4 朝
ニケの目覚めは最悪だった。
硬い床に直接寝ていたせいか、頭が痛い。いや、痛い理由はそれだけではない気がするが、よく覚えていない。
硬い床に直接寝ていたせいか、頭が痛い。いや、痛い理由はそれだけではない気がするが、よく覚えていない。
体にはブラウスやスカートがかかっている。起き上がると、頭から白い布が落ちてきた。
女物のパンツだ。しかし、ククリのかぼちゃパンツとは明らかに違う。自分自身のおかれている状況が理解できなかった。
横を見ると、豪華なベッドにククリと桃髪の女が寝ていた。
女物のパンツだ。しかし、ククリのかぼちゃパンツとは明らかに違う。自分自身のおかれている状況が理解できなかった。
横を見ると、豪華なベッドにククリと桃髪の女が寝ていた。
「そうか、どっか別の世界に召喚されたんだっけ……」
とりあえず、トイレに行きたい。だが、昨日は窓から入ってきたので、建物の構造は全く知らない。どうしよう?
そうだ、あのルイズとかいう女なら、知ってるだろう。
ベッドに歩み寄り、ルイズをゆさぶった。
そうだ、あのルイズとかいう女なら、知ってるだろう。
ベッドに歩み寄り、ルイズをゆさぶった。
「おい、起きろよ」
「ん~、なによ」
「トイレどこ?」
「階段をおりて、ひだり……」
「ん~、なによ」
「トイレどこ?」
「階段をおりて、ひだり……」
ルイズはそう言うと、また寝てしまった。
そのあとは何度話しかけても、返事は『……』のままだった。
これ以上の情報は得られそうにない。部屋を出てトイレを探すことにした。
そのあとは何度話しかけても、返事は『……』のままだった。
これ以上の情報は得られそうにない。部屋を出てトイレを探すことにした。
部屋の扉を開け、廊下に出る。螺旋階段を下りると、それらしき場所が見つかった。
中に入ると、確かにそこはトイレだった。
中に入ると、確かにそこはトイレだった。
……
「ふぅ、さっぱりした」
さっぱりしたのに何かが足りない、そんなことを考えつつ個室の扉を開けると、金髪縦ロールの女が目の前に立っていた。
女は一瞬硬直したあと、息を吸い込み、そして悲鳴をあげた。
耳が痛い。女は何か叫びながら、ブンブンと杖を振っている。
女は一瞬硬直したあと、息を吸い込み、そして悲鳴をあげた。
耳が痛い。女は何か叫びながら、ブンブンと杖を振っている。
~~~
「ニケくん、おはよう……どうしたの、ずぶ濡れじゃない!」
洪水でトイレから押し流されたニケは、全身ビショビショのボロボロでルイズの部屋に帰って来た。
なお、ルイズの着替えは、ククリの手により既に終わっている。
なお、ルイズの着替えは、ククリの手により既に終わっている。
「女子トイレとか、何も書いてなかったから兼用かと思ったのに……」
「ここは女子寮よ。男子トイレなんてあるわけないわ」
「だったら、それを初めに言ってくれよ!」
「そのぐらい考えなさい! そもそも、平民が貴族のトイレを使っていいわけないでしょ!」
「じゃあどこに行けばいいんだよ!」
「そんなこと知らないわよ! 衛兵にでも聞きなさい!」
「ここは女子寮よ。男子トイレなんてあるわけないわ」
「だったら、それを初めに言ってくれよ!」
「そのぐらい考えなさい! そもそも、平民が貴族のトイレを使っていいわけないでしょ!」
「じゃあどこに行けばいいんだよ!」
「そんなこと知らないわよ! 衛兵にでも聞きなさい!」
そのとき、勢い良く扉が開いた。
長身で、やたらとグラマラスな女が部屋にずかずかと入ってきた。
長身で、やたらとグラマラスな女が部屋にずかずかと入ってきた。
「朝からうるさいわね! もっと貴族らしく優雅になさい、ゼロのルイズ」
「あんたみたいな下品な女に言われたくないわ、キュルケ!」
「あんたみたいな下品な女に言われたくないわ、キュルケ!」
キュルケは、ニケとククリを見る。
「ところで、あなたの使い魔って、どれ?」
「こいつよ」
「こいつよ」
ルイズがニケを指差した。
「ぼっ、ぼくはニケです。使い魔の」
ニケの体から湯気が出ている。
「あっはっは! ホントに人間なのね! すごいじゃない!
