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ランス外伝~ゼロと鬼畜な使い魔~-11


マザリーニ枢機卿の予想通り。
時は進み2時間後、前進中のトリステイン艦隊では。

「そろそろですかな…艦長。」
「うむ、どうやら敵は大編隊だそうな。」
「私達の2倍の兵力差だそうで…。」
「トリステイン危うし…か、占領された後の事も考えるか。」
「そうですな。」

そんな話をしていると、兵員の1人がこちらに走ってくる。

「艦長!敵目視にて確認、距離約2リーグ!。」
「…おでましか、ふむ。あれがレキシントン号かな?」
「そのようですな…あれが200メイルに砲台が108、竜騎士搭載機能がついてるという空上要塞ですな。」
「砲台108か…あれ一機で我が艦隊の砲台全部ではないかね?副艦長。」
「いえ、2台ほどこちらが上回っておりますよ、艦長。」
「なら勝ったな!レキシントン号恐るるに足らず!」

そんな冗談を副艦長が言っている間に、500メイル進んでいた。

「全艦隊に伝えろ、まともな交戦は避けて、時間を食い止める事だけに専念しろと。」
「はっ!!」

兵士の1人が旗を持って艦橋から出て行く。

「…にしても、共和制と言うのは魅力的だな。」
「はぁ。」


そして両艦隊1リーグ差まで近づく、すると敵艦隊から轟音が轟く。
その轟音より数テンポ後、旗艦から60メイル離れた艦が炎上する。

「何事だ!」
「ダ…ダンケルク中破!戦線から離脱!」

あの距離からの砲撃で機関部まで持ち込む大砲等、聞いた事もなかった。
せいぜい500メイルが大砲の射程距離なのだ。
多分あれをその距離で食らったら大破どころか船員が全員放り出されるかもしれない。

「まずいな…、大砲が109個になってしまったぞ。」
「冗談言ってる場合じゃありません。」
「うむ…、この艦隊の目的はあくまで勝つ事ではない。時間稼ぎだ、散開し、あの砲撃を避けながら応戦せよ。」
「了解しました!」

その命令を受け、数秒後全艦が離れる、密集していると蜂の巣になりやすいのだ。

「風のメイジにもしもの時の脱出船を確保しておけと言っておけ。」
「はっ!」



「そろそろ…ですな。」
「どちらが勝つでしょうか…。」
「…。」
「言わなくても分かっております…。」
「そうでございますか。」
「私は母君に会って来ます…、何かあったら言って下さい。」
「分かりました。」

アンリエッタが母マリアンヌの元へ向かうと、マザリーニ枢機卿は席に着く。

「この戦…トリステインは堕ちてしまうのだろうか…。」

レコン・キスタもここまで強行軍を重ねると、国力が低くなってしまう、ゲルマニア、ロマリア、ガリア。
全ての国に勝つこともできなくなる、しかし、まだレコン・キスタはトリステインを取る勢いは残っている。

「私は…前代国王の死から、殆どの政務を担ってきた…それもこの国が好きだからなのだ…まだ終わりは無い…終わらせはしない…。」

そういうと、マザリーニはペンを握り、紙に走らせる。
1刻立ちそのマザリーニの元に、1人の兵が来た。

「マザリーニ枢機卿!王軍の収集終了しました!」
「うむ…で、数は。」
「2000です!」
「想定より低いが妥当な数だな…、よし艦隊が突破された後、向かわせよう。それまでは近辺の諸侯軍を当てろ。」
「はっ!」
「やはり、アンリエッタ姫を戦線に出すのは止した方がいいかな。」
「いえ、士気も向上すると思います、が、姫自身が行くといわなければ…。」
「流石に無理強いはせんよ。」
「そうですか、では私は伝えにいかねばなりませんので。」
「うむ、止めて悪かった。」
「いえ。」

そこに母マリアンヌに会ってきた姫と兵がすれ違い様に部屋を出入りする。

「…落ち着きました、枢機卿、戦況は?」
「半々といっ――。」
「布の被った情報はもうたくさんです!分かってます私にだって…。」
「そうでございますか…大変な失礼を…。」
「…いえ、枢機卿も、私に負担を掛けたくなかったのでしょう?…許します、で、戦況は。」
「非常に不味いですな。」
「そう…。」

