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デルフリンガーの憂鬱2

 よお。オメーら。元気か?
 なんだか最近、平行世界での扱いの悪い気がするデルフリンガー様だぜ。
 ……まあ、平行世界が広いからって、この世界の俺様ほど扱いが悪いやつもいねーだろーけどなあ。これだけは自信があるぜ、ハッハッハッ。

 ……言ってて空しくなってきたぜ畜生。



 他の世界には、出番が少ない俺様がたくさんいるらしいが、そんなん甘い甘い! なんつったてこの世界の俺様は、武器としての扱いをうけてねーんだぜ!
 姿を変えて錆が浮いてた間はまだよかったんだよ。俺の相棒は武器使わねーから、鞘の中にしまわれてるだけですんだんだ。いやー、あの頃はよかったなー……

 それが、昔のこと思い出して、元の姿に戻った途端……良く切れる包丁扱いされてんだよ。

 そりゃー、相棒が食道楽だってのは良く知ってるさ。ああ、よーく知ってる。
 だからって、伝説の剣を包丁扱いはねーだろ!? そりゃ、下手な包丁より良く切れる自身はあるけどさ! 肉や魚はともかくはしばみ草を刻むのは勘弁してくれ! あん時はインテリジェンスソードでも味感じるんだって、マジでおでれーたぞ!

 そこんとこを相棒に抗議したらどんな返事が返ってきたと思う?

『一流の料理人は一流の道具を一流の技術で振るうからこそ、真に美味なる料理を生み出せるのだ! それにデルフリンガー……お前は人を斬る事と料理を作ることと、どちらが素晴らしいと思う?』

 ……言いたい事はなんとなくわかんだけど、納得いかねーよな。
 しかも、相棒と来たらやったらめったら強いもんだからなー……俺様の魔法吸収技能が無くても、大抵の敵には勝っちまうんだ……戦い方がダイナミックすぎて、辺りに対する被害も尋常じゃねーけどな。

 いやー。思い出すねぇ……

 フーケとの時は辺りの森を吹き飛ばし。
 ワルドとの戦いじゃあ城を半壊させた勢いで貴族派迎撃しちまって。
 タルブの決戦じゃあ山一つ消えたんだっけか。
 姫様を追っかけた時は、勢い余って姫様アフロにしちまって。
 貴族の嬢ちゃんの家から逃げる時なんて、巻き込まれた屋敷が大破しちまって大騒ぎ。
 ……俺様が相棒と出会う前に、決闘やらかして学院の塔を粉砕した事もあるらしい。

 まぁ、そんな相棒だ。
 今、目の前に立ち塞がる敵も問題じゃねぇ。問題にする理由がねぇ。


 目の前の平原を進んでくる、七万の大群。
 意気揚々と武器を掲げる連中を前にして、相棒は勿論その仲間達も一切物怖じしちゃいねーのさ。背後には、撤退準備を中断して布陣する連合軍。
 何でこんな事になってるのかってーと、撤退する味方を援護するために、殿を務めろっていう命令を受けた貴族のお嬢ちゃんは、胸を張ってこう返したそうだ。

『七万程度の敵! 私と私の使い魔にかかれば余裕で殲滅できるわ!』

 よくよく考えりゃー、とんでもない物言いなんだが……相棒を知る人間は何一つ疑問に思わねぇ。そのくらい相棒は強いのさ。

 今、俺は相棒の専属料理人の手に握られている。

「~♪」

 戦場だってーのに安心しきったマルトー親父は、気軽に野菜や肉を刻み、それらをとった出汁の中に投入。そのまま煮込むことしばし……
 相棒についてきた嬢ちゃんや貴族のボンボンも、戦場だとは思えねーほど和やかな雰囲気で料理の完成を待っている。

 戦場で何やってんだと思うかも知れねーが、これは相棒が戦うために必要な儀式だ。上手い料理を食べる事が、相棒の闘争本能を引き立てるんだ。
 そう……完成した料理を食べた瞬間!
 相棒は、無敵のバーサーカーと化すんだ!

