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ランス外伝~ゼロと鬼畜な使い魔~-10



そんなわけで早朝4時、ランス達はヴァリエール家に向かう馬車に乗っていた。
実際3時に出発している為、全員元気が無い。

「…いつ付くんでしょうか。」
「領土で言うならもう着いてるわよ。」
「家のほうは…。」
「まだ半日は掛かるわよ。」
「は…半日。」
「大きいのか?」
「ええ、トリステインの中ではTOP3に入るわ。」
「そうか…ご飯は――。」
「おいしいわ。」
「…。」
「言っとくけど、両は人並みよ。」
「…そうか。」

謙信が残念そうに返答する。
この世界では領土の大きさ=飯の多さが比例しているとでも思ってたのだろうか。

「相棒は相変わらず、食欲がすげぇな、最初の頃はぶったまげたぜ。つっても、俺には腹がねぇけどな!」
「飯かぁ、儂もご飯の味なんて忘れちまったなぁ。」
「そうか、若造は元人間だったなぁ、どうやって人間から剣になったかは不明だが…。」
「最初の頃は、そりゃぁ寂しかったよ、誰もいなくて。で、いつの間にか心の友の剣になってたってわけだ。」
「そうかぁ…そりゃ辛かったろうになぁ、分かるぜ若いの。」

ゆらりゆれる馬車の中では、剣同士の話が3時間以上続いた。
一人ぼっちだった期間にすればこんな話はほんの、そう、ほんの一瞬なのだろう。
こうして4時間後。

「おはよう。」
「ランス様起きましたか、おはようございます。」
「おう、シィル。で、着いたか?」
「いえ、まだまだ掛かりそうです。」
「そうか…なんとも長いな。」
「えぇ…後7時間位は着きそうもないと…。」
「7時間か…寝る。」

馬車の上では何も出来ないし何の暇つぶしも無い。
と言う事で、ランスは又寝る。
ここまで完璧に2度寝出来る人間を世間では駄目人間と言う。
しかし、朝も早かった為、ランスが寝た後にも1人、又1人と睡魔に襲われて眠る。
こうして馬車の中は寝息だけが聞こえた。



「――ましたよ。…着きましたよ。」

ルイズが馬車の運転をしていた従者に起こされた。
従者に起こされ、目を覚ましたルイズが周りを見る。

「…あら、もう着いたのね。」

不思議な事に寝ると、あっという間に時間が過ぎる。
だが体を横にしているだけだと時間は過ぎにくい。

「着いたわよ、おきなさい。」

そうやってルイズがシィル達を揺すって起こす。

「ふぁー…着いたんですか?」
「…おはよう。」
「もうこんにちはの時間よ。」
「…こんにちは。」
「おー、ついたか。」
「…大きいな。」

謙信の言う通り、1家族が住むにはそこは大きすぎた。
ちっちゃいお城と言っても過言ではなかった。

「では、こちらへ。」

そう従者に言われてルイズ一行はその屋敷の中へ。
そして、案内された場所は長いテーブルのある食堂だった。
そこには、ヴァリエール一家が既に座っていた。
思えばもう昼、全員朝から何も食べていない。
謙信が朝食べていない事を思い出し、腹が鳴っていた。
顔を赤くし、俯く。

「はっはっは!さぁ席について昼食といこうじゃないか。」
「待っていたんですよ?ルイズ。」
「お父様!お母様!お姉さま!お久しぶりです。」
「うむ、もっと平和な時に会いたかったが…。」
「それは仕方のない事です、お父様。」
「…うむ、まぁ席に着きたまえ。」

そう言われ、ルイズ一行はテーブルの席に着いた。
すると、メイド達が料理を運んできて、その空っぽの皿の中に料理を置いて行く。

「ルイズよ、平民を使い魔にしたと聞いたが…その方々達かな?」

ヴァリエール公爵はそう言ってランス達を見る、食べ方が気になるが、そこまで汚い訳ではないので見逃す。

「ええ…3人全員です。」
「では、何の系統かは分かりませんね。」
「うむ、そうだな…。」
「…。」

ルイズは親の会話に俯く、それを姉カトレアが察したのかフォローをする。

「でも、サモン・サーヴァントとコントラクト・サーヴァントはちゃんとできたじゃないですか。ねぇ?」
「ふん…ちびルイズには、それが精々って事よ。」

エレオノールにそう言われて更に俯く。

「…まぁ、まぁ何の系統かが分からなければまだメイジの実力と言うのは測れない、まだ時間はゆっくりある、ゆっくり開花させればいい。」
「そんな事を言ってると死ぬまで駄目になってしまいますわ。」
「そう言うな、人の才というのは必ず開花する、それは遅咲きでも早咲きでも花の如く美しい物だ。」
「…まったく貴方はそう甘いからルイズがこうなってしまうのよ…。」