あたしはキュルケよ。ルイズの使い魔にされるなんて不幸ね、ニケ。
じゃあ、こっちの子は?」
「この子はククリ、同時に召喚されたの。
貴族だと思ってたから使い魔の契約はしてないけど、わたしの使用人にするのよ」
「ふーん。でも、どうせ使い魔にするならこうゆうのが良いわよね~。フレイムー」
あたしはキュルケよ。ルイズの使い魔にされるなんて不幸ね、ニケ。
じゃあ、こっちの子は?」
「この子はククリ、同時に召喚されたの。
貴族だと思ってたから使い魔の契約はしてないけど、わたしの使用人にするのよ」
「ふーん。でも、どうせ使い魔にするならこうゆうのが良いわよね~。フレイムー」
キュルケが使い魔を呼ぶと、巨大なトカゲのような生き物が部屋に入ってきた。
「おっほっほ! 見て? この尻尾。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ?
ブランドものよ。好事家に見せたら値段なんか付かないわよ?
素敵でしょ? あたしの属性にぴったり。まさに、この微熱のキュルケにふさわしい使い魔よ。
ま、あなたが召喚した平民も、ある意味ゼロのルイズの名にふさわしいかしら?
とにかくフレイムは賢くて強くて、見た目もこの通りの迫力。最高よ!」
「そりゃ良かったわねぇ……」
「あら? フレイムの方を見つめちゃって、どうしたのかしら?
ああ、あたしが命令しない限り襲ったりしないから、心配しなくていいわよ」
「いやね、そのブランド物のサラマンダーがどっか行っちゃったけど、本当に使い魔にできたのかしら?
そのうちあんたに噛み付いたりするんじゃないか、心配で心配で夜もぐっすり眠れそうよ」
「え? あ、フレイム、ちょっと、どこに行くのよ! 戻ってきなさい!」
ブランドものよ。好事家に見せたら値段なんか付かないわよ?
素敵でしょ? あたしの属性にぴったり。まさに、この微熱のキュルケにふさわしい使い魔よ。
ま、あなたが召喚した平民も、ある意味ゼロのルイズの名にふさわしいかしら?
とにかくフレイムは賢くて強くて、見た目もこの通りの迫力。最高よ!」
「そりゃ良かったわねぇ……」
「あら? フレイムの方を見つめちゃって、どうしたのかしら?
ああ、あたしが命令しない限り襲ったりしないから、心配しなくていいわよ」
「いやね、そのブランド物のサラマンダーがどっか行っちゃったけど、本当に使い魔にできたのかしら?
そのうちあんたに噛み付いたりするんじゃないか、心配で心配で夜もぐっすり眠れそうよ」
「え? あ、フレイム、ちょっと、どこに行くのよ! 戻ってきなさい!」
フレイムはドシドシと廊下を歩いていた。背中にククリを乗せて。
キュルケはルイズの部屋から飛び出し、フレイムを追いかける。
キュルケはルイズの部屋から飛び出し、フレイムを追いかける。
「あはは、あったかーい!」
「こっちに戻りなさいって言ってるでしょ、フレイム!」
「こっちに戻りなさいって言ってるでしょ、フレイム!」
フレイムがUターンし、ククリとキュルケが対面した。
「この子、いい子だね!」
「何でいきなり懐いてるのよ……。
ククリちゃん、だっけ? 勝手にあたしの使い魔に乗らないでちょうだい」
「はーい」
「何でいきなり懐いてるのよ……。
ククリちゃん、だっけ? 勝手にあたしの使い魔に乗らないでちょうだい」
「はーい」
ククリがフレイムから下りる。
キュルケはうなだれながら、フレイムを連れて自室に戻っていった。
キュルケはうなだれながら、フレイムを連れて自室に戻っていった。
ククリがルイズの部屋に戻ると、ルイズがニヤニヤしていた。
「フフフフッ! キュルケめ、いい気味よ!
