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ゼロの社長-09


「諸君!決闘だ!」

ギーシュが普段人気の無いヴェストリの広場の真中で、周りを囲む生徒達に宣言する。
杖である右手に持ったバラを高く掲げ声を上げるのと同時に、周りの生徒達から歓声があがった。
だが、対峙する海馬はといえば、特に怖気づく様子も無くまっすぐこちらを見据えてくる。

「逃げずにここまで来たのは誉めてあげよう。」
「………」

海馬は無言で返す。
その態度が気に入らなかったらしく、ギーシュはいつものきざな表情を濁す。

「何とか言ったらどうなのかな?いや、平民に貴族の礼儀を期待する方が間違っているか。」

ドッと周囲から笑い声があふれる。
だが海馬は、対峙して入るものの、実際には目の前のギーシュそのものは見ていなかった。

青銅のギーシュ
レベル2 地属性 魔法使い族・効果
毎ターン自分フィールド上に、青銅ゴーレムトークン(攻・守1200)を7体まで召喚できる。
攻撃力700 守備力500

そう、目の前に表示されたギーシュの能力を再確認していたのである。

(ふむ…ルイズとの数値から見るに一般的な人間の守備力は600程度か…
しかし、当たり所や全部の攻撃が攻撃力どおり来るわけでは無い…、
しかも普通のデュエルとは違い、俺自身が直接攻撃されるだけでも致死にいたる可能性はある。
条件はなかなか厳しいものではある…が、それはこちらが攻撃を受けなければ済む事だ。
しかし、ルールだけで考えれば、ギーシュの能力はなかなかのカードだ。生け贄要員でしかないがな。)

フッっと笑いを漏らす海馬。

その余裕に見える態度に更に苛立ちを覚えたギーシュは、さっとバラを振りかざす。
そして、その振るった花びらが、1体の青銅ゴーレムとなる。

「僕はメイジだ。故に、魔法で闘う。まさか文句はあるまいね?」

ガチャッと音を立てて、ゴーレムが構えを取る。

「かまわん。だが、俺からも一つ言っておく事がある。」

そう言うと、海馬は左手のデュエルディスクを展開させ、デッキから5枚のカードを手札として引き抜く。

「俺もこの世界でのルールがまだ把握しきれていない。故に…」

キッと強い意志をもった視線を向ける海馬。
その強い意志に、ギーシュは気圧される。

「故に、どうなっても知らんぞ?」
「バッ…馬鹿にしているのか!?平民が!」

ギーシュは怒りに任せてゴーレムを突進させる。
青銅で出来たゴーレムのスピードは、そこまで速くはない。
だがそれでも、人体で当たれば即死は無いもののダメージは大きい。
そしてその拳が海馬の顔面へと当たると思われた瞬間。

「俺のターン!ドロー!手札より、サファイアドラゴンを召喚!」

海馬の目の前に、藍色のドラゴンが姿をあらわし、ギーシュのゴーレムの攻撃を受け止めた。

「なっ…なにぃ…!?」

ギーシュは驚愕した。
いや、それは周りの生徒達も同じだった。
目の前にいきなりドラゴン、大きさで言えば、先日タバサが召喚した風竜と同じくらいの大きさだろうか。
それがいきなり目の前に現れたのだ。
傍で興味なさげに本を読んでいたタバサでさえも、珍しく驚きの表情を見せていたが、周りが皆ドラゴンに目を奪われていたため、
誰も気づかなかったが。


「なっ…なんだそれは…!」
「ふむ…メイジである貴様がそこまで驚くほどの事は無いだろう?」
「くっ!卑怯な!そんなのを隠していたなんて…」
「貴様がメイジであるから魔法で戦うというのなら、俺はデュエリストとして闘うまでだ。
どうした?怖気づいたのか?地面に頭をこすりつけ貴族だからと調子に乗って申し訳ありませんでしたと泣いて許しを請えば、
許す事を考えてやっても良いぞ?」
「…貴族を…そんなドラゴンごとき従えただけで貴族をそこまで侮辱するか!?」
「ふん…魔法ごときを使えるだけで他者を愚弄する貴様に言われる筋合いはないな。さて?どうする?」

サファイアドラゴンの前にいたゴーレムを戻し、ギーシュは更に杖を振り、計3体のゴーレムを召喚する。
1体ではサファイアドラゴンには勝てないと判断したのだろう。
数で押し切る作戦に切り替えたようだ。

「どうやら、君は貴族の力を過小評価しすぎている。その認識を誤りだと教えてやる!
いけっ!ワルキューレ!あのドラゴンを叩きのめすんだ!」

3体が立て1列となりサファイアドラゴンに向かってくる。

「蹴散らせ!サファイアドラゴン!」

サファイアドラゴンは、その長い尻尾で1体目のゴーレムをこなごなにする。
だが、そのときサファイアドラゴンの動きが鈍った。
サファイアドラゴンのいる足元がドロと化し動きを封じていたのだ。

「土の魔法でその場をドロにしたんだ!これでそのドラゴンは動けまい!ワルキューレ達よ!」

そう叫ぶと、2体のゴーレムが一斉にサファイアドラゴンに襲い掛かる。
身動きが取れないため、そのままゴーレムたちの攻撃を受けたドラゴンは破壊され、爆発した。

「ぬぁッ…」

海馬は謎のダメージを受けた。
いや、デュエルモンスターズでのルールとおなじく、モンスターが破壊されたときの超過ダメージを受けたのだ。

(しかし、相手のほうはそう言うダメージはあるようには見えない…ふん、こちらにのみ都合の悪いルールか、っ?これは…)