こんな会話を背景に食事を続ける。
そして、皆(ルイズとランス一行以外)が謙信の食いっぷりに驚いたのは言うまでも無い。

「本当に良く食べる、その華奢な体の何処にそんなに食物が入るのか…。」
「賑やかな使い魔達を召喚しましたね、羨ましいわ、ルイズ。」

そんな会話を余所に、謙信は最後の皿をメイドに渡す。
その皿の両、実に16枚、と言っても品のある料理というのは1皿の量がとても少ない。
実際の量で言うならどんぶり7杯にも満たない。

「さて、こちらが受ける側の戦争となると参加しない訳にもいかんのでな、これから色々準備をしてくる。」
「そんな!お父様はもう戦争に参加できる年じゃありませんわ!」
「とはいえ…私以外に戦争に参加できる者がいないのでな…。」

そう言うと、皆がランスを見る、が直ぐに視界を戻す。

「いや、彼は平民だ。平民に兵は率いる事はできんだろう。」
「…しかし。」
「私も参加はしたくないが…だが今回の戦争はあのアルビオン、しかもあのゲルマニアが同盟を拒否したと言うではないか。」
「そうですわ、悪いのは全てゲルマニアですわ。」

ルイズはあの軍議にてゲルマニア皇帝が操られていたみたいと言う事は知っていたがそれを話すと複雑になる為、言わなかった。

「頑張ってくださいね、ヴァリエール家は私が守ります。」
「うむ、お前がそういうなら確実だろう。」

ヴァリエール公爵は妻にそう言うと食卓から颯爽と出て行く。
年を取って出る貫禄が出ていた、その威風は今の若輩貴族がどう頑張っても追いつけないほど…。



「ところで貴方方。」

カトレアがランス達に問う。

「ん。なんだ?」
「見た所帯剣をしていますが…兵士だったんですか?」
「いや、冒険家だ。」
「……。」

謙信がランスに目をやる、どう言い訳をつければいいのか分からないのだ。
ランスがそれに気づき、ジェスチャーを送る。

「…私も冒険家だ。」
「そう、冒険家…主に何処を冒険していたのかしら?」
「色々だ、ダンジョンに入ったり…。」
「…ダンジョン?」
「うむ。」
「…。」
「あのお姉様…その、あのそれ以上は…。」
「ふふ、そうですね。」

この時点でカトレアは薄々ランス達に関して気づいていた。
殆ど見ない格好、女性の帯剣。
ダンジョンという不可思議な言葉。
そんな事を気にせず、夫人カリーヌがランス達に問う。

「ところで、腕に自身はあるのかしら。」
「がはは、俺様より強い男はおらん。」
「…。」
「謙信ちゃんは国では軍神と言われてた位だしな!」
「そう…そんなに自身があるのですか、頼もしい物ですわ。」
「まぁ、貴方方の国が何処にあるか、その国でどう呼ばれたかどうか知りませんが、所詮メイジには劣りますわ。」

その言葉にランスはカチンと来る、だが、ここで怒っても面倒くさい事になりそうなので堪える。

「最近俺様の鬼畜分が足りない、と言う事で後でシィルちょっと来い。」
「…え。…しくしく。」

ランスはその堪えた分をシィルに発散しようとする。

「そんなに腕に自身がおありでしたら…どうでしょう今回の戦線、参加してはくれませんか。」
「そんな!お母様!!私の使い魔ですよ!?もし、しんでしまったら…――。」
「ええ、分かっておりますよ、ルイズ、ただトリステインの国力は小さくアルビオンを守るには少しでも兵が欲しいのです。」
「それでも…。」

ランスはここで考えた。
もし、この戦線で大活躍したらどうだろう、女の子はわんさか寄ってくるだろう、自分だけの屋敷を用意してくれるかもしれない。
毎日エッチしたいのに、ルイズと一緒の部屋では室内でできない。
活躍すれば活躍するほど、自分に女は寄ってくる…そう考えると、参加せずにはいられない。

「いい、弱けりゃ死ぬ、それだけだ やってやる。」
「え…ランス様…。」

シィルが戸惑う。シィルはランスが好きなので、この気持ちは当たり前。
まぁランスの事だから死ぬ事はないだろう、でももしもの事もある。
それにシィルは何故ランスが戦線に参戦するかも分かっていた。
女の子にもてる為、自分の犯り易い環境を作りたい為。
しかし、それではシィルは常にランスの隣に入れなくなる。
あの狭い部屋でランスと一緒に入れるだけでシィルは満足だったのだ。