「ほら! 出来たぜ、『我等の光』よ!」
「うわぁ……」
「おお! これは実に美味しそうじゃないかね!」

 マルトー親父の作り上げた、『改良型ヨシェナヴェ』を前に、お嬢ちゃんは生唾を飲み込み、ボンボンは物欲しそうにそれを覗き込む。苦笑した相棒が、後で一緒に食べようと言うと、二人の表情がパッと輝いた。
 そう。一緒に食べるのは、後だ。
 今は……あの七万の軍勢を倒す事を考えにゃーならねぇ。

「うむ……それでは、頂くとしよう」

 相棒が料理に手を合わせ、黙祷をささげると同時に、マルトー親父達はその場を去っていく。巻き込まれるのを避けるために。
 何度でも言う。
 俺の相棒は、完成した料理を食べた瞬間、無敵のバーサーカーと化す!





















「うぅぅぅぅぅまぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃぃぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」












 料理を口にし、飲み下した瞬間!
 相棒の体が突如として光を放ち、巨 大 化 を 開 始 し た !
 服は全てびりびりと破れ、むき出しになった体は何故か破れなかったふんどし一丁!
 鍛えられた肉体から、青白いオーラが炎の如く立ち上る!

「何度も食った! 何度でも言おう!
 これは美味! 美味! 美味ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」

 巨大化した相棒はその口から光線を放ち、硬直した敵をなぎ払う!

「様々な野菜のうまみがだし汁の中に染み出し、だし汁のうまみが野菜に染み渡る!
 渾然一体のハーモニーが、口の中で踊っているぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!」

 その巨体が驚くほどの素早さで敵陣に飛び込み、敵を文字通り蹴散らす!

「しっかりとした処理されたはしばみ草の苦味は決して他の野菜と喧嘩せずに濃い味付けに絶妙なアクセントを加えている!! なによりぃぃぃぃぃぃ!!!!」

 涙目で逃げ出す敵兵達を光線で追い討ちしながら、相棒は吼える! 吼える! 吼える!

「熟成された野うさぎの肉は臭みは一切無くその味は旨味の塊! 否! 旨味そのもの!
 何度も食った! 何度でも叫ぼう!
 これは――うぅぅまぁぁいぃぃぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」



 ……言っとくが、俺様へんな電波受け取ったわけじゃねーぞ。
 本当に、そうなんだってば。料理食って巨大化された相棒が、目から口から色んなとこから光線出しながら、七万の軍勢を蹂躙してんだ。

 原理なんざ誰も知らねーよ。何故か、相棒ってば美味いもん食うと実に様々なリアクションして、それで敵を粉砕しちまうんだわ。んでもって、何故か殺傷力は0。踏み潰されても動けなくなるだけ、光線直撃してもアフロになるだけで、死者が一切出ねぇ。戦闘不能にゃなるけどな……理不尽すぎてオデレータ。

 大暴れする相棒に対する各々のリアクションは、実に様々。

「いやー! ああいうアクションしてもらえると、実に作り甲斐があるぜ! さすが味皇様だ!」

 ホクホク顔のマルトー親父。

「な、なんというか……君の使い魔は相変わらず理不尽だねぇ」

 以前に踏み潰された事のあるボンボンは引きつった笑いを浮かべていた。

「そう? いつもの事よ」

 食事の度にあんなリアクション取られるもんだから、完全に慣れの入った嬢ちゃんは涼しい顔だ。

 相棒の圧倒的な戦闘能力は、近隣でもっぱらの噂になってるぜ。
 巨大化し、敵を蹂躙する無敵の使い魔『味皇・村田源二郎』ってな。

 ってかな。
 相棒の戦い方見てると思うんだ……





 ガンダールヴってあんなんだったっけ?
 なんか違うよーなきがすんだけどなー……





 答え=味皇様のダイナミックなリアクションを、ルーンが武器クラスの危険物と判断した結果です。




 これは余談だが。
 味皇様とヨルムンガンドとの戦いは、見た目がまんま二大怪獣大決戦であり、それを見た民衆達に凄まじい衝撃を与えた。
 あまりの衝撃にその光景が御伽噺として言い伝えられ、末永く子供達に親しまれたという。


以上。ミスター味っ子より、皆大好き味皇様でした。




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