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ジ・エルダースクロール外伝 ハルケギニア-17


17,盗賊ギルドの秘密

「おお、何と…」

マーティンは言葉を失って、ただ目の前に浮かんでいる大陸を見やる。
空に浮かぶ「白の国」アルビオン。書物で確かに浮かんでいるのは知っていたが、
実際に見るのとでは大違いであった。

「どう?凄いでしょ!」

ルイズが楽しそうに笑う。さっきの事もあって、どうにか気楽になろうとしていた。
驚いているマーティンはルイズの方へ向いて、感激した風に言った。

「ああ、全くだよルイズ!しかし――ここまで大きな物が何で浮かんでいるんだろうか?」

「色々学説があるらしいけど、始祖ブリミルが風の精霊に頼んで、
このアルビオン大陸で聖地へ行ったって伝説がよく言われるわね。
昔はハルケギニアのどこへでも行けたらしいけれど、
今は精霊が、最後に始祖に頼まれた様にしか動かさないんですって」

「始祖ブリミルか…もし生きていたなら一度お会いしたかったな」

その原理や方法、例え伝説でも浮かんでいるこの大陸がその証拠だ。
その大いなる力をほんの少しは知りたいと思ってしまうのは、やはり彼もメイジだからだろう。
残念ながら、始祖ブリミルは神格化されて信仰されているものの、魂は神とならなかったらしい。
そうでなければもっと九大神が行う様な奇跡を起こすものだろう。

タムリエル独特の考え方が決して抜けないのは年のせいだろうか。
隣で同じように感動しているコルヴァスに気づかず、二人は白の国を眺めていた。
しかし、そんな和やかな雰囲気をぶち壊すかの様に、鐘楼に上がった見張りの船員が大声をあげた。

「右舷上方の雲中より、船が接近してきます!」


「旗を掲げていないだとぉ!?」

船長は焦った。現在後甲板でワルドと共に操船の指揮を取っていた彼は、
こちらに砲門を向ける空賊の船を、確かに目視で確認した。

「いかん、逃げるぞ!取り舵いっぱい!」

だが、時既に遅し。あれよあれよという間に船は空賊の手に落ちた。
頼みの綱のメイジは残念ながら打ち止めだったらしい。
ああ、くそったれ。船長はそう思いながら舌打ちした。


「空賊だ!抵抗するな!」

どこにそんな行儀良く歩く賊がいるんだよ。軍属だろお前ら。
そもそも賊のくせに何だその半年前から始めました的な服装は。

一般人には間違いなく恐ろしい空賊として見える彼らの格好は、
しかしコルヴァスには全く恐れを感じさせない。年季が違うのだ。
軍も賊も知り尽くしている彼にしてみれば、彼らが何者か手に取るように分かった。


そもそもこの時期に船襲うか普通。賊が暴れるのは崩壊後が相場だ。
その前にやり始めると、通商船より軍艦に見つかって落とされる可能性が高い。
賊共は金よりは、自分の命の方が大事だからこんなヤマ張らねぇよ普通。

ま、情報流したのは俺なんだけどな。姫さんめ、奇襲されるとかどこかで漏れてやがる。
だから、アルビオンにいて大丈夫な連中に機密輸送船が朝方こっちに来る。
と流すようアイテムで伝えたら案の定食いついた。
王党派が切羽詰まっているのは間違いないらしいな。

しかしながら彼の頭は愚痴しか出さない。襲うにしても空気を読んで欲しかった。

今回の話は断るつもりだったのに、ティファニアがねじ込んだんだ。
俺の恩人である彼女と関係深いアルビオン王家。
その王様も救出して欲しい。と言われたからにはそりゃやるが、
俺は普通後方から指示出しだろう。ああ、くそ。
何か皆してテファばっかり崇めやがって。
胸か、胸なのか。胸力なのかやっぱり。