「そうですか…闘ってくれますか…、ではルイズの考えを尊重して…、そうですね。姫様の直属の部隊に編成しておきましょう。」

もちろん部隊にも色々ある魔法衛士隊だけが姫の護衛部隊ではない、王軍の兵の中の選りすぐりの精鋭により形成された護衛隊もあるのだ。
姫や王という存在は兵士達の士気を上げる為に存在する、その存在が前線に出る事は基本無い、そして姫の周りには幻獣を操る精鋭メイジ達
つまりこの部隊は一番安全なのだ。

「…まぁ、その部隊なら…。」
「では、貴方はどうします?」
「ランス殿が行くなら、私も。」
「そうですか、女性が自ら参加するとは、貴方は勇敢ですね。」

といってカリーヌは席を立ち食堂を出る。
夫がいない間、この領土を守る立場にあるカリーヌはこれから忙しいのだ。
それを見送るとカトレアが、ランス達に話しかける。

「ごめんなさいね、見ず知らずの土地でいきなり戦線に巻き込んでしまって。」
「…? 何で分かるのだ。」
「分かりますわ、その格好といい。」
「そうか。」
「にしても、貴方達はどこからきたの?女性も剣を持つ国があるなんて…。」
「こことは違う所のJAPANって所から来たのだ、そこでは女も普通に戦争に参加してる。」
「やはり違う世界からでしたか、……にしても、女性も戦争に参加とは、恐い国です。」
「疑わないのか?珍しい。あ、そうだ自己紹介がまだだったな、俺様はランスでこっちが奴隷のシィル、でこっちが謙信だ。」
「…よろしく。」
「よろしくです。」
「よろしくお願いしますね、ランスさんに謙信さんとシィルさんですね、私はカトレアでいいですわ。」
「カトレアちゃんか、よろしく。」


エレオノールとルイズがカトレアにちゃん付けされた事を怒る。

「平民が、平民がメイジにちゃん付け!?それに違う世界?ホラ話もいい加減にしなさい!」

そう、この世界ではランス達はただの平民、そんな平民がメイジにちゃん付けをするなんてのは聞いたことが無い。
無礼千万なのだ、ルイズも同じ意見で、大好きなお姉さまをいきなりちゃん付けされた事に大層腹を立てたようだ。

「いいじゃないですか、そういう軽い呼び方の方が私は嬉しいわ。」
「カトレアもカトレアよ!そうやって許していくとね、愚かな平民はどんどん付け上がるのよ!」
「そうですよお姉さま、お姉さまは全ての人に優しすぎるんです!」
「いいじゃないの、何かが減るわけじゃないんだから。」

もう、平民だとか貴族だから…とかそういう事に一々腹を立てても、ややこしくなるだけなので。
ランスはただただ、その会話が終わるのを見てるだけだった。
謙信はもうとにかく暇だったので、何か暇つぶしは無いかと考える。
その結果が。

「…。」
「――うぁ、眩し!」

ヴァリエール家の談話が中断する、謙信が光ったのだ。
だが皆が謙信を見る直前に光るのを止める。
で、また会話に戻ると言う所をまた光、皆が見る前に止めるという事を繰り返す。
ランスはそれを面白そうに見て、止めようとしない。
エレオノールがディテクトマジックをかける、すると、安心して会話に戻る。

「…それで――。」

だが謙信のそれは魔法ではないので止めれる訳がない。

「…だー!誰なのよッッ!」

エレオノールが凄い剣幕で怒る。
その顔に謙信が流石にやり過ぎたかと思い、光るのを止める。

「はぁ…もういいわ、話す気が失せたわ。」
「じゃあ、お姉様もアカデミーの仕事が無いんですから皆で休みましょう、ずっと食堂にいるわけにもいきませんでしょう?」
「そうですね!お姉さま。」

こんなに微笑んでいるルイズの顔を見た事が無い。
その顔は実にかわいい、が…あの性格では少なくとも持てないだろう。
それに体もペッタペタ、それに比べてカトレアは…。
正にグッド、性格プロポーション全てグッド。
これは手柄を立ててご褒美としてカトレアちゃんと犯るしかない…。
ランスは自分が気持ちよければいいので、相手の体が病弱だとか、そういうのは気にしない。
こうして、ルイズの部屋に戻るまで、ランスは犯る相手を献立のように考えていた。

