あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ

ゼロの社長-03




所変わって、ここはトリステイン魔法学院内にあるルイズの部屋である。



強引かつ強制的な契約により,ルイズの使い魔となった(された)海馬であったが
ルイズとコルベールから一通りの説明は受けたものの、今の現状が全くつかめずにいたので、
とりあえず頭の中で整理する事にした。

(遊戯とのデュエルの最中に現れたあの奇妙な鏡。あれがこの小娘の言うところの召喚のゲートとやらであろう。それにしても魔法のある世界とは…。)

海馬は過去に自分が体験した仮想現実のことやドーマとの戦いのときに垣間見た
デュエルモンスターズの世界のこと、ファラオの記憶の中の古代エジプトのこと。

(感覚からすればデュエルモンスターズの世界に一番近いか…しかし、戻る手段が無いとは…)

コルベールの説明によれば、契約した使い魔を送り返す方法など無い。使い魔か主のどちらかが死ぬまでこの契約は続く、故に送り返す必要が無かったために
その魔法も全く研究されなかったという事である。

(なりゆきとはいえ、こう何度も異世界に飛ばされると驚きもなくなってしまうな。しかし、まずはもとの世界に戻る方法を探さなくては…。)
「あーもうっ!黙ってないでなんか喋りなさいよッ!」

海馬がまたもとの世界に戻る方法を考えはじめたころ、ついに沈黙に耐えられなくなったルイズが口を開いた。

「説明してるときも『ふぅん』だの『ほぉ』だの『なん…だと…』だの偉そうな態度で聞いてるかと思えば、
説明が終わるったあとはずっと黙りっぱなしでなんかずっと考えてるし!
あんたは…っそ、その…わたしと契約したんだから、私の使い魔なのよ!
私がご主人様であんたは使い魔!使い魔なら使い魔らしく、私のことを無視してずっと考え事なんてしてないでよ!」



ぜーっ…ぜーっ…と勢いよくまくしたてるルイズ。しかし目前にいる海馬はといえば、

「勝手なガキだ。一方的に呼びつけて強引にこんなものを刻み付けるのを契約とは。
身勝手にもほどがある。俺は貴様の使い魔になど、なった覚えも無ければするつもりも無い。」

つまらなそうにルイズを一瞥してはき捨てるように言う海馬。
最も彼の言い分は正しい。強制的に連行しもといた場所には一生戻さない。お前は永遠に自分の下で働け。
使い魔召喚とは人間を相手にしてみればこういうことを言っているのと同義である。
普通なら納得できるはずが無い。しかしルイズからしてみれば、自分がせっかく成功させて召喚した使い魔が、
自分の言う事を聞かずに反論してくる状況に納得は出来ない。

「何言ってるのよ!そのルーンが契約の印!それが刻まれている以上あんたは私の使い魔なの!」
「ふん。俺は、いや、たとえお前が別の何かを召喚したとしても、殆どの者がお前には従わん。身の程を知れ!」
「なっ…なっ…?」

ルイズは過去、自分の事を馬鹿にされた事はあれど、ここまでの侮蔑を受けた事は無かった。
それゆえに海馬の発言に言葉を返す事が出来なかった。



「他者の上に立つということは、自分自身の力量だけでなく、頭脳の回転の速さ、人望などが必要だ。
貴様のようにギャ-ギャ-とわめくだけで何を示すでもなく主を名乗る、そんな子供になど誰がついてくるものか!
ましてや,俺は他者の指図など受けん!」

ルイズは絶句した。
いや,反論しようにも言葉が出ない。平民にここまで言われて、
「平民の癖に、貴族に対してなんて口の聞き方を!」と反論しようにも、貴族としても自分は魔法を成功した事が無い『ゼロのルイズ』
その程度の実の無い反論では同じことで論破される。
それでも,目の前のこの男に対して何とか言葉を紡ごうとしてもまとまらない。
言葉にできない。
むしろ恥かしいとさえ思えてくる。自分は使い魔との契約を軽軽しく見ていたのではないか。
召喚さえできればあとは勝手に使い魔が動いてくれる。
そんな風に考えていたのではないか。

違う

メイジにとっての使い魔は『一生の僕であり、友であり、目で耳である』
そう,一方的な奴隷ではないのだ。
(それなのに…私は…っ!)
知らず知らずの内にルイズの瞳からは涙があふれていた。
自分のメイジとしての力量の無さに。
自分の使い魔に対する浅はかな考えに。
どうすればいいのかわからない悔しさに。



「どうすれば…いいのよ…?魔法が成功しないから…一生懸命勉強したっ!
それなのに!魔法は成功しない!成功率『ゼロ』!『ゼロのルイズ』!
クラスのみんなにも馬鹿にされてっ!せっかく召喚した使い魔にまで拒絶されて!それじゃあ私はどうしたら良いのよっ!」
涙に濡れた顔をぬぐいもせず海馬に食いかかるルイズ。
わからない!どうすればいい!誰か答えて!おしえてよ!
私はどうすればいいの!?



「なに勘違いをしている?」
「ふぇ」
「貴様は今、魔法が成功しないといった。では、どうしてこの俺がここにいる?
それは貴様の召喚魔法が成功したからではないのか?」
そうだ。
ここに海馬がいる以上、ルイズのサモンサーヴァントは成功している。
そう、ルイズの魔法は成功しているのだ。

「私の…魔法…?」
「俺はこの世界の魔法とやらの知識は無い。だが、俺がここにいる以上、貴様の魔法は成功しているのだろう?
俺にとっては迷惑この上ない魔法だが、成功した以上、お前は『ゼロ』ではないだろう。」
「私は…ゼロじゃ…ない?」
「少なくとも1は成功した。ならそれが2にならないとどうして言い切れる?
貴様は既にゼロではない。ならば次はさらに前へと進むのみだ。
全力で、貴様の目指す未来へのロードを突き進め。そして,前へと進む気があるのならば…」

海馬はそこで区切り,ルイズを正面から見据え

「俺は貴様を助けてやる。怠惰に現在を食いつぶし、我侭を言うだけのガキには興味は無い。
が、貴様は既に目指す場所を見つけているのだろう。そして貴様の進む道のりに、
俺の力が必要だというのなら、俺は力を貸してやる。
俺は貴様の『使い魔』なのだろう?」



まっすぐな瞳で見つめてくる海馬
そう、海馬は確かにこの理不尽な契約に怒りを覚えていた。
だが、決して海馬はただの自分勝手な男ではない。
異世界に召喚され、使い魔として契約させられる。それだけでも怒りを覚えるというのに、
その主と言い張るルイズは、何を示そうともしない。
そんな一方的な押し付け、子供の我侭に付き合っている暇などない。
…だが、もしルイズが自分で道を歩こうとするのなら。
そこに自分の手が必要とするのなら。



いつのまにか止まっていた涙
ルイズはその瞳に答え、まっすぐに海馬を見つめ

「我が名は、ルイズ・フランソワーズ・ド・ル・ブラン・ラ・ヴァリエール。」

そう、これこそが本当の使い魔との契約。
同じ道を進み、同じ未来を見据えるもの同士の契約。

「五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我が使い魔となせ」

その呪文とともに口付けをするルイズと海馬。

ルーンは既に刻まれている、故に肉体的変化は起こらない。
だがそれでも、ルイズと海馬の間に小さな、目には見えない絆という契約が生まれたのだった。

「これからよろしくね、セト!」
「いいだろう、ルイズ。元の世界に戻るそのときまで、貴様と共にいてやろう。」






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