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狂蛇の使い魔-09



第九話



フーケが破滅の箱を盗み去った、その翌日。

学院長室にて、目撃者であるルイズたち三人と教師一同、そして学院長のオスマンらによる臨時会議が行われた。
ルイズたちによる証言の後、フーケの居場所を突き止めたと途中から部屋に入ってきたロングビルの情報を元に、オスマンがフーケ討伐隊の結成を提言。

本来なら、教師たちが率先して名乗りを挙げるべきであった討伐隊。
しかし、相手が強力なメイジであることや事後処理などの責任問題で、誰も杖を上げようとしなかった。
その代わり、今度こそ周りを見返してやろうと燃えるルイズが真っ先に杖を上げた。
ルイズには負けられないとキュルケ、皆が心配とタバサの二人も杖を上げ、結局三人でフーケの討伐に向かうことになったのである。



「あー、ミス・ヴァリエール。君の使い魔を呼んできてはくれんかね。……少々話があるのでな」
会議も終わり、一人また一人と学院長室を出ていく中で、ルイズはオスマンに声をかけられた。



「オールド・オスマン。使い魔をお連れしました」
「……俺に何か用か?」
話がある、と聞かされた浅倉は、ルイズに連れられて学院長室にやってきた。
浅倉の無礼な態度を、ルイズが慌ててたしなめようとする。

「よいのじゃ、ミス・ヴァリエール。……ところで使い魔殿。突然で悪いが、破滅の箱について話があるのじゃ」
オスマンが学院長席で手を組み合わせながら、浅倉に尋ねた。
扉の横の壁に寄りかかり、腕と足を組んだ浅倉がそれに応える。
「破滅の箱……ああ、あのカードデッキのことか。それについては俺も聞きたいことがあったな」
ふむ、とオスマンが考える。
「それなら、わしの質問が終わった後で答えることにしよう。まずはあの箱について知ってることを教えてくれんか?」
「それならこいつに聞け。知ってることは全部こいつに話した」
浅倉がルイズの方を向き、再びオスマンに目線を戻す。

「えっ、私!?」
いきなり話をするようにと言われ反論しようとしたルイズであったが、逆らえそうにもないと分かると渋々と口を開いた。



ルイズが一通り話し終えると、オスマンは椅子にゆっくりともたれ掛かった。
「なるほどのう……。にわかには信じがたいが、信じる他なさそうじゃ」
ギーシュと浅倉の決闘の様子を思い出しながら、オスマンが言った。

「今度はこっちの質問に答えてもらおうか。……お前、どこであれを手に入れた?」
浅倉の質問に、オスマンは白髭を撫でながら答える。
「そうじゃのう。あれは数年前のことじゃ……」



オスマンが言うには、数年前、とある村に見慣れない格好をした男が倒れていたという。
男は既に死亡しており、村人らによって葬られた後、彼の持ち物は村人たちの手に渡ったらしい。
その内の一つが破滅の箱である。

見た目はただの奇妙な箱だが、この箱を手にした者は、どのような呪いなのかはわからないが、幾日かの間に忽然と姿を消してしまうというのである。
当初、男の持ち物を所持していた村人も消えてしまったという。
そのため、気味悪がった村人たちによって売り払われ、破滅の箱という名で取り引きされるようになったのである。

それ以来、秘宝という価値に惹かれた者、呪いの正体を暴こうとする者、興味半分に手を出す者などが後を絶たず、犠牲者は増えるばかりであった。


オスマンもまた、呪いの原因を突き止めようとした者の一人であった。
最近になって闇市場に出回っているのを見つけたオスマンは、ようやくこの呪われた秘宝を手にすることができたというわけである。

「なるほどな。……そうだ、一ついいか?」
浅倉がオスマンに向かって尋ねた。
「なにかの?」
「あのデッキを俺によこせ。呪いでないことがわかったなら、もう必要ないだろう?」
そう言って、浅倉が口元に笑みを浮かべた。
「そうじゃのう……。フーケを捕らえられたなら、箱は好きにするがよかろう。扱いを知っている者なら、これ以上犠牲者を出さずに済むじゃろうて」
オスマンが軽く頷いた。

「話が分かる。で、用事というのはこれだけか?」
言いながら扉に向けて歩き出す浅倉を見て、オスマンが思い出したように言った。
「そうじゃ、もう一つ。君が毎日やっている決闘の相手に、もう少し休みを与えてやってはくれんか。このままだと死んでしまうからのう」
「……気が向いたらな」

