「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ。神聖で美しくそして強力な使い魔よ。私は心より求め訴えるわ。我が導きに応えなさいっ!!」
その詠唱の後に発生したのは、大柄な男子生徒を10メイル以上吹き飛ばすような強力な爆発だった。
「ゲホゲホ……」
何とか立ち上がって煙を払うルイズのピンクの長髪は少々煤けていた。うっすら涙ぐむ鳶色の瞳が爆発後に立ち上る爆煙を睨みつけている。
しかしそこに2つの人影があった。
「……人影!?」
そこに倒れていた1人は、薄茶色の神で白と薄紫を基調とした水兵服風の衣服(ただし下は膝が露出するほど短いスカートだったが)を纏った、ルイズと同年代の人間。
そしてもう1人は、ルイズよりずっと小柄な体、薄桃色のネグリジェ、薄緑色の髪には大きな鈴のような見た事の無い髪飾り、そして何より可憐な童顔という子供だった。
「ル、ルイズが平民を2人も召喚したぞ!」
「だが凄く可愛いな、ちくしょう……」
「2人とも変わった格好だな……」
マルコルヌが状況を言った後に生徒一同は様々な感想を言い合った。
「ミスタ・コルベール!」
「何だね、ミス・ヴァリエール?」
「やり直しを、サモン・サーヴァントのやり直しをお願いします!」
「ミス・ヴァリエール、それは許可できません。使い魔はメイジにとって最も必要な存在が召喚される。それを気に入らないという理由だけで拒否する事は、始祖ブリミルの意思に反する事になるでしょう」
「う、ううっ……」
その時、薄茶色の髪の方が呻き声を上げつつむっくり起き上がった。
「あの……、ここはどこですか……?」
少々ハスキーな声でそう尋ねつつ周囲をきょろきょろ見回している。
コルベールは近付くと少し屈んで視線を合わせ話しかける。
「こんにちは。私はこの儀式を監督しているコルベールといいます。君達がここに来た事についてちょっと説明をしたいんだけど、いいかな?」
「あ、ど、どうもこんにちは、コルベールさん……。ボク、志木秋巳っていいます……。それで、ここはどこなんですか……?」
「えっと、アキミ君……だね。実はいろいろ説明したい事はあるんだけど、やっぱりそっちの子が起きてから一緒に説明した方がいいと思うんだ。その子は君の友達かな?」
「いえ、ボク家にいたんですけど気がついたらここにいて……」
「そうなんだね。……ミス・ヴァリエール、すみませんがコントラクト・サーヴァントはその子も目を覚ましてからです。私と一緒に保健室に行きましょう。もちろんアキミ君も」
「は、はい……」
その詠唱の後に発生したのは、大柄な男子生徒を10メイル以上吹き飛ばすような強力な爆発だった。
「ゲホゲホ……」
何とか立ち上がって煙を払うルイズのピンクの長髪は少々煤けていた。うっすら涙ぐむ鳶色の瞳が爆発後に立ち上る爆煙を睨みつけている。
しかしそこに2つの人影があった。
「……人影!?」
そこに倒れていた1人は、薄茶色の神で白と薄紫を基調とした水兵服風の衣服(ただし下は膝が露出するほど短いスカートだったが)を纏った、ルイズと同年代の人間。
そしてもう1人は、ルイズよりずっと小柄な体、薄桃色のネグリジェ、薄緑色の髪には大きな鈴のような見た事の無い髪飾り、そして何より可憐な童顔という子供だった。
「ル、ルイズが平民を2人も召喚したぞ!」
「だが凄く可愛いな、ちくしょう……」
「2人とも変わった格好だな……」
マルコルヌが状況を言った後に生徒一同は様々な感想を言い合った。
「ミスタ・コルベール!」
「何だね、ミス・ヴァリエール?」
「やり直しを、サモン・サーヴァントのやり直しをお願いします!」
「ミス・ヴァリエール、それは許可できません。使い魔はメイジにとって最も必要な存在が召喚される。それを気に入らないという理由だけで拒否する事は、始祖ブリミルの意思に反する事になるでしょう」
「う、ううっ……」
その時、薄茶色の髪の方が呻き声を上げつつむっくり起き上がった。
「あの……、ここはどこですか……?」
少々ハスキーな声でそう尋ねつつ周囲をきょろきょろ見回している。
コルベールは近付くと少し屈んで視線を合わせ話しかける。
「こんにちは。私はこの儀式を監督しているコルベールといいます。君達がここに来た事についてちょっと説明をしたいんだけど、いいかな?」
「あ、ど、どうもこんにちは、コルベールさん……。ボク、志木秋巳っていいます……。それで、ここはどこなんですか……?」
「えっと、アキミ君……だね。実はいろいろ説明したい事はあるんだけど、やっぱりそっちの子が起きてから一緒に説明した方がいいと思うんだ。その子は君の友達かな?」
「いえ、ボク家にいたんですけど気がついたらここにいて……」
「そうなんだね。……ミス・ヴァリエール、すみませんがコントラクト・サーヴァントはその子も目を覚ましてからです。私と一緒に保健室に行きましょう。もちろんアキミ君も」
「は、はい……」
それから10分後、保健室では……、
「……あ、あれ……?」
薄緑色の髪の方も目を覚ました。
「よかった、目を覚ましたのですね」
「おじさん……、誰ですか……?」
「初めまして、私はコルベールといいます。君の名前は?」
「ゆずです……、橘ゆず……」
「ユズ君ですね。こちらはアキミ君というそうです。そうですね……、まずは何から話したものでしょうか……」
コルベールはハルケギニアの事、魔法の事、ここは貴族が魔法を学ぶ学校である事、2人がルイズの使い魔として召喚された事等を説明した。途中3人にトリステイン・ゲルマニア等の地名を幾つか尋ねてみたが、どれも知らないと答えてきた。
次に2人は自分達の事について話したが、最後に兄・姉・妹・母といった家族が心配するから早く帰してほしいと言った事は共通していた。
