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炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!クロスオーBANG!!-07



次回予告
「バルカだよーん。ワオ! シエスタが連れてかれちゃった! そんな時、新たなガイアーク・デルフリンガーが現れてもう大変!
 GP-07 女給(メイド)ダッカン
 ――GO ON!!」


 翌朝、食堂に向かうルイズと洗濯場で別れる事にしたケガレシアだったが、見知った顔がいない事に訝しがる。
「そういえばあのメイド……シエスタといったでおじゃるか、遅いでおじゃるな」
「何か用事でもあるんじゃないの? ケガレシアこそ何か用事でも?」
「いや、数日前に渡した洗濯用の秘薬がそろそろ切れそうだと言っていたので、新しく作ったもっと強力な秘薬を渡そうと思っていたでおじゃるが……」
 話しているうちに厨房前を通りかかったので、中を覗いてみる。
「突然すまないでおじゃる」
「ケガレシアが聞きたい事があるそうよ」
 突然現れた2人にマルトーは驚愕の色を濃くした。
「シエスタが見当たらないでおじゃるが」
「シエスタは……、もういねえ」
 それは腹の底から搾り出すような悔しさに溢れる声だった。
「先日王宮からの勅旨で来てた、モット伯って貴族に見初められて仕える事になってな。今朝早く迎えの馬車で行っちまった」
「その口調から察するに無理やりでおじゃるな」
「結局、平民は貴族の言いなりになるしかねえのさ」
「……気に入らぬでおじゃるな」
「……ケガレシア、宮殿に戻るわよ」

 ――GP-07 女給(メイド)ダッカン――

 場所は変わってヘルガイユ宮殿。
「ケガレシアが世話になったシエスタという娘が、モット伯とやらに連れていかれたぞよ」
「何!? マジックワールドの貴族はろくでなしが多いなりか!?」
「そんな者、ルイズとデルフリンガー、そしてわらわが作り出した刺客で捻り潰してくれるわ」
 苛立った表情のルイズに笑いかけて、ケガレシアはコンソールを操作する。
「あははははは……、生まれ出でるでおじゃる、わらわの可愛い子供よ!」
 最後に大型のレバーを上げると、デルフリンガーの時よりは若干ささやかな放電が小部屋で発生した。その放電の中で人型の影が形成されていく。
 ケガレシアが開いた扉から出てきたのは、金属板で額と左眼を覆い隠し錨を模した槍を軽々担いだ蛮機獣。
「アンカカカカッ! おい、身の程知らずの田舎もんがよお……。わかってんだろうなあ? このイカリバンキを楽しませろよ!」
 不敵な笑みを浮かべるイカリバンキと憤懣やる方ないという表情のルイズにケガレシアは真剣な表情で、
「シエスタをろくでなしの好きにさせる事は絶対阻止するでおじゃる!」

 月は沈んで星影も無し、闇が迫るモット伯邸。
 ルイズ・デルフリンガー・イカリバンキを乗せた蛮ドーマが、ケガレシアの操縦で目視困難なほどの上空に迫っていた。
「敵数12、犬が8匹に衛兵4人でおじゃる。着地地点まで障害無し。ルイズ達が突入したら、混乱に乗じてウガッツ部隊による増援を送るでおじゃる」
「ありがとう。ここから先は私達で大丈夫だから下で準備してて」
 そう言い終えるが早いか、3人は次々蛮ドーマから飛び降りていく。
 瞳を憤怒に吊り上がらせて大剣形態のデルフリンガーを逆手に構え、衛兵の1人に狙いを定める。
「おい、今何か音しなか――」
「別にしねえよ。気のせいじゃねえのか? それでそいつがな……って聞いてんのか?」
 衛兵が返事をしない相棒の方を振り向くと、そこには頭から股間まで大剣で串刺しにされた相棒の姿があった。
「な……?」
 現実離れした光景に体が硬直した彼の前に、海賊を思わせる荒々しい男のようなゴーレム。
「俺と出会っちまったのが運のツキよ!」
「し、侵入――」
 その言葉を最後まで言い終える事を、イカリバンキの鎖分銅は許さなかった。即座に首に巻きついて男の頚椎をへし折る。
 時を同じくしてウガッツ部隊による急襲作戦が開始されたようで、表門方面が騒がしくなってきた。
 そちらに向かう衛兵達をやり過ごし、3人は手近にあった勝手口から屋敷内に侵入した。
「よし、俺はウガッツと一緒に屋敷を荒らす。お前らはアネキに言われた真の目的ってやつを果たしな」
 ルイズ・デルフリンガーによるシエスタ・モット伯捜索部隊は、ここでイカリバンキと別れる事にした。デルフリンガーは捜索のしやすさを考えて害魔機士形態となる。
「おい、誰かいるのか? 何ぼんやりしてんだ。早く外に行く準備を……!」
 不運にも、ルイズ達の足音をまだ屋敷内に残っている仲間のそれと勘違いした衛兵が顔を出した。
 ――ザン!
 デルフリンガーの右手から伸びた3本の刀身状の鉤爪が一閃、4枚におろされる衛兵。
「て、てめえ!」
 室内から聞こえた怒声に反応し、ルイズは即座に適当な呪文を声のした方向にかける。
 当然室内は爆発、ルイズはデルフリンガーにかばわれて無傷だったが室内では呻き声が響いていた。
「次行くわよ」
「おいお嬢、可愛い顔して随分えげつねえ事やるもんだなあ」
「ケガレシア達と同じよ。ケガレシア達は何か目的があってヒューマンワールドで苦しい戦いを続けてきた。私にもシエスタを助けたいっていう目的がある以上、私1人楽をするわけにはいかないのよ」
「目的……か。俺にはよくわからねえな。俺は剣、使い手に振るわれるのが仕事だったからな」
「でも今は違うわ。その意思とその力を私達のために役立てなさい」
「おうよ!」