ククリ、よくやったわ! しばらくは、あいつをバカにするネタに困りそうにないわね」
「そ、そうなの……?」
「さあ、朝食に行くわよ。ニケも、ぼけっとしてないで付いてきなさい。
ああ、なんて清々しい朝なの!」
ククリ、よくやったわ! しばらくは、あいつをバカにするネタに困りそうにないわね」
「そ、そうなの……?」
「さあ、朝食に行くわよ。ニケも、ぼけっとしてないで付いてきなさい。
ああ、なんて清々しい朝なの!」
ルイズは軽い足取りで、ニケは惚けたように、ククリはムスッとした顔で、部屋を出た。
~~~
「うお、すげえ!」
食堂の中は、まさに豪華そのものであった。
ニケ達は、モンスター退治の礼にと、城で食事をふるまわれたことが何度かあった。しかし、ここの料理も内装も調度品も、それに勝るとも劣らない美しさだ。
ニケ達は、モンスター退治の礼にと、城で食事をふるまわれたことが何度かあった。しかし、ここの料理も内装も調度品も、それに勝るとも劣らない美しさだ。
「ここは、アルヴィーズの食堂よ。生徒と教職員はここで食事をするの。
貴族である以上、このぐらいは当然だわ」
「アルヴィーズって、なに?」
「小人の名前よ。周りに像がたくさん並んでいるでしょう? あれがアルヴィー人形」
貴族である以上、このぐらいは当然だわ」
「アルヴィーズって、なに?」
「小人の名前よ。周りに像がたくさん並んでいるでしょう? あれがアルヴィー人形」
壁際には、魔法使いに兵士、お姫様に王子様と、小さな人形がたくさん並んでいた。
「わあ、かわいい!」
「夜中になると、一斉に踊りだすのよ」
「楽しそう、見てみたいな」
「毎晩やってるんだから、安心しなさい。
ところで、あんたたちの食事だけど、貴族の食事を食べさせるわけにはいかないわよ。よだれ垂らさないでちょうだい」
「え~!? そんなぁ!」
「本当は、食堂に入るのもダメなんだから。厨房で平民用の食事でも貰いなさい」
「うう……」
「夜中になると、一斉に踊りだすのよ」
「楽しそう、見てみたいな」
「毎晩やってるんだから、安心しなさい。
ところで、あんたたちの食事だけど、貴族の食事を食べさせるわけにはいかないわよ。よだれ垂らさないでちょうだい」
「え~!? そんなぁ!」
「本当は、食堂に入るのもダメなんだから。厨房で平民用の食事でも貰いなさい」
「うう……」
食堂の中では、メイド達が忙しそうに動き回っている。
ニケが、近くにいた黒髪のメイドに声をかけた。
ニケが、近くにいた黒髪のメイドに声をかけた。
「すいませーん」
「はい、何の御用でしょうか?」
「オレ達、食うものがないんだ。
なんか食べ物、くれないかな?」
「あら、あなたは、もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔になったっていう……」
「ああ、そうだよ。なんで知ってんの?」
「噂になってますわ。なんでも、召喚の魔法で平民と貴族を呼んでしまって、平民を使い魔にしたって。
残り物でよろしければ、ありますよ。厨房までいらしてください」
「はい、何の御用でしょうか?」
「オレ達、食うものがないんだ。
なんか食べ物、くれないかな?」
「あら、あなたは、もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔になったっていう……」
「ああ、そうだよ。なんで知ってんの?」
「噂になってますわ。なんでも、召喚の魔法で平民と貴族を呼んでしまって、平民を使い魔にしたって。
残り物でよろしければ、ありますよ。厨房までいらしてください」
ニケの目が輝く。先ほどから目と鼻に入ってくる刺激で、そろそろ限界だった。
「ありがとう!
オレはニケで、こっちはククリ。よろしくな」
「私はシエスタっていいます。
……えっと、ククリ様も、残り物でよろしいのでしょうか?」
「うん、いいよ」
「でも貴族の方に、そんなものをお出しするわけには……」
「あたしは貴族じゃないの! なんでそう見えるのかな?」
「え? でも、そのローブと杖は……」
「なあ、早く厨房につれてってくれよ。もうペコペコだ」
「わ、わかりました」
オレはニケで、こっちはククリ。よろしくな」
「私はシエスタっていいます。
……えっと、ククリ様も、残り物でよろしいのでしょうか?」
「うん、いいよ」
「でも貴族の方に、そんなものをお出しするわけには……」
「あたしは貴族じゃないの! なんでそう見えるのかな?」
「え? でも、そのローブと杖は……」
「なあ、早く厨房につれてってくれよ。もうペコペコだ」
「わ、わかりました」
シエスタの後を追い、二人は厨房に向かった。
~~~
厨房の片隅に座るニケとククリの目の前に、シチューが2皿並んでいる。シエスタがスプーンを持ってきた。
そのうち一本を、ニケは目にもとまらぬ速さで奪い取り、そのまま手の動きを止めずシチューをすくい、口に運ぶ。
シチューの温かさが、ニケの口の中に広がる。
そのうち一本を、ニケは目にもとまらぬ速さで奪い取り、そのまま手の動きを止めずシチューをすくい、口に運ぶ。
