは注意を払わねばならんが」


「フフッ、アーカードのスケールにはかなわないわね」
ルイズは暴論に呆れながらも笑う。しかしすぐに一転して虚ろ気な表情を浮かべた後、恨めしげに口を開いた。
「私、頑張って鍛えてたのに・・・・・・全然相手にならなかった、正直自惚れてたわ」
「にわか仕込みの体術と、以前よりはちょっとついてきた程度の体力では当然だ」

 アーカードはそう言うと、立ってるのもつらそうなルイズをお姫様抱っこする。
「このままベッドまで運んでやろう」
「うっ・・・・・・恥ずかしいけど、今はお願いしようかな」
「随分としおらしいじゃあないか」
アーカードが少し驚いた様子で言う。

「だって、本当に疲れてるもの。体中痛いし・・・・・・」
「手加減なしだったら、支援してやれたものを」
「いいわ、いいのよ。私が言ったことだもん。それに毎回アーカードにフォローされてちゃその・・・・・・主としての立場がないし」
「はっはっは、その意気だ」

 と、アーカードは無残無様に倒れているギーシュとモンモランシーを発見する。
「ギーシュとモンモランシーも、後で運んでやらんとな」
アーカードは二人の様子を遠目で確認する、一応息はしているようであった。するとルイズが喋り始めた。

「過信してた、自分は伝説だって。私より小さいタバサだってあれだけ戦ったんだから、ちょっとは自分もイケるかもなんて思ってた」
「タバサは元々のセンスがいい、何より実戦経験が遥かに豊富だ。到底比べられん」


「私が、なに」
声を発したのは、二階から降りてきたタバサであった。隣にはキュルケも一緒にいる。

「あらあら、可愛いわねルイズ。自分より小さな女の子に抱きかかえられてるなんて」
「うぐっ・・・・・・」
「タバサは才能があってしかして驕らず勤勉で努力しているという話だ」
アーカードはタバサの質問にしれっと答える。

「な~んか飲み足りないし、寝付きが悪かったから降りてきたんだけど・・・・・・」
「なにごと」
周囲を見渡していまいち状況が掴めてない二人の質問に、ルイズとアーカードは答える。

「一個貸しよ」
「貸しイチだ」
「ひと・・つ・・・貸しておく・・・・・・よ」
「いっこ、貸しだから・・・・・・」

 いつの間にか顔だけをあげたギーシュとモンモランシーも悪態をつくように一言、そして力尽きた。




新着情報

取得中です。