本当はそんな訳でもないが、彼としてみれば何となく「負けた」気分がしていて、
何ともため息をつきたい気分になった。なのでため息をつく。
少し冷静になった。いかんな。ついついやってしまう。
そう思って今空賊に囲まれている皇帝の事を考えた。

マーティン陛下は動く気配無し。空気を読んでおられるのか、
それともお気づきになられているのか…まぁ、俺は雲隠れとしゃれ込むがね。

灰色狐は気配を消して空賊に真似た王党派の船に忍び込む。問題は無い。
たかだかこの程度の連中にバレてしまっては、
グレイ・フォックスの名を継ぐものとは言えないのだ。
勘違いしないで欲しいが、彼は強化外骨格で身を包んだりはしない。
お気に入りは革の防具である。

ショウタイムだ!気を取り直してそう思いながら、
船室で見つけた予備だろう連中の服を着込み、
空賊になりすますフォックスであった。


「あん?もう一人いなかったか…いや、いねぇか」

確認していた空賊の男は、何か違和感があったものの、
すぐに忘れてしまった。後からやってきて、
船長の帽子をかぶった空賊の頭はルイズ達に近づき大げさに言った。

「へぇ、貴族の客まで乗せてるのか!こりゃ――」
「黙りなさい下郎」
「驚いた!下郎ときたもんだ!」

マーティンは普通に立っているようで、
既に魔法をいつでも唱えられるようにしていた。
裾に隠したナイフは後三つで、投げれば急所に当てられる様に、
相手がどう動くかを常に見ている。
灰色狐に言わせれば「空気を読んでおられる」状態だった。

「てめえら。こいつらも運びな。身代金がたんまり手に入るだろうぜ」



所変わりタルブ。現在昼をまわる少し前。ワイン用のブドウと、
瑞々しい甘さと舌に優しい酸味のオレンジが名産の村である。
特にオレンジは平民貴族問わずに人気で、
アストン伯は、最近一箱2エキューで固定化宅配サービスまで行いだした。
良い感じに潤っているようだ。オレンジ自体の値段は一つ8ドニエである。
大きさは、成人男性のてのひらに収まるか収まらないかくらいの物で、
味も良く量も多いと人気を集める要因となっている。

「そんな訳でオレンジです。どうか食べていって下さいティファニアさん」
「まぁ、ありがとうございます。シエスタさん」

タルブにある盗賊組織、旧『影の一党』本部で、
現『盗賊ギルド』タルブ支部の小屋にて、
何故かメイド姿のままのシエスタが、
椅子に座る普段着のティファニアにオレンジを渡し、
テーブルにワインを置いた。

今、トリスタニアにはほぼ盗賊がいない。
お上の目もあるからということで、
作戦が始まる少し前に、ティファニアはタルブへと移ったのだ。

シエスタはというとあの後、どうにも手元がおぼつかずに作業が進まない事を、
マルトー経由でオスマンに知られ、事情を知っているらしい彼に、
一週間ほど暇をいただいたのだ。

「いやー素晴らしいですな。甘いオレンジがワインに合うとは」
「あの、何故いらっしゃるのですか?チュレンヌ様」

はっはっは。とチュレンヌは高らかに笑った。

「このチュレンヌ!ミス・ノクターナルに忠誠を誓った身。
例えそのお姿がエルフであろうとも揺るぎはしませぬ。
それに、今ギルドはほとんど機能停止を余儀なくされている状態。
ティファニア様をお守りするのは私以外誰がいると言うのかね?」

現在、ほとんどのギルド員がラ・ロシェールにて待機状態になっているか、
フーケに連れられアルビオンでの仕事中である。
ティファニアは一応『容姿を魔法で変えられる』ようにはなったが、
万が一を備えてここにいるのだ。アストン伯もこの件については良く理解している。
彼もまた、今の王家に多少思うところがあるらしかった。