「あの、それでアキミ達はどうなるんですか?」
「問題はそこなんだよ。……さっき君達は元の場所に帰りたいと言っていたよね? ……残念だけど、今のところその方法は無いんだよ……。
でもこのままミス・ヴァリエールの使い魔として一生を過ごしてください、と言うわけにもいかないからね。
そこで提案なんだけど、君達が家に帰る方法が見つかるまでの間だけでいいから、ミス・ヴァリエールの使い魔になってくれないかい? もちろん君達の食べる物や住む場所も用意するよ。
……そうしないとミス・ヴァリエールは落第してしまうんだ……」
コルベールからの提案にルイズは思考を巡らせた。
確かに2人と契約すれば自分は落第しなくてすむ。しかし2人の気持ちはどうなるのだろうか? 使い魔としてではなく妹として2人を守りたい。
魔法を使える者が貴族なのではなく、自分より弱い者を守る義務を自覚しそれを果たす者が貴族なのだ。
ルイズは迷わなかった。
「ミスタ・コルベール、私アキミ達とは――」
「はい」
「わかりました……」
ルイズの拒否を遮って秋巳・ゆずは同意の返事をした。
「アキミ! ユズ!」
「ゆず、お家にいた時には家庭教師の先生に来てもらって、お勉強を教えてもらってたんです……。先生は一生懸命教えてくれました……。コルベール先生もきっとルイズお姉さんの事、一生懸命教えてたと思います……。
……だからゆず達のわがままでコルベール先生とルイズお姉ちゃんの頑張ったの、台無しにしちゃいけないんです……」
「ボクもおんなじ気持ちだよ。ルイズちゃんがボク達の事を考えてそう言ってくれてるのはわかるけど、ボク達自分の意志で決めたんだ」
2人の決意を知ったコルベールもルイズを諭すように、
「ミス・ヴァリエール、あなたはアキミ君達の意思を考慮したいのでしょう? それならば契約をしてください。……私からもお願いします」
「……わかりました。我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。5つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え我の使い魔となせ」
ルイズが2人の唇にそっとキスをしてコントラクト・サーヴァントは完了した。しかしその後にルイズが言った、
「お、女の子同士だからノーカウントよね」
との言葉に2人ともどこか悲しげな表情をしたのだった……。
「……あ、あれ……?」
薄緑色の髪の方も目を覚ました。
「よかった、目を覚ましたのですね」
「おじさん……、誰ですか……?」
「初めまして、私はコルベールといいます。君の名前は?」
「ゆずです……、橘ゆず……」
「ユズ君ですね。こちらはアキミ君というそうです。そうですね……、まずは何から話したものでしょうか……」
コルベールはハルケギニアの事、魔法の事、ここは貴族が魔法を学ぶ学校である事、2人がルイズの使い魔として召喚された事等を説明した。途中3人にトリステイン・ゲルマニア等の地名を幾つか尋ねてみたが、どれも知らないと答えてきた。
次に2人は自分達の事について話したが、最後に兄・姉・妹・母といった家族が心配するから早く帰してほしいと言った事は共通していた。
「あの、それでアキミ達はどうなるんですか?」
「問題はそこなんだよ。……さっき君達は元の場所に帰りたいと言っていたよね? ……残念だけど、今のところその方法は無いんだよ……。
でもこのままミス・ヴァリエールの使い魔として一生を過ごしてください、と言うわけにもいかないからね。
そこで提案なんだけど、君達が家に帰る方法が見つかるまでの間だけでいいから、ミス・ヴァリエールの使い魔になってくれないかい? もちろん君達の食べる物や住む場所も用意するよ。
……そうしないとミス・ヴァリエールは落第してしまうんだ……」
コルベールからの提案にルイズは思考を巡らせた。
確かに2人と契約すれば自分は落第しなくてすむ。しかし2人の気持ちはどうなるのだろうか? 使い魔としてではなく妹として2人を守りたい。
魔法を使える者が貴族なのではなく、自分より弱い者を守る義務を自覚しそれを果たす者が貴族なのだ。
ルイズは迷わなかった。
「ミスタ・コルベール、私アキミ達とは――」
「はい」
「わかりました……」
ルイズの拒否を遮って秋巳・ゆずは同意の返事をした。
「アキミ! ユズ!」
「ゆず、お家にいた時には家庭教師の先生に来てもらって、お勉強を教えてもらってたんです……。先生は一生懸命教えてくれました……。コルベール先生もきっとルイズお姉さんの事、一生懸命教えてたと思います……。
……だからゆず達のわがままでコルベール先生とルイズお姉ちゃんの頑張ったの、台無しにしちゃいけないんです……」
「ボクもおんなじ気持ちだよ。ルイズちゃんがボク達の事を考えてそう言ってくれてるのはわかるけど、ボク達自分の意志で決めたんだ」
2人の決意を知ったコルベールもルイズを諭すように、
「ミス・ヴァリエール、あなたはアキミ君達の意思を考慮したいのでしょう? それならば契約をしてください。……私からもお願いします」
「……わかりました。我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。5つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え我の使い魔となせ」
ルイズが2人の唇にそっとキスをしてコントラクト・サーヴァントは完了した。しかしその後にルイズが言った、
「お、女の子同士だからノーカウントよね」
との言葉に2人ともどこか悲しげな表情をしたのだった……。