仲間の大半を蹴散らされて敗走した衛兵を追うルイズは、やがて他の扉と一閃を隠す精緻な彫刻の施された両開き扉の前に来た。
 衛兵達が曲がった分岐点の先の突き当たりに位置するこの扉以外、逃げ込める場所は無い。衛兵達がここに逃げ込んだのは確実で、おそらくはここがモット伯の私室だろう。
 ありったけの力を込めて扉を押し開けるルイズ。
 扉の向こうには見事な作りの杖を構えた1人の男がいた。その男がルイズ達へ向けて杖を突きつける。
「貴様らが侵入者か!」
「いかにも私達が侵入者よ」
 ルイズ達は室内にゆっくり入っていく。
「俺の名は害魔機士デルフリンガー。そこの嬢ちゃんを返してもらうぜ」
「返してもらうとは人聞きの悪い物言いだ。決して拉致をしたわけではない。同意の元モット家の正式な使用人として雇い入れたのだからな」
「ああそうかい? まあどうでもいいぜ。どっちにしろ連れてく事に変わりは無えんだからな」
「下がってなさい、シエスタ」
 ルイズがシエスタを下がらせた後、デルフリンガーがにやりと笑って鉤爪の1歩でした手招きがゴングとなり、戦いが始まった。
「私のふたつ名は『波涛』! 『波涛』のモット。トライアングルメイジだ」
 次の瞬間、水が意思があるかのように舞い上がって高速でルイズ達めがけて飛来する。
「そんな水鉄砲、効くかよ!」
 デルフリンガーがルイズ達を庇うように無造作に上げた手の鉤爪に水が当たると、途端に水の勢いが無くなりその場に落ちていった。
「こういう事もできる!」
 声と共に床に落ちた水が次々と氷つぶてに変化する。
 しかしデルフリンガーはその全部を鉤爪の1振りで粉砕した。
「へっ、これで終わりか?」
「な!? ば、馬鹿な……!! ならば!」
 即座に杖を振って大波を発生させ、それを目くらましにして逃走を図るモット伯。
「くそっ、逃げんな!」
「待ちなさい!」
 モット伯の作戦が図に当たった……かに見えたその時、
 ――バサアッ!
 モット伯の足元をすくうように出現した網が、彼を吊るし上げて動きを封じた。
「アンカカカカッ! 油断すんじゃねえぞ!」
 そう笑いつつ現れたのは、金目の物が入っていると思しき袋やら何やらを運ぶウガッツ達を指揮しているイカリバンキ。
「き、貴様! 私の財産を……!」
「知るか」
 モット伯の怒声をその一言で切り捨て、イカリバンキは悠々とモット伯を吊り上げている網に近付いていく。
「お宝はあらかた頂いたし、最後の仕上げだな」
「な、何だそれは!?」
 自分の目と鼻の先にぶら下げられた錨のような物にモット伯は困惑した。
「爆弾だ。しかもただ爆発するだけじゃねえ、中に仕込んであるヤバい廃油をそこら中に撒き散らかすって代物よ!」
「何だと! そんな事になったら私は……」
「骨になって見つかりゃツイてる方だな。ついでに言うとこいつを屋敷のあちこちに仕掛けといたぜ。命が惜しけりゃ爆発までに屋敷を抜け出しな」
「せいぜい頑張りなさい。……そろそろ引き上げるわよ、デルフ、イカリバンキ、シエスタ」
「おうよ!」
「ヤロードモ! 引き上げるぜ!」
「あ、は、はい……」
 ルイズ・デルフリンガー・イカリバンキは意気揚々と、シエスタは戸惑いながら、ウガッツ達は機械的にモット伯邸を後にした。