「…で、あの光…誰の仕業?」
「…。」

この疑問に答える物はいない。
室内はとても静かだ。

「謙信。」
「…すまない。」

その気迫に謙信が自首する。

「後、ランスも。お姉様の名前を呼ぶ時は、カトレア様、様を付けなさい。」
「へーへー。」
「ところで、謙信。あの光は何処から出したの?」
「…。」
「…いや、光るだけじゃ分からないのよ、しかも突然光らないで。」
「どうせルイズしんじないしな。」
「えぇ…。」
「何よー、主人に内緒って訳?良い根性してるわね。」
「別世界から来たって事も信じてくれないしなー。」
「信じれるわけ無いでしょう。」
「じゃあ話しても意味が無いではないか。」
「……分かったわ、100歩譲って信じます、信じますから話なさい。」
「むちゃくちゃな…。」


ルイズがシィルを睨む、その鋭い眼光は文字通り光っていた。

「ひぅ…。」
「じゃあ話すか、謙信が光るようになったのは、だな。」
「えぇ。」
「元の世界のある国で、謙信は女性の中では最強で、軍神と言われてた。」
「それで?」
「確かに、相棒の腕は相当だぜ、オークが30匹束でかかっても負けはしないだろうさ。」
「うむ、最強なのだ。それで、ある日山に出かけて、俺様が雪山で遭難したんだ。」
「雪山ねぇ…。」
「で、謙信が裸になって俺様を暖めてくれたのだ、ちなみにエッチもその時した。」
「…。」

ルイズが謙信の方を見る、頬を染めて俯いてる為、嘘ではないようだ。
ちなみに、ランスが下品なのは分かってるのでエッチとかそういう言葉にはフィルターが掛かる。

「その時、その洞穴の中で帝ソードという物を見つけて、そこから帝レースってのが始まった。」
「帝レースねぇ…。」
「で、その帝レースに勝利した謙信は、その国の人を統治できる能力を身につけた。」
「それが、その光って訳?」
「うむ。」
「信じられないわ。」

その言葉に謙信がまた光る。

「あぁ、あぁ、分かったから、信じるからもう光らないで。」

光は閉じる、もちろんルイズは半信半疑である。
こんな話をランスが作れるとは思えない、が、起こってる事は本当に信じられないのだから仕方ない。

「にしても、デルフ。謙信の強さってそれ本当?」
「あぁ、場合によっちゃ、その倍の数でもあしらえるだろうよ。」

オーク鬼には手だれの戦士5人でようやくなのだから…。
150人の戦慣れした兵士をあしらう力を持つ、そしてその相手が平均的な戦士なら225の兵士に匹敵できるという。
場合によれば戦なれした兵士を300人~350人をあしらう事ができるというのだ。

「…信じられないわ。」
「と言ってもそれ位強いのは確かだぜ嬢ちゃん。」
「…ごめんね、戦争に参加させちゃって。…私の使い魔でも、平民…平民は貴族にとっては駒なのよ…、どう扱おうが自由なの。」
「別に、なんとも思ってない。」
「強いのね、やっぱり…人を殺した事あるの…よね。」
「死にたくなければ逃げろと言っても逃げない者には。」
「そう、もう殺したくないとか…そういうの思わない?」
「今まで、そんな事は思わなかった…そう思ったら私は死んでいた。」

流石に空気が段々重くなっている事に気づいたか、ルイズが気まずそうに謝る。

「ごめんね、こんな事聞いて。」
「…気にしてない。」
「私、魔法の才能も無くて、期待もされてなくて、貴方みたいになるにはどうすればいいのかなって思ったの。」
「お嬢ちゃんはお嬢ちゃん、相棒は相棒だ。」
「そう、その通り、私には貴方のように強くなれそうにないわ、でも…諦めない。」

「…頑張って。」

うん!という風にルイズが頷くと、部屋のドアが突然開いた。
焦ったように執事が言う。

「ルイズ様!レコン・キスタが…レコン・キスタが侵攻してきました!!」



時は3時 王室。

「枢機卿!竜騎士隊の1人から。レコン・キスタが侵攻せりとの事!!」
「何だと!奇襲部隊は!?」
「その竜騎士隊の1人によれば敵艦隊の射程外と思われる場所からの砲撃により奇襲が失敗したとの事です!」
「被害は!」
「不明です!帰還したのはその1人のみなので!」

とても不味い状況になった、その奇襲隊は精鋭の竜騎士達である、これでは空戦において更に不利になる。
しかも、アルビオンの王政府を倒した時の被害は甚大と聞いたのに、こんな早くに侵攻できるとは思っていなかった。
おそらく、その被害はレコン・キスタの嘘の情報なのだろう。
奇襲部隊のことにしても、まさか金と地位が確立している上級貴族と高級軍人の中に裏切り者がいるとは予想も出来なかった。