布の被っていない情報を聞いたアンリエッタの声はとても沈んでいた。
これまでの情報が嘘で、私はずっとだまされていたのだ…という事と
このトリステインの存亡の事についても…。
そんな不安を余所に、さっきとは違う兵が部屋に入ってくる。

「全艦戦闘続行不能により艦対戦敗北!敵部隊およそ3から4000の兵が降下!」
「……で敵方の損害は?」
「小型船12が中破で戦闘不能、敵旗艦と思われる物には修理可能範囲程度の小破、中型船3が大破、と報告が入っております。」
「それがアルビオン王軍だったらそれの半分以下の損害だったろうに。よし、我等も出るぞ。」

そう、アルビオン王立空軍の艦隊戦錬度はハルケギニアで一番と言っても過言ではない、
だがレコン・キスタに接収され、しかも強行軍でここまできたのだから技量の低下は当たり前である。
ここで残念なのは旗艦レキシントン号に対し、深い損害が与えられなかった事である。

「姫…この城もじき砲撃の雨によって瓦礫となります。」
「…どうすればいいのでしょう。」
「ここはまず軍を鼓舞させる為姫自身が打って出るべきかと…もちろん私も付いていきますし、国が総力を挙げて守ります。」
「ここで居座っても砲撃の餌食って訳ですか…。」
「そうですな。」
「王の子として…ですね。」
「姫は私が死なせませぬ、この国も。」

アンリエッタがマザリーニを見る、その目には何か…言葉で言い表せない何かがこめられていた。

「分かりました、貴方を信じます、私も戦線にでます。」

そして、アンリエッタが城の外に出る、国民が慌てて荷物を抱えて何処かへ慌てたように走っている。
既に国軍は待機しており、枢機卿と姫殿下を見ると敬礼をし整列をする。
ワルドが姫殿下の命令を待つ。

「国軍2000全て待機しております。命令を、殿下!」
「分かりました…では――。」
「…何だあれは!!」

姫と枢機卿がその言葉に驚き指をさしたほうを見る、そこには竜がいた、正確に言えば風竜に4人ほど人が乗っていた。
凄い速さでこちらへ来る、アンリエッタの上空にてその竜は降下した。

「…あら!ルイズの使い魔さん達ではないですか。」
「あぁ、あの2人か…で他の2人は。」
「私はキュルケ、こっちがタバサ。ダーリンしっかり届けたわよー。」
「おう!ありがとなキュルケちゃん!帰ったら犯ろう!」
「ふふ、待ってるわー。」

キュルケが微笑んでそういうと、タバサがまた竜に命令をして空に飛んでった、戦火を避ける為だろう。

「ルイズ殿に貴方の護衛をしろと言われたので来た。」
「そう、心強いですわね。」
「この隊に混ざればいいのか。」
「えぇ、急ぎますよ。」

謙信とランスがその隊にへこへこ入っていく、皆が謙信を見る、美人だから仕方ない。
枢機卿が咳払いをすると視線が姫に戻る。

「では出陣します、あの無礼者達を倒しましょう!」

兵の皆が呼応する。
そして兵隊は走り、戦地へ向かう。

「こんな大軍の中で一兵として戦うのは初めてで、新鮮だ。」
「あの国じゃ軍神って言われて皆が恐れてたからな。」
「軍神かー、まぁその腕なら確かに、元の世界じゃ相当名が響いてたんだろうなぁ。」

そんな会話をしながら、段々戦地へ近づいていく。
そして敵の地上部隊を発見、この戦で一番運が良い事態が起こった、敵地上部隊が先行しすぎているのだ。
これによって艦隊が遠くに離れていた。

「おぉ!姫、これは好機ですぞ。」
「…分かりました、全軍――。」

その言葉を最後まで聞かず、謙信が物凄い速さで敵部隊に突撃した。

「あ、ちょっと…。」
「謙信ちゃんはああ言う闘い方の方が得意なんだ、謙信ちゃんのバックアップに回ってくれ。」
「ぇ…えーっと。」

ああいう闘い方といわれてもただ突撃しているだけにしか見えない。
アンリエッタがマザリーニの方を見る、マザリーニは一度任せてみようとサインを送ってきた。

「…わ、分かりました。」
「じゃあ俺様も暴れてくるか。」

続いてランス突撃。
その時丁度謙信が敵部隊に乗り込んだ、矢が大量に飛んできたが謙信には1個も当たらない。
もちろん謙信は突撃の前に警告はしたが、敵にとってはただ1人で乗り込む馬鹿としか思えないので無視する。
だが、乗り込んできた謙信の暴れっぷりは正に鬼神。
1分立つ間にすでに26人が屍になった。
続いてランス参戦、色々と出来なかった事の鬱憤をここで晴らすかの如く切る、切る、更に切る。
この時ランスが後ろにいた為、謙信が更に力を入れる。
結果3分で100人が死んでいった。

