あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの社長-05





「きゃあああああああああああああああああ」

ルイズの悲鳴が学生寮中に広がった。
それもそうだろう、爆音とともに巨大なドラゴンが自分の部屋に出現し、あまつさえ窓を突き破り部屋の調度品もへし曲げた上に
床も抜けそうになっていれば悲鳴の一つもあげよう。
最も、そのドラゴン自身は、命令はまだかとただその体勢を維持し、ぴくりとも動かない。
そして、そのドラゴンを呼び出した張本人も、これまた自分の思考の世界に入ってしまっていた。

(ぬぅ、まさかとは思ったが「本当に」召喚されるとは…。
デュエルモンスターの世界でもデュエルディスクを通してカードからモンスターを召喚する事ができたが、この世界でもそれは同様ということか。
そうなると問題はこれがどういう『ルール』の上で召喚を可能にしているかを知っておかなければならないが…)

一通り考えた末、海馬は一言、こう呟いた。

「ふむ…やはりこうなったか。」
「なにがやはりこうなったかよ!この馬鹿-!!!」

間髪いれずにどこから取り出したのか鞭を手に持ち突っ込みを入れてくるルイズ。

「なに?それじゃあこうなるかもって予想していながらあんなドラゴンを呼び出したの!?
どうするのよ!部屋の中でこんなもの出しちゃって!っていうか、私の部屋がボロボロにー!!
窓なんか突き破ってるし!どうするのよ!?」

怒りと混乱とその他もろもろの感情の激流でパニックになっているルイズをよそに、当の海馬はといえばどこ吹く風。
サファイアドラゴンの尻尾をぺたぺた触ったりしている。





「ふむ、やはりこの世界ではモンスターを実体化させられるようだな。異世界に行った時にも起こった現象だが、
なるほど、この世界もまた俺の世界とデュエルモンスターズの世界、どちらかとの縁があるのだろう。」
「ふむじゃないでしょう!こんなの見られたらどうするのよ!ゼロのルイズがまたなんか起こしたって言われちゃうじゃない!」
「安心しろ、これでお前の使い魔はモンスターを召喚する事ができるというほかには無い特別な使い魔だと証明されたぞ。」

特別な…という響きに一瞬魅力を感じるものの、実際にこの部屋の被害状況を目にすると、どちらが問題かは一目瞭然であった。

「とにかく、早くそのドラゴンどっかにやって!こんな事している間に誰かが来たら…」

ドンドン

と、言っているそばからノック…というより扉を殴打する音が聞こえてきた。

「ちょっとルイズ!?あんた部屋で魔法使うのはやめろって前に言ったでしょう!って言うか何時だと思ってるの!ちょっとあけなさい!」

扉の向こうからキュルケの声がする。
夜にもかかわらず爆音と悲鳴とが響けばそりゃ誰でも目を醒ますだろう。
しかも扉の向こうからはがやがやと、一人ではない複数の声が聞こえてくる。

「ちょっ!ちょっと待って今開けちゃ駄目!絶対駄目!」
「何言ってるの!あんな爆音鳴り響かせて!どうせまた魔法を失敗したんでしょ!とにかく開けるわよ!」





ガチャガチャと外側から開けようとするキュルケと内側から開けさせまいとするルイズ。

「セッ…セト!早くソイツ何とかしなさい!出したなら戻し方もわかるでしょ!早く!」

自分達は召喚した使い魔を戻せないのにどうしてそんな発想ができるとも思ったものだが、海馬は少し考え…

「サファイアドラゴン!その窓をブチ破り外へ飛び出せ!」

などととんでもない命令をした。

「ちょっとセト!なにいってうわぁ!?」

ドラゴンが勢いよく飛び立ち窓を突き破って外に飛び出すのと、
キュルケがサラマンダーに体重をかけさせ強引に扉を開けたのと、
ルイズがその反動で吹っ飛ばされて転がったのはほぼ同時だった。

そしてサファイアドラゴンが空を飛び回りある程度の距離を取ったところで、海馬はデュエルディスクからカードを引き抜く。
同時にサファイアドラゴンは光の粒子になり消滅した。