「左様でございますか。お仕事の方は?」
「何、手の者に任せておるよ。皆良く働いてくれる。私は良い部下を持っていたのだな」

「素晴らしい事だなチュレンヌよ。しかし、ティファニア様。
貴女の様な方がこのようなところで匿われないといけないとは、
今私は初めて始祖に怒りを覚えておりますぞ」

「お、落ち着いて下さい。も、モット伯さん」

ティファニアが慌てたように言った。
フードもローブも纏っていないいつもの服装の彼女は、
いつも通りの優しいハーフエルフだった。


シエスタは心の中でため息をつく。もうチュレンヌがいる事はいい。いや、良くないけどいい。
何でこの人までここにいるんですか。というより何処から嗅ぎつけてきたんですか。
ジュール・ド・モットも、チュレンヌの様な感じでギルドに入った仲間であった。
しかし、今は公務中のはずである。当然、この件は知らない…はずだ。

「はっはっは。何、どうせまた学院に突っぱねられて終わりだろうに。
適当に流した方がどちらにも良いという訳だよ。」

『お前達も大変なのだな。我には到底真似できぬ』
「いやはや。夜の女王様は冗談がお上手ですな」

まぁ、百歩、いや千歩譲って上記の二人はアリとしよう。うん。
何なんだ。本当に何で貴女様までここにいますか。
シエスタは、最近フラリと現れては、
いい加減に返せとグレイ・フォックスに突っかかる彼女を見て、
頭が痛くなってきた。祈ったけど。確かに祈ったけど。
ここにいてくれとは一言も言ってないんですけど。

夜の女王と言われたその人物は、見た目麗しい女性だった。
真っ黒なローブで身をつつみ、黒い髪で白い肌、
大きくも小さくもない胸を持ち、
両肩に白にも黒にも見えるカラスを一羽ずつ立たせ、
もうあらん限り隙だらけでオレンジをほお張っていた。

『意味無き事を気にするな、我の信者シエスタよ。我は影のある所であらばどこであろうと現れる』
「いや、私のお願い聞いてくれましたよね?」
『無論』
「なら何でここにいらっしゃるのですか?ノクターナル様」
『未だ彼奴らは苦難に陥ってはおらぬ故。それに眠い』

さっき用意をしているとき、気が付けばいつの間にか座っていてオレンジをほお張っていた。
デイドラにしてみても、それはおいしいらしかった。

デイドラ王、そうマーティンは言っていたが彼ら(または彼女らか、両方持ち)は基本的に
『王子』の敬称が彼らに関する書物では記されている。それは階級的な物なのか、
儀礼的な物なのかは別として、とても何というか。
つまり、何で王子と呼ばれているのかを説明するのは面倒なのだ。

タムリエル地方の一つエルスウェアに住んでいる者達である猫人族のカジート
(正確には違うが、シロディールには猫型しかいない)
は、デイドラ『アズラ』をエイドラとして信仰していたりする。
デイドラの認識は、誤解を生みやすく色々とややこしいのだ。

おさらい的なものだが、デイドラは不死にして異世界オブリビオンに住む。
形状は様々だが、大抵暴力的なのが好みである。
定命の者の「祖先」と、言う意味を持つエイドラは死ぬ可能性を持ち、
やはり形状は様々だが、めったに人の世界に姿を見せない。
彼らは人にとって、オブリビオンよりさらに離れた異世界エセリウスに住む。

「デイドラ」というのは、元々タムリエルの古代エルフが、
「魔物」を意味する言葉として作った単語、「デイドロス」(Daedric)の複数形である。
今は、オブリビオンに住まう者達の総称として「エイドラ」の反語「祖先で無い」を意味し、
「デイドロス」はあまり使われなくなった。尚、種族としてデイドロス(Daedroth)と言われる、
二足歩行の白くてワニっぽいデイドラがいたりもする。