「…す、すごい。」
「ランスという物もすごいが、謙信といわれてる者の働きは正に…。」

そうやってマザリーニとアンリエッタがその戦いぶりを眺めていると、ワルドがグリフォンにまたがりながら兵を促す。

「我等もあの2人に遅れを取るな!」

その言葉で止まっていた兵達がやっと動く。
そして、大乱戦になった。

「がはは、消えろ雑魚どもー!」
「…ランス殿、数が多いので一旦さがりましょう。」
「む、わかった。」

この2人がこの後退までに殺害した人数およそ230。
戦局すら曲げかねないこの2人の行動にワルドは焦った。
そして、予定より早いが…と呟くと、姫の隣にいく。
ワルドが姫の首に杖を向けた。

「ワ…ワルド殿?」
「わ…ワルド貴様何をしているのだ!」
「いえ、ね。計画が早くなっただけですよ枢機卿。」
「貴様、レコン・キスタか!!」
「ご名答、枢機卿が問う前に全ての疑問を教えまよう。」
「…。」
「私が敵が油断するであろう日程に艦隊を侵攻させ、奇襲地点もばらさせてもらった。」
「…貴様だったか。」

姫の元に謙信とランスが近づいてくる。

「おっとルイズの使い魔「ガンダールヴ」君、あの軍議の時ちらっと君の左手を見させてもらったよ。それ以上近づいたら…。」
「アンリエッタちゃんに何してるのだ。」

この世界での平民が姫にちゃん付け、ハルケギニア中を敵に回しそうな発言だが、ここではそれに構ってる場合じゃあない。

「まぁ、レコン・キスタに向かい入れる…って言えば誤魔化しが聞くかな?」
「裏切り者か。」
「僕のルイズは元気かな。」

こっから約40メイル…ランスはにかっと笑うと。
剣を振り上げる。

「どうした?やけか?その位置では剣は届きはせんよ。」

その油断が運の付き。

「ランスアタタタタタターック!! 」

その言葉と同時に剣から衝撃波が出る、マザリーニが反射的に姫を馬から下ろす。

「何っ!」
「――痛っ!」

馬から引き釣り落とされた姫は痛くはあったがランスアタックの餌食にはならなかった。
といってもランスアタックも姫に当たらないように向きは修正されていた。

「…っつつ、僕のグリフォンが怪我をしちゃったじゃないか。」
「む、しぶとい奴だ。」

ランスアタックを寸前で避けて掠ったのだろうか、マントと帽子と服がぼろぼろになっていた。
謙信とランスがワルドに近づく。

「来い、風が最強たる所以教えてやる。」

と言って何か呪文を唱え終えて、分身する。
その数5人。
ワルドが5人になって謙信たちに襲い掛かる。

「偏在、これは残像ではない、全てに私がいるのだ!」
「気持ち悪い。」
「いつまでその減らず口がたたけr…。」

そう言ってたワルドが消える、2対5という優位性なんて物は謙信とランスには通用しない。
そして、3分後に偏在で出来た分身は全て消えていた。

「…なんだと…くっ、計算違いだ…。…ここは引くまで、また会おう諸君!!」
「逃すか!」

フライを使い飛んで逃げようとした途端にランスがカオスを投げる。
カオスがワルドの腹部に刺さる、それでも一応フライで飛べたので、そのまま振り切ろうとする…。
が、突然カオスが重くなった、どんどんおもくなりフライでとべる重量を超えた。
しかも腹部に刺さったまま重くなってるのでとても痛い、ワルドがその痛みと重さで落下する。
痛みで冷や汗を浮かべながらワルドがランスに問う。