「情報に弄ばれたか…。」
「枢機卿、どうすればよいでしょうか!」
「敵艦隊の数と、敵の進行状況を急ぎ探るのだ。」
「はっ!」

勢い良く敬礼すると、その兵士は急ぎ伝令を出す。



「マザリーニ枢機卿から聞いた話と違うじゃない!」
「は…枢機卿?」
「あぁ、なんでもないわ。聞かなかった事にして。」
「はぁ…。今、何処まで侵攻しているかは分からないとの事。」
「そう…分かったわ。」
「もう攻めてきたのか?」
「えぇ、そうよ。」
「速いな…。」
「あ…そうだわ、姫様が危ないかも!謙信、ランス!急いで姫様の元にいきなさい!」
「…分かった。」
「半日掛かるんだよな…、どうする?間に合わないかもしれんぞ。」
「……いいから!いきなさい!」
「へーへー…。」

ランス達がそう言いながら屋敷から速足で出て行く、歩いてると怒鳴られるからだ。
そうして屋敷から出ると。

「あらん、ダーリン。お急ぎ?」
「…。」

キュルケとタバサが風竜の上で待機していた。

「おお、キュルケちゃん。どうしてここに!?」
「戦争はじまっちゃったらしいわね~、ダーリンここは危ないからゲルマニアに逃げない?」
「いや、そうも言ってられんのだ、俺様の理想郷に近づく為にはな、城にいけるか?」
「理想郷?…というか城?」
「あぁ、そいつでどれ位で城までいける?」

今までずっと本を読んでいたタバサが口を開く。

「全速力で3。」
「おぉ、なら城まで行ってくれ。頼む。」
「んー、ダーリンの頼みなら行ってあげない事もなくってよ、ねぇタバサ。」

タバサは、何も言わず本を読む。

「ちょっとーお願いよー。」
「…乗って。」
「おぉ、助かる。」

親友からの頼みなので、渋々了承する。
ランスと謙信がその風竜に乗ると、タバサが風竜に命令する。
すると、勢い良く翼を羽ばたかせ全速力で城まで向かった。



「敵の進行状況、数が分かりました!」
「知らせろ。」

マザリーニがそういうと、デスクにハルケギニアの地図を出す。

「…。」
「失礼しました、こちらです。」

急いでトリステイン全体の地図と敵が侵攻してくる場所の地図を広げる。


「現在ここを微速で前進中、多分強行策なので風石の量の不足かと。」
「うむ、で数は。」
「数は大型艦が1、この大型艦には射程外から砲撃できる砲があるとの事、残りは中型艦およそ8、小型艦22。」

レコン・キスタの艦隊の8割は王軍からの鹵獲品、後は商船を改造した物だろう。
こう考えると中々の大編隊であった、トリステイン全てを制圧する気なのだろう、しかも短気決戦で。

「まずいな…、で艦対戦が始まると思われるのは何時間後だ。」
「相手がこのまま微速で来るなら、2時間後と思われます、そして相手が地上戦で来るのはその30分後です。」

何故、相手が微速で来るか…マザリーニは分かっていた、艦対戦への風石温存と地上を短期間制圧する事も考えているのだろう。

「よし、兵を砲撃の犠牲にさせる事はなるべく避けたい、敵の上陸してきた歩兵を先行させるにはどうすべきか…。」

敵の歩兵隊と乱戦になれば、少なくとも砲撃は撃って来ないだろう。
だが、その為には…。

「やはり、囮を使って艦隊と離すか…、降下している時に全速力で迎え撃つか…。」
「しかし…敵艦隊の周りは平原か…。」

勢い良く部屋の扉が開く。

「――マザリーニ枢機卿!レコン・キスタが侵攻してきたんですって!?」
「…えぇ、城まで到達する期間はおよそ3時間と1刻です。」
「なんてこと…予定より速いではないですか…。」
「予定は未定ですぞ…我が国もレコン・キスタ側を好む者がいるようですな。」
「…で、どうするべきでしょうか…。」
「まず、艦対戦を行います、この艦対戦は多分負けますその後その艦隊の後ろに待機させた2大隊1200名の兵を敵の降下部隊に当てる事にしましょう。」
「そう…。」
「成功は?」

マザリーニは返答に困った、この作戦は成功確率が極めて低いのだ。
しかも、奇襲も失敗して失ったものも大きい、だが姫に直に話すのは…。

「五分五分…ですかな。」
「…そう。」




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