あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

お前の使い魔 11話



これはどこかの物語

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「ああ……いらつきます。」

 ダネット? ダネットじゃない何してるのよあんた?

「お前も私と同じ17歳でしょう。」

 え? わたし16歳よ? それよりあんた! これ何よ? どうなってんのよ?

「私はもう充分に戦えます。セプー族の戦士としてやっていけますでもレナ様は……」

 ちょっと? ねえダネット? ダネット!! 聞こえてないの……?
 あれ……? 景色がぼやけて……

「お待たせしました。レナ様。」
「あなた達がここに来て、10年になりますね。」

 ダネットはいいとして、このお婆さん誰? ダネットはレナ様とか呼んでるけど……レナ? どこかで聞いたことがあるような……

『お前もレナ様みたいな凄い術師ですか?』

 そうだ。ダネットがわたしに前に言ったあの名前だ。でも何でわたしがそのレナとかいうお婆さんと会ってるのよ?

「今日はあなた達に、この里を守るための武器を授けます。」
「では、やっと私達も正式に、この里の守部にしていただけるのですか!?」

 ねえ、里って、前にダネットが言ってた隠れ里とかいうの? ……って、聞こえてないか。
 あーもう! 何なのよこれ!!


「……あなた達に、守りの力を授けます。」

 空中に武器!? 何これ錬金!? 一気にこの数を出したっていうのこのお婆さん? 凄いメイジじゃない!
 あれ? あの武器の中にある短刀って、確かダネットが持ってるやつよね?

「さあダネット、この中から自分にふさわしいと思う武器を選びなさい。」

 良くわかんないけど、あの短刀はこのメイジから貰ったって事かしら。あ、ダネット喜んでる。

「私はこの短剣にします、レナ様。」
「糸凪の刃……。持ち主の危機を救うという剣です。」

 へー。そんな曰くがあったのねあの短刀。マジックアイテムかしら? ダネットっておっちょこちょいだから、ちょうどいいかも。
 ん? このメイジ、何かもう一つ出そうとしてる……? あれは……

「あなたにはこれを授けます。」

 黒い剣? どこかで見たような……駄目だ、思い出せない。
 あ、また景色がぼやけて……

「よくも……よくも……。殺してやる、殺してやる!」

 ダネット……? 何言ってるの? 何でそんな目でわたしを見て……ちょっと何よこれ? 赤い……血? わたしがダネットを剣で……? 待ってよ! これ何なのよ!! ねえダネット!! ダネット!!
 ちょっとあんたダネットに何するのよ!! 嫌……やめてよ!! こんなの見せないでよ!!

『いいから消えてね。』
「あぐっ……! お、ま……え……」

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「うああああっ!! ぐっ!! ああああああっ!!」
「お前、しっかりしなさい!! お前っ!!」

 あの日、ルイズがあの剣に取り込まれそうになった日、私もルイズと一緒に気絶してしまい、乳でかとタバサに学院に連れてきてもらったそうです。
 泥んこ盗賊もルイズが気絶させていたので、難なく捕まえることもでき、取られていた剣も戻ってきて一件落着。だったはずなのに。
 あの日から三日経っても、ルイズは目を覚ましません。 
 ルイズはたまに、発作のような感じでうなされます。
 私はそんなルイズに、声を掛けてやることや、汗を拭いてやることしか出来ません。

「私は……役立たずです……」

 この三日間の間、私は色んなことをヒゲの爺さんに聞かれました。
 私がいた場所、そこであった出来事、そして剣のこと。
 ごめんなさいルイズ、私はお前に嘘を付いていました。本当は私……。

「もういや……やめてよ……たすけて……」
「お前、大丈夫です。もう大丈夫ですよ。」

 またうなされています。今日はいつもより辛そうです。
 私が髪を撫でると、安心したのかルイズは少しだけ穏やかな顔になって、すぅすぅと寝息を立て始めました。
 でも、いつまたうなされるのかわからないので、油断はできません。

「ファイトですダネット!」
「ファイトってあんた、もうずっと寝てないでしょ?」
「あ、乳でか……」

 いつの間にか部屋に入ってきていた乳でかが、心配そうな顔で私を見ていました。
 乳でかはたまに様子を見に来てくれます。
 部屋が隣だから仕方ないのよって言ってますが、本当は心配して来てくれてることを知ってます。
 だってほら、今みたいに

「全く、使い魔にも他のみんなにも心配ばっかりかけさせて……早く目を覚ましなさいよあんた。」

 凄く優しい顔でルイズを見ています。
 乳でか以外にも、ハゲのおっさんやタバサやメードの女や、キザ男や太っちょや、他にも色んな人がお見舞いに来てくれました。
 きっと、お前に言ったら照れちゃうんでしょうね。

「ダネット、少しの間はあたしが診とくから、あんた少し寝ときなさい。」
「で、でも!」
「でもじゃないの。いいから寝ときなさい。それとも……また頭叩かれたい?」
「うう、それは嫌です。……じゃあちょっとだけ寝ます。でも、すぐ起こして下さいね!?」
「はいはい。ほら、自分のベッドに行った行った。」