そんな訳で、マーティンはデイドラについて全く知らないハルケギニア人に、
分かりやすく、かつ返答が難しい質問をされないように、
領域を持っている者を『王』として教えたのだ。
本来は王子だが、なら王様は誰?とか聞かれるとそれはとても困るからだ。
誠実に生きよ。と『九大神の十戒』には書かれている為、あまり喜ばしい行いとはいえないが、
無用な混乱を招く真実は、嘘よりよほど質が悪いのを彼は経験上良く知っていた。

別段、デイドラの王子達を必ずしもそう呼ぶ必要は無い。
デイドラの『主』と呼ばれることも、『王』と呼ばれる事もあるし、
つかさどるものにちなんだ様々な異名をかの存在は持っているし、
また、単に『神』と言われることもある。ただ、
『王子』の方が良く使われるているだけなのだ。

オブリビオンにおいて、力のあるデイドラは皆『王子』と呼ばれる。
例外になりうるだろう存在がいるような気もするが、
何故そうなのかは記すことすらはばかれる。
まぁ、誓いを破った三人のエルフの罪の証として、
その種族を一人残らずダークエルフに変える程度の力を持っているのだから、
特別扱いでも構わない気がしないでもない。


『かような理由で我はいる。駄目か?』
「いえいえノクターナルさん。大丈夫なら一緒にオレンジ食べましょう」
『我が影は優しいな』

肩のカラスが一羽、ティファニアの肩へ停まった。
チュレンヌとモットは、麗しき二人の夜の女王に見とれている。
全体的に、穏やかで和やかな雰囲気だ。


ノクターナル。何を考えているのか分からないデイドラの中でも、
最も理解できないデイドラ王「ハルメアス・モラ」と同じくらい、
何を考えているのか分からない存在である彼女は、
神学者達の間でも時折話題になる。

ある時、一人のデイドラ学者が、
ノクターナルを信仰する青年と話したところ、彼はこう言ったという。

「ノクターナル様はあれです。何か考えているようで、実際何も考えていないんです」

包み隠さず言った彼は、その後色のない色の影に飲まれて再び現れると、
イエイエ、チガイマスヨ。カンガエテマスヨ。と言い出したそうだ。
学者はこれをネタに論文を発表したが、結局笑い物にされて終わりだったらしい。

彼女は、夜や影等の闇を司ると言う性質上、
秘密や、隠密行動に関することに支配力を持っている、と言われている。
盗賊等というのは、普通一匹狼で神より自分の腕を信じるが、
実際に神がいるタムリエルだと話は変わってくる。
かの存在の気分次第で相手にバレるとまずいので、
無言の内に、彼の地の盗賊達の多くは、
ギルド員でなくても彼女の庇護を受けようと、
例えば、常に黒い衣装に身を包んだりして、
彼女からの祝福を何とはなしに求めている。

だからといって彼女は特に何もしない。
タムリエルまで一々出向きたくないからだ。


そんな彼女は、何故か盗賊達からの盗難被害最多のデイドラ王でもある。
ちなみに、装飾のセンスはあまりよろしいとは言えない。
おそらく、暇つぶしを兼ねてクラヴィカス・ヴァイルという、
人間の商談などの契約を司るデイドラ王から、
「タダで」教えてもらっているからだろう。

比較的有名な話だと、今から300年くらい前の時代、
信者達の前で自慢の肢体を見せようと身体を覆う夜のマント一枚に、
お気に入りの頭巾をかぶって召喚され、マントと頭巾を脱ぎ捨てた際に、
隙を付かれてかぶっていた「ノクターナルの灰色頭巾」を盗まれた。

ほんの数年前には、自分を奉っている祠の神像から目を盗まれたりもした。

どうしてそんな物まで盗まれるのだろうか。信者達にも、彼女にも分からない。
あるトカゲ人間(アルゴニアン)が行った窃盗であった。

幸い、目は今や英雄となった者が取り戻してくれたが、
頭巾はグレイ・フォックスが被っている。お気に入りだから返して欲しいのだが、
上手い具合にやり込められた。他のデイドラ王なら、盗んだ時点で終わりだろう。
ノクターナルは、あまり荒事が好きではなかった。