「く、くそっ……、どこの誰かは知らんが、この私の屋敷に押し込みメイドと金目の物を奪った挙句私にこのようなまねを……。必ず後悔させてやるぞ……!」
 何でできているのか、3桁の大台に届くかという回数の水撃を持ってしても網を構成しているロープは切れるどころかわずかな切れ目も入っていない。衛兵や使用人達は襲撃で全員やられたか逃げ出したかしたようで、声を張り上げてもまったく来る気配が無い。
 唯一の希望といえば、水撃によりゴーレムが爆弾だと言った錨が全部水に浸かっている事。爆死は免れるだろうが、いつまでもこんな網の中に宙吊りにされているわけにいかない。
「くそっ! くそっ! くそっ! ……はあ、はあ……」
 ひとしきり声を荒げて息を吐いたモット伯の耳に、信じられないような音が聞こえてきた。
 ――チッチッチッチッ……
 今までさんざん聞いてきて焦りを誘ってきた忌まわしい時を刻む音。
「そ、そんな馬鹿な!? 水中でも爆発するというのか!?」
 それがモット伯の辞世の句となった。
 次の瞬間、すぐ下から放たれた激しい閃光にモット伯の意識は塗り潰された。

 それとほぼ時を同じくして、モット伯邸内各所で同様の爆発が発生した。
 しかも錨爆弾はただ爆発するだけにとどまらなかった。イカリバンキの言葉通り内蔵されていた廃油が爆発によって撒き散らされ、モット伯邸を床・壁・天井の区別無く溶解させていく。
 さらにモット伯を吊り上げていた網に仕掛けられた錨爆弾の廃油が、溜まっていた水全部に混ざって一気に室外に溢れ出した。
 モット伯邸は廃油自体の質量に押し潰されそれに耐えた物も化学反応で溶解し、5分とかからず完全に廃油の池と貸した。
「そういや、あいつ水属性のメイジなんだろ? 肝心な事言い忘れてたな。あの爆弾、綺麗な水の中で爆発すると威力が上がるんだった。アンカカカカカカッ!」
「あ、あの、ミス・ヴァリエール……」
 帰路、蛮ドーマからモット伯邸の最後を見届けていたルイズに、シエスタがおずおず声をかけた。
「どうしたの、シエスタ」
「助けていただいて言うのも失礼なんですけど、こんな事して大丈夫なんですか? 貴族のお屋敷に……」
「シエスタ」
 そう言ったシエスタの目をルイズは真剣な表情で見据えた。
「は、はい」
「私はモット伯が間違ってるとは言ってないわ。強い者が正しいというのも1つの真理。でも弱者を踏みにじる権利を持つ者は、自分以上の強者に踏み躙られる義務も負うの。殺されても文句は言えないわ、自分が同じ事をしたんだから」
「ミス・ヴァリエール……」
 その時のルイズの瞳には何かしらの信念の芽が確かに存在した。


蛮機獣イカリバンキ
【分類】害水目
【作製者】害水大臣ケガレシア
【作製モデル】錨
【口癖】「アンカカカカッ」「ヤロードモー」
【身長】231cm
【体重】259kg
「錨」をモデルとして製造された蛮機獣です。
 錨とは、船舶等を水上の一定範囲に留めておくために海底や湖底、川底へ沈めて使う道具です。
 イカリバンキは、様々な錨型の武器を持っています。
 直接攻撃に使う錨型の槍や鎖分銅、相手を捕獲する網の他、体内で作り出された廃油を錨爆弾の爆発で撒き散らす事によって、周囲の水を汚染する事が可能です。
注1)錨爆弾は綺麗な水の中で爆発すれば、化学反応によってより激しい爆発を起こす事のできる爆弾です。
注2)金銀財宝といったいわゆるお宝を好むため、時々海賊行為をさせましょう。



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