みると、デュエルディスクのカードのところが光っている。
(ドローしろという意味だろうか…なるほど、さっきドローしてから約2分が経過している。
1ターンというのは約2分ということか。)

カードをドローする海馬。

「どうだ。これがメイジの闘い方さ!どうやってドラゴンを従えたかは知らないけど、ただ呼ぶだけならペットと同じ!
メイジはそこに魔法をプラスして戦う!どうだね?君のご自慢のドラゴンはもういない!泣いて許しをこうなら、許してやっても構わないがね?」
「ふっ、なかなか姑息だがいい戦い方だ。だが、俺のカードがあれで終わりだとは思うなよ…?」





所は変わって学院長室。
コルベールとオスマンが、ガンダールヴのルーンを持った青年について話していた所に、ノックが響いた。
扉の向こうから、慌てた声が聞こえてくる。

「オールド・オスマン。大変です!ヴェストリの広場にて、生徒が決闘をしているのですが…」
「まぁ、とりあえず落ち着いて、中に入って説明したまえ。ミス・ロングビル。」

ドアが開き、学院長の秘書であるロングビルが入ってくる。
走ってきたのか、少し顔が紅くなっている。

「生徒同士の決闘など、遊びのようなものだ。そんなに慌てるような事でもあるまい。」
「それが…決闘をしているのがギーシュ・ド・グラモン…」
「…あの女好きのグラモンの馬鹿息子か…大方女の取り合いじゃろ。」
「そっちは問題じゃないです!相手は先日、ミス・ヴァリエールが召喚した使い魔の青年なのですが…何でも、いきなりドラゴンを呼び出したとかで…」
『なんじゃと!(ですと!)』


オスマンだけでなく、横で聞いていたコルベールまでもが大声で驚いた。
ドラゴンを呼び出す使い魔など聞いた事が無い。
そして先ほど、コルベールが持ってきた、ガンダールヴの話…

「ミス・ロングビル、直ちに現場へ向かってください。
必要があれば、眠りの鐘の用意を。」
「わかりました。」

足早に部屋を出て行くロングビル。
オスマンが杖で呪文を唱えると、ヴェストリの広場の様子が映し出された。
丁度ドラゴンが土に足を取られ、ゴーレムに破壊される瞬間だった。

「なんと…本当にドラゴンを呼び出している。しかし、とっさの機転であのドラゴンを倒すとは。
ミスタ・グラモン、意外ですね。」

コルベールが感嘆の声を上げる。
だが、オスマンは

「いや、あのドラゴンはそこまで強い種ではないようじゃ…。
彼は更に強いものを持っているようじゃ…」





「ふむ、最後まで諦めが悪いのは、かえって美しくないよ?素直に負けを認めたらどうだい?更に…」

そう言うとバラの花が地に落ち、7体のゴーレムが姿をあらわした。

「わかるかい!これでチェックメイトだ!さぁ、素直に負けを認め…」
「負けを認める…?それは自分のことを言っているのか?」
「なにっ?」
「サファイアドラゴンを倒したのは誉めてやる。貴様のゴーレム程度では倒せないと思っていたのだから、
俺の予想を越えたことは認めてやる。だが、所詮貴様はそこまでだ。
最強の力を持った、俺の僕の前では所詮無力だったということを、その身に刻むが良い。」
「なっ…何を…」

海馬は手札から2枚のカードを抜き出した。


「おれは手札より!古のルールを発動する!」

瞬間、海馬の頭上に古い巻物のようなものが現れる。

「このカードは、手札の上級モンスターを生け贄無しで召喚する事ができる魔法カード!
ちなみに、貴様がさっき倒したサファイアドラゴンは、下級モンスターだ。」
「ハッ・・・ハッタリを!」
「ハッタリかどうかはその目で確かめるんだな。
出でよ!ブルーアイズホワイトドラゴン!」

巻物から飛び出すように、全身純白にして光り輝くようなドラゴンが飛び出した。
そのドラゴンの瞳は澄んだ宝石のように青く美しく。
それを見た誰もが、その姿に見惚れていた。

「これが最強のドラゴン!ブルーアイズホワイトドラゴンだ!
ブルーアイズよ!そのガラクタ人形を蹴散らせ!
滅びのバーストストリーム!」

ブルーアイズの最強必殺技、滅びのバーストストリームが放たれる。
その波動はゴーレム一体どころかまとまっていたため7体全てのゴーレムを消し飛ばし、その場所に巨大な爆発を起こした。
その爆風により観客の殆どが吹き飛ばされ、そこに残っていたのは、運がいいのか悪いのか、ギーシュのみであった。

「さて、まだ続ける気があるか?」
死刑を宣告するような声で、海馬はギーシュに告げた。

「僕の…負けだ…。」
「貴様の敗因は驕りにある。だが、サファイアドラゴンを倒した機略はなかなかのものだったぞ。」

そう言うと、海馬はカードをデッキにまとめデュエルディスクを畳み、広場を去っていった。
その後姿を見ながら、ギーシュは呟いた。

「…完敗だ。」




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