「けど、何か変わってますよね。信仰によって強弱が変わっていくって」
『我らからすれば当たり前の事。故にそう言われても困る』

ずっと昔に、グレイ・フォックスに盗まれたノクターナルの灰色頭巾。
別に盗まれた事はどうでも良い。気にしてはいないが、
返してくれないか?と盗まれて数日したある日、信者に言付けて行かせてみた。


通常、ドラゴンファイアが灯っているタムリエルに、
デイドラ王が自力で姿を現そうとするのは、実際のところはとてもしんどい。
『不可能』ではなく『しんどい』だが、
デイドラ王達は、面倒なので自分から行かないで、
そこで信仰している自分の信者達を使うのである。
敢えて戦いに来ては、半殺しにされてオブリビオンに戻っていく、
本当にはた迷惑な破壊の権化である『メエルーンズ・デイゴン』を除いて。
基本的にデイドラ王達は享楽的な側面が大なり小なりあるのだ。
デイゴンも破壊と敗北が楽しくて来ているらしい。人間には訳の分からない話である。

祠の前にやって来たグレイ・フォックスは、ノクターナルの神像に跪いてこう言った。

「あなた様のかけた呪いにより、私はこれをはずすと誰にとっても、
『見知らぬ者』となるのです。ですので、これはお返しできません」

はて、そんな呪いかけただろうか。彼女からしてみれば、
それは呪いでもなんでもない。自分の力でどうにでも出来る、
頭巾にかけた魔法効果の一つなのだった。

「ですが、そのままでは私の命が危なくなるのも重々承知しております。
ですので、どうかあなた様を信仰する団体を創りますから、
これを私に賜ったという事にしてくださいませんか?」

どうしてかは知らないが、彼はデイドラの力がどうやって増幅するのかを知っていた。
力が増幅するのはありがたいので、ノクターナルは何となくOKサインを出した。
彼女は、色々面倒だったので自身から熱心に信者を集める口ではなく、
この申し出はありがたい事だったのだ。


こうして、初代グレイ・フォックス「エマー・ダレロス」は、
シロディールの盗賊ギルドに入り、ギルドは彼女を崇めるようになった。
第三紀433年より約300年前に、このギルドは彼によって作られたと言われているが、
実際の所、それよりさらに700年くらい前から細々と存在していた。
ギルドマスターになった彼は、グレイ・フォックスの噂を様々な手段で流し、
その結果グレイ・フォックスと盗賊ギルドは、誰もが知る有名な伝説となった。

盗んだ本人から呪いなぞかけておらぬが?と言われて、
ではどうしたものかと彼は悩み、結局その「呪い」ともいえる魔法効果を解除出来なかった。

盗賊ギルドにとって、グレイ・フォックスとノクターナルはその象徴と言える。
誰も名を知らぬ長と夜の女王。それがいなければ話にならぬのだ。
だから頭巾を次の長に渡し、その後に真相を伝えるようになった。
それが何代も続き、いろいろな理由から盗賊ギルド員になった、
地方都市アンヴィルの伯爵「コルヴァス・アンブラノクス」の代で、
ようやくこの忌まわしい魔法を解除する方法を見つけたのだ。

しかし、彼は魔法を解除するアイテムを手に入れることは叶わなかった。
失意に浸り、もはや全てがどうでもよくなったときにハーフエルフに呼び出され、
彼は生きる希望を見いだした。彼女だけは自分の名を覚えていてくれるのだ。


『ん』
「どうかなさいましたか?ノクターナル様」

ざわざわと、ノクターナルが作る影『だけ』が震える。純粋な黒よりさらに黒いそれは、
まるで、近づく物を全て飲み込む奈落の底の様な色であった。

『少し見てくる。もしや何か起こるやもしれん』
「気を付けてくださいね。ノクターナルさん」

ああ、我が影よ。そう言ってノクターナルは自身の影に包まれ消えた。




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