「貴様…この剣といい何者だ。」
「男に名乗る名なんかない、という事で裏切り者は死ね。」
「ぐぅっ!」

カオスでワルドの心臓を刺す。
姫の目に移さないようにマザリーニ枢機卿が姫の視線を遮る。
ワルドは段々と意識が無くなり…弱く掠れた声で何かを言っていた。

「はは…うえ…。」
「何だマザコンか、死ね。」

ランスがカオスを一度引き抜きまた心臓に刺す。

「…。」

ワルドの目から光が失われた、1度心臓を刺されて口が利けるのは大した生命力である。

「しんだの…ですか?」
「あぁ、死んだ。」

そう言いながら、ランスはカオスを引き抜く。
マザリーニが戦線をみていると、やはり人数に差があったからか陣列が崩れてきている。
しかもその乱戦の向こうから敵艦隊が見えてきた。

「そろそろ引き際ですかな。」
「え?ここで引いたら…。」
「大丈夫です。土と姫がいるなら国は存在します、今は堪える時なのです。」
「でも、どこへ引くのですか?」
「ヴァリエール家…あそこなら王と言える国土も残ります、しかも侵攻されるのに後1日は掛かるでしょう。」
「ヴァリエール家ですか…。」
「しかし問題なのは…しんがりを誰が勤めるか…。」

と言ってマザリーニが謙信とランスを見る。

「いけません!彼等はルイズの使い魔なのですよ!?」
「別にいいが条件がある。」
「うむ、なんだ言ってみよ。」
「この敵部隊を食い止めたら、俺様を偉くしろ、それと可愛い女の子を。」
「分かった、では頼むぞ。」
「でも…。」
「姫、今は貴方が生き残らねばならぬのです、亡きウェールズ公の為にも。」
「っ…分かりました、使い魔さん必ず生きて帰ってください、私がルイズに叱られますので。」

アンリエッタはランスと謙信に微笑んでそう言いうと、マザリーニが部隊に退却の合図を出し、後退する。
敵が勢いに乗って侵攻してくる、その数約3500。
2:3500その数全てを敵に回す事はできない…が、食い止めるくらいは出来る。
味方の隊と敵の隊の間に少し間を空ければいいだけの話なのだ。

「相棒、いけるか?」
「…うむ。」

謙信が敵の部隊で暴れる、敵の全隊が歩みを止めて謙信とランスを囲もうとする。
そして数刻立つと、謙信とランスが背を合わせる形になって囲まれた。

「デルフ…あとどれくらいで撤退すればいい。」
「後3分程度ありゃぁ引き離せるだろうよ。」

敵は止まり、味方は全力で逃げている、後3分かければ確実に追いかける事が出来なくなる。

「まぁ、速くて2分だね、相棒なら余裕さ。」
「ランスアタックさえ使えればいいんだが…。」

ランスがそういいながら、向かってくる敵を1人1人倒していく
すると相手がこちらの強さを見極める為攻撃を止め
こちらを睨みながら囲む形になる。
今まで切ってきた人数が多かった為、下に死体が溜まっていた、ランスが動きにくそうに下を見る。
今が好機と見たのか敵の兵が一気に襲い掛かってくる。

「引っかかったな、死ね!」

襲い掛かってきた一団を切り倒して、死体を踏み越えながらその囲いから逃げようとする。
相手も死体の溜まったところじゃ動きにくいのか、統制が乱れてきている。
逃げる道の中に1人馬にまたがる杖をさした奴がいた、それを見るとデルフが言う。

「あいつぁ指揮官だ、そいつを倒せば逃げれる!」

その声にいち早く反応したのが謙信だった。
兵の頭を土台にしながら走る、俺を踏み台にしたぁ!と言ってる兵もいなくもないきがしない。
そしてそのメイジの元に接近すると、早速首を跳ねて、集団から草原に出た。
ランスも続いて集団から出る、流石にランスもつかれてきていた。
謙信がランスの手を取り、その敵の軍団から離れる。

「流石に疲れた…、シィルも連れてくるんだったな。」
「ていうかあの戦力差で生き残ってる方がすげーよ。」
「途中までは体が軽かったんだが、後の方は何時もどおりに戻った、どうしてだ?」
「そりゃ、ガンダールヴの能力は無限じゃぁない、無茶な事すればするほど活動できる時間は無くなるのさ。」
「ふーん、ところでヴァリエール家はどっちだ。」
「多分こっちだと思う。」
「あー…そういえば半日掛かるんだっけ…。」
「いや、馬車で半日だから正確には1日かかるかもしれんね。」