オスマンに背中を向けると、浅倉は扉を開けて部屋を出ていった。
ルイズはオスマンに向かって一礼すると、慌ててその後を追うのであった。



会議から一時間ほど後に学院を発った、ルイズたちと浅倉。
彼らはロングビルの案内のもと、フーケが逃げてきたという森へとやってきた。

「情報によると、あの小屋に『土くれ』のフーケが潜伏しているとのことです」
ロングビルが、少し離れたところにある古びた小屋を指さしながら言った。
草木に身を隠しながら、ルイズたちは作戦を練り始める。
「誰かが囮になって中のフーケを誘きだし、出てきたところを皆の魔法で叩く! これでいけるはずよ」
「でも、ルイズ。肝心の囮役はどうするのよ。もちろん言い出しっぺのあんたが……」
「わたしが行く」
挑発しようとするキュルケを遮り、タバサが名乗り出た。
「ケンカはだめ。作戦は調和が大事」

作戦会議が一段落したところで、ロングビルが「辺りの様子を見てきます」と言い残し、森の奥へと消えていった。
ルイズたちは作戦の準備に取りかかる。
「ところで、アサクラを見ないんだけど……どこにいったの?」
キュルケがルイズに尋ねた。
「そういえば姿が見えないわね。どこにいって……あっ! アサクラ!!」
いつの間にか小屋の前に立っている浅倉に向けて、ルイズが叫ぶ。
と同時に、小屋の扉が勢いよく蹴破られた。



「無人か……」
デルフリンガーを背負った浅倉が呟いた。

誰かがいたような後が見られるものの、最近使われていなかったのか、部屋の至るところが埃をかぶっている。
テーブルに目を向けると、盗まれたはずのカードデッキが置いてあった。
浅倉がデッキを手にとると、デルフリンガーがカチャカチャと喋りだした。
「相棒、どうやらこの状況は……」
「そのようだな」
浅倉が小屋を飛び出したのと、小屋の天井が吹き飛んだのはほぼ同時であった。



突如目の前に現れたゴーレムは、フーケがいるはずの小屋を破壊すると、ルイズたちがいる方向に向けて歩き出した。
キュルケとタバサが魔法で応戦するも全く歯がたたず、動きを止めることができないでいた。

浅倉は懐からルイズに借りている手鏡を取り出すと、デルフリンガー、盗まれたデッキとともに地面へ放り投げた。
そして自らの持つ蛇のデッキを鏡に向けると、右手を胸の前で前後させ、叫んだ。

「変身!」

ベルトにデッキを差し込み、ガラスの割れるような音とともに王蛇への変身が完了する。

王蛇はデルフリンガーを拾いあげると、鞘から刀身を抜き、巨大なゴーレムに向かって駆け出した。



「ウオオオオッ!!」
ゴーレムが反応するよりも早くその足元に近づくと、浅倉は土でできた右足をがむしゃらに斬りつけた。
二度、三度と斬りつけるうちに足が切断され、ゴーレムが態勢を崩す。
しかし、すぐにまわりの地面から土を吸収し、元の無傷な状態へと戻ってしまう。
左足や胴体でも結果は同じであった。
ゴーレムの攻撃は単調で避けることは容易いが、これでは一向に勝負がつかない。
「チィッ……イラつかせるっ……!!」



ルイズは焦っていた。
せっかく自分が提案した作戦も決行前にご破算。
魔法は危ないから使うなとキュルケに釘を刺され、現れたゴーレムに逃げ惑うことしかできないでいる。
これでは役立たずのままではないか。
(何か……何かできることはないの!?)
そう考えながら、ルイズは辺りを見回す。
ふと、浅倉に貸しっぱなしだった手鏡が目に入った。
そして、その傍らにあるのは……
(破滅の箱……?)
フーケに盗まれたはずの秘宝。
手にした者を破滅させるという呪われた品。
しかし、浅倉の言う通りならばこれを使って変身できるはず……。

(これなら私だって……私だって戦える!!)
思い立つやいなや、すぐにデッキを拾い上げると、鏡に向かってその白虎の紋章をかざし、叫んだ。

「変身!!」



「あれは……破滅の箱!?」
タバサが呼び寄せたシルフィードに乗り、上空に避難していたキュルケがルイズの方を見て、叫んだ。
タバサも珍しく驚いた顔つきでルイズの方を見つめている。
ルイズが腰に巻かれたベルトに破滅の箱を差し込むと、ルイズの姿が一瞬にして青と銀の鎧に包まれた。
「近くへ寄って」
タバサはシルフィードに指示を出し、ルイズの元へと急ぐ。

「これが……破滅の箱の力……」
自身の姿が映った手鏡を覗き込むようにして見ながら、ルイズが呟いた。
その姿は、胸に青と銀の、肩に鋭い爪を模した装甲を纏い、顔は虎をイメージさせるような形の面を被っている。
両手を動かすと、チャキチャキと装甲が擦れる音がした。

「ルイズー!」
ルイズが鏡に見入っていると、上からキュルケの声が聞こえてきた。
振り返ると、シルフィードから降りたキュルケとタバサがこちらに向かって走ってきていた。
「ルイズ、この格好は……」
驚きの表情で尋ねるキュルケに、ルイズ―仮面ライダータイガ―は答えた。

「これはアサクラと同じ、『仮面ライダー』よ」




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