 私は、ルイズの買ってくれたベッドに行き、少しだけ横になりました。
 ああは言いましたが、身体は疲れていたみたいで、すぐに私の意識は途切れ、夢も見ないほどに深い眠りに落ちました。
 どれぐらい時間が経ったでしょう? すっかり暗くなった部屋で目を覚ました私が、ぼーっとする頭を振りながら辺りを見渡すと、ルイズのベッドにもたれかかるようにして眠る乳でかが見えます。

「乳でかもあまり眠ってなかったんですね。」

 それなのに私を心配してくれた事が嬉しくて、思わず顔が綻んじゃいました。

「乳でか、こんなとこで寝てると風邪をひきますよ? ほら、私のベッドに寝てください。」
「ん……ああ、寝ちゃってたのねあたし。ごめんなさいね。ルイズはまだ目を……ルイズ?」
「え……? あれ? お前っ!! どこに行ったんですかお前!!」

 ルイズはいつの間にかいなくなっていました。
 私は慌てて乳でかと一緒に探しました。
 騒ぎを聞きつけたタバサやキザ男なんかも一緒に探してくれましたが、どこにも見当たりません。
 一時間ぐらい経ったでしょうか。私の所に、タバサなんかと同じように、騒ぎを聞きつけたメードの女が来ました。

「あの、ダネット様、もしかしたらミス・ヴァリエールは学院の外にいるのかもしれません。」

 話を聞くと、メードの女はふらふらと外に出て行く誰かを見たらしいです。月の光がピンクの髪に反射して見えたと言っていたので、多分ルイズで間違いないでしょう。

「でかしたのですメード!」
「あ、でも外に出てどこに行ったかは……」

 メードが何か言っていた気がしますが、いても経ってもいられなかった私は、外に駆け出し、必死にルイズを探しました。
 外を探して10分ほどでしょうか。開けた場所に、桃色の髪が見えました。

「お前!!」

 月明かりの下、ルイズはびくんと肩を震わせ、ゆっくりと私の方を見ました。
 その瞬間、私は嫌な想像をしてしまいました。

『もしかしたら、ルイズはあの日のままかもしれない』


 もしそうだったら、私はどうすればいいのでしょうか?
 でもそれは、心配するだけ損だったようです。

「ダネット……わたし……」

 今、ルイズはセプー雌じゃなくて、ダネットと言ってくれました。
 つまり、私のことを覚えてるということです! きっとそうです!

「お前、部屋に戻りましょう? 夜は毛布無しじゃまだまだ寒いです。ほら。」
「来ないで!!」

 ルイズは、私を拒絶しました。
 私はなんで拒絶されたかわからず、オロオロしてしまいます。

「どうしたんですかお前? もしかしてどこか痛いんですか? ならお医者さんに診てもらいましょう。ほら、行きましょう?」
「違う。違うの。」
「違うって何がですか? どこも痛くないんですか? なら部屋に戻りましょう? ね?」
「違うのよ……」

 ルイズは見た目、いつもと一緒です。髪もあの日とは違う桃色をしています。様子は少しおかしいですが、寝起きでちょっと混乱しているだけのはずです。

「ダネット! ルイズいたのね!?」

 後ろから、乳でかやタバサが来ました。ルイズは、そんな乳でかやタバサを目を広げて見ると、急に泣き出しました。

「お前!? やっぱりどこか痛いんじゃないですか!? やっぱりお医者さんに」
「違うの!!」

 ルイズは叫んで、泣きながら私たちを見た後、凄く辛そうに言いました。

「わたし、今度こそあんた達を傷つけちゃうかもしれない……」

 私たちの表情が、さっと硬くなりました。
 ルイズはあの日のことを覚えていたのです。
 だから、いつまたああなってしまい、その時こそもしかしたら私たちを……殺すかもしれない。そんな自分が怖くて、私を拒絶した。
 それが判ったとき、私はこの子の優しさを改めて知りました。
 あの日の記憶が全てあるなら、きっとルイズは今もとても怖いはず。
 なのに、私たちの事を心配して遠ざけようとしている。一人で戦おうとしている。

「大丈夫ですよルイズ。私はお前なんかに怪我させられたりしません。ちっちゃなルイズなんて、私が本気を出したらちょちょいのちょいです。だから、一緒にいてください。」
「ダネット……でもわたしは……」
「忘れましたか? 私は……『お前の使い魔』なんですよ? これから先、ずーっと一緒です。ルイズが嫌だと言っても一緒にいてやるのです。感謝しなさい。」
「わた……わたし……」
「帰りましょうルイズ。特別に今夜は一緒に寝てあげます。大サービスです。」

 月明かりの下、泣き崩れるルイズを私はそっと抱いて、泣き止むまで抱きしめてあげました。
 でも、私の胸の中には、大きな大きなしこりが二つ残ったまま。
 一つは、いずれ言わなくてはいけないルイズに秘密にしていた事。
 そしてもう一つ……もしルイズが万が一にもあの剣に飲まれてしまった時、その時……私は……。



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