デルフのその言葉にランスは肩を落とす。
そんなランス達を待ち構えている人物がいた。
そう、フーケと愉快な傭兵達である。

「はろー元気してた?」
「フーケちゃんか、確か牢屋じゃなかったっけ。」

フーケはランスの顔を見ながら話すと顔が赤くなるので少し目をそらしながら離す。

「えぇ、親切な人が出してくれたのよ、という事で仕返しをしにきましたとさ。」
「そうか。」

傭兵がじりじりと寄ってくる、といっても数は12人。
一瞬で謙信に片づけられる。

「…あれ?」
「どうかしたか。」
「いや…あれ?…まぁ、まぁいいわ。」

フーケが動揺しながら呪文を唱える。
唱えた後に出てきたのは30メイル程のゴーレムだった。
フーケがそのゴーレムの肩から言う。

「傭兵はやっぱり役に立たないわね、私が踏み潰してあげる!」

フーケのゴーレムがランス達目掛けてパンチを出す、が当然避けられ、周りに煙が立ち込める。
この煙はもの凄い勢いで叩いたが為にゴーレムからでる土煙だった、いわば自業自得。

「くっ…どこ…どこへいったの……見つけた!!」

フーケが見つけたのは謙信であった。
謙信の元に向かい足で踏み潰そうとする、だが30メイルもある巨大なゴーレムが風の如く速い謙信に敵うはずがない。

「この…ちょこまかと!」

フーケが謙信と殴って切られての攻防を続けていると、後ろからいきなり手が伸びて胸を触りだす。

「おっぱいだー。」

そう、その犯人こそランスである。

「えっ、ちょっと…んっ。」

フーケは、そのまま胸を揉まれて、体をゆだねそうになる所で正気に戻った。
「…女性に向ける手じゃないわね。」

そう言ってフーケがランスの手を掴んで、ランスの方を見る。
あまりにも近くに顔があった為、動揺して頬がとても赤くなっていた。
その動揺のせいで、ゴーレムが崩れていく。
大きい音を立ててゴーレムが土砂と化した。
しかし、その土砂の中にランスとフーケはいなかった。
そう、ランスがフーケをお姫様抱っこして崩れる前に脱出したのだ。

「大丈夫だったか、フーケちゃん。」
「…えぇ。」
「もう抵抗する気はないか?」
「降参よ。」
「じゃあフーケちゃんは俺様の物だ。」

ランスがそう言ってフーケをやさしく地面に立たす。

「早速で悪いんだがゴーレムって奴出してくれ、ゴーレム。」
「何で?」
「いや、これからルイズの家に戻ろうとしてたんだが、歩きじゃ丸1日掛かるみたいだからな。」
「魔力が足りなくなるかもよ?」
「3人を乗せれるくらいで良い、魔力が切れたら仕方ないが徒歩でいく。」

分かったわ、とフーケが頷き、先程の呪文を唱えて。
全長5メイルのゴーレムを出した。

「じゃ、乗って。」

フーケがそういうと、ゴーレムが地面に手を置く、手に乗れという事なのだろう。
手の大きさは丁度椅子くらいあって、腕を背もたれにできるので楽ができる。
フーケは慣れた手つきでゴーレムに登り、頭に乗る。

「にしても、土くれのフーケすら自分の物にしちまうなんてなぁ、ランスはおもしれぇ奴だぜ。」
「がはは、らくちんらくちん。」
「ところで、謙信…とランスは結婚してるのかしら?」
「んー?結婚なぞしないぞ俺様は。」

その言葉にフーケが隠れてガッツポーズをする、これなら私にも好機がある。
とでも思ったのだろう。
そして、フーケはもう一つ気の掛かる事があった。

「私…魔法は使えるけど、貴族じゃないのよ。」
「ふーん、それで?」
「で、盗賊とかやってお金稼いでたのよ。」
「うむ。」
「トリステインでは私とても憎まれ者でね。」
「あぁ、分かった、任せろ。」

心に残る不安を2つ取り除けたフーケはほっと胸を撫で下ろす。
その後も色々な話をしながらゴーレムの歩みを進めて帰路に就いた。


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