「ちょっと…なんなのあのドラゴン?みたことないわよ?ルイズ、一体何があったわけ?」

キュルケは吹っ飛んでいたルイズに近寄り肩を揺さぶる。
だがルイズは転がった際にどこかぶつけたのか、「きゅ~…」などといいながら目を回している。

「あのドラゴンがいきなりこの部屋に突っ込んできたのだ。そこの窓を突き破ってな。」

目を回しているルイズの代わりに、海馬が答えた。
もちろん嘘である。しかし、もともとは海馬の責任である。
ルイズに責が被らないように、正体不明のドラゴンの襲来という形にしたのである。




「何とか怪我はせずにすんだが、ルイズはあのありさまで、部屋もこんな形になってしまった。困ったものだ。」

アンタがな、と一部始終を見ていたものがいたなら即突込みを入れるであろう。
だが今その一部始終を見ていたルイズは気絶しているし、ドラゴン自体も姿を消した。
故に海馬の言葉を否定する材料は何も無い。
ましてや、ただの平民(と、思われる)このルイズの使い魔がドラゴンを召喚したなどとは誰も思わないだろう。

「部屋の修理は明日依頼するとして、とりあえずルイズを医務室に連れて行かなければな。外傷は見られないが、念のためだ。」

そう言うと海馬はキュルケを遮り、ルイズをかかえて部屋から出て行こうとする。

「と、言うわけだ。騒がせたな。ところで…できれば医務室の場所を教えて欲しいのだが?」
「あ…えっと、それなら私が」
なぜかボーっとしていたキュルケが急に我に返り、海馬とともに医務室へと向かっていく。
そして集まっていた生徒達は、海馬の説明に微妙に納得しない顔をしながらも、自分達の部屋へと帰っていった。

螺旋階段を下りながら、キュルケは考えていた。

(このトリステイン魔法学院にドラゴンが強襲?
ありえないわ…ましてあのドラゴンは今まで見たことも無いような姿だった。
そして、ドラゴンに何かを叫んでいたこの使い魔…。ちゃんと聞こえなかったけれどおそらくあのドラゴンに出て行くように命令したんだろう。
命令した。
つまり、あのドラゴンは彼の命令を聞いたとするなら、あのドラゴンは彼が…
馬鹿な!ただの平民(のはず)がドラゴンを召喚するなんて!
しかしそれならなぜルイズの部屋で?
あーもうわけわかんない!)

「で、この先はどっちだ?」

頭の中をごちゃごちゃにしながら考えていたため、海馬に声をかけられていたことに気づかなかった。





「え、あ、えーっと…」
「何か考え事をしていたようだが、今は道案内に集中して欲しいものだが。」
「あ、ええ、ごめんなさい、えっと…」
「海馬瀬人だ。名乗っていなかったな。」
「カイバセト…私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。
あなたのご主人様のクラスメイト。よろしく。」
「ツェルプストー…そういえばルイズが口にしていた名だ。
…そうか、貴様の事だったのか。ルイズに召喚されたとき、あの場にもいたな。」
「えぇ、驚いたわよ。使い魔召喚の儀式で人間が現れるなんてびっくり。」
「俺も驚いた側だ。気づいたら見知らぬ場所にいたのだからな。」

他愛の無い会話。だがキュルケからすれば少しの安堵が生まれた。
(なんだ、話してみればそんなに異常な男でもなかったか。
変に考えてこんでた自分が馬鹿みたい。それに…結構いい男)

「ねぇ、ルイズって私の事何か言ってたでしょう?」
「ふむ…悪口というわけではないが、貴様の事を例にだすことが幾度かあったような気がするな。」
「私はこのトリステインじゃなく、隣国のゲルマニアの人間なの。
そしてルイズの家の領地と私の家領地は国境を境にすぐ近くなのよ。で、先祖代々…まぁいろいろあって犬猿の仲なのよ。」
「ほう…それでルイズは貴様をライバル視しているというわけか。」
「そゆこと。さて、医務室についたわよ。」

事情を説明し、ルイズをベッドに寝かせて海馬とキュルケは医務室を後にした。

「では、俺はこれで。ここまでの案内、感謝するぞ。」
「って、あなたはどうするのよ?ルイズの部屋に戻る気?」
「いや、少し気になることがある。少し散策して、朝には戻る。」
「あら、そう?」
「ではな、ルイズが世話になった。」

話も聞かず学生寮から離れていく海馬。

「なんていうか、変わった使い魔を召喚したものね。ルイズは。」










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