シチューの温かさが、ニケの口の中に広がる。
「これは……うめえ!」
「残り物と言っても、貴族の方々にお出しするものと基本的には同じものですから。食材も料理人も一流です。
凝った盛り付けはできませんし、肉や野菜が少し硬かったりはしますけれど」
「これで十分だよ、なあククリ?」
「うん、おいしい!」
「よかった。おかわりもありますから。ごゆっくり」
「おかわり!」
「残り物と言っても、貴族の方々にお出しするものと基本的には同じものですから。食材も料理人も一流です。
凝った盛り付けはできませんし、肉や野菜が少し硬かったりはしますけれど」
「これで十分だよ、なあククリ?」
「うん、おいしい!」
「よかった。おかわりもありますから。ごゆっくり」
「おかわり!」
ニケの皿は、すでに空になっていた。
昨日のニケは、昼過ぎに戦闘で動き回った上に夕食を抜いていたのだ。
昨日のニケは、昼過ぎに戦闘で動き回った上に夕食を抜いていたのだ。
「はい、どうぞ。」
「ねえ、またここに来てもいい?」
「ええ。わたしたちが食べているもので良かったら、いつでもお出ししますから」
「ねえ、またここに来てもいい?」
「ええ。わたしたちが食べているもので良かったら、いつでもお出ししますから」
結局、ニケは4皿を平らげた。
その後、メイドを通じてルイズに呼ばれて、二人は教室に向かった。
その後、メイドを通じてルイズに呼ばれて、二人は教室に向かった。
~~~
教室の中には、生徒達がいるだけではなく、彼らの使い魔も大量に蠢いていた。
一部の生徒が召喚した大型の使い魔は屋外にいるが、小型の使い魔は主人のそばに、比較的大きい使い魔は椅子の下や教室の後ろに待機している。
まだ教師は到着しておらず、生徒達はおしゃべりに興じていた。
ルイズ達が席に付くと、太った生徒が文句をつけてきた。
一部の生徒が召喚した大型の使い魔は屋外にいるが、小型の使い魔は主人のそばに、比較的大きい使い魔は椅子の下や教室の後ろに待機している。
まだ教師は到着しておらず、生徒達はおしゃべりに興じていた。
ルイズ達が席に付くと、太った生徒が文句をつけてきた。
「おい、そこの平民。貴族の椅子に座るな!」
「これはわたしの使い魔よ。いいじゃない、席は空いてるんだから」
「なんだ、どっかで見たと思ったら、ゼロのルイズの使い魔かよ。
召喚できないからって、煙にまぎれて適当な平民を連れてきたんじゃないか?
ご丁寧に、その主人役まで用意してさ!」
「違うわ! ちゃんと召喚したもの! たまたまこいつらが来ちゃっただけよ!」
「嘘つくな!」
「本当よ!」
「あっ、今朝の変態じゃない! ゼロのルイズの使い魔だったのね! あんたのせいで――」
「これはわたしの使い魔よ。いいじゃない、席は空いてるんだから」
「なんだ、どっかで見たと思ったら、ゼロのルイズの使い魔かよ。
召喚できないからって、煙にまぎれて適当な平民を連れてきたんじゃないか?
ご丁寧に、その主人役まで用意してさ!」
「違うわ! ちゃんと召喚したもの! たまたまこいつらが来ちゃっただけよ!」
「嘘つくな!」
「本当よ!」
「あっ、今朝の変態じゃない! ゼロのルイズの使い魔だったのね! あんたのせいで――」
「静かにしなさい! 授業を始めますよ」
いつのまにか、教師が教壇に立っていた。中年の女で、いかにも魔法使いな格好だ。
教師は赤土のシュヴルーズと名乗り、土系統の魔法について語り始めた。
教師は赤土のシュヴルーズと名乗り、土系統の魔法について語り始めた。
――授業開始から十分後。ニケとククリは、夢の中にいた。
「グーグー」
(ねえ、なにあのいびき?)
(あれって、ゼロのルイズの使い魔じゃない? 下品ねえ)
(あれって、ゼロのルイズの使い魔じゃない? 下品ねえ)
「オッポレ……オッポレ!」
「ふんどし~? いやよ、ケムケムちゃん」
「ふんどし~? いやよ、ケムケムちゃん」
意味不明な寝言に、生徒達からクスクスと笑いが漏れる。
「二人とも、起きなさい!」
「んあ?」
「静かにしてなさい! 何よオッポレって」
「ドンドンして、ビンビンして、スパスパッと」
「一発殴れば目が覚めるかしら?」
「んあ?」
「静かにしてなさい! 何よオッポレって」
「ドンドンして、ビンビンして、スパスパッと」
「一発殴れば目が覚めるかしら?」
「ミス・ヴァリエール! おしゃべりをする暇があるのなら、あなたにやってもらいましょう」
教室がざわめく。
シュヴルーズと生徒たちが言い争う中、ククリは目が覚めたが、ニケは再び夢の世界に旅立った。
シュヴルーズと生徒たちが言い争う中、ククリは目が覚めたが、ニケは再び夢の世界に旅立った。
机の下に潜った生徒達を見て、とりあえずククリも机の下に潜る。
隣にいた金髪縦ロールの女子生徒に、理由を聞いた。
隣にいた金髪縦ロールの女子生徒に、理由を聞いた。
「ねえ、何でみんな隠れるの?」
「あんたもゼロのルイズの使い魔よね? ルイズがゼロだからよ」
「それって、どうゆう――」
「あんたもゼロのルイズの使い魔よね? ルイズがゼロだからよ」
「それって、どうゆう――」
ククリのセリフは、